春秋航空で行ってスカイマークでトンボ返り【親子で東京往復記2020年３月編】

2020/03/28 - 2020/03/30

　先月の上京時、「次は少しゆるんでいるといいね、サンシャイン水族館行けたらいいね」なんて話していた我が家。しかし2020年３月末、コロナウイルスの拡大は留まることを知らず、都下ではついに外出自粛要請が出されるに至りました。
　それでも我が家には、上京せねばならぬ事情があります。ひときわ厳しく、「旅」的な要素はまったく織り込めませんでしたが、時代の記録として残しておきたいと思います。

エリア 浅草(東京)

• 旅行の満足度: 4.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 乳幼児連れ家族旅行
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 高速・路線バス スカイマーク 私鉄
• 旅行の手配内容: 個別手配

　往路は佐賀～成田の春秋航空に乗りました。佐賀空港へのアクセスは、リムジンタクシーを利用。前日までに予約すれば使える、便利な「公共交通機関」です。
　久留米からだと福岡空港との競合もあって、戦略的に1,000円という安い価格設定になっています。コースの半分は筑後川の堤防上を走り、爽快。

九州佐賀国際空港 リムジンタクシー 乗り物

　約１時間前に、佐賀空港に到着。ANAを利用する時は到着が早すぎると思いましたが、何かと時間に厳しいLCCだと、ちょっと余裕ない感じになります。

九州佐賀国際空港 空港

　インバウンドの波の中、県の地道なPRの甲斐あって、アジア圏からの国際線が増えていた佐賀空港。「国際空港」の愛称もダテではなかったのに…

　今やすべて消えてしまい、寂しい限りです。

　海苔の自販機とは、佐賀らしい！稼働は3月末までだそうで、残念。

　柳川のお雛祭りとのタイアップ企画。県境を越えた柳川も、福岡空港より佐賀空港の方がずっと近く、利用エリアに数えられます。
　それにしても、もう３月も末。そろそろしまわないと…。

　移動そのものが急減している世の中で、春秋航空、意外と乗客が多くて驚きます。赤ちゃん連れも多く、旅行という雰囲気でもないので、転勤がらみの移動なのかも。

　ゲート内売店名物のセルフ生ビールは、感染拡大防止の観点から、コーヒーサーバーともども停止中でした。残念だけど、旅行でもないんだし仕方ないか。

　しずしずと出航を待つ、春秋航空日本。中国系とはいえ、国内LCCでは唯一、大手２社の傘下ではない会社です。
　佐賀発成田行きは午後発１本のみと時間帯はよくないけど、とにかく安く助かる存在。５年ぶり、2度目の搭乗です。

　出迎えご苦労！

　機内は安っぽい感じではなく、５年経っても清掃が行き届いていて清潔。安心して乗ることができます。
　機体後部は空いていた上に赤ちゃん連れが集中してて、かなり気楽に過ごすことができました。

　機内サービスが有料なのは、LCCらしいところ。

　あれ、割と普通のラインナップになっちゃったな…以前は就航地各地の名物を積んでて、「さぬきビール」とおつまみのセットが500円と良心的な値段で、気に入ったんですよね。
　中国系ながらに日本のローカル色を出してて、好感を持ってたんだけど。

　CAさんが絵本を貸してくれて大助かり。声を上げて読むには、なかなか勇気がいる内容ではありました(笑)。

　少々の揺れはあったものの、無事に定刻に成田空港着。時間は17時過ぎ、都内に向かうと19時前くらいになり、ラッシュがいやな時間帯です。
　そこで今夜は成田の宿を抑えておきました。シャトルバスで第２ターミナルまで行けば、無料の送迎バスが出ています。

成田空港第2ターミナル 空港

　バスはさすがにガラガラ。

　揺られること20分、マロウドインターナショナルホテル成田に到着です（写真は翌朝に撮影）。

マロウドインターナショナルホテル成田 宿・ホテル

　豪華な調度で、いかにもシティホテルって感じだけど、さすがに人の気配は薄く、ひっそりしています。混んでたら混んでたで、困ったこととは思いますが。

　部屋もビジネスホテルよりはだいぶ広め。設備は少し古びた感じもするけど、１泊１部屋8,000円なら納得の範囲です。

　窓からは、成田空港の滑走路ビュー！これぞこのホテルのウリの一つで、滑走路ビュープランを出しているほどです。
　僕は通常プランでしたが、チェックインの時にお願いしたら、通常プランでもOKのもっとも滑走路側の部屋にしてもらえました。

　とはいえ、今は旅客機が急減。しかも今日の天気だと、飛行機がこちらへ向かって上昇する頃にはすでに雲の中で、あまり飛行機の姿を堪能できなかったのは残念です。
　唯一、身重な貨物機だけは飛び上がりが遅く、機体も大きくて迫力ある離陸シーンを楽しめました。

　むしろ、真下を走る京成電車のトレインビューが楽しかったです。

　インバウンドの伸びを取り込むべく、この春から20分毎に増発されたスカイライナー。どの列車もガラガラで、無人の号車もチラホラ見えます。本領発揮できるのは、いつの日になるのかな…。

　ホテルには滑走路ビューのレストランがあるらしいけど、さすがに利用は自粛して、１階のコンビニ（ポプラ）の弁当で済ませました。
　有料の大浴場も、夜景がきれいなバーも、行ってみたい気持ちをガマンガマン。部屋に閉じこもりでも少しリフレッシュできたのは、滑走路＆トレインビューのおかげです。

　翌朝は10時過ぎにチェックアウト。送迎バスで成田空港へと戻ります。
　沿道では桜満開。花見は禁じられようとも、人間ともウイルスとも無関係に、春の合図は告げられます。

　成田空港からは、電車で都内へと向かいます。必然的に空港ターミナルへ入ることになり、何となく早足になってしまいました。
　それにしても、このひと気のなさ。4年前、新婚旅行でヨーロッパへと旅立った時の高揚感を、まったく思い出せませんでした。

成田国際空港 空港

　空港第２ターミナルビル駅も、ご覧の惨状。ただ海外からの観光客も、ゼロというわけではありません。家族連れもいて、なにかと不安を抱えながらの旅だろうな。

空港第2ビル駅 駅

　乗客のいないスカイライナー。乗る分には安心だけど、僕らの今夜の泊り先は都営浅草線の浅草橋なので、パスしました。
　4月１１日以降は一部が青砥に停まるとのことなので、次回は乗るかも。

京成スカイライナー 乗り物

　今のところは浅草線方面への最速手段、アクセス特急・羽田空港行きに乗りました。数少ない、京急の車両による運用です。

アクセス 特急 (京成電車) 乗り物

　ありがたいことに、車端部がクロスシートの車両。そのほとんどが優先席だけど、赤ちゃん連れなので遠慮なく座らせてもらいました。

　この日は、急な寒の戻りに見舞われました。満開の桜も、雪化粧です。しかも都内に近づくにつれ、雪の勢いがどんどん増してきます。
　電車は１両に数人というがら空きっぷり。外出自粛要請がよく守られているということでもあるし、それ以前に出かける気も起きない天気です。

　かくいう僕自身も、せっかく東京に来て子どもと出歩けないことに腐ってましたが、この天気ならいずれにせよ宿舎にこもっていたと思います。https://youtu.be/0sXYUyRb2dE

　水面に上がる湯気。

　浅草橋に到着。先月も人の少なさにびっくりしましたが、今日に至ってはもう、賑わっていた街が見る影もありません。外出自粛要請下の、あるべき姿ではあると思います。
　もちろん僕自身も、食事の買出しのため最小限の外出に留めました。

浅草橋駅 駅

　営業自粛。

　営業自粛。

　営業している店も、客入りはほとんどありません。
　肉寿司さん、通常価格567円の豚トロ丼を、コロナと読めて縁起が悪いということで、500円（税込）で売っていました。

浅草橋 酒肴 肉寿司 グルメ・レストラン

　おかげで、食いっぱぐれずに済みました。ありがとうございました。

　ちなみに晩御飯も、総武線高架下のとんかつ屋さんでテイクアウト。コンビニ飯でもありつければ上出来かなと思っていたので、いろいろ食べられて、少し元気が出ました。

　宿舎の窓から眺めた、神田川の屋形船と桜。まるで歌の世界のような風景です。これが唯一の、東京の春らしい経験だった気がします。

神田川 (東京都) 自然・景勝地

　翌日、築地での「所用」を無事に終えました。ほっとした気持ちになり、解放感から「高輪ゲートウェイ駅でも見に行っちゃおうか！？」なんて気にもなってしまいますが、ここはガマン。
　東銀座から直通のエアポート快特で、羽田空港へと急ぎます。羽田方面も、平時に比べればやっぱりガラガラです。

東銀座駅 駅

　帰路はスカイマークを利用。JALやANAが減便する中、スカイマークはこの日通常通りの運航で、その分空いているだろうとの読みでした。
　もちろん大手2社に比べて安いのも理由。荷物の預け入れもLCCのような厳しい制限がなく、ほどほどのバランスが取れた会社だと思います。

羽田空港 第1旅客ターミナル 空港

　さて、築地での「所用」が早く終わったので、空港では２時間弱も時間があります。特割運賃なので前の便に変更もできず、さりとて空港内をブラブラするのも怖い…
　昼飯場所＆逃げ場として、案内所に子ども向けのレストランはないかと聞くと、こちら「ル・シエール」を紹介されました。

ル・シエール グルメ・レストラン

　「それなりの雰囲気」のレストラン。「それなりの値段」がするし、パスタはもちもちしてておいしい。クラフトビールも置いていて、ちょっと贅沢な昼呑みもできます。

　なのに、靴を脱いで遊べるキッズスペースがあるのはありがたい。夫婦交代で遊ばせながら、ひさびさの外食を楽しめました。
　今日こそガラガラだったけど、「平時」ならキッズスペース横の２テーブル、大人気なんじゃないかな。

　13時45分発の福岡行きで帰ります。なんと飛行機はほぼ満席。やはり人の移動が多い時期ということなんでしょうか。不安だ…

　頭を雲の上に出す富士山に見送られ…

　２時間弱で福岡に到着。４度目のフライトにしてはじめて、我が子はぐっすり眠って過ごしてくれたので、だいぶ助かりました。
　空港から久留米行きの高速バスも、半分近くの乗車率。30分前の便が減便になった影響のようです。感染症対策のためには空いているのが何よりだけど、交通事業者としての判断は別だろうし、なんとも痛しかゆしなのでした。


　　

福岡空港 空港