2021/09/11 - 2021/09/11
34位(同エリア60件中)
ハンクさん
この旅行記スケジュールを元に
「奥の細道」巡りを続けている。この日は車で富山県を走った。芭蕉と曾良は市振の関を越えて越中(富山県)に入り、黒部川を越え、那古の浦に到着。「翁(芭蕉)気色不勝(すぐれず)」と曾良が記しているように、このころ体調が悪かったらしく、越中路は冷淡なまでに端折っている。地元の人に「これより五里磯づたいして、むかふの山陰に入り、(中略)あしの一夜の宿かすものあるまじ」と脅されて加賀の国に急いだようだ。
端折られた越中路であるが、芭蕉達の所縁の地をいくつか巡った。まずは朝日町元屋敷に「早稲の香や 分入る右は 有磯海(ありそうみ)」の句碑がある。この句は、越中路で唯一「奥の細道」に納められた句で、歌枕の地でもある氷見にも行きたかったが、体調も悪く寄り道になるためにあきらめた、という気持ちが読み取れるという。続いて黒部川の土手の脇に芭蕉像と「くろべ四十八が瀬とかや、、、」の石碑(句碑ではない)がある。次に滑川市櫟原(いちはら)神社に「しばらくは 花の上なる 月夜かな」(奥の細道には記載されず)の句碑がある。続いて徳城寺に「早稲の香や、、」の句碑がある。
芭蕉と曾良は倶利伽羅峠を越えて加賀の国へ入った。この峠は源義仲軍と平維盛軍との合戦のあったところ、芭蕉はここに立ち寄って「義仲の 寝覚めの山か 月かなし」を詠んだ。物悲しい句だ。倶利伽羅峠の戦いとは1183年、越中・加賀国の国境で、源義仲軍と平維盛軍との合戦。治承・寿永の乱における戦いの一つ。義仲軍は4,500頭の牛の角に松明をくくりつけ平家の陣へ追い入れる、いわゆる義仲の「火牛の計」が展開された所といわれる(真偽のほどは定かではないそうだ)。この戦法により、平家の軍勢は地獄谷へと転げ落ち、義仲は勝利し上洛、「朝日将軍」と呼ばれた。その後の義仲の哀れな最期を知る我々には、芭蕉ならずとも感傷的になってしまう場所だ。
なお、古戦場から車で10分のところに倶利迦羅不動寺が建つ。創建は718年、元正天皇の勅願により中国から渡来したインドの高僧、善無畏三蔵法師が倶利迦羅不動明王像を奉安したのが始まりと伝えられている。それから約100年後の812年に、弘法大師が諸国を巡る途中で不動明王を拝まれ、自ら本尊と同体の不動尊像を彫り、御前立の不動尊として安置されたという。高台にあり周囲の眺めも良く、ゆっくり散策することをお勧めしたい。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 4.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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朝日町元屋敷の「わせの香や 分入る右は 有磯海(ありそうみ)」の句碑
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朝日町元屋敷の「わせの香や 分入る右は 有磯海(ありそうみ)」の句碑
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黒部川の眺め
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黒部川沿いの芭蕉像と「くろべ四十八が瀬とかや、、、」の石碑
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黒部川沿いの芭蕉像
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黒部川沿いの「くろべ四十八が瀬とかや、、、」の石碑
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滑川市櫟原(いちはら)神社の鳥居
櫟原神社 寺・神社・教会
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滑川市櫟原神社の鳥居
櫟原神社 寺・神社・教会
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滑川市櫟原神社本殿
櫟原神社 寺・神社・教会
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櫟原神社の「しばらくは 花の上なる 月夜かな」句碑
櫟原神社 寺・神社・教会
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櫟原神社の池
櫟原神社 寺・神社・教会
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櫟原神社内の稲荷大明神
櫟原神社 寺・神社・教会
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滑川本陣の街道
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徳城寺の山門
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徳城寺の鐘撞堂
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徳城寺の「わせの香や、、」の句碑
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徳城寺のオリジナルの「わせの香や、、」の句碑
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徳城寺の本堂
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倶利伽羅峠の案内
倶利伽羅県定公園 花見
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「あかあかと 日はつれなくも 秋の風」の句碑
倶利伽羅県定公園 花見
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「あかあかと 日はつれなくも 秋の風」の句碑の説明
倶利伽羅県定公園 花見
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「義仲の 寝覚めの山か 月かなし」芭蕉句碑
倶利伽羅県定公園 花見
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倶利伽羅峠の古戦場跡
倶利伽羅県定公園 花見
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倶利伽羅峠の戦いの義仲の「火牛の計」
倶利伽羅県定公園 花見
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倶利伽羅峠の戦いの義仲の「火牛の計」説明
倶利伽羅県定公園 花見
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倶利迦羅不動寺からの眺め
倶利伽羅県定公園 花見
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倶利迦羅不動寺本殿
倶利伽羅県定公園 花見
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倶利迦羅不動寺の仏像
倶利伽羅県定公園 花見
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