特別料金不要！上質な観光特急「京とれいん」【京阪間「特別車」のりくらべ その2】

2024/03/17 - 2024/03/17

　北陸新幹線延伸記念の旅の帰路、大阪と京都を結ぶ「特別車」を乗り比べてみました。第２ランナーは、阪急電車の観光特急「京とれいん」です。
　既存車両の改造、特別料金不要の大手私鉄の観光列車ということで、地元西鉄の「水都」レベルの列車を想像していましたが、いやぁ… レベチでした(笑)。

エリア 二条・烏丸・河原町(京都)

• 旅行の満足度: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 私鉄
• 旅行の手配内容: 個別手配

　雨の梅田を、阪急の駅まで歩いてきました。

大阪梅田駅 駅

　天ぷらまき、大阪に進出してたの！？ と思ったら、「天ぷら まきの」でした。こちらの方がずっと店舗数も多いみたい。

　阪急梅田駅の改札をくぐりました。マルーンカラーに身をまとったピカピカの電車が、頭をピタリ揃えて止まっています。
　なんだか、こちらまでピシッと背を正さねばならないような、独特の世界観です。

　そんな梅田駅の「中２階」的な位置に、タリーズコーヒーがあります。

　カウンタ―からは、ホームが一望。日本一の絶景のタリーズです。個人の感想ですが。

　コーヒー一杯でもいいし、タリーズなので軽食も楽しめます。行列ができたっていい店だと思うのですが、すんなり入れてしまうのが不思議でなりません。個人の感想ですが。
　以前は（たぶん）阪急系の喫茶店で、アルコール類も出していました。夜に、ほろ酔いで電車眺めるのも、また楽しかったことを覚えています。

　電車が着く度に、改札口へどっと流れて行く人波。急ぐ人たちを眺めながら、ゆったり飲むコーヒーは格別の味でした。
　西鉄福岡（天神）駅にも、こんなカフェがあったらなぁ…阪急は最大１０分待ちだけど、西鉄は柳川・大牟田方面だと３０分待ちになるので、より有用だと思います。

　梅田駅構内に溢れる「P」の文字。

　京阪、ＪＲに続き、阪急もこの夏、有料指定席を導入します。その名も「PRiVACE」（プライベース）。京阪に対抗すべく、３列の上品な座席を、わずか追加５００円で提供します。

　今の特急は、３扉・クロスシートの、一般的な「特別料金不要」の特急電車。しかし阪急らしく、つややかに磨き込まれた電車には、別格の贅沢感があります。
　そんな阪急の有料指定席のグレード感は、いかほどのものになるのか。今から実車に乗るのが楽しみです。

　というわけで今日のところは、ＪＲと京阪とは一味ちがう「特別車」の、京とれいん雅洛に乗って京都を目指します。
　既存の車両を改造した観光列車で、全車自由席。特別料金は不要で、要は一般の特急と同じ扱いです。西鉄の柳川観光列車「水都」と同じで、手軽に乗れる観光列車の一つ。

京とれいん 乗り物

　「水都」と異なるのは、１０分毎に走っている通常の特急のダイヤに組み込まれているのではなく、続行する形で「増発」されていること。
　一般車の改造とはいっても、ドアを埋めて２扉にしたり、車内も大改造されていたりと手が込んでいます。ラッピング車レベルの「水都」とは、だいぶ違うかも…

　扉こそないものの、デッキと客室が仕切られ、暖簾が下げられています。これだけでも、有料特急並みの設備です。

　ゆったりした４人用ボックスシート。阪急電車はロングシートか転換クロスシートが基本なので、例外かつ唯一の設備です。
　家族やグループで京都へお出かけするなら、うってつけ。

　車両ごとに内装が異なり、窓側を向いた座席や、グリーン車と見まごう一人用の座席まで。

　つり革の下がるロングシートの区画も、「サロン」と称していい雰囲気です。
　全車自由席これだけの ゆとりを持たせられるのも、一般の特急の続行運転となっているからこそ。インバウンド含め観光客が８割以上で、一般客としっかり分離できています。

　先頭部分にまで座席があり、ちびっ子には嬉しいね。

　阪急梅田といえば、３方面の優等列車が同時に発車していくのが名物。
　京とれいんは続行ダイヤだから、独り旅立って行くのかなと思いきや、神戸線・宝塚線の普通と同時発車でした。

　車内をうろうろしているうちに「いい席」はなくなってしまい、坪庭の前のロングシートに収まりました。海外から来た方々にとってはフォトスポットになってます。

　新幹線と並走して、京都市内へ。

　終点・河原町まで４２分の小さな旅でした。
　夏のプライベースの登場は、ゆったり移動したい観光客にとってもよいニュース。京とれいんはちょっと違う位置付けの列車で、今後も走り続けることを期待しています。

　大手私鉄・阪急の京都側ターミナルにも関わらず、河原町駅は無機質な雰囲気。

京都河原町駅 駅

　地下から登れば、そこは観光都市・京都のど真ん中でした。

　風情たっぷり。
　一昨年（2022年）の夏にはこの付近に泊まり、夕ご飯は川床で楽しみました。感染流行期でもあり、もちろん海外旅行客は皆無。

　今は観光客でごった返し、まっすぐ歩けないほど。たった２年で、変わるものです。
　鴨川を見てみたら、川床がない！ 夏になったら設置されるものなんですね。

鴨川 自然・景勝地

　今度来たら、レトロ建築「東華菜館」の川床で食べてみたいと思っているんだけど、オーバーツーリズムで近寄り辛くなってそう。子どもがもう少し大きくなってから、訪ねてみたいです。

東華菜館 本店 グルメ・レストラン