2022/04/30 - 2022/05/08
1249位(同エリア1345件中)
RiEさん
旅行2日目、前編。
朝起きた時からパラパラ小雨が降っていたけど、朝食を食べる頃には止んでいたのと昼頃まで天気予報は曇りだったので、戊辰戦争の悲劇の地である“飯盛山“の観光を優先して、天候を見ながら午後の予定を決めることにした。
飯盛山には様々な史跡があり、高さ16.5mの六角三層のお堂“会津さざえ堂”・自刃した白虎隊十九士の霊像を祀る“宇賀神堂”・飯盛山で自刃した白虎隊士中二番隊19名“白虎隊十九士の墓”・鶴ヶ城が炎上するのを見て自刃を決めた“白虎隊自刃の地”・鶴ヶ城の安否を確めるため白虎隊が通過した“戸ノ口堰洞穴”など見どころも多く、今にも泣きだしそうな空が哀愁漂う雰囲気を醸し出し、実際に訪れてみると感慨深いものがあった。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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宿泊している“中町フジグランドホテル”は朝食の評判が良かったので、朝食の習慣がない私も期待。
朝食会場は駐車場のすぐ横で壁面が全面窓だから明るいけど、壁にはパンダや中国:桂林の写真などが飾られていて、本来は中華料理レストランかなと思ったけど夜は営業していなかった。
ちなみにチェックイン時に翌日の朝食(和食 or 洋食)を予め選択しておく。中町フジグランドホテル 宿・ホテル
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セルフでソフトドリンク・納豆・海苔…
中町フジグランドホテル 宿・ホテル
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会津地方の郷土料理のこづゆは、とても浅い椀に自分で掬う。
こづゆはお祝いの席で欠かせないそうで、入れ方が悪いせいかお麩だらけになってしまったけど木耳・糸蒟蒻・人参・里芋が入っていて汁には味が無かった。中町フジグランドホテル 宿・ホテル
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小皿に入ったにしんの山椒漬けは歯応えがあって、味が凝縮されているからこれだけでゴハンをペロッと食べれそうな勢いだった。
中町フジグランドホテル 宿・ホテル
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運ばれてきた和食は2段重ねの御膳スタイルになっていて、豚の生姜焼きと焼き魚が入っているのでボリューム満点!味付けも本当に美味かった。
中町フジグランドホテル 宿・ホテル
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満腹を解消するため10:00過ぎに飯盛山に到着。
裏地のないパッカブルのステンカラーコートに、インナーダウンとストールをグルグル巻き(←今回の旅で唯一の防寒具)にして挑んだけど、どんよりした曇り空で肌寒かったせいか、モコモコのショートダウンを着用している人も多かった。飯盛山 名所・史跡
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夫は階段で向かって、寒すぎて足底筋膜炎が悪化しそうなので私はスロープコンベアを利用することに。
飯盛山スロープコンベア 名所・史跡
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スロープコンベア手前にチケット売り場があり、大人1人:250円。
飯盛山スロープコンベア 名所・史跡
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スピードはそこそこだけど角度が急なので、踏ん張っている必要がある。
飯盛山スロープコンベア 名所・史跡
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1号機を下りてすぐ2号機に乗り継ぐとき、一瞬足元が平らになるのでフワッとした感覚になった。
飯盛山スロープコンベア 名所・史跡
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2号機の終点は会津さざえ堂と白虎隊の墓の中間あたりだったけど、階段を使って自力で進んだ夫の方が早く到着していた。
飯盛山スロープコンベア 名所・史跡
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少し階段を戻って、会津さざえ堂を先に見に行くことに。坂道になっている通路を下っていく途中、鶴ヶ城と書かれた矢印があったので視線を向けると、直線状にある森のような場所が鶴ヶ城だと地元の人が話す声が聞こえた。
今は住宅街に囲まれて分かりにくいけど、明治維新の頃の鶴ヶ城は目立つ存在だったはず。飯盛山 名所・史跡
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坂を下りて最初に見えるのは、戊辰戦争後に自刃した白虎隊十九士の霊像も祀られている“宇賀神堂”。
宇賀神堂 寺・神社・教会
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もともとは1661年-1672年に会津藩三代藩主:松平正容が厳島神社の傍社として建立したそうで、古来より五穀豊穣の宇賀神の白蛇を祀っていて、次々に手を合わせる人がやってくる。
宇賀神堂 寺・神社・教会
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堂内を覗いてみると唯一の生き残った飯沼貞雄氏の写真が飾られており、畳敷き奥の祭壇には…
宇賀神堂 寺・神社・教会
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1890年に制作されたフランス風の軍服を着用している白虎隊十九士の霊像が祀られている。
天井にに近い壁面には、白虎隊精神の基礎として楠公父子櫻井驛訣別之図の模写も飾られていた。宇賀神堂 寺・神社・教会
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供養車横の看板には【この車を廻せば悲痛な音を発し、これが冥途にとどいて白虎隊士の霊魂を慰めるものです】と書いてあり、夢を食らう獏が台座になっている。
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悲痛な音って何だろう?と思っていたところ、早速回す人が。
手を添えているところを回転させると、耳をつんざくような大きな音と背中がゾクゾクするような金切り音が響き渡り、回していた本人も驚いていた。 -
供養車の横に建つチケット売り場で入場券を購入(大人1人:400円)したら、しおりの形をしていた。
さざえ堂 寺・神社・教会
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イチオシ
“会津さざえ堂“は1796年に建立された高さ16.5mある六角三層のお堂で、正式名称は円通三匝堂といい、重要文化財指定名称は旧正宗寺三匝堂。
当時飯盛山には正宗寺という寺院があり、その住職が考案した建物には二重螺旋のスロープに沿って西国三十三観音菩薩が安置してあったので、参拝者はこのお堂を巡ることにより三十三観音参りができるといわれていた。さざえ堂 寺・神社・教会
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建物の形状がさざえの殻に似ていることからさざえ堂と呼ばれるようになったそう。
入口には小さな階段があり、向拝には躍動感あふれる3頭の龍の彫刻が施されていている。さざえ堂 寺・神社・教会
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さざえ堂正面入口上部に掲げられている【福聚海】の扁額は、建立に携わった実相寺:郁堂和尚が1797年に筆したもので、くぐって中に入ると…
さざえ堂 寺・神社・教会
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【福聚海】扁額の筆者である郁堂和尚の木造座像が安置され、対になるように下りの反対側には正宗寺を開いた残夢和尚の木造座像が安置されている。
階段のない螺旋通路ってどんな構造なんだろうと思っていたら、角度が急な坂に細い木で滑り止めが一定間隔で配置してあり、楽に登れるようになっていた(踵がある靴や裏が滑りやすい靴は危ないのでスニーカーがオススメ)。
建物内部は、上りと下りが別の通路になった一筆書きのような一方通行の構造をしているため、参拝者同士ががすれ違うこと無い動線が確保されており、世界的にも珍しいこの建築様式が認められ1996年に国重要文化財に指定されている。さざえ堂 寺・神社・教会
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仏像は明治初頭の神仏分離令で撤去されてしまったため、一時期は白虎隊像が飾られていたものの宇賀神堂に移された後、現在は会津藩道徳教科書:皇朝二十四孝の挿絵的な【三匝堂】が掲げられているけど特に見どころは無かった。
さざえ堂 寺・神社・教会
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一方通行とはいえ上りと下りを行き来できる通路があるようで、反対側の窓が遠くに見えた。
さざえ堂 寺・神社・教会
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そのまま歩みを進めていくと段々天井が近くなり…
さざえ堂 寺・神社・教会
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六角形の天井が姿を現す。
上る途中の壁や柱にも千社札が貼られていたけど、この空間は桁違いで隙間なくビッシリ埋められていた。さざえ堂 寺・神社・教会
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イチオシ
六角形天井の足元は太鼓橋なっていて下りの通路に繋がっており、上りで1回転半・下りでまた1回転半の合計3回転する計算になる。
円通三匝堂の匝=めぐるという意味があるので、江戸時代には会津さざえ堂内を一周すると西国三十三観音霊場を巡礼したのと同様の御利益があるとされていた。
さざえ堂 寺・神社・教会
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神仏分離令により管理していた正宗寺が廃寺となってしまい、西国三十三観音菩薩も他所に移された結果、建物だけが残っている状態なので巡ってもご利益目的は期待でき無さそうだけど、面白かった!
さざえ堂 寺・神社・教会
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階段まで戻り、そのまま山頂まで進んでいくと…
飯盛山 名所・史跡
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広場のようになっていて、この看板が立っていたので先に左側を見ることに。
飯盛山 名所・史跡
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近づくにつれて線香の香りが強く感じられる。
白虎隊の墓 名所・史跡
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もくもく立ち込める線香の煙で真っ白な墓前に手を合わせたり、頭を下げる人の姿が後を絶たない。
鳥羽伏見の敗戦によって会津藩は改めて軍隊の編成替えを行い、玄武隊・青龍隊・朱雀隊・白虎隊の4隊を編成し、白虎隊は会津藩校日新館に学ぶ数え年16-17歳が集められ、各隊は身分階級によって士中一番・士中二番・寄合一番・寄合二番・足軽の5中隊に別れて戦った。
戸の口原の戦いで大打撃を受けた白虎隊士中二番隊はちりぢりとなって、最終的に飯盛山まで逃げ延びた20名は黒煙と炎に包まれる鶴ヶ城を目撃し絶望して自刃したため、蘇生された飯沼貞吉を除いた19士の墓が祀られている。
最初からここに墓が建てられたわけでは無く、会津藩は朝敵とされたために白虎隊の遺体を明治政府は許さず、埋葬許可が下りないまま放置されたのを不憫に思った当時の山主:飯盛正信を始めとする村の有志らが、コッソリと骨を拾い集めて今の墓前広場の一角に仮埋葬をしたのだそう。白虎隊の墓 名所・史跡
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その周りにも会津各地で戦って、命を落とした白虎隊士31名の墓が築かれていた。
白虎隊の墓 名所・史跡
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ローマ軍の象徴である立派な青銅の鷲が乗っている“ローマ市寄贈の碑”。
1928年に、当時のイタリア首相:ムッソリーニから「白虎隊とイタリアのファシスタ党とは一脈相通じるものがある」と贈られた石碑らしいけど、違和感ありすぎる。ローマ市寄贈の碑 名所・史跡
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インパクトの強い看板に従って進んでいくと…
飯盛山 名所・史跡
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石畳で舗装されたゆるやかさな坂を上っていく。
飯盛山 名所・史跡
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急に坂道が途絶えて階段が現れ、眼下には墓地が広がっていた。
人の流れに沿って階段を降りていくと…白虎隊士自刃の地 名所・史跡
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錆びた看板に【自刃の跡】と書かれていて、奥には白虎隊を取り上げる歴史番組でよく目にする白虎隊士石像があり想像よりずっと小さかったので驚いたのと、自刃の跡ってこんなに狭い範囲なんだというのが正直な感想。
この場所に立つ観光客は皆、白虎隊士石像と同じ方向を指さし合いながらみていた。白虎隊士自刃の地 名所・史跡
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飯盛山に辿り着いて目撃したのは、黒煙と炎に包まれる鶴ヶ城(城下で起きた火事を城が燃えていると勘違いした説もあり)。
自分達の至らなさにより会津の敗北を悟った白虎隊士たちは、戻って生き恥を晒すよりはマシだとこの地で命を絶った。白虎隊士自刃の地 名所・史跡
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会津さざえ堂に向かう坂道よりも開けているので見やすいけど、中央の森のような場所が鶴ヶ城なので、この距離感を錯乱状態のなか人間の目で状況判断するのはやはり難しいと思う。
飯盛山 名所・史跡
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来た道を戻って、会津さざえ堂を見納め。
さざえ堂 寺・神社・教会
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下にある“厳島神社”は美しい霊妃のお告げによるものと伝えられ、社殿造営中は霊妃に従う童女たちが姿を現し、人夫達に小豆ごはんを振る舞ったそうで、この小豆ごはんがいくら食べても減らなかったことから飯盛という地名になった。
創建は南北朝時代の1381年-1383年といわれ、地域の豪族:石塚・石部・堂塚の3家により社殿が造営されたのがその始まりとされていている。厳島神社 (会津若松) 寺・神社・教会
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戊辰戦争で白虎隊が鶴ヶ城の情勢を確認するため、飯盛山に向かう際にこの150mある洞穴を通過したのは有名な話で、会津平野のかんがい用水として猪苗代湖から通水した用水路建設は1623年に着工し、最後に造られたこの“戸ノ口堰洞穴”は1835年に完成した。
ちなみに現在でも農業や工業用水に使われていて、私たちが訪れたときは鴨が悠々と泳いでいた。戸ノ口堰洞穴 名所・史跡
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神仏分離令で厳島神社に改名された際に、境内に安置されていた大仏は阿弥陀寺に移管されたけど、鳥居は現在も残っていて覆い茂る木々の差し色になっている。
厳島神社を出ることにはパラパラ小雨が降りだして、傘が必要な程だったので良いタイミングで飯盛山の名所を見ることができた。
この後は、旅行前日の4月29日に鶴ヶ城公園に熊が出没したばかりの鶴ヶ城と、野口英世青春通り沿いに建つ福西本店や野口英世青春館を観光することに。
続きは03へ。厳島神社 (会津若松) 寺・神社・教会
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