みさきまぐろきっぷで４年越しの目的地・三浦半島へ【親子で東京往復記2022年11月編その3】

2022/11/07 - 2022/11/07

　３年前の我が子の闘病中、都営浅草線に乗り宿舎から病院へと通っていました。京急の車両に当たることが多く、車内でよく見ていたのが、「みさきまぐろきっぷ」の中づり広告。破格値で三崎のまぐろを食べに行ける、京急の企画きっぷです。
　治療が落ち着いたら、いつか家族で行ってみたいと思っていた「みさきまぐろきっぷ」の旅。その後もコロナの流行で見合わせていましたが、2022年11月、４年越しの夢を実現させました。

エリア 三浦海岸・三崎(神奈川)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 乳幼児連れ家族旅行
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス 船 タクシー 私鉄
• 利用旅行会社: JTB

　まずは我が子の外来受診です。いつものように、ホテルからタクシーで病院へ。９時前に病院に入ることができました。
　診察結果、異常なし。いつもいつも、辛い診察に耐えてくれてありがとう。最高の、孝行息子です。

上野ファーストシティホテル 宿・ホテル

　これまでで最速、9時40分に会計まで終わらせて病院を出ました。さあ、夢かなえに行くよ！
　築地市場から大江戸線に乗り、大門で乗り換え。京急の始発駅・泉岳寺までやって来ました。

泉岳寺駅 駅

　現在時刻は10時10分。京急のホームページにはクロスシート車の運用が公表されていて、この後10時36分発以降の快特が該当します。
　しかし待っていると、この後のスケジュールがどんどん遅れていくことが分かっていたので、ロングシートなのを承知で10時19分の快特に乗りました。

京急本線 (空港線) 乗り物

　せめて車端部にボックスシートがある600形だったらと期待してたけど、やって来たのは全ロングシートの1000形。我が子を抱っこしつつの１時間超のロングシートは、なかなかの苦行でありました。
　京浜間では混み合っていた車内も、横浜市内を抜け、金沢八景を出た頃には空席も出る乗り具合に。

　今回は「みさきまぐろきっぷ」のデジタルバージョンを利用しました。紙バージョンより100円ほど安く、泉岳寺からの設定もあるのがミソです。
　都営地下鉄各線から来る場合も、品川で一旦下車せずに購入できます。泉岳寺始発の快特の空席を狙えるのも大きなメリット。

　僕にとっての京急は、羽田空港か横浜の足というイメージ。一度、逗子のビーチへライブを見に行く時に乗ったことがあるけど、横須賀・三浦方面は完全に初訪問です。
　よく乗っている京急の電車なのに、車内も車窓も雰囲気がガラリと変わり、新鮮な気分。

横須賀中央駅 駅

　　「赤い電車」は、門司あたりのような景色を走っていたんですね。浅草線内で快特に乗る時も、少しイメージが変わりそうです。
　堀之内からは各駅停車に。末端区間の、のんびりムードが漂います。

　終点の一つ手前の、三浦海岸で下車。泉岳寺から１時間９分の長旅でした。
　広々としたホームが、どこの駅とも例えようがない独特な雰囲気を持ちます。

三浦海岸駅 駅

　１年をすぎ未だ残る、閉園の告知。

　観光地の玄関にしては、飾り気のない高架駅です。

　開放感のある構造。あえて言うなら、知多半島の名鉄の高架駅に似た印象を持ちます。

　さて「みさきまぐろきっぷ」では、実に３２店舗からまぐろ料理を食べられる店を選べます。海鮮丼だけではなく、寿司やちょい飲みメニューもあり目移りしてしまいそう。
　今回は駅から近く、我が子も食べられそうなメニューがあった、まつばらさんを選びました。

　サインがいっぱい。

　注文の際にはホームページからチケットを開き、

　店員さんから伝えられる暗証番号を入力して、使用済みにします。

　ちなみに三浦どんは まうろきっぷ専用ではなく、お店の通常メニューにも載っています。お値段なんと1,980円。
　ちなみにまぐろきっぷは3,360円。泉岳寺～三浦海岸間の運賃は870円なので、すでに８割５分消化している計算です。

　大根の焼酎があるというので、別払いで頼んでみました。たくあんの香りがしますね。好きな人にはたまらないんじゃないかな。
　個人的には苦手なので、ちょい辛かったです。どんな味になるのか、考えれば、分かることだったんですが。

　じゃじゃーん、三浦どんの登場！ まぐろの刺身にネギトロ、しらすまで載った豪華版です。くは～、うまい。大分・保戸島で食べた生のまぐろに匹敵するうまさです。
　我が子も とりわけた丼を、どんどん食べます。カニ汁も、いいお出汁が出てること。大満足のランチでした。

　満腹のお腹を抱え、電車で１駅、三崎口へ移動。６００形もロングシート主体ではあるけど、車端部にボックスシートがあるので、お気に入りです。
　すぐ降りることは分かってましたが、わずかな時間、快適な座り心地を楽しみました。

　半島突端へ向かって、周囲が開けてきました。高架下の住宅は、まだ新しそうです。開発許可の規制が緩和になったのか、線路下でも構わないという層が増えたのか。

京急久里浜線 乗り物

　はるばるやって来ました、三崎口駅。浅草線の電車で見ていた行き先は、思っていたよりもずっと別世界でした。

三崎口駅 駅

　すぐさま、京急バスに乗り継ぎです。

　みさきまぐろきっぷでは、半島内の路線バスも１日乗り放題となります。

　平日の昼下がりにも関わらず、ほぼ満員の乗客を乗せて発車。周囲の若者グループも まぐろ目当てのようです。
　畑の のびやかな風景が広がります。

　峠を越えると、港町が見えてきました。

　のどかな雰囲気。三崎口駅周辺から、さらに空気がゆるっと変わりました。何と言ったらいいのか、どこか九州に帰って来たような気分になります。

三崎漁港 名所・史跡

　産直センター・うらりマルシェへ。１階は市場のようなスタイルで、新鮮な魚介類が並びます。
　クラブツーリズムのバッジを付けたおっちゃん、おばちゃんが多く、バスツアーの立ち寄りスポットになっているようです。

うらりマルシェ 専門店

　２階でおむつ替えをしていると、窓から黄色い船が見えてきました。これから乗る、水中観光船「にじいろさかな号」です。
　こちらも まぐろきっぷの「おもひで券」を利用可能。通常運賃は1,500円なので、かなりお得です。

にじいろさかな号 乗り物

　１階の窓口で乗船券に引き換えるのをお忘れなく。忘れる人が多いのか、トイレに張り紙がありました。僕もそれで思い出しました。
　そして販売所のお姉さん、お弁当食べてました(笑)。なんかユルいなあ、いろいろと。

　水中観光船ではありますが、コロナ対策のため、展望室に降りられるのは沖に停泊してから。それまではデッキで過ごすことになるので、寒さ対策は万全に。
　途中、えびせんを目当てにカモメが寄ってきます。コース後半はトンビに入れ替わり、カモメは遠巻きに眺めるのみでした。

　そして自在に舞うカモメを見た我が子は、大喜び。あまり生き物に関心がない子だったので びっくりです。これだけでも、来てよかったと思います。
　トンビに入れ替わったら、怖いのか あまり興味を示さなくなりました。

　荒々しい断崖絶壁に、いくつも回る風車まで。半島も突端まで来ると、離島味があります。メインイベント、いよいよ海中展望室に「潜水」です。

　予想通り、我が子はちょっと怖がってましたが…

　窓の外には無数の魚！ これでも水が濁っているので、あまり見えない方なんだそうです。チラチラと泳ぐ小魚と、海底の様子を観察できるくらいだと思ってました。
　豊かな海なんですね～。首都圏、恐るべし。

　大満足の船旅を終え、すぐにバスに乗るのもナンなので、うらりマルシェで一休み。我が子のソフトクリームを目当てに２階に上がると、魅惑の舌代が並んでいました。

　三浦産小麦を使った地ビール「みつむぎウィート」をごくり。フルーティーさが前面に出た、香り高い一品でした。
　我が子もソフトクリームをペロリ。いい思い出ができたね。

　帰路のバスは城ヶ島から来た便で、すでに満員状態だったのでビックリ。優先席を譲ってもらいました。
　雨模様の平日でこれだけ乗っているのだから、休日にはどんな混雑になっているのやら。

　三崎口駅から、品川方面に戻ります。電車の先頭から、線路の先端をパチリ。
　まだ先まで線路を延ばせるような構造になっているけど、三崎港まで延伸させる計画でもあったのかしら。

　土休日こそ、オールクロスシートの2100形が三崎口から終日20分間隔で運行されるのですが、平日は久里浜発のみ。しかも14時台で終わってしまいます。
　せめて600形と念じていましたが、先発、次発ともオールロングシートの1000形でした。電車運に限っては、今回ツイてません。

　さよなら三浦半島。見どころはまだまだたくさんありそうだし、まぐろも食べたいので、また来ます。
　小さな駅の前にも京急ストアがあって、がっちり沿線の生活に根付いている様子に感心。西鉄ストアよりも、ずっと密な印象です。

　久里浜駅には、憧れのオールクロスシート2100形が回送電車として止まっていました。車庫に帰るのかな？
　夜には品川発の指定席列車「ウイング号」になるので、品川に戻さねばならないはずだけど…乗せて！

京急久里浜駅 駅

　１時間揺られ品川へ。羽田への客がホームを埋め、三浦半島とも九州とも別の世界が広がっていました。

品川駅 駅

　品川から直接JRに乗り換える場合は、窓口で申し出て、精算済証という改札を通るためだけの切符を貰います。同時にICカードをタッチして、JRの改札も完了。
　鉄道好きなので知識としては知っていても、実際に使うとなればドギマギ。いつまで経っても、東京の鉄道の流儀には慣れそうもありません。