長距離普通列車　飯田線544M乗車録

2015/08/29 - 2015/08/29

始発から終点までの走行距離あるいは所要時間が長い普通列車。寝過ごせばとんでもなく遠い駅まで運んでくれる存在だ。
上野東京ラインで静岡県の熱海から栃木県の黒磯まで5時間近くかけて走り通す列車など探すといろいろ見つかる。
日本最長として知られるのは北海道の根室本線を走る2429Dだ。8時間27分をかけて308.4㎞走行する。

秘境駅などファンも多い列車は飯田線を走破する544M。始発から終点まで乗車時間6時間57分 距離213.7km、天竜川沿いを駆け抜けます。
過去に作成した乗車録が出てきたので、こちらに投稿しました。ちょっと昔話ですが、現在もこの列車は同じように走っているみたいです。

エリア 長野

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JRローカル

中央本線の上諏訪駅が始発。
ホームに足湯があることで有名ですね。

上諏訪駅 駅

上諏訪 9:19発

8:56の中央本線松本行きが到着の時点ですでに入線済み。
4両編成の電車の車内は空席が目立つ。

9:15の特急の接続を待って544Mは出発。

長野のど真ん中なのに愛知県の海沿いのまちの名前がある不思議。しかも普通列車。

上諏訪を出て、下諏訪、岡谷と停車。
岡谷で後続の下り中央本線と接続待ちで13分停車。
乗り換え客で座れない人も出るほど混雑。

というのも、ここで中央本線は分岐してみどり湖方面と辰野方面へ分かれます。544Mが向かう辰野方面は1時間に1本と少ないのです。


辰野 9:59発

ここが飯田線の終着駅。JR東海の乗務員と交代する。
塩尻方面からの列車と接続する。

辰野駅 駅

辰野を出て中央本線と別れ、飯田線に入る。

田畑　10:28発

東京の田端とは大違い。

田畑駅 駅

沢渡　10:44発

「さわんど」と読む。
小さな駅がたくさんある飯田線。普通列車なので数分おきに各駅に停車しながらゆっくり進んでいく。

沢渡駅 駅

この写真の右下に残像だけだけど写っているのは勾配標識。

JRで最も坂がきつい線路はここ、沢渡－赤木の40‰。
急勾配区間と言えば峠越えなど山間部を想像してしまうが意外にも平野部。

まぁ、飯田線がもともとJR(国鉄)の線路ではなかったから設計思想が違ったのだろう。

これは信州名産の蕎麦の花だろうか。

宮田 11:00発

飯田線は単線。列車の行き違いのために長時間停車することもしばしば。
宮田では9分停車
しばらくホームへ出て外の空気でも吸おう。

宮田駅 駅

当時2015年の時刻表。
上り下りとも10時台は1本もない。ただ意外にも5時台や23時台にも走っている。

伊那大島　11:54発

岡谷行とすれ違い。

伊那大島駅 駅

飯田 12:19発

上諏訪を出てから3時間が経過。飯田に到着。
リニアができたらどんなふうに変わるのだろうか。
ホームの木のベンチや跨線橋がいい雰囲気。

飯田駅 駅

伊那八幡　12:34発

この辺りはこんな感じの駅舎が多くある。

伊那八幡駅 駅

天竜峡 12:49発

ここで乗務員さんは交代。辰野から2時間50分お疲れ様でした。
川下りや温泉など観光地で人の乗り降りがそこそこあります。
ここから天竜川沿いに山間部へ入ります。

天竜峡駅 駅

この日は雨が降ったりやんだりで天気はいまいち。
暴れ川、天竜川も真っ黒。

金野　12:55発

山間区間に入り、ここから秘境駅のオンパレード。
夏休みシーズンということあってか降りる人もちらほら。無人駅でも乗務員さんがばっちり見てます。

金野駅 駅

秘境とかなんやかんや言いながらも、人が住んでいる地域もあります。
使われる機会がない駅が多いだけで。

為栗 13:17発

蛇行する天竜川の左岸沿いに線路は続きます。水力発電がいくつかありました。
トンネルや鉄橋をいくつも通ります。
大きくカーブするところでは走ってきた線路が遠くに見えます(写真ではトンネルが)。

為栗駅 駅

中井侍　13:36発

なんか強そうな駅名ですが、崖と川に挟まれた秘境駅。

中井侍駅 駅

小和田 13:40発

飯田線屈指の秘境駅。ファンが何人か降りていました。
トンネルに挟まれ正面は川。周辺に民家はない。木造駅舎。
長野・静岡・愛知の県境付近に位置している。実際の県境は川の上。
どういうわけか恋愛成就駅とのこと。

ここから静岡県。

小和田駅 駅

大嵐　13:74発

天気悪そうな駅名。しかも読めない。
この先の区間はダム湖に沈んでしまい、長いトンネルで迂回して造られた区間。

大嵐駅 駅

向市場 13:53発

向市場－城西間には渡らずの鉄橋こと第6水窪川橋梁がある。
水窪川左岸沿いを走っていた線路は右岸へ向かうも渡りきる前にターン。
もともとトンネルを通す予定が崩落により使えなくなってこのように川の上を走ることになったとか。
川の真上、流れと同じ方向に電車が進む瞬間の一枚。

ちなみに左岸に戻った後すぐに右岸にわたる橋がある。

佐久間　14:08発

ドロップとは関係ない。長野県佐久市に工場はあるらしい。

佐久間駅 駅

中部天竜 14:17発

中部天竜で3度目の乗務員交代。9分停車。
かつてこの近くに佐久間レールパークがあったが今はリニア館に移転。

中部天竜駅 駅

出馬　14:30発

乗車から5時間が経過し、山と川の景色に退屈してきた。
面白い駅名だけが楽しみ。

この先に県境があり愛知県に入る。

出馬駅 駅

三河川合　14:44発

付近のダム建設で資材を運ぶために利用された駅。ホッパーなどが残る。

三河川合駅 駅

三河槇原　14:54発

天竜峡行きの列車とすれ違い。特徴的な岩山があった。鳳来寺山はこの奥にあるらしい。

三河槙原駅 駅

長篠城　15:14発

ひとつ前の本長篠あたりから平野が広がる。
長篠城駅はお城っぽい？駅舎だった。

長篠城駅 駅

新城、豊川を過ぎて進み、小坂井駅を出ると東海道線、新幹線が見えてきた。

下地、船町の2駅は通過し終点へ。

豊橋 16:16着

乗車時間6時間57分の旅もここで終わり。

豊橋駅 駅

終点！

非常に疲れた。
しかし7時間も同じ列車に乗り続けること自体、寝台列車でなければ普通はあり得ない非日常であり、何とも言えぬ達成感。

ちなみに名鉄とホームを共有している。
乗り間違えるといろいろ怒られそうだ。

終りに、乗車時の簡単なアドバイス
水、食料は途中で補給するのは難しいです。車内販売なんかもちろんないです。途中駅で買えるところもほとんどないです。きちんと準備しましょう。
幸いにも車両にトイレはついていますが乗車前にすませておきましょう。
途中3分程度遅れることがよくあるので乗換などは余裕を見ておきましょう。