早朝から楽しめる福井散歩＆健在！北陸の雄「サンダーバード」の旅路【北陸新幹線敦賀延伸の旅その９】

2024/03/17 - 2024/03/17

　北陸新幹線・延伸開業記念の旅。開業に沸く県都・福井で迎えた、開業２日目の朝。福井城址は朝から解放されていて、早起きの旅人も散歩を楽しむことができました。
　朝のうちに就いた帰路では、昨日から新幹線アクセス特急に転じた「サンダーバード」に乗りました。走る距離はぐっと短くなりましたが、見所は健在。北陸の雄は、決して消え去ったわけではありませんでした。

エリア 敦賀(福井)

• 旅行の満足度: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: JR特急 私鉄
• 旅行の手配内容: 個別手配

　疲れているはずなのに、６時には目覚めてしまいました。遅くまで寝ていられる朝は貴重なはずなのに、育児のタイムラインは１日くらいじゃ体が忘れてくれません。
　福井城址には行政機関が集まっていることもあり、山里口御門も７時にはオープンしていて見学できました。広場では２日目のイベントの準備中。１００年に一度の熱気は続きます。

福井城址 名所・史跡

　福井駅高架下の商業施設も、７時からオープン。

　味気ない気はしたけど、新しい福井駅を感じたくて、高架下で「朝マック」にしました。
　オープン記念に次回のコーヒー無料券を貰ったけど、この店限定。お隣のご婦人方にプレゼントしたら「いい１日になった！」と素直に喜んでもらえました。こちらこそ、いい１日のスタートになりました。

　デッキから新幹線を眺め…

福井駅 (福井県) 駅

　在来線「ハピラインふくい」に乗ります（笑）。昨日買った並行在来線３社のフリーきっぷは２日間有効なので、今日の帰路でも有効利用できます。

　昨日の並行在来線は大混雑でしたが、今朝はまだ７時台、しかも県都発とあって余裕がありました。関西の新快速と同等のサービスレベルの521系電車なので、座れれば至極快適です。

　北鯖江駅の横には、住宅火災の跡が生々しく残っていました。２月１２日に起きたもので、当時の北陸本線の特急も６時間に渡って不通に。北陸の支援に向かっていた、僕の職場の人も足止めを食らいました。
　沿線との「距離」がある新幹線なら、この程度の沿線火災では運休にはならず、新幹線開業のメリットはスピードだけじゃありません。

北鯖江駅 駅

　電車の中から視力検査（笑）。

　一昨日まで１時間に３本の特急が行き交っていたハピラインの線路は、整備が行き届いていています。しかし交差する新幹線の線路は、より立派です。
　トンネル上の山までガチガチに固められ、少し痛々しくも感じられます。国土の大動脈とあれば、仕方ないことではありますが。

　ハピラインへの転換とともに大増発されたおかげで、朝の時間は、時間帯によっては１０分毎に電車が走ります。
　おかげで１駅途中下車する余裕が生まれたので、北陸トンネル手前の無人駅・南今庄で降りてみました。

南今庄駅 駅

　列車撮影が目的で降りる人も、多かった駅のようです。普通電車としては増発されたものの、特急は全廃された区間。撮影隊も、激減したろうと思います。

　２面のホームを構内踏切が結ぶ、最小限の設備の無人駅です。意外と歴史は古く、1962年、北陸トンネル開業に伴い廃止となった旧線の代替として設けられた駅だとか。
　集落からは離れ、周囲では水害の災害復旧工事が進みます。

　ハピラインの基準での「最小限」であり、ICカードリーダーや、列車の現在位置表示を装備。ＪＲ鹿児島本線の小駅よりは、よほど立派でした。
　１１分後の電車は混雑していて、補助椅子に着席。北陸トンネルの長い闇を抜け、終点・敦賀に到着です。

　在来線口の交流施設「オルパーク」２階では、大きなプラレールのイベントをやっていました。

敦賀駅 駅

　我が子を連れてきたら、喜んだだろうな…

　大阪方面に行くため、青のラインに従い、サンダーバードの乗り場を目指します。
　青＝大阪行きサンダーバード、オレンジ＝名古屋行きしらさぎという案内サインは、旧北陸本線各駅の乗降口の案内で使われたカラーを、引き継いだものです。

　敦賀終着の「つるぎ」に接続して、８分後に「しらさぎ」、１２分後に「サンダーバード」が発車するのが、１時間毎に繰り広げられる基本パターン。
　ホームはそれぞれ固定されており、３４番ホームが「しらさぎ」。

特急しらさぎ 乗り物

　そして３３番が「サンダーバード」の定位置です。停車位置も微妙にずらされており、双方の乗客が錯綜するのを防いでいます。
　メインルートで距離も長い「サンダーバード」の接続時間を短くした方がいい気もするけど、乗客数も多いので、余裕を持たせたのかも。

特急 サンダーバード 乗り物

　塗装こそ違うものの、同系の車両。乗り換えの時に間違えやすいので、地元のテレビでも詳細に紹介されていました。
　「しらさぎ」は、もう少しオレンジを強調した塗装に塗り替えてもいいかもしれません。ＪＲ東海の特急ぽくなってしまうかもしれないけど。

　幕式の列車種別表示が、今や新鮮。

　乗り換えの間に食事が調達できるよう、ホームには駅弁の自販機がありましたが、３月１７日９時３０分現在では品切れでした。

　当たり前ですが、一昨日まで走っていた金沢～大阪間の「サンダーバード」と、何ら変わりはありません。車内放送の前に流れる、「北陸ロマン」のチャイムもそのままです。

　新たな乗り換え駅・敦賀の案内は、車内でも徹底されています。

　新幹線からの乗り換え客はさほどではなく、ガラガラのまま出発しました。
　コンビニで買った北陸ビールを傾けつつ、北陸へ別れを告げます。

　巨大な新幹線高架の下を抜けだし、北陸本線へ。
　新幹線の線路が関西へと続く日は、いったいいつになるのか。関西と北陸の分断は、１日も早く解消せねばならない命題のはずですが。

　北陸トンネルと並ぶ、北陸・関西間の「関門」だった新疋田のループ線。北陸特急のみどころの一つは、残りました。
　ぐるり円を描く、旧来からの勾配の克服法。下り坂となる関西方面は直進しますが、交差する上り線に「難所」を感じます。

JR北陸本線 乗り物

　近江塩津から、関西方面へのショートカットルート・湖西線へ。

JR湖西線 乗り物

　車窓いっぱいに広がる大海原、じゃない湖面を眺めると、北陸へ向かうんだなぁと感じたものです。七尾に親戚がおり、九州人ながら小学生の頃から親しんできた車窓でした。
　わずか１時間半足らずのショートランナーになった「サンダーバード」にも、北陸特急の見どころは残されています。

琵琶湖 自然・景勝地

　これからも、北陸新幹線全通まで よろしく！
　敦賀から１駅も停車することなく、下車駅の京都に滑り込みました。

京都駅 駅

　子どもの通院で関東圏にはよく行くのですが、関西圏はなかなか立ち寄る機会がありません。北陸新幹線延伸記念の旅はここまでとして、残る短い休日は、関西の鉄道を楽しんでみます。
　話題になっている、京都駅嵯峨野線ホームの混雑を見物に来ました。
　「手裏剣をたどって正体を暴け！」。

JR山陰本線(嵯峨野線) 乗り物

　実はコレこそ混雑対策で、頭端式の嵯峨野線ホームでは、どうしても改札側に乗客が集中しがち。奥へと誘導すべく、嵐山側にフォトスポットを設けているのです。
　ストレートな「前すいています。」のサインもあちこちに。

　ぎゅう詰めだった電車も、忍者のいる場所あたりまで来ると、なるほど座席を見つけられるほどの空き具合になりました。
　嵯峨野線では混雑対策の増結が試行されているものの、奥まで行ってもらわねば効果はあがりません。あの手この手の作戦は、今後も続いて行くのでしょう。

　抜本的な対策としては「増発」こそ解なんだけど… コロナ禍での減便をなかなか元に戻せぬ現実も、またアフターコロナなのでした。