2010/11/01 - 2010/11/02
88位(同エリア264件中)
さっくんさん
2010年に訪れたカシュガルの旅行記を書くに当たって現在のカシュガルの現況を調べて、あまりの胸糞悪い現実ばかりで吐き気催す始末で…
折角旅の終着の記事なのに不快な記事になってしまうかと思います。先ずはお詫び申し上げます。
中には不快を感じる方もいるかもしれません。どうかそう感じたらブラウザバックお願いします。
PR
-
汽車は闇を抜けて最果て目指す♪
銀河鉄道999は私の旅にも多大な影響を与えた作品です。永遠の命を持つ機械化人に母を殺された少年鉄郎は、復讐を果たす為、機械の体を提供する星へ母と瓜二つの謎の女性メーテルに導かれ銀河鉄道999に乗って旅立ちます。機械の体を得て永遠の命を手に入れる旅の中、鉄郎は機械化人の抑圧を受けながらも懸命に生きる、大勢の限られた命の人達に出逢い、こころを揺さぶられます、そして…と言うのが大まかなストーリーです。 -
私がバックパックを背負って発展途上国を世界中旅していると、やたら銀河鉄道999を思い出す時があるんです。ある日原作者の松本零士さんのインタビューで、彼の若かりし頃のアジアやアフリカの旅が作品に投影されていると知って、なるほど合点した次第です。
-
今回の旅は鉄道メインの旅なので余計銀河鉄道999を思い出します。逆境に堪えながら懸命に生きているウイグルの人々も、作品中の物語に被ります。
-
物語では鉄郎は終着駅で大きな決断と決別が待っています。私の旅の終着駅では何が待ち受けているのでしょう?
-
遂に今回の旅の終着駅に到着しました。
-
カシュガルに暮らすウイグルの人の心の拠り所、エイティガル・モスクです。この光景を見た時ショックでした。普通モスク前は日本の寺院の門前町みたいにスークや屋台等で賑わっているのが普通ですが、何も無い…。これはチベット・ラサのポタラ宮の前も同様でした。以前はポタラ宮に勤める高官の居住地だったのですが、今では天安門広場の様な何も無い広場となっています。ラサにしろカシュガルでも、そこに暮らす人々の心の拠り所を改変する様な行為には…以降の言葉は自主規制します。
-
気を取り直してカシュガルの街を散策します。行き交うウイグルの人を見て胸を撫で下ろします。
-
串焼き屋さんを発見しました。
-
取り敢えず頂きます。
-
此方のラグメンはきしめん風。
-
愉快な店員トリオでした。
-
カシュガルではウイグルの人々も驢馬では無く原付に乗ってました。
-
素敵なナン屋さんです。
-
モスク等宗教関連の施設の殆どは現在ではカフェ等に改装されてしまい、更にムスリムが禁止されている酒類を販売する様に強要されているのだそうです。
-
チベットのポタラ宮も王宮としての機能は剥奪され、今となっては客寄せパンダの様なものとなってしまいましたが、カシュガルの宗教施設も同じ道を辿っている様です。
-
つまり、各々のエキゾチックな外観だけを残し、中身を取り上げ、ハリボテ化し、観光用として利用する。異文化のテーマパーク化が進行しているのです。
-
イスラームのシンボルが青空に映えます。
でも、現在では、この様な宗教的シンボルは全て撤去されてしまったそうです。 -
こんなところに観覧車が!ドヨ~ン
まぁ気を取り直して街を俯瞰してみましょう。
ロンドン・アイとかもやめて欲しかったです(涙) -
カシュガルにも中国資本がどんどん押し寄せているのを痛感させられました。
-
あれ?一部だけ色合いの違う一帯があります。
-
ズームアップします。どうやら日干し煉瓦の住宅群の様です。
-
早速行ってみましょう。
日干し煉瓦造りの旧市街にテンションが上がる一方、取り残されたかの様に意図的な残され方に違和感も感じました。 -
高台民居と呼ばれるその地域は、結論から言うと素晴らしい旧市街でした。中東に繋がる様なイスラーム建築法に乗っ取った風情のある日干し煉瓦造りの旧市街。しかしどうやらこの風景は過去のものとなってしまった様です。
-
幾つかの動画やサイトを閲覧しましたが、高台民居は伝統的な日干し煉瓦の家屋が取り壊され、歴史的考証の伴わない旧市街風テーマパークに変えられていました。入り口には如何にもテーマパークなゲートが建てられている始末です。想像してみてください。貴方が暮らす住宅街が、観光客向けのテーマパークに変えられたら…。
-
それだけではありません。モスク等の宗教のシンボルは取り上げられ、その変わりに国に忠誠を示す為各々の家に国旗掲揚を強要されます。至る所に監視カメラとプロバガンダ。只の再開発では無いって事は明白に伝わってきます。
-
更に住民はイスラームらしい長い髭は禁止、イスラーム御法度の酒を店に置く様に強要されたり、更にはやはり御法度の豚肉を食べる様に強要されたり…。
因みに至るところに公安が彷徨き、旅人も怪しまれれば、カメラやスマホ、PCのデータをくまなくチェックされ、不当と判断されると問答無用でデータ削除されるなら未だマシ、最悪拘留される危険すらあるので恐ろしい事です。 -
そして極めつけにウイグル族は観光客向けにテーマパーク件彼等の住宅地の前に建てられたゲート前で歓迎の舞踏を踊らされるのです。
経緯を知らぬ観光客はエキゾチックと感じてしまうかも知れませんが、真実を知る人間にとってそれは余りにも残酷な民族浄化ショーです。 -
あの時感じた私の悪い予感は悪い意味で当たってしまいました。いやそれは私の想像を遥かに上回るものでした。
私は此処を訪問した時告げられた、忘れられない言葉があります。 -
それは私が熱中して此処の風景を写真に納めている時でした。私はとある女性に声をかけられました。不味かったかな…と思っていると彼女は正反対の言葉を発しました。
-
「この風景をしっかり写してください。記憶してください。今、カシュガルは急激に変えられてしまっています。もし貴方が此処を再訪出来たとしても、もう同じ風景では無いでしょう。どうか、忘れないでください。」
-
私はその時彼女が抽象的不安を述べているものとばかり感じていました。でも違っていたのかもしれません。もう当時、計画は決まっていたのかも知れないのです。何か…銀河鉄道999の哀しいエピソードがいやようにも被ってしまいます。今も慟哭に近い彼女の声色は私の脳裏に残っています。
-
残念ながらオリジナルの高台民居は二度と見れない風景となってしまいました。
-
ユスフ・ハズ・ジャジェブ廟に赴きました。
-
カシュガルでカラハン朝の大侍従になった ユスフ・ハズ・ジャジェブの墓です。
-
此方が墓室、イスラームの伝統様式です。
-
イスラームらしいひとこま。
-
小学校だと思います。
-
見上げれば窓から注目されてました。
-
旧市街に戻りエイティガル・モスクに向かいます。
-
エイティガル・モスクの前に戻って来ました。
-
写真で良くこの構図を見ますが、実はこの部分、門の様な役割で、モスク自体の奥行きは思った以上に広かったです。
-
この美しいカリグラフィも安普請な共産党のプロバガンダにすり替えられてしまった様です。
-
ミフラーブはとても質素です。
-
今では内部には幾つもの監視カメラが設置されているそうです。
-
Every breath you take
Every move you make
Every bond you break
Every step you take
I'll be watching you
熱烈なラブソングに思わせて、実は監視社会を皮肉った Police の名曲です。 -
イマーム等宗教関係者はパスポートの申請も受け付けて貰えないから、国を出たくても出れないのだそうです。
-
彼等の本来の東トルキスタンの旗を持っていたら即逮捕だそうです。
-
宗教的に豚肉食べられ無い人に、無理矢理豚肉を食べさせる嫌がらせなんて今時小学生すら笑われる低能さで草生えますね。
-
モスクの脇の職人街に向かいます。
-
楽器屋さんです。
弾いてみたいなぁ。 -
名産の瓢箪が軒に並びます。
-
こんな素朴な光景もいつまで保っていられるでしょう?陳腐なテーマパーク化して欲しくありません。
-
幾ら外見だけ整えても中身の魂が失われては、気の抜けたコーラの様に味気無いものになってしまいます。
-
イスラーム帽屋さんです。今回の旅ではウイグルと中国、双方の入り交じる文化や歴史を学ぶ旅でもあったので、そのどちらかの民族の衣装等は封印してきましたが、此処まで来たらもう解禁です。好みの帽子を探して早速被りました。
-
ナンも買い込みましょう。
-
二瘤駱駝さんがいました。
-
アパク・ホージャ廟を訪れました。
-
イスラム教白帽派の指導者、アパク・ホージャと その家族が眠る墓です。
-
美しい廟です。
-
ウイグル族の別嬪さん二人組。
ウイグルの人は本当美男美女が多いです。 -
中西亜国際バザールにやってきました。
-
トルファンとクチャでは曜日毎のバザールでしたが、カシュガルは固定でバザールがあります。
-
この陳列もイスラーム伝統のものです。
-
でも、こんな風景を見れるのも後僅かかもしれません。わたしはチベットも訪れましたが、ウイグルもまたチベット同様激しい抑圧を受けています。同化政策により、各々の言語の教育は禁止され中国語で教育を施されます。世代が進めば、各々の民族は各々の言語を失い、民族のアイデンティティは失われてしまいます。勿論国はそれを企んでいるのでしょう。
-
でも、その野望は中途潰える事になるでしょう。ユダヤ教、キリスト教、そしてイスラーム。仏教しかりヒンズーしかり…それらは何年生きているでしょう?
それに対して国の寿命は?中国はこれまで何回王朝が変わりましたか?世界中見渡しても同じ事です。
宗教とか文化の命は国の寿命より遥かに長いのです。
そんな低俗な権力者共にはこの曲を捧げましょう!
Live and let die!
ガンズもカバーしたポール・マッカートニーの名曲、邦題「死ぬのは奴等だ!」です(笑) -
国が興亡を繰り返す傍ら、宗教や文化は滔々と受け継がれてきました。そしてそれは歴史が証明しています。暴力で人を屈する事は出来ても、暴力で人の心の奥底を変える事は出来ません。中国が、アメリカが、日本が、形を変えても、彼等の宗教や文化は生き続ける事でしょう。
اللّٰهُ أَكْبَر -
ポロと羊肉。
-
毎度食べてるド嵌まりメニューのラグメンの味付けも、最早ウズベキスタンで食べた味に近いです。
-
カシュガルを発つ時が来ました。
シリア紛争に於けるパルミラ遺跡の幾つかの神殿、ダマスカスのウマイヤ・モスクのある風景。
イエメン内戦で爆撃に曝されたサナアの風景。
マリ内戦で破壊されたトンブクトゥのシディ・ヒサヤ・モスクのある風景。
ナゴルノ・カラバフ紛争で激しい戦場となったシュシの風景。
最早私の記憶の中でしか見れなくなってしまった風景。
どうやら当時のカシュガルの風景もそれに加えなければいけない様です。とても、とても、哀しい事です。 -
当時は、抑圧の中、懸命に生きるウイグルの人々を想い、とても切ない想いで飛行機に乗り込んだのですが、今はもう二度とカシュガルに行くつもりはありません。テーマパーク化したハリボテを、公安に見張られながら歩くなんて、想像しただけで湿疹だらけになりそうですから。
-
今、万感の想いを乗せて飛行機は飛び立ちます。
脳裏に敬愛する詩のの一節が流れます。(原文載せちゃ駄目なので意訳)
飽くなき欲望を満たしながら、我々は血まみれの行為を正当化してきました。
運命という名の下に、神の名の下に
日曜日の朝、貴方は目にするでしょう
人々が立ち上がり、自らの土地を称えるその姿を
誰もがその場所を楽園と呼ぶけど、私には何故だか理解出来ません。
貴方達が楽園と呼ぶそんな場所とは、私はキスをして、そしてサヨナラです。 -
ウルムチはもう高層ビルが乱立する大都会です。
-
上記の詩はイーグルスの至上の名盤Hotel California の最後を飾るLast Resort の一部分です。イーグルスと言うアメリカを代表するミュージシャンが、アメリカ建国200周年間近と言うアメリカ人なら誰しも過去の栄光を振り返るだろう、そのタイミングでアメリカと言う国の成り立ちに一石を投げる様な歌詞を持つ曲を発表した事は大きな勇気が必要だったと思うと同時に大きな意義があったと思います。これぞロックです。
-
ギター持ってくれば良かったかな?頭の中ではChinese Democracyのリフがラウドに鳴り響いています。だって私ロックの大ファンとして、弱い者虐めする様な連中の嫌がる音楽かき鳴らしたくなります。でもやっぱりこのバンド、IZZY がいた頃が一番好きです。AXL最高!
-
バザールを発見しました。
-
私の旅の中には何時でも音楽があります。最高に楽しい瞬間も、どんな辛いものを見た後でも。中でもディランのKnockin' on Heaven's Door。何て言っても3つのコードだけでなので、どんなにラリっててもちゃんとキマります。オーストラリアのパッカーズには必ずアコギが置いてあって、毎夜Victoria Bitter片手にドンチャン騒ぎ。字の通り相乗りして大陸一周したのは良い思い出です。(パッカーズのロビーにて車で一周してる旅人がガス代ワリカンで相乗り募集しているので簡単に相棒が見つかる。(当時))
-
そして天国で始まった宴は、天国で終わります。
To be a Rock and Not to roll
それにしても当時流行っていた「あいのり」と言うテレビ番組はまるで我々オーストラリアを一周していたパッカーをパロったものだと思っています。オーストラリアは北部や西部は街も、バスの本数も少なく、やるべき事は恋するくらい(笑)そんな場所で偶然出逢った日本人の男女…。嗚呼私にもメジャーな国で青春していた頃があったのです。Bryan Adamsでも聞きながら思い出したいあの頃、でも今回は貴重ながら胸が痛い旅先です。脳裏にはディストーションと言うより、ファズの効いたギターのリフが響いています。black sabbathのwar pigのあのリフが…。ウクライナ紛争を巻き起こしたあの老害を筆頭に地球上で戦争を企む輩全てに捧げたい一曲です。 -
コンビニエンスストアです。中国では思わず
「そのまんまやんかぁ!」
とツッコミ入れたくなる程ド直球なネーミングが多いですよね。
昔本屋さんで「週間百姓」って雑誌見た時、もう腹が捩れて倒れそうになる程笑いました。表紙は菅笠かぶった笑顔が素敵な農家のおじいちゃんでした。
もうちょっと素敵な題名あると思うのですが… -
ウルムチでも食べるはラグメンです。此処では珍しくかき混ぜられた状態でサーブされました。
-
当時は不安で弾けそうな面持ちで天山山脈を眺めつつカシュガルを後にしましたが、あの頃のカシュガルはもう…。
最後までご覧になってくださりありがとうございます。気を取り直して最後は北京でトランジットです。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
喀什(中国) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ シルクロードの旅
0
80