東京の冬の公園巡り☆1月～３月

2024/01/13 - 2024/03/11

都立９庭園共通パスポートを利用して、１月～３月に冬の庭園を散歩を兼ねて巡りました。何度も訪れている椿山荘の雲海を初めて見ました。雪吊りが美しい肥後細川庭園、鴨場がある浜離宮恩賜庭園、五種類の石灯籠がある旧古河庭園、ボランティアガイドツアーに参加した向島百花園、磯渡りが楽しい清澄庭園、新しい管理所がある旧岩崎邸庭園などを訪れました。どこも再訪ですが、視点を変えて散策を楽しみました。

エリア 東京

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: JRローカル 徒歩

目白坂の南側の高台と神田川に挟まれた細長い江戸川公園です。冬期だったからか、水が流れていない水路に枯葉が落ちていました。斜面の遊歩道にも枯葉が積もりふわっとした感触でした。

江戸川公園 花見

ブランコと斜面を利用したすべり台、狭い砂場があります。週末の午前、子ども連れが数組遊んでいました。紅白の梅が咲いていました。

江戸川公園 花見

江戸川公園から椿山荘にやってきました。南北朝の頃からつばきやまと呼ばれていた場所です。山縣有朋が現在の場所を購入し自然主義の庭園を造り、譲り受けた藤田平太郎が三重塔などの文化財を配置しました。松の雪吊りと三重塔の景観は冬の時期ならではのもので美しいです。伊藤若冲の下絵による五百羅漢の内の20体の羅漢石は表情豊かでした。散策中に、イベント東京雲海を見ることができました。鐘の音と鳥のさえずりが聞こえて、幽翠池を中心に人工霧が噴き出してきました。数分間幻想的な庭園に変化しました。

椿山荘 公園・植物園

湧水が流れている古香井です。そばに織田有楽由縁のものとされる十三重石塔があり、見どころが多い庭園です。

椿山荘 公園・植物園

庭園内の小さな七福神は冬囲いされていました。

椿山荘 公園・植物園

椿山荘のそばにある関口芭蕉庵です。1677～1680年に松尾芭蕉が神田川改修工事に参画し、この地の龍隠庵と呼ばれる水番屋に住んでいたと言われています。その建物が関口芭蕉庵と呼ばれるようになりました。現在の建物は復元されたもので、瓢箪池と庭園はかつての風情を留めた造りになっているそうです。

関口芭蕉庵 名所・史跡

瓢箪池です。池の周りに遊歩道があり、茂った木々の間を歩けるようになっています。池に土橋が架かっていて水仙が生えていました。訪れる人が少なく、静かで穏やかな雰囲気の庭園でした。

関口芭蕉庵 名所・史跡

近くの肥後細川庭園に行きました。江戸時代中期から旗本の邸宅になり、幕末には肥後熊本藩主細川家の抱屋敷になりました。1961年に都立公園として開園し、1975年に文京区に移管された回遊式庭園です。これは細川家の学問所として使用されていた松聲閣です。松聲閣の集会室は一般に貸し出されていて、2階の展望所・山茶花の間からの庭園の眺めは緑が多くてきれいでした。

肥後細川庭園 公園・植物園

松聲閣の2階の山茶花の間から眺めた庭園です。北側に隣接する和敬塾の敷地内にある湧水から大池に水が流れています。

肥後細川庭園 公園・植物園

浜離宮恩賜庭園です。徳川将軍家の鷹狩場だったことから、徳川家宣の時代に将軍家の別邸となり、徳川家斉の時代にほぼ庭園が完成しました。大名庭園の代表的なものであり、海水を引き入れた潮入の池がある典型的なものです。

浜離宮恩賜庭園 公園・植物園

これは新樋の口山に残る灯台の基礎です。今では高層ビルに囲まれた浜離宮恩賜庭園ですが、江戸時代には灯台が湾を通る船を導いたのでしょう。

浜離宮恩賜庭園 公園・植物園

庭園内に２つある鴨場が特徴です。飼い慣らしたおとりのアヒルを使いカモを引堀に誘導して網などで捕る猟を行っていました。小覗や引堀が保存されています。

浜離宮恩賜庭園 公園・植物園

浜離宮恩賜庭園内の梅林のそばに旧稲生神社が建っています。建立の詳細は不明ですが、徳川将軍家の別邸であった浜離宮恩賜庭園に稲荷神社は古くからありました。木造瓦屋根のこじんまりした社殿です。柵で囲まれていて近づけません。賽銭箱がないので、礎石の上に小銭が置いてありました。

浜離宮恩賜庭園 旧稲生神社 寺・神社・教会

白壁と長屋門の目白庭園です。1990年に池泉回遊式の日本庭園が造られ公開されています。松に雪吊りがされていて池に映りきれいでした。

目白庭園 公園・植物園

石組に流れる滝の水量は多く、毎分３トンの水が流れているそうです。狭い庭園ですが、四季折々の草木が植えられていて自然を感じることができました。西武池袋線のすぐ近くで静かとは言えませんが、ほっとする庭園です。

目白庭園 公園・植物園

草花で四季を感じる旧古河庭園ですが、今回は型が異なる石灯籠と石積を見に行きました。バラ園の階段下に富士山の溶岩を石垣状に組んだ黒ボク石積があります。

旧古河庭園 公園・植物園

日本庭園の心字池の周囲に、五種類の型の異なる石灯籠があります。奥の院型石灯籠以外の石灯籠に説明板が立っていて、型について記してありました。これはどっしりとして傘の縁がごつごつした泰平型灯籠です。

旧古河庭園 公園・植物園

これは傘が厚く反りがない濡鷺型灯籠です。珍しい灯籠があります。

旧古河庭園 公園・植物園

茶室へ向かう坂の手前に七代目小川治兵衛による崩石積があります。京都で発達した伝統的工法で、崩れそうで崩れない石積だと説明板に記されています。洋館とバラ園で有名な旧古河庭園の異なる一面を楽しみました。

旧古河庭園 公園・植物園

梅を見に向島百花園に行きました。休日行われるボランティアガイドツアーに参加しました。集合時間まで、園内の紅梅と白梅をゆっくり眺めました。大名庭園と異なり、町民文化・自然の趣を活かす庭です。1804年に骨董商だった佐原鞠塢が武家屋敷を買い取り梅園を造ったのが始まりです。明治の水害や戦火の焼失を経て、1978年に国の名勝・史跡に指定されました。サービスセンターにある花の見ごろ情報をもらって、見頃の梅を見ました。

向島百花園 公園・植物園

ボランティアガイドさんは数人いて、人数が集まり次第出発しました。４人の参加者に一人のガイドさんが付いて、ゆったり楽しく梅や草花を紹介してくれました。地植えしている立派な春の七草、照り輝いて見えたフクジュソウなど梅ばかりでなく珍しい草花を見ました。

向島百花園 公園・植物園

秋に筍ができるシカクタケを教えてもらいました。自分たちで歩いていて見落としていたセツブンソウやユキワリソウの小さな花を見ることができ、参加してよかったです。四季折々の草花があるので、度々訪れたい庭園です。

向島百花園 公園・植物園

清澄庭園です。受付前に海外からのシニア団体客が集まっていました。江戸享保年間に関宿藩主久世大和守の下屋敷となり庭園のもとが造られ、明治に岩崎彌太郎が庭園を含む一帯を所得して、造園をしました。関東大震災後に東京市に寄付され復旧整備されたのが清澄庭園です。名石が多く配置されています。池の縁に置かれている磯渡りは遊び心があり楽しかったです。

清澄庭園 公園・植物園

泉水内の島や周囲の松などの木々は低く剪定されて、庭園内を見渡せるようになっています。野鳥が多く池に集まっていました。

清澄庭園 公園・植物園

これは枯滝です。組まれている紀州青石、伊豆磯石、伊予青石などみごとです。青石と赤石、緑石、磯石など丸い石が不規則に置かれた大磯渡りや、上部が平らに切ってある仙台石の石橋など、それぞれの石を観賞しました。

清澄庭園 公園・植物園

草地の自由広場に、花芽が固いソメイヨシノやサトザクラがありました。満開のカンヒザクラの下で海外のシニアカップルが楽しそうに写真を撮り合っていました。

清澄庭園 公園・植物園

久しぶりに旧岩崎邸庭園に行きました。以前参加したボランティアガイドツアーで教えてもらったことを思い出しながらゆっくり見学しました。受付の管理所が新しくできていて、3階に休憩室があり庭園に直接入ることができるようになりました。基本は馬車道を上がって、洋館入口で靴入れをもらい館内を見学します。洋館にはセントラルヒーティングの暖炉があります。それぞれ使われている石とデザインが異なります。これは正面玄関から入ったホールにあり、上部に大きな鏡があります。階段を行き来する人を鏡越しに見えます。

旧岩崎邸庭園 公園・植物園

1階婦人客室です。部屋全体が暖色の金茶色です。天井はバラと菊の模様の日本刺繍の布張りで豪華です。陽が入るサンルームに面していて、豪華で気持ちのいい部屋です。

旧岩崎邸庭園 公園・植物園

2階のベランダから広い芝生と奥の日本庭園を眺めました。

旧岩崎邸庭園 公園・植物園

和館から外に出て、広い芝生庭園の奥にある日本庭園に行きました。幕末越後高田藩の藩邸だったこの地に大名庭園があったらしいですが、岩崎家の土地になり庭園の姿は変わったと説明板に記されています。和館前の一画とこの場所にのみ大名庭園の名残りが残っています。

旧岩崎邸庭園 公園・植物園