唯一の郊外型独立駅・越前たけふもお祭り騒ぎ【北陸新幹線敦賀延伸の旅その７】

2024/03/16 - 2024/03/16

　北陸新幹線の延伸区間の各駅を巡る旅。最後の駅は、今回開業した駅の中でも唯一、郊外にポツンと立つ独立駅の越前たけふです。
　２次アクセスは弱く、さらに新幹線の終点に近い駅とあって、苦戦を強いられそうな予感も。しかし今日のところは、お祭り騒ぎに沸いていました。

エリア 武生・鯖江(福井)

• 旅行の満足度: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス 新幹線
• 旅行の手配内容: 個別手配

　「ハピラインふくい」の普通電車に乗って、１４時5１分に福井駅着。２両編成といえども超満員だったので、ホームは人で溢れました。

福井駅 (福井県) 駅

　反対側のホームには、１５時１３分発の金沢行が待機中。発車まであと２０分あるのに、すでに超満員で、乗り切れなくなっています。
　今日のハピラインは、積み残しが出た駅もあったとニュースで報じられていて、千客万来と喜んでばかりもいられません。

　高架下も人でいっぱい。市内のイベント帰りのお客さんで、早めのラッシュを迎えようとしていました。

　夕方を前に、イベントはまだまだ続きます。福井駅前の再開発ビル「ハピテラス」の全天候型広場も、人でぎっしりです。
　これが、新幹線を迎えた「県都」の賑わいか！

　新幹線の高架下では、19年前の新幹線着工時に封印された「タイムカプセル」の開封式がはじまりました。僕が24歳の時か…と思うと、そんなに昔な感じがしませんが（笑）。
　しかしモチーフとなっている新幹線は、主役の座を降りて久しいＥ２系です。そうかぁ、かつてはＥ２系が福井にやってくるイメージが描かれていたんですね。

　駅周辺や在来線ホームが大混雑な一方、主役たる新幹線の駅が静かなのは共通の現象です。

　北陸新幹線延伸区間の駅めぐり、最後の１駅は在来線が乗り入れない「独立駅」なので、片道は新幹線で移動します。各駅停車タイプの「つるぎ２９号」です。

北陸新幹線 乗り物

　自由席が３両ある東京直通の「はくたか」に対し、北陸エリア完結の「つるぎ」は２両のみ。強力に指定席へのシフトを進める、ＪＲ西日本の姿勢がよく表れた相違点です。
　自由席が少ないにも関わらず空いていて、この先どうなることやら。九州新幹線と同様、開業後数年で適正な本数に絞られて行きそうな気がします。

　たった９分で、越前たけふ駅に到着。早い！
　屋根に覆われ、通過線を持つ、駅機能の大きな駅です。隣の福井駅や、さらに隣の芦原温泉駅と小規模な駅を見てきたので、余計に大きく感じます。

　独立駅で在来線との乗り継ぎは不便な反面、大規模な無料駐車場を備え、マイカーでのアクセスには便利な駅です。
　九州人としては新大牟田、新玉名、嬉野温泉あたりを思い出すロケーション。この駅の方が、整備新幹線の駅としてしっくりきます。

　輝く待合室。

　特産品の越前和紙を取り入れた電飾なんだそうです。ゴージャスな雰囲気が、遠来の旅人を包み込むように迎えます。

　外装を彩るのは、これまた特産品の越前瓦。「銀鼠色」という独特の色彩をまといます。

　午後４時をまわったにも関わらず、こちらのイベントも大賑わい。

　高所作業車による特設展望台が人気を博していました。これ上に登ったら、見た目以上に相当怖いんじゃないかな。

　越前たけふ駅には、隣接して「道の駅」も設けられています。バスの発着所や切符売り場もあって、交通結節点としての機能を期待されているようです。
　飲食店エリアは２２時までの営業で、地方としては遅くまで頑張っています。

道の駅 越前たけふ 名所・史跡

　飲食スペースからは、駅と駅前広場が一望。駅前でクレーンが動き回っている現場は、村田製作所の研究拠点の建設工事だとか。
　ところでこの駅、市街地へは３ｋｍほど離れていますが、アクセス輸送に名乗りを上げたバス会社はありませんでした。

　武生駅に行くなら、福井なり敦賀なりからハピラインで行くのが確実。集客はきびしいです。
　そこで市が直接アクセスに乗り出すことに。東京からの「はくたか」に接続する形で、マイクロバスが出ています。運賃５００円、なかなか割高です。

　交通系ＩＣカードも利用ＯＫで、運転士さんがハンディ端末で読み込みます。今日のところは満席で出発しました。
　駅前には実証試験運行中のデマンドバスも姿を見せ、２次交通の取り組みに試行錯誤が続きます。

　新駅周辺は道路の拡幅が終わり、２車線の立派な道路が広がっていました。
　正面に見える、小高い山の向こう側が旧来の武生市街地になります。

　ループ橋を下って、武生駅前へ。地元の羽犬塚駅を思い出しました。

　約１５分で、武生駅着。バスはこの先、大河ドラマ館まで走ります。
　新幹線の開業ブームも落ち着き、大河ドラマも終わった頃、シャトルバスはどうなることやら。

　ハピラインの駅となった武生駅をのぞくと、まだまだ数少ない、ピンク色の「ハピラインカラー」をまとった敦賀行きが入って来ました。
　これまた超満員で、福井駅では乗り切らなかった人もいるのでは？ 電車はもうこりごり、とならなければ良いけど…

武生駅 駅