2020/11/25 - 2020/11/25
331位(同エリア759件中)
ハンクさん
奥の細道の最初の句「草の戸も 住替る代ぞ ひなの家」は深川の芭蕉庵を人に譲って、旅立つ時に作られたようだ。芭蕉は1680年頃江戸日本橋から深川の草案に移り住み、新しい俳諧活動を開始した。本来はこの地が出発地なので最初に訪れるべきであったが、それほど贅沢を言える身分ではない。
ここ深川の隅田川沿いに建てられている芭蕉記念館を訪れ、芭蕉の生涯について知識を得た。都営大江戸線および半蔵門線の森下駅が最寄り駅で徒歩5分。記念館内には展示室、図書室があり、展示室では写真やパネルによる解説があり、また陶製の芭蕉像や「芭蕉遺愛の石の蛙」などが興味深い。図書室には芭蕉研究に関する書や紀行文、芭蕉全集、俳諧史など約7000冊を蔵書している。芭蕉記念館の外には小振りだが趣ある日本庭園があり、当時の芭蕉庵を模した茅葺き屋根のほこらや芭蕉の句碑がある。
続いて清澄庭園を訪れた。奥の細道とは直接の関係はないが、庭園内に「古池や かわづ飛び込む 水の音」の句碑があるというので立ち寄った。解説によれば、1735年ころ関宿藩主久世家下屋敷の庭園として築かれた。1878年に岩崎弥太郎が手に入れ隅田川の水を引き、泉水、築山、枯山水を主体にした回遊式築山泉水庭とした。この造園手法は、江戸時代の大名庭園に用いられた。1979年に東京都の名勝に指定された。
更に歩いて採荼庵跡に立ち寄った。芭蕉の門人である杉山杉風の別荘で、芭蕉は旅立ちの前に滞在したという。ここには濡縁に腰掛けた旅姿の芭蕉像が設置されており、芭蕉ファンなら見逃すことはできない。
次に千住である。ここで船を上がって前途三千里のおもひ胸にふさがりて、「行く春や 鳥なき魚の 目は涙」を残す。現地に行ってみると、荒川区と足立区のどちら側に上陸したのか両区が争っているというからおもしろい。足立区は千住大橋北詰の大橋公園内に「奥の細道矢立て初めの碑」を立て芭蕉の壁画を描き、かたや荒川区は南千住駅に芭蕉像を建立するなど、巻き返しを図っているという。常識的に考えれば北へ向かう途中なので足立区に分があると思うが、いかがであろうか。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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芭蕉記念館の外観
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芭蕉記念館の展示
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芭蕉記念館の展示
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芭蕉の瀬戸焼の陶像
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芭蕉記念館の展示
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古池の「かわず」
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芭蕉像
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芭蕉像
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「川上とこの川下や月の友」の句碑
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「古池や蛙飛び込む水の音」の句碑
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「草の戸も住替る代ぞひなの家」の句碑
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隅田川の新大橋
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「あられきくやこの身はもとのふる柏」
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「野分してたらいに雨を聞夜かな」
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清澄庭園の「古池や蛙飛び込む水の音」の句碑
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採荼庵跡の芭蕉座像
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採荼庵跡の芭蕉座像
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採荼庵跡の説明
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素戔嗚神社
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素戔嗚神社
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素戔嗚神社内の芭蕉記念碑
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素戔嗚神社内の芭蕉記念碑
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芭蕉のレリーフ
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素戔嗚神社の芭蕉記念碑
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足立区の言う千住大橋北詰の大橋公園内「奥の細道矢立て初めの碑」
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大橋公園内「奥の細道矢立て初めの碑」
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大橋公園内「奥の細道矢立て初めの碑」
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大橋公園内「奥の細道矢立て初めの碑」
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大橋公園内「奥の細道矢立て初めの碑」
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千住大橋北詰の芭蕉の壁画
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千住大橋北詰の芭蕉の壁画
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荒川区の言う「矢立初めの地」千住(南千住駅前の芭蕉像)
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南千住駅前の芭蕉像
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南千住駅前の芭蕉像
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