団塊夫婦のヨーロッパアルプスドライブ＆ハイキングーイタリア版モンサンミッシェル・サクラディサンミケーレへ

2019/07/25 - 2019/07/26

2019年の夏は、2016～2018年に続いてイタリア・オーストリア・スイス・フランスのアルプス地方のドライブ旅行とハイキングに決定。ヴェニスイン、ジュネーブアウトの航空券を購入し、実際の旅程は直前の天気予報を見ながらその都度決定。5泊6日のスイスの旅の後は、イタリアのアオスタ谷へ入り、その後フランスに1日だけ入ってイズラン峠をドライブした後、再びイタリア・スーザへ。スーザから北上し、グランパラディ―ソ周辺やアオスタ谷をドライブし、チェルビニアでマッターホルンをイタリア側から見ながらハイキング。最後はアオスタに戻り、ジュネーブまでバスで行き帰路へ。
第17部は、後半のイタリア編その２で、ローマ時代の遺跡が残るスーザの町を散策し、さらにイタリア版モンサンミッシェルといわれるサクラ・ディ・サン・ミケーレを訪れた時の旅行記です。（表紙写真は、山の麓から見上げたサクラ・ディ・サン・ミケーレ）

今回の全旅程は以下の通り。

7/16 成田ー（OS,ウィーン経由）－＞ヴェニスー(バス）－＞パドヴァ(泊）

7/17 パドヴァ市内見学後レンタカーを借り出して、シルミオーネへ(泊）

7/18 シルミオーネー＞ガルダ湖畔ー＞モルベーノー＞(オーストリア)ナウダース（泊）

7/19 ナウダースー＞（スイス)グアルダー＞アルブラ峠ー＞ランドバッサー橋ー＞ゼードルン(泊）

7/20 ゼードルンー＞アンデルマットー＞スーステン峠ー＞インターラーケン(泊）

7/21 インターラーケンー＞グリンデルワルドー＞グローセシャイデッグ
　　（トレッキング）グローセシャイデッグーフィルストーバッハアルプゼー
（ウィルダースヴィル泊）

7/22 シニゲプラッテ往復
　　 ヴィルダースヴィルー＞カンデルシュテーク
　　（エッシネン湖トレッキング）ー＞グリムゼル峠ー＞フィーシュ(泊）

7/23 エッギスホルン往復ー＞ブリーグー＞マルチーニー＞ヴェルビエ（泊）

7/24 モンフォー往復ー＞グランサンベルナール峠ー＞(イタリア)アオスター＞ラ・トゥイール（泊）

7/25 ラ・トゥイールー＞プチサンベルナール峠ー＞（フランス）バルディ・ゼールー＞イズラン峠ー＞ランスビラールー＞モンスニ湖ー＞(イタリア)スーザ(泊）

7/26 スーザー＞サクラ・ディ・サンミケーレー＞クオルニェー＞ニヴォレット峠ー＞
　　　チェレゾーレ・レアーレ(泊)

7/27 チェレゾーレ・レアーレー＞イッシメー＞サヴォイア城ー＞アオスター＞アイマヴィル(泊）

7/28 アイマヴィルー＞バール要塞ー＞ブレウイル・チェルビニア(泊）

7/29 ブレウイル・チェルビニア周辺トレッキングー＞アオスタ空港（レンタカー返却）－（バス）－＞アオスタ（泊）

7/30 アオスター（バス）－＞ジュネーブー（OS)ー＞ウィーン(泊）

7/31 ベルべデーレ宮殿見学後、ウィーンー(OS)－＞成田(8/1)

エリア イタリア

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー 徒歩

フランス・ノルマンディー地方のモン・サン・ミッシェルは、誰でも知る壮麗な宗教建造物だが、実はイタリアにも同じような宗教建造物がある。それが、今回訪れることになったサクラ・ディ・サン・ミケーレという修道院だ。トリノの近郊にあり、標高962mの険しい山の頂上に建っている。モン・サン・ミッシェルと同様に聖ミカエルを祀り、修道院の建築もモン・サン・ミッシェルを手掛けたグリエルモ・ダ・ヴォルピアーノの手によるものだ（建築時期はこちらの方が早い）。イタリア版モン・サン・ミッシェルといわれる所以だ。（写真は、高速道路から見上げたサクラ・ディ・サン・ミッシェル）

7月25日、イタリアとフランスの国境近くの町ラ・トゥイールから、プチサンベルナール峠を越えてフランスへ。フランスアルプスの最奥、アルプス最高所のイズラン峠を越え、再びイタリアに入り、国境の町Susa(スーザ）にたどり着いた。スーザはローマ時代の遺跡が残る歴史ある町ということで、この町に宿を決めたのだった。

予約したホテル(Casa per ferie Centro Beato Rosaz)の住所をナビにセットしてスーザの町に入ると、とても車が通れそうもない道に誘導された。私だけが下りて、歩いて調べた結果、ナビはローマ劇場横の人しか通れない道へと誘導したようだ。しかたなくＵターンし、街中をホテルの方向へと走ると、公共駐車場があり、そこからホテルの前に出ることができた。この宿は写真に写っているように大きな建物で、中に入ると修道女が出てきたので、どうやらスーザのフランシスコ会が関係し、巡礼者や観光客のための宿泊施設のようだった。受付にいた修道女はイタリア語しか喋れず、チェックインには少し早い時間だったので、英語の話せるホテル関係者が来るまでしばらく待ってから、ようやくチェックインできた。

チェックインした時間帯は非常に暑く（この時期パリでは40度越えを記録したとか）、修道女の案内で通された部屋も熱気がこもっていた。標高５０３ｍで普段はクーラーも必要ないくらいすずしいところなのだが、今年の夏は異常なのだろう。部屋は広々として快適だった。

バスルームも広々。バスタブ付。運悪くこの日は工事で熱いお湯は夕方6時まで出ないということを告げられたが、暑かったので水シャワーでさっぱりした。これで一泊朝食付きで9千円未満。お得だ。最初予約するときに規模の割にばずいぶん安いと思ったが、フランシスコ会という宗教団体が経営する宿ということなら納得。

宿からの旧市街の眺め。この宿は旧市街の遺跡のそばにあるので選んだ。

シャワーを浴び、涼しくなってから旧市街へ。宿の駐車場横から旧市街へ入る門へ。この時気付かなかったが、右の高い壁が城壁だったようだ。

これも知らないで撮影したもので、アデレード伯爵夫人のお城（Castello Della Contessa Adelaide)の城壁と入り口だったようだ。Adelaideはトリノ侯爵Olderico Manfrediの娘で、サヴォイア家のウンベルト1世(サヴォア伯）の息子と結婚。この結婚でイタリアにおけるサヴォイア王朝が始まるきっかけになったという。さらにAdelaideの娘はHenry Ⅳ世と結婚している。

ローマ時代の水道橋？

奥に見えるのが、アウグスティヌスの門。

橋の下をくぐってから、歩いてきた方向を振り返って。

昔からある水飲み場だろうか？

原形をとどめたアウグスティヌスの門（Arco di Augusto)。この門は、初代ローマ皇帝アウグストゥスと、ケルト王Cotiusとの間で結ばれた同盟関係を祝う意味で建てられたものだそうだ。

門の上部のフリーズ（帯状彫刻）には動物たちの行列が描かれていた。パンフレットには協定を結ぶまでの動物たちの犠牲が描かれているというが、動物ばかりでなく人も描かれているので、多くの人の命を犠牲にしたことを意味しているのかもしれない。

拡大して。

門越しに見える景色。

上記と反対側を見る。

中世の町への入り口。2つの塔のある珍しい形の門だった。

門の中に建つSt.Guista教会.

中に入ってから見た門の裏側。

教会の塔。

再び門の外に出て宿で教えていただいたピッツァリアヘ。

お店は7時からということで、10分ほどベンチに座って待つ。

5分ほど早めに入った客のあとについていったら、入れた。二人でシェア。最初から切って運んできてくれた。あっさり味のピザだった。トマトソースがもうすこしかかっていればなおおいしかった。

帰り道で再び旧市街を撮影。

門の正面から。

旧市街横の公園。右側の塔はS.Maria Maggiorie. ロマネスク様式の4階建ての塔を備えた町で最古の教会だったが、１８世紀半ばにクローズし、今は個人の家になっているそうだ。

再びアウグスティヌスの門を通り、ホテルの方面へ。

ホテル横から奥へ行くとローマ時代の劇場跡があったが、今は子供たちの遊び場と化していた。

自由に出入りでき、市民の行事が開催されるようだ。

7月26日。朝食を早めに済ませ、8時にはチェックアウト。

今日の宿は、グランパラディーソ国立公園の南側の山麓にあるチェレゾーレ・レアーレという町。そこに行く前に、イタリア版モンサンミッシェルといわれるサクラ・ディ・サン・ミケーレ修道院に立ち寄ることにした。まず、スーザから高速A32に乗り、トリノ方面へ走る。20㎞ぐらい走ったところで、前方に険しい山の上に建つサクラ・ディ・サン・ミケーレが見えてきた。逆光なのでシルエットになっている。

すぐそばから見上げる。

横を通り過ぎる。

通りすぎた後は逆光ではなくなり、修道院の外観がわかるようになった。

修道院に行くには、いったんその横を通り過ぎてから、トリノの手前で高速を降り、少しスーザの方向に戻ってから山道に入っていく。時刻は8時半ごろ。

どんどん山道を登っていく。

チャリダーの姿も。修道院まで行くのだろうか？　写真の右側、木々の間に修道院が写っている。

15分ぐらい走ると駐車場に到着。修道院までは、さらにもう少し歩いて登らなければならない。

ようやく修道院が見えるところまできた。時刻は8時50分。

手前には古い建物の跡。最初に修道院が建てられたのは983年だという。そのころのもの？

最初周囲を巻く道を歩いて修道院の真下まできたが、違う道だったようで、戻らざるを得なかった。

修道院へはこの坂道を登らなければならないようだった。日ざしが強く、けっこうつらい登りだった。

近づくと建物の大きさに驚く。

見上げるとほんとうに高い。

更に階段が続いている。

大きすぎて全体が入らない。これがぎりぎり。

階段を上がる手前にチケット売り場があったが、9時半から開館で、まだ２０分も待たなければならなかった。

中は恐らく撮影禁止だろうということで、ちょっとだけ敷地に入らせてもらい記念写真だけ撮り、修道院には入らずじまいだった。

聖ミカエルの像？天使らしくない勇ましい像だ。

上から庭を撮影。

下の街並み。逆光で残念だ。

修道院を後にする。時刻はまだ9時15分。

登ってきた道を戻る途中、無理に車を停めて、木の間から見えた修道院を急いで撮影。この角度からみえた建物がフランスのモンサンミッシェルに近かった。

さらに下って行くと、正面に修道院を見上げることが出来る場所があったので、車を停めて撮影タイム。

拡大して。この場所から見上げる修道院は、そばで見るよりもバランスの取れた端正な姿だった。

車を停めた場所のすぐ近くに建つ家。なんと素晴らしいロケーション！

修道院をバックに記念撮影。

来る前は予想もしなかった険しい山上の修道院が見れて、満足。イタリアは本当に歴史的建造物の宝庫だ。今日は、これからさらに険しい山奥に入るドライブが待っている。（その１８に続く）