九州縦断旅（１９）熊本・田原坂。西南戦争の激戦地

2018/01/11 - 2018/01/11

タクシーでの熊本巡りは続きます。熊本駅から北へおよそ１０Kmの所にある田原坂（たばるざか）は西南戦争での官軍と薩軍の古戦場です。１８７７（明治１０）年。薩摩軍が包囲する熊本城に援軍として向かった官軍とそれを迎え撃つ薩摩軍の激しい戦闘が行われ多くの命が失われました。

今では田原坂公園として整備され、田原坂西南戦争資料館ではビジュアルな展示もあり、戦争の激しさ、悲しさを伝えています。

エリア 熊本市(熊本)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: タクシー
• 旅行の手配内容: 個別手配

タクシーは熊本市街地を離れて起伏にとんだ道を北へ向かいます。

「田原坂」の表示を見て先へ進みます。

狭く曲がった上り坂。一の坂、二の坂、三の坂と続きます。

上り切った田原坂公園にある西南の役戦没者慰霊碑

田原坂公園 公園・植物園

田原坂西南戦争資料館へ
この日は大型観光バスが来ていました。

館内ではタクシー運転手さんがお願いしておいてくれたボランティアガイドさんが詳しく説明してくれました。

兵器の性能、制服などの装備、弾薬の補給、食料などすべてにおいてまさる官軍。士気が高いと言われた薩摩軍は官軍の豊富な物量の前に敗退を余儀なくされています。
弾薬の補給すらままならない薩摩軍は使用済みの鉛弾を再度溶かして弾薬を作るという現地調達までしていたそうです。

熊本市田原坂西南戦争資料館 美術館・博物館

こんな大砲も使用された。

１０分ほどのビデオで田原坂の戦いの様子を臨場感溢れる様子で再現したものを見ることができます。
官軍、薩摩軍にかかわらず、若い人たちが未来を奪われていく様子には胸が痛くなり、目頭が熱くなるのを止めることはできませんでした。
ともに新しい国づくりをしようとした人たちが、袂を分かち戦い殺しあわなければならなかったことになるなんて。
時代に翻弄されて若い命を落としていった多くの人達。
悲しい歴史がここにも一つありました。

キャラクターにするとかっこよく見えますが、現実は決してかっこよいだけではなく、白兵戦も伴う血なまぐさいものだったであろうことを忘れてはならないと思います。

歴史に学ぶ必要を痛感します。

田原坂の戦いの後に日本赤十字社の元になった博愛社が設立されたそうです。

外に出て周囲を眺めます。
寒いのにボランティアガイドさんも同行して説明してくださいました。

西南の役戦没者慰霊之碑
ここには官軍、薩摩軍の多くの方の名前が刻まれていました。

馬上の名もなき美少年の像は涙を誘います。

田原坂崇烈碑

この碑を横から眺めるとマリア様のようにも見えるとガイドさんが教えてくれました。

時々ある種の感受性が強くなる私は、ここ田原坂で、感情面の影響だけでなく、得も言われぬ疲労感を覚えていました。

このマリア様のように見えるお姿を見て、少し平静を取り戻すことができたようです。

（つづく）

この旅行記へのコメント （2）

• salsaladyさん 2018/07/05 11:04:52

  田原坂。｡｡西郷どんの終焉の地でしたっけ？

  ☆九州に住んでいた頃、合唱団として鹿児島入りしながら西郷隆盛の偉大さに気づかず，今になって「しんどん、しんどん、もう此処で良か」と言った坂が此処だと思ってたのです。歌にも有るし。。。
  
  ☆なんて歴史に疎いとぼけた話ですが、こちらを拝見する切っ掛けは、ソウル旅からでして～水原華城がイ。サンのロケ地で有る事も知らずに脳天気に歩いただけ（歴史はきちんと学ぶべきですね）これからでも遅くは無いけど。。。謝謝～

  HAPPINさん からの返信 2018/07/05 14:16:49

  Re: 田原坂。｡｡西郷どんの終焉の地でしたっけ？

  salsaladyさん、コメントありがとうございます(^^)
  
  九州にお住まいだったのですね。鹿児島にも行かれたと。
  
  西郷どんの最期の地は実は鹿児島の城山なんです。
  田原坂で敗退して人吉、鹿児島と後退していったように覚えています。
  
  いずれにしても田原坂が西南戦争での西郷さんたち薩軍の敗北を決定づけた戦いの場になったのは間違いないようです。