2023/05/15 - 2023/05/15
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万歩計さん
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大阪のレトロ建築探訪の第4弾、後半は京橋から大川に沿って淀屋橋まで歩いた。
京都伏見と出た三十石舟は淀川から大川に入り、京橋に近い八軒家浜が終点だった。大川沿いの道からは「水都大阪」にふさわしい風景が広がり、造幣局を始め歴史的建物や記念碑が残っていた。過去に撮影した大阪城内のレトロ建築も併せて載せた。
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大正時代から昭和初期にかけて、大阪が「大大阪」と呼ばれた時期があった。人口、面積、工業出荷額において東京市を凌ぎ世界有数の大都市に躍進、特に繊維産業の集積から「東洋のマンチェスター」と呼ばれた。活況を呈した当時の面影を、現存する建物等から探るのがこのシリーズの目的である。
万歩計は現役時代に10年以上を淀屋橋の本社に勤務したが、これらを見て歩くことはなかった。今回の建物探訪を通して「進取」「商売に使うお金と世の中に使うお金は別物」、という大阪商人の考えが読み取れた。
探訪に際しては事前にネット情報を調べ、当日はGoogleMapを片手に歩き回った。大部分の建物は非公開のため外観の写真が主になった。一方で既に撤去されその跡がマンションや駐車場になっていた場所も多く、文化財として保護しない限りこれ他の建物は早晩消える運命にある。
参考にした主なネット情報は以下の通り。
・歴史散歩 大阪市内で今なお残る歴史的建造物
https://tabicoffret.com/article/78221/
・大阪市中心部の近代建築・生きた建築MAP
https://archirecords.com/blog-entry-210.html
・大阪レトロ プロットマップ
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- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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西大橋駅から地下鉄に乗って京橋駅に到着。当初は大阪城で途中下車の予定でしたが、西区で撤去された建築を探すなど思わぬ時間を取ったため、直接京橋に来ました。
京橋駅 (大阪府) 駅
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ということで、大阪城のレトロ建築は今年3月と6月撮影したものです。3月は丁度桜が満開でした。
大阪城 名所・史跡
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大阪城天守閣のある広場の一角に建つ重厚なレンガ造りの建築。
ミライザ大阪城 名所・史跡
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第4師団司令部
昭和天皇の即位を記念して、昭和6年(1931)市民の寄付により当時の金額にして150万円が集められ大阪城天守閣の再建、大阪城公園の新設とあわせて建設されました。
~MIRAIZA HPより -
ヨーロッパの古城を思わせる正面の装飾
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エントランス。
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戦後は大阪府警本部や大阪市立博物館として使用され、2017年からレストランや展示会場が入る複合施設「ミライザ大阪城」になっています。
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大阪城内を歩いているとレンガ塀と「砲兵工廠」の石碑。大阪砲兵工廠は大阪城跡に建設された官営の兵器製造工場で、明治3年(1870)から終戦まで稼働しました。敷地面積810万m2、建物105万m2で、ここで働く従業員は最大64000人だったそうです。(写真は2023年6月13日撮影)
~Wikipediaより -
しかし終戦前日の8月14日にB29の集中空襲を受け徹底的に破壊され、現在は当時の煉瓦塀がわずかに残るだけ(写真は2023年6月13日撮影)。
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その中で破壊を免れた数少ない建物が、大正8年(1919)竣工の旧化学分析場(写真は2023年6月13日撮影)。
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ネオ・ルネサンス様式の煉瓦造地上2階・地下3階の建物。ここで兵器の研究開発や化学実験が行われていました。(写真は2023年3月27日撮影)
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戦後は阪大工学部や自衛隊の施設に使われた時期もありましたが、現在は放置され荒廃が進んでいます。(写真は2023年3月27日撮影)
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京橋から造幣局に向かって歩くと大川に架る国道1号の桜宮橋(左)と、並行して新桜宮橋(右)。
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桜宮橋は昭和5年完成の鋼アーチ橋で、その色から「銀橋」と呼ばれています。大川・中之島の橋梁群として土木学会の土木遺産にも認定されています。
桜宮橋 名所・史跡
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橋を渡り終えるとレンガ造りの桜宮橋階段。橋の完成当時は四隅に設けられていましたが、今は造幣局の横にあるこの塔だけが残っています。
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桜宮橋階段のすぐ横が造幣局。
造幣局(工場見学) 名所・史跡
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門衛で受付。入場無料です。
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現在の造幣局本館は明治期の建物を昭和13年に建て替えたものです。正面は角型の窓が並ぶ端正な姿ですが、
造幣局(工場見学) 名所・史跡
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欣明門から側面に回ると、
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半円型のアーチ窓が並んでいます。
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造幣局は桜の名所としても有名。春の「通り抜け」の時期には多くの観光客が桜見物にきます。
造幣局桜の通り抜け 花見
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創業当時のガス燈。日本で最初の西洋式ガス燈でした。
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やはり創業当時の正門。
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正門の外から本館を一枚。
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造幣博物館は明治44年に火力発電所として建てられた建物。造幣局構内に残る唯一の明治時代のレンガ造りの西洋風建物です。
造幣博物館 美術館・博物館
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博物館の横には創業当時の製造機械を展示
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エントランスに明治9年製の大時計が、今も時を刻んでいます。
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造幣局にゆかりの人物。明治新政府が旧金座、銀座を摂取して造幣寮を設置したのは明治2年。大阪本局は西洋の技術を導入した貨幣鋳造工場として翌明治3年には稼働を開始しています。
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明治3年に鋳造された1円銀貨の図案。
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鋳造機械のミニチュアや、
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江戸時代の大判・小判等を展示。
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造幣博物館の見学を終えました。造幣局は事前申し込みをすれば工場も見学できるそうです。
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造幣局の道向かいは桜之宮公園泉布観地区。かっては造幣局の敷地内で、泉布観と旧桜ノ宮公会堂の2つのレトロ建築が残っています。
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泉布観は明治4年に造幣寮の応接所として建設されました。泉布観は天皇の命名によるもので、「泉布」は貨幣を「観」は立派な館を意味するそうです。
泉布観 名所・史跡
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コロニアル様式で、2階にベランダを巡らせ、窓が床面から立ち上がるフランス窓で鎧戸が付くのが特徴。
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アイルランド人のウォートルスは高温多湿の日本の風土を考えて設計したそうです。
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造幣寮(現在の造幣局)にはいくつかの洋風建築が建てられていました。このレンガ小屋もその一つ。
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泉布観の裏の倉庫。ここはカラスの縄張りらしく、カラスが侵入者を威嚇するように低空飛行するので退散しました。
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旧桜宮公会堂。造幣寮の金銀貨幣鋳造所の正面玄関を移築保存したものです。
旧桜宮公会堂 グルメ・レストラン
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6本の列柱の上に三角形の切妻屋根。ここもウォールストの設計。
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現在は結婚式場やレストランとして利用されています。
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桜宮橋階段に戻り螺旋階段を下ります。
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桜宮橋階段を下から一枚。
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ついでに美しい銀橋を一枚。
桜宮橋 名所・史跡
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さっき見学した造幣博物館
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大川河畔は遊歩道になっています。
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大川に架かる様々な形の橋。これぞ水の都大阪の風景。
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京都、大阪間を行き来した淀川三十石船の終点「八軒家浜」はこの辺り。
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そのことを示す歌碑。
淀川三十石船舟唄歌碑 名所・史跡
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天満の子守歌碑
天満の子守歌歌碑 名所・史跡
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天満青物市場跡
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大川端から町中に入ってしばらく歩くとフジハラビル。大正12年建築で外壁は茶色のスクラッチタイル。
フジハラビル 名所・史跡
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父のビルを受け継いだ現オーナーが自ら10年かけてリノベーションし、アートギャラリーとして美術、音楽、演劇などの発信場所にしている名物ビルです。
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外壁に掲げられた数々の絵やポスター。いかにも芸術家たちが集まりそうな雰囲気です。
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ここは2009年のNHK連続テレビ小説「ウェルかめ」のロケに使われました。
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内部は地下1階から4階まで奇想天外なアイデアが詰まっているそうで、一度見てみたい。
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フジハラビルから細い通りを北に歩くと、
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天神橋筋商店街の入口。天神橋筋商店街は全長2.6kmと日本で一番長い名物商店街。飲食店や大阪らしい激安商店などあらゆる種類の店舗600軒が並んでいます。
天神橋筋商店街 名所・史跡
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商店街の近くにキリスト教天満教会。1929年建設のプロテスタント教会で2012年に耐震補強、保存改修工事が行われました。
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シンプルでモダンな造り。音響の良さから頻繁にクラシック音楽のコンサートが開かれているそうです。
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次に来たのは宇治電ビル。ここには昭和12年に建築された 宇治川電気(関西電力の前身)の本社ビルがあるはずでしたが、撤去されて新たにオフィスビルが建っていました。
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大江ビルヂング。大正10年に大江という弁護士が建てた大きな法律家向けのテナントビルです。
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近くには大阪高等裁判所があり、一帯には弁護士事務所や弁護士会館と言った司法関係の建物が並んでいます。
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開業当初は地下に食堂・理髪店・貸金庫、2階に売店・暗室、3-5階にレンタル応接室、1階ホールにはビリヤード台やバーカウンターまで設えた、ホテルのようなサービスを提供していたそうです。
~Wikipediaより -
外壁や庇には装飾レリーフ
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現在も多くの法律事務所が入居しており、他にギャラリーやショップもあります。
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エントランスの大きな庇の下に歴史を物語る金属プレート
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大江ビルヂングのすぐ近くに大阪市交通局曽根崎変電所。大阪市電の給電設備として昭和11年に竣工し、地下鉄の開業からは地下鉄御堂筋線の給電設備になりました。
大阪市交通局曽根崎変電所 名所・史跡
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地味で無骨な建物ですが何とも言えない存在感があります。
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これで大阪市のレトロ建築探訪の第4回は終わり。大江橋を渡ります。
大江橋 名所・史跡
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昨年12月に見た大阪市役所。
大阪市役所 名所・史跡
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水晶橋
水晶橋 名所・史跡
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日銀大阪支店。
地下鉄淀屋橋駅から帰路。今日は2.2万歩、よく歩きました。日本銀行大阪支店 名所・史跡
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この旅行記へのコメント (2)
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- チャムンパスさん 2024/03/07 18:55:58
- 歴史的建造物保存は現代(いま)を生きる人の使命
- 万歩計さん、こんにちは。
コメント投稿でご無沙汰しています。
大阪市内に残る戦前の歴史的に価値のある建造物を巡る旅行記、興味深く拝見させていただきました。
21世紀になっても、市内の至る所に戦前の生き証人が健在、その多くはなお現役で頑張っている感がありますね。
しかし戦時中の空襲の戦火をかい潜って残ったとしても、その後諸事情で取り壊されてしまうのも、ある意味残念な気がしました。
現代を生きる人の使命感による決断がなければ、存続する事が難しいということなのでしょうね…
これからも、旅行記の投稿を楽しみにしています。
チャムンパス
- 万歩計さん からの返信 2024/03/08 09:53:01
- Re: 歴史的建造物保存は現代(いま)を生きる人の使命
- チャムンパスさん 、おはようございます。コメントを頂きありがとうございました。
「現代を生きる人の使命感による決断がなければ、存続する事が難しいということなのでしょうね…」、全く同感です。
レトロ建築を維持するのはオーナーの力だけでは不可能です。テナント料金の値上げ、クラウドファンディングでも十分でないとすると、最後は税金の投入しかありませんが、そこまで市民の合意が取るのはなかなか難しい。
昨年NHK番組「新日本風土記」で「モダン大阪」が放送され、大阪に残る大大阪時代の今と、そこに生きる人たちの姿が紹介されました。そこに「メリヤス(莫大小と書きます、懐かしい響き!)会館」が出てきました。昭和初期にメリヤス業者の組合事務所として建設され、その後時代の変化に合わせて用途を変えながら生き残ったものの、2023年に解体され跡地にマンションが建設されるどうです。解体を決断せざるを得ない原因は設備の老朽化にあるのは勿論ですが、耐震基準を満たさないことも大きな要因だったようです。オーナーの方は新しく建築されるマンションのデザインにはメリヤス会館のデザインを少しでも反映させたいと言われていました。
大阪ではこの20年で100を超えるモダン建築が消えたそうです。自然災害の多い日本では致し方ないことかもしれませんが、建築時に話題になった大阪最初の高層ビルである大阪マルビルが、50年で解体されることには違和感を感じます。自然との共生とかを謳いながら、スクラップ&ビルドで目先を変える消費文化でいいのか、と思うのですが。
万歩計
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