新幹線のぞみ＆近鉄ひのとりで結ぶ東京～なんば【親子で東京往復記2021年10月編その２】

2021/10/25 - 2021/10/25

　１年半を過ぎたコロナ禍は、９月以降、謎の感染者急減という局面を迎えました。おかげさまで、我が子の上京通院も安心して行くことができます。
　今回の診察も経過良好という結果。病院を出れば、新幹線～近鉄～フェリー乗り継ぎのはるかなる帰路がはじまりです。

エリア 名古屋(愛知)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 乳幼児連れ家族旅行
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 新幹線 私鉄

　築地の病院から東京駅までは、タクシーを利用。日比谷線～丸の内線を乗り継いでも大した手間ではなかったけど、Uberの75%オフキャンペーンに、乗っからないわけにはいきますまい。
　赤レンガ前駅舎横の「丸の内オアゾ」にやってきました。

丸の内 オアゾ ショッピングモール

　お目当ては、丸善書店。病院がかなり早く終わりそうだったので、急ぎ「東京駅　子連れ　ランチ」で検索した結果が、丸善４階の「M&C Café 丸の内店」だったのです。
　ビジネスマンや女性グループがくつろいでいて、一瞬場違いかなと後ずさりしかけましたが、ウエイターさんがにこやかに迎えてくれました。子ども用の椅子も完備。

M＆C Cafe 丸の内オアゾ グルメ・レストラン

　子連れに一押しな理由はずばり、この景観でしょう！ 東京駅を神田・上野方面に発着する電車が、丸見えです。特に高架の中央線をやや高い位置から俯瞰する形になり、電車の足元までよく見えます。
　下を走る京浜東北線と同時発車するタイミングも多く、同じ形の電車が上下に並んで走っていくシーンは、子どもならずとも惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=AXpumfvWerc

　高架越しにはなるけど、東北 北海道 上越 北陸 山形 秋田新幹線の姿も。後ろにやってきた親子連れ、お母さんの方が詳しく「ほら、H5系だよ！」の声に、４編成しかない貴重な編成の存在に気づきました。

　取り分け後のお皿の写真で失礼！ 名物、早矢仕（ハヤシ）ライスです。なんでもハヤシライスは丸善創業者の考案だとか。肉のダシがよく溶け込んだルーは絶品です。

　ましてこの風景、我が子もごきげんです。診察の辛さは、ねぎらえたかな？

　丸の内駅舎に出てきました。日本を代表する駅にふさわしい風格。皇居に続く行幸通りでは、ウエディングフォトを撮る新婚さんの姿もありました。少しずつ、日常が戻ってきています。

東京駅 赤レンガ駅舎 名所・史跡

　１３時の新幹線まではしばらく間があったので、入場券を買って東日本側の新幹線乗り場へ。はやぶさ、こまち、かがやきの見学に来てみました。
　子ども向け鉄道グッズは東日本の新幹線が席巻してて、九州の我が子にもおなじみ。20年くらい前は、JR九州の特急群がその地位にあったと思うんだけど。

東京駅 駅

　九州は改造車の観光列車が中心になる一方、東日本の新幹線はずいぶんカッコよくなりました。靴、靴下、トレーナー、リュック、ヘルメット…保育園の男の子たちにも、東日本の新幹線はおなじみです。

北陸新幹線 乗り物

　我が子もさぞかし喜ぶかと思いきや、結構しら～っとした反応でした。博多駅で「のぞみ」を見せた時の方は、よほど喜んでいた気がします。
　そういえば我が家のプラレールも、「こまち」より「のぞみ」が気に入ってるもんな。それ以上に好きなのが「ソニック」。さすが九州男児だと実感した、東京駅でした。

東北新幹線 乗り物

　というわけで新幹線見物はほどほどに切り上げ、グランルーフへお散歩に来ました。パパの目当ては、こっちだけどね。
　プハーッ、うまい！

東京グランルーフ、グランルーフフロント 名所・史跡

　１３時が近づいたので、東海道新幹線ホームへ。今回はじめて、スマートEXのICカード乗車サービスを利用してみました。事前にネット上で登録すれば通勤電車と同様「ピっ」で通過できます。
　JR九州もネット予約の販促に精を出してるけど、切符を引換え必須で「二度手間」なんだよね。駅によっては券売機すらなく、窓口に列作らなきゃいけないし。

常陸野ブルーイング 丸の内 グルメ・レストラン

　スマートEX割引は一昨年、数え切れぬほど使ったけど、闘病中の我が子は多目的室の利用だったので、紙の切符への引換えが必須でした。これはこれで、改善してほしいな。
　隣のホームには、おお、N700S！ リニアへ繋ぐ東海道新幹線の「完成系」ともいえる車両です。少し見学させてもらいましょう。

　外観の相違点は見えづらいけど、車内の雰囲気は様変わり。窓回りがシェル状になり、単調さがなくなりました。座席の作りも大いに改善されたとかで、いつか乗ってみたい！

　僕らは乗りなれたN700系で、一路名古屋へと下ります。多目的室からは見慣れた景色も、普通の席から眺めると新鮮ですね。富士山の姿は、残念ながら拝めませんでした。
　今日から車内販売での酒類提供が復活、ご祝儀代わりに買おうと気合いを入れて（？）乗ったけど、道中ほとんどは我が子と共に夢の中でした。

富士山 自然・景勝地

　１時間半で名古屋に到着。我が子はずっとねんねで、やっぱり飛行機より新幹線！ 福岡まで乗ったとすれば５時間弱かかり、昼寝以外の３時間をおとなしく過ごしてくれるとは思えないんだけどね…

名古屋駅 駅

　我が子は、名古屋に初の下車。ヨメさんと一緒に来るのもはじめてです。とはいえ乗り換え時間はわずか20分、JRタワーくらい登る余裕がほしかったな。
　もっとも診察時間が遅くなる可能性もあるので、ギリギリ遅い新幹線を予約しておいた方がベターではありました。

JR セントラルタワーズ 名所・史跡

　おかげで、チケット屋で近鉄の株優を探す暇もなく、ICカードで近鉄ホームにやってきました。2020年３月デビューの近鉄特急「ひのとり」と対面です。
　１年半も経つのに、今もって大人気。赤い車体はつややかに上質で、ヨメさんはトキめき鉄道の雪月花を思い出したそうです。

近鉄名古屋駅 駅

　今回は贅沢にプレミアム車両。前面展望を楽しむべく気合いを入れて、予約開始の２週間前午前10時に、１号車１番BC席を抑えました。
　胸高鳴らせて車内へ。うわぁ、豪華…東北新幹線のグランクラスに匹敵という表現も、誇張ではありません。しかし１号車は最後部で、僕らの席の目の前は壁！ よく調べぬまま予約して、大失敗です。

近鉄特急 ひのとり 乗り物

　座席はゆったりフカフカ。リクライニングは電動で、最適な姿勢に導いてくれます。シートヒーターはぽかぽか。子連れでなければ、２時間の極上な休息時間になること請け合いです。
　これで通常の特急料金＋９００円で乗れるとは、価格破壊もいいところ。先代のアーバンライナーの登場から23年、近鉄が再び度肝を抜いてくれました。

　注目を集めている設備のもう一つが、デッキにあるカフェスポット。相次いで車内販売が撤退に踏み切る中、人手をかけない車内サービスの形を示しました。
　コーヒーはコンビニと同じシステム。それだけに200円という価格の捉え方は分かれそうだけど、動く車内で本格コーヒーを味わえるのだから、仮に400円でも妥当と思います。

　自販機ではお湯を注いで飲むココアや紅茶、お腹持たせる系の携行食お菓子、そしてひのとりグッズを取りそろえ。空腹を紛らわすにはいいけど、カフェと称するなら甘いものもほしいところ。ドーナツくらいは入れてほしいな。

　お砂糖、ミルクはお好みで。

　近鉄の伝統、おしぼりサービスも健在です。

　コーヒーの味はとてもよかったです。飲まず食わずの列車が増える中、普及してほしいサービスですね！
　JR九州もファミリーマートを運営しているんだから、車内に自販機で「ミニファミマ」を備えることも簡単なはずと思うけど、簡単ではないんでしょうね。

　普通車は通常の特急プラス200円。

　こちらもバックシェルを備えた座席で、気兼ねなくリクライニングできます。レッグレストがない代わりに、靴を脱いでくつろげるフットレストを装備。今日くらい空いていれば、充分快適に過ごせそうです。

　プレミアム車両は、贅沢にも最後部と先頭車両の２両が充てられています。ああ、先頭に座ってみたかったなぁ。

　新型車両で喫煙室を設けているのは、東海道・山陽新幹線と近鉄くらいでは？ いくら強力に換気したところで煙の流出は避けられず、もう設置にこだわる時代でもないと思うのですが。
　※たばこを吸わない、個人の意見です

　車内には３か所、ベンチスペースがあり、大型のロッカーも備えられています。手持ちのICカードを鍵替わりに使えるし、シリンダー錠式のロッカーも硬貨は不要です。
　子連れで荷物の多い僕らとしては、かなり重宝しました。

　そしてベンチスペースは、なかなか大人しく過ごしてくれない我が子の、恰好の遊び場に。プレミアムはハイデッカー車両だから、景色を楽しんでくれると思ったんだけどなぁ。
　目の前は壁だった１号車１番の席は、もっともベンチスペースに近い席でもあり、結果的には正解だったのかもしれません。

　上質なエンブレムが輝き、フォトスポットにもなりますね。

　我が子よ、８年後くらいには小学校で習う川だから、よく覚えておくんだぞ。

　「知らんがな」。

　個室付きの伊勢志摩特急「しまかぜ」が名阪間で走ってくれたら…「ひのとり」のベンチスペースもあまり活かされてないようだから、個室にでもすれば良かったんじゃ…
　なんて雑念渦巻くまま、列車は大阪市内へと入ってきました。伊勢中川の三角線も青山峠も、ほとんど記憶にありません。子連れ乗り鉄なんて、そんなものですね。

鶴橋駅 駅

　いろんな意味で、あっという間の２時間でした。また乗ってみたい車両であることには間違いありません。

近鉄難波線 乗り物