年寄りの冷水登山？　駄洒落のタイトル思いついたばっかりに果無山脈へ行く羽目に！

2019/10/25 - 2019/10/26

　山のガイドブックを見ていたら「冷水山」を見つけた。おお、これは「年寄りの冷水登山」の洒落に使えるやんと思い行ってみることに。

　今までで一番軽薄な動機の山登りかも。

　因みに「年寄りの冷や水」という諺は、老人が冷水を浴びるような、高齢に不相応な危ない行為や差し出がましい振る舞いをするのを、警告したり冷やかしたりしていう言葉だそうである。

　ダジャレのタイトル思いついただけでは旅行記書けないので、冷水山や果無山脈について調べてみた。林道で山頂近くまで行けるようだ。

　今回のルートはバイクで十津川村から熊野本宮に入り一泊、紀伊半島最長のスーパー林道龍神本宮線３０ｋｍを走り、途中にある果無（はてなし）山脈の冷水山を冷かして龍神温泉から高野山にも寄りつつ帰るという年寄りの冷水的ツーリングである。

　林道でパンクしたらまたレッカー車のお世話になるかも。

　ところで熊野市は三重県にあるのだが熊野本宮は和歌山県田辺市にあるのだ。
　

エリア 十津川温泉(奈良)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩 バイク

　十津川村と和歌山県の間を東西に横たわっているのが果無（はてなし）山脈。

　スーパー林道が一部分山脈の尾根筋に接近して平行に通っているので、簡単に尾根に取り付ける。

　このスーパー林道竜神本宮線３０ｋｍを熊野本宮から丹生の川までツーリングし、途中冷水山に登る予定である。

　鎌倉幕府に追討された後醍醐の皇子大塔の宮、護良親王（もりよししんのう）が熊野へ落ちる途中で十津川に行先を変更し通った所が果無山脈と言われている。

　行けども行けどもたどり着けない「果無」の道、その名にロマンを感じるではないか。

　世界遺産「熊野古道小辺路」はこの山脈を果無峠で越えて行く。

　大阪方面から熊野本宮へは国道１６８号線で十津川温泉を経由して行く。

　面積日本一の村、天誅組などで有名だがその話はここではしない。

　学生時代にこの川で遭難しかけたドラゴンであるが、これは年寄りの冷や水ではなく若気の至りである。

　上流から立ち泳ぎしていれば流されて簡単に下流に行けるというので挑戦したが、渇水期で水が少なく泳げない。立って行くには坊ちゃん育ちのやわな足の裏が痛くて石ころの河原を歩けない。メガネを友人に預けたので０．１以下の視力では周囲の状況も把握できない。

　裸足で道路まで木の枝をつかみながら崖をよじ登ったが九死に一生を得た心地だった。（ちょっと大袈裟！）

　そんな事などを思い出しながら十津川を経由し熊野本宮に到着。

　神社仏閣に興味のないドラゴンであるが旅行記の為に写真撮影。

　

　熊野本宮大社の主祭神に仕える鳥が神武東征の折に熊野から大和まで神武を案内したとされる「八咫烏」であるが、三本足のカラスである。

　韓流歴史ドラマのファンであるドラゴンの三大フェイバリットは「チャングム」「ホジュン」「チュモン」なのだが、高句麗の建国歴史を描いた「朱蒙」、その旗印が「三足烏」である。

　我々の先祖、大陸から渡来してきた弥生人に思いを巡らせるドラゴン。

　こちらが高句麗の三足烏。

　無神論者なので参拝はしないが参道の真ん中を避けて歩くなど敬意は表して見学、結構な階段を登る。

　八咫烏の郵便ポスト。

　本殿というのかな？

　ドラゴンの守り神はこれ、って無神論者じゃなかったか？

　ここは世界遺産でもある熊野古道の出発、終着点らしい。

　さて、本日のお宿は湯の峰温泉。

　近くにはわたらせ温泉や川湯温泉もあるのだが、民宿や旅館は満室で予約が取れない。

　つぼ湯で有名な湯の峰に決定。

　卵を買って温泉卵を自分で茹でられる。

　旅館や民宿は満室の様でこのホステルに泊まることに。

　小栗屋という老舗旅館を買い取りホステルに改装した宿。

　外観は古いが内装は現代的に。

　鍋や食器、ＩＨヒーター、電子レンジ、冷蔵庫、湯沸かしポットなど完備。近代的な湯治宿のようでもある。

　団欒室は日本的な雰囲気を残している。

　２４時間使用可能。

　食事の提供はないがキッチンで自炊可。

　コーヒー、お茶などは無料で提供。

　大部屋に二段ベッドを並べただけの無味乾燥なヨーロッパのホステルと違い、８人部屋ドミトリーであるが個室感覚の配置。

　荷物のスペースや金庫も完備。

　１０時消灯で真っ暗になる山小屋とも違い夜中でも読書できる。

　そしてこの宿の売りは２４時間入浴可の源泉かけ流し温泉。

　露天１、内湯２がありそれぞれ貸し切り状態で使える。

　年寄りに冷や水のはずが温泉になった。

　素泊り３５００円に入湯税１５０円だが、露天風呂に４回入ったドラゴンは充分に元を取ったかも。

　安く自炊も出来るので長期旅行の外国人に人気のようで泊り客の９０％以上が外国人。

　彼はフランス語が母語のスイス人、ジュネーブ在住２８歳。２年かけて世界一周の予定で最初の国が日本だそうな。

　英会話がイマイチでフランス語訛りがあるので聞き取り辛い。ポケトークのような翻訳機で会話。熊野古道などについていろいろ質問されるがこちらの方が無知。アドバイスできなくてごめんね。

　ロンドンから主人と子供を置いて一人で熊野古道を歩き倒しに来たご婦人。毎日あちこち歩きまわっているそうな。

　ここでは色んな国の人と出会えます。

　バルセロナから来たカップル。こちらはちょっと挨拶しただけ。

　温泉が貸し切りで使えるのでカップルには持って来いのお宿かも。

　さて翌日は天気も回復し果無山脈に向けて出発。

　紀伊半島最長の林道、龍神本宮線。

　林道は熊野古道ではないが交差したりしている。

　林道上には古道のスポット名所もある。

　台風の影響か路面には枝や落石あり。

　動画もどうぞ。

　https://www.youtube.com/watch?v=xzySNCBjSog&feature=youtu.be

　さて、最短で冷水山へ登れる登山口を行ったり来たりしながら探したが見つからず尾根に一番近い登山口から行くことにした。

　ここからだと尾根には近いが黒尾山を越えて行かねばならない。

　ここからだと５分で尾根に出られる。

　下山して分かった冷水山の登山口。探していたところよりもずっと手前だった。

　ここからバイクを置いた登山口まで４ｋｍのロードウオーク。

　果無の尾根から北の奈良の山々を眺める。

　この縦走路も果て無く遠いが北に連なる山々も果が無いように思える。

　果無縦走路はずっと尾根道なので踏み跡ははっきりしないが天辺を歩いていれば間違いない。

　まずは黒尾山制覇。

　果無の最高峰、冷水山はまだ先だ。

　もう少しかな？

　そして遂に冷水山制覇！

　「年寄りの冷水登山」、ミッションコンプリート！

　思いついた駄洒落を実行するのも大変だ。

この旅行記へのコメント （7）

• はなまま さん 2019/10/27 20:56:11

  冷水山お疲れ様です

  ドラゴン様
  
  十津川村はバスでも日本最長バス路線というのに、バイクではさぞかし遠路だったことでしょう。
  でも冷や水を浴びることなく無事に冷水山を制覇されて良かったです。
  
  果無って山脈の名だったんですね。ロマンある響きに惹かれ、はなままも谷瀬の吊り橋&果無集落へ行きたいなーと画策中です。あと写真にあった黒いヤタガラスポストも見てみたくなりました。
  
  韓流ドラマでははなままのビッグ3も同じです。特にイ・ヨンエさんとハン・ヘジンさんの美しさには毎回釘付けでした。
  
  はなまま(*^^*)
  

  熟年ドラゴンさん からの返信 2019/10/27 21:17:29

  Re: 冷水山お疲れ様です

  　大学時代の親友が十津川出身なので50年前にも行きました。その時の168号線は狭くてバスの後部座席に乗るとカーブの度に道からはみ出し怖かったです。今は道も整備され走りやすかったですよ。
  
  　果無集落から果無峠を越えて熊野本宮へ至る小辺路は歩きごたえがありそうですね。

• はなまま さん 2019/10/27 20:43:53

  長旅お疲れ様でした！

  ドラゴン様
  
  こんにちは。十津川村はバスでも日本最長路線というのに、バイクではさぞかし遠路だったことでしょう。
  でもご無事で

• mr-japonさん 2019/10/27 11:40:53

  「冷水山」登頂、ご苦労様です・・・

  今回も楽しく旅行記を拝見させて頂きましたが、「我々の先祖、大陸から渡来してきた弥生人に思いを巡らせるドラゴン」この文には、異議あり。古来より朝鮮嫌いのmr-japonは、最近、日本人は大陸から弥生人が日本列島にやって来たのではなく、南方到来説を信じています。DNA鑑定によれば、日本人は、中国国、朝鮮人と違うらしいし、そう信じたい～
  来年3月、１０日に大阪に戻るということですが、どうもクラーク⇒関空便は無さそうですね（有れば私も利用します）。私は、クラーク⇒マニラ経由で名古屋を考えております。９日はフリーですから、ご一緒出来れば幸いです。
  昨年は大阪が台風の大被害に遭いましたが、今年は関東以北が被害に遭いました。北陸は北アルプスのお陰で無傷で済みました。私は現在、抗がん剤治療を続けており、副作用にも悩まされていますが、大好きなフィリピンへ行く元気があるうちはまだ、大丈夫と自分に言い聞かせています。
  神初直樹
  

  熟年ドラゴンさん からの返信 2019/10/27 14:19:45

  Re: 「冷水山」登頂、ご苦労様です・・・

  　ジェットスターはクラークー関空便ありますよ。
  
  　渡来人には不勉強で済みません。大陸ではない南方という事はフィリピンあたりですかね。

  mr-japonさん からの返信 2019/10/27 14:50:27

  R：関空～マニラ便はあるが・・・

  関空～クラーク便のサイトを教えて頂けませんか？マニラ経由は不便ですし、一緒に帰れますからね。お願いします。

  熟年ドラゴンさん からの返信 2019/10/27 14:59:09

  Re: 「冷水山」登頂、ご苦労様です・・・

  メールにジェットスターのＵＲＬ貼り付けて送りました。