2021/07/03 - 2021/07/03
115位(同エリア345件中)
ハンクさん
奥の細道巡りを続けており、梅雨空の下、福島市から車で約6時間走って直江津市に到着した。奥の細道の全行程としては新潟県に入った時点でほぼ半分を超えた。奥の細道本文では芭蕉と曾良は出雲崎で、名高い「荒海や 佐渡に横たふ 天の川」を詠んだあと「病おこりてことを記さず」と一言だけ触れ、いきなり親不知・子不知に飛んでおり新潟県内の多くの名所は端折られている。しかし同行した曾良によれば、直江津に滞在し五智国分寺、居多神社などに立ち寄ったことがわかる。五智国分寺は聖武天皇の詔によって建てられた越後国国分寺であり、寺伝によれば1207年に親鸞が越後国に流罪になった際、境内に草庵を結んで住んだ。1562年に上杉謙信が現在地に移転・再興、江戸時代には幕府から保護を受けた。堂宇は1689年と1794年の火災で全て焼失しており、その後本堂は1997年に再建された。
続く居多神社は歴史は古いが、弥彦神社と比較すると現在の境内は広くはない。居多神社は大国主命・奴奈川姫・建御名方命を祀り、越後一の宮とも呼ばれる延喜式内社。813年に従五位下の神階が与えられ、861年に従四位下に昇階された。927年には越後国頸城郡に「居多神社」と記載されている。なお、ここも親鸞聖人のゆかりの地であり、1207年に越後国府に流罪になった際には居多神社に参詣しており、境内に彼の像が立っている。
更に西に走って、横に長い新潟県の富山県との県境に近い親不知・子不知を訪れた。芭蕉は「親不知・子不知などの難所を越えて市振に滞在した」とあっさりと触れているだけで、詳しくは記載していない。今でこそ国道8号線が洞門続きで走ることができ、北陸本線、北陸新幹線、地下には北陸自動車道が並行して建設されているが、噂通りの天下の検、断崖絶壁の海岸線である。昔から多くの旅人が波に攫われ、その命を落としたそうだ。親子連れの旅人が、打ち寄せる荒波に攫われないように自分自身を守るのが精いっぱいで、このように名づけられたという。
親不知から市振の関はすぐ近く、親不知に続く国道8号線に沿った狭い海岸線にある町、市の中心部は国道を海側に下って車で5分ほど、街道沿いに風情ある街並みが残る。芭蕉と曾良は市振の桔梗屋に宿泊し「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」を詠んでいる。奥の細道の中でも、最も異色の句だ。解説本によれば、どうも創作である可能性が高い。月や太陽や天の川を詠んだ後、一気に浮世の世界に戻った感がある。これは芭蕉は、奥の細道を単なる旅行記として記したのではなく、緻密な文学作品と意識した結果であるようだ。起承転結の「転」、アクセントとしてとらえると、芭蕉の人柄を偲ぶことができる。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車
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親鸞聖人のゆかりの地の鏡ヶ池
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五智国分寺の中の親鸞聖人坐像堂
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親鸞聖人の像
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五智国分寺の本堂
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五智国分寺の小門
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五智国分寺の三重塔
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芭蕉句碑「薬欄に いづれの花を 草枕」奥の細道にはない句だ
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五智国分寺の山門
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五智国分寺の石碑
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五智国分寺の境内の白山神社神殿
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居多神社の入り口
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居多神社の本堂と親鸞聖人像
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居多神社の内部の像
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居多神社の石碑
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親不知の石碑
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親不知のカメの像
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親不知の母子像
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親不知、「天険断崖黎明」とある
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親不知・子不知の天険
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親不知の展望台
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長円寺の入り口
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長円寺の中
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長円寺の境内
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長円寺の芭蕉句碑
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「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」の句碑
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市振の関の石碑
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市振の芭蕉が宿泊した桔梗屋の跡地
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市振の弘法の井戸
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市振の街並み
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市振の関の道の駅
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市振の海道の松
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市振の海道の松
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