2025/03/22 - 2025/03/22
101位(同エリア496件中)
さっくんさん
私は実は大の出不精なのだと思います。コンスタンスにイスラームの旅に出ているのは、それはイスラームの持つ魅力に私が憑りつかれているいるから。嘗て国内の現存天守閣を全て周ると言うテーマも6つ巡ったままで止まったまま。旅として都外に出たのは12年前、関東県外に至っては16年も前になります。
どうしてそんな事になったのでしょう?インバウンドの外国人がうじゃうじゃいて鬱陶しい。仕事が出向く仕事で移動ばかりで旅に出る気力を失うとか色々ありますが、最大なのは国内の旅に、一人旅の寂しさを痛感してしまったからだと思います。便利になった事は良い事ですが、電車も食事もホテルさえも機械でやりとり、やろうと思えば一言も発する事無く旅が完結してしまう。果たしてそれが楽しいのでしょうか?疑問に感じた時、私の国内の旅の時は止まってしまいました。
そして昨今国内の過去記事を書き溜めていると、眠っていた気持ちが目を覚まし始めました。しかし未だムズムズしている出不精な私。四国は四つ城があるから纏まった日程が必要。弘前と丸岡は単体だとそれ程惹きつけられない…なんてネガティブな思考に陥ってしまいます。
そんな中、興味を持っていた公演が千秋楽を迎える事に気付きました。歴史好きな私にとって前田松と北政所のカップリングで演じられる物語にも興味がありましたし、何と言ってもファンである吉岡里帆さんが演じられているのです。でも、能登震災復興祈念と言う事で…遠い…。
でも、能登と丸岡はリンクします。新幹線も開通し行き易くなりました。それにこの機会を逃したら、吉岡里帆さん演じる前田松は二度と見れません。今行くしかないでしょ!
吉岡里帆さんに背中を押して貰う事によって、漸く私の泊まっていたテーマは動き出しました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 新幹線
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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東京駅から北陸新幹線に乗車します。新幹線が敦賀迄伸びた事で丸岡城までの道程がぐっと近づきました。かたや、昔はいい旅チャレンジとか好きな方だったし、廃線寸前の様な路線に憧れを感じていた人間なので、味気無さも感じます。
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え?っと驚く程あっと言う間に長野を通過。昔ながらスイッチバックしながら、峠の釜めし頬張りながら、のんびり碓氷峠を超えたものですが、今となっては信越本線自体が無くなってしまいました。長野を超えると遠くの山に未だ雪が被っています。
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車窓から印象的な形の雪を被った山が見えました。有名な山なのでしょうか?地図を見れば有名なスキーリゾートが林立する一帯、なる程雪深い訳です。
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福井駅に到着しました。北陸新幹線開業に伴い駅前が再開発されたのでしょうか?機能的かつ美しいデザインです。バスターミナルが真円です。此処から市バスを長矩します。
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え?動いた!動きました!子供みたいに車内ではしゃぎそうになりました。いやぁビックリしますよ!ベンチにお座りの方も同様の様です。
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早速天守閣に向かいます。丸岡城は平山城で、縄張りは連郭式です。連郭式とは団子さん兄弟の様に一列に本丸、二の丸、三の丸と縄張りが張られている様式です。この縄張りだと本丸の三方が外部へ隣接してしまいますが、丸岡城は平山城なので、三方は崖などの自然の要害で縄張りが張れないし、敵襲も無いと言う理由で連郭式の縄張りとなっています。
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此方は戦国時代より遥か昔の遺跡の石棺です。
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此方は八幡神社。明治時代の廃城令で一時期廃れてしまいましたが、時と共に地元の人々の手により復活しました。
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さあて、現存12天守閣の一つ、丸岡城の天守閣です。
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此方の慰霊碑は、歴史ある城あるあるの人柱伝説による被害者の慰霊碑です。お静と呼ばれる片目の未亡人が、子供を侍として取り立てて貰う事を約束に人柱になったものの、約束は反故にされ、その恨みで卯月になると堀は溢れ返り、人々は「お静の涙雨」と呼んだそうです。同じ現存天守閣の松本城や松江城の亡霊の様に狂暴では無い様で涙を誘います。
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丸岡城は織田信長が一向一揆を抑える為、北陸に赴任した柴田勝家の支城として、勝家の甥、勝豊が築城し城主となりました。支城なので規模としては小さな城です。
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さて、城の外観を眺めて、見た事がある!と思った方はいませんか?五十代以上の方なら見た事があるかもしれません。千葉真一さんが主役を務めた「戦国自衛隊」のロケ地となったのです。映画では上杉謙信の居城春日山城の設定でした。しかし現存天守閣をアクション映画のロケに使うとは、昔は無茶苦茶やったものです(笑)
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縄張りを含めた丸岡城の模型が展示されています。
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現存天守閣ならではの、現代の安全基準を全く無視した角度の階段です。最早怪談かよと思う程の角度なので、綱を頼りに階上に登ります。
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足を踏み外したら無料では済まない角度です。
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先に丸岡城は現存天守閣と書きましたが、実は丸岡城は一度倒壊しています。1948年福井地震によるものです。しかし不幸中の幸い詳細なデータが残されていた。焼失では無かったので、殆どのパーツが残されていた事から、奇跡的な復活が叶ったので、現存天守閣扱いになっています。
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しかしそれだけでは城は復活しなかったと思います。城に入城する前に、ボランティアのおじいちゃんに説明とビデオを拝見しましたが、地元の人々の熱い想い。これが無かったら決して復活に至らなかったと思います。
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城なんて再建しても生活に何の役にも立たないと思うかもしれません。我々の復興の方が優先だろ!と思う人もいるかもしれません。でも福井の人々、取り分け丸岡の人々は、地元の誇りとして大切にしてきた丸岡城を復元する道を選んだのです。それも崩れた材料をっひとつひとつ選別して、補修して。あの時代なら、コンクリートで作り直せば良いやとなっていたとしてなにもおかしくありません。多くの城がコンクリートで再建されています。しかし丸岡の人は誇りを守るべく、困難な道を選びました。そのおかげで、現存天守閣として私は訪問できています。丸岡の人々に感謝しなければいけません。敬意を払わなければいけません。
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被災、戦災からお復興は、単に元の生活を取り戻すだけでは完結しません。其処に暮らす人々が誇りに思っているものを取り戻せなければ完結しないのです。アメリカの侵攻以来深く傷ついたイラクは着実に復興に励み、紙幣にも描かれる彼等の誇り、サーマッラーのミナレットの修復作業が始まりました。またウイグルのムスリムや、ヒンズー教徒に囲まれて暮らすインドのムスリム等、自らの状況が危うい地域に暮らすムスリマ達は、平和な地域に暮らすムスリマより、より保守的な衣装を身に纏っていました。
イラク、サーマッラーの旅
https://4travel.jp/travelogue/11945553
カシュガルへの旅
https://4travel.jp/travelogue/11769666 -
つまり、人々は自らに危急な状況が迫った時、人々は縋れるもの、誇りに思うものを常時以上に大切にし、守ろうとするのです。そえが例え具体的に効果があるものでは無いにせよです。誇りに思うものを失っては精神的に立ち直れなくなる、それが人間と言うものです。
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2011年11月、紛争も迫ったマリのトンブクトゥを目指しました。不幸な事に私がマリの首都バマコに到着したその日に、トンブクトゥをアルカイダが襲撃、数人の旅人が拉致され、死傷者も出ました。マリ政府は観光客を全て撤収させ道を閉鎖しました。諦めきれなかった私は、我儘を言い、軍人を警護につける約束でトンブクトゥを訪問しました。
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バマコに凱旋した私を、現地の旅行社のボスは私を自宅に招待してくれました。私は彼に尋ねました。どうして私の我儘を聞いてくれたのかをです。危険だと答えればそれで終わる話題。採算の合わないだろう一人旅の私を、政府が閉鎖している以上リスクさえあるだろうに、どうして私をトンブクトゥへ導いてくれたのか私は解らなかったからです。
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彼は言いました。私の国は貧しいですが、とても貴重な歴史的見所に恵まれています。私はそれを紹介するこの仕事に誇りを持ってきました。でも戦争が始まれば全てがオシマイです。こんな事が起こりキャンセルばかり、そんな中どうしても行きたいと言う貴方に、私が誇りに思っているものを見せてあげたかった。
二人ともボロ泣きでした。やはり人は三度の飯と同じ様に、誇りが無ければ生きていけないのだと思います。丸岡城を復活させた丸岡の人の地元愛、非常事態のトンブクトゥへ導いてくれたマリの旅行社のボスの地元愛。そしてこれから観劇する能登演劇堂の舞台も同じ事。心して見ないとと背筋が伸びました。劇を見るだけに留まらず、能登の人の誇りを観させて頂きます。
トンブクトゥへの旅
https://4travel.jp/travelogue/11207470 -
舞台「まつとおね」プロヂューサー始め、二人の演者さん、スタッフ一同、演劇なんてやって良いのか?不安で、手探りながら能登に入ったと述べています。演劇が行われる能登演劇堂は仲代達也さんと彼の運営する無名塾と能登の人々との繋がりから生まれた素晴らしい演劇堂です。能登に暮らす人々にとって誇りであるに違いありません。
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しかし、今回の震災で演劇堂自体大きく破損してしまいました。自分達の復興もままならない中、能登の人々は演劇堂を復活させました。でも演劇堂は建てただけでは完結しません。劇が行えなければ意味が無いのです。七尾に縁のある近藤由紀子プロヂューサーの下、そして吉岡里帆さんと連佛美沙子さんがその大役を務める事になりました。
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吉岡さんの言葉を借りれば、「復興の狼煙になれれば。」いえいえ大きな大きな狼煙であり、能登演劇堂の劇の再始動は、能登の人々の誇りを守る、為さねばならない事であったと思います。誇りと生活、その二つが合わさって、本当の復興だと思います。
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そしてその狼煙は能登の人の誇りを守るだけでは無く、正に狼煙となって、国内旅行出不精の私まで能登へと導いてくれました。
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被災、戦災から復興を遂げようとしている人々にとって、一番哀しい事は忘れられる事では無いでしょうか?そんな中、二人の演者さんの挙げた狼煙は本当に素晴らしい事です。時代は情報化社会になり、どんな悲惨なニュースも日々更新されるニュースに埋もれ、やがて人々は忘れてしまいます。私もそんな一人です。
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ニュースではウクライナ紛争に纏わるニュースが日々更新されます。そんな中全く報道されない、まるで見捨てられているかの様な紛争地、復興を遂げようとしている国がどれだけある事でしょう。マリ、イラク、ミャンマー、イエメン、パレスティナ、アフガニスタン…挙げだしたらキリが無い。誰も気にしない。触れようとしない。悔しくて唇噛んで…。
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何も出来ないかもしれません。でも、知る事が一歩です。大きな一歩です。そして伝える事。そんな想いで私は旅を続けています。
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井戸がありました。大抵古城の井戸には伝説があります。当然丸岡城にも伝説が残ります。以降一揆の軍勢が丸岡城に襲い掛かると、この井戸から大蛇が登場して霞を吹き出し城を守ったと言います。この事から丸岡城は霞ヶ城と言う別名があります。
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古式の野面積みで積み上げられた石垣。
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古式と侮ってはいけません。排水性は此方の方が良いのです。降雨量の多い地域では野面積みに軍配があがります。
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石垣を登る敵が足掛かりを得やすいのは野面積みの欠点かも。でもこれも古式ながら石落としも装備されています。
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小さいながらも素敵な城ですが、書きそびれましたが、瓦は石製で、これは全国的にも珍しいです。もしかすると防寒対策(普通の瓦は寒冷地では割れやすい。)なのかもしれませんが、重量が増えるので頑丈な地盤じゃないと使えない材質です。
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柴田家の家紋と一緒に。
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丸岡城のチケットで入場できる一筆啓上、日本一短い手紙の館を訪問しました。
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本多重次が陣中から妻に宛てた「一筆啓上、火の用心」から始まった家族や友人に送った短文の手紙が紹介されています。
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館内には全国から贈られた短い手紙が紹介され、読んでいるとホロリとなる事間違いないです。短いからこそグッとくる。短いからこそ其処に秘められた筆者の想いに想いを巡らせられる。最初は軽い気持ちで訪れましたが、読んでいるとグッときてしまったり、吹き出してしまったり、人々の優しさに満ちた素敵な資料館でした。
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私のテーマ、現存十二の天守閣、7つ目の訪問となりました。そしてそれだけでは無く、この城も被災から復興を遂げた城、今回のもう一つの大きな目的、能登復興祈念の演劇に大きくリンクしています。さて次は翌日能登に向かう為、金沢に移動し、まつのゆかりの地金沢で予習を行おうと思います。
最期迄ご覧になって下さり、ありがとうございました。
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