京都奈良へ（７）皇女和宮様ゆかりの宝鏡寺（人形寺）と勝海舟ゆかりの常林寺

2018/01/30 - 2018/01/30

京都定期観光バス冬の特別コース「京の幕末・維新の歴史をたずねて」での「京の冬の旅」特別公開のお寺めぐりの続きです。
明治天皇の父孝明天皇とその妹で公武合体策に伴い徳川家に降嫁（こうか）した皇女和宮様ゆかりの宝鏡寺。そして勝海舟の京都での常宿で、坂本龍馬も泊ったと伝わる常林寺をめぐり幕末の歴史に触れます。

宝鏡寺の拝観では、時代に翻弄された宮様の悲しさ、憐れさを感じさせられて心を打たれました。

また常林寺の観音菩薩が前かがみになっていることから、少しでも早く人々に救いをという思いを持って作られたことがうかがわれ、人々の思いを感じさせる感慨深い拝観になりました。

エリア 二条・烏丸・河原町(京都)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

定期観光バスは堀川通を進み二条城から北へ２Kmほど上がったところにある宝鏡寺に着きました。

宝鏡寺 （人形寺） 寺・神社・教会

京都市指定有形文化財の駒札。

百々御所（どどのごしょ）の御所号を持ちます。
「門跡」の石柱が示すようにこちらは歴代天皇の皇女が住職を務める尼寺です。

この場所で定期観光バスの乗客で集まって記念撮影がありました。

別名人形寺
御所から贈られた人形の数々からそのように呼ばれるようになったそうです。

ご本尊は聖観世音菩薩。
膝の上に宝鏡を持った珍しいお姿で、伊勢の二見が浦で魚網にかかった時に宝鏡持っていたものが献上されたものだそうです。そこから宝鏡寺の名前が付いたそうです。
歴代天皇、皇后の御尊牌をお祀りしているそうです。

宝鏡寺の隣にあったと言われる足利家の邸宅の一つ小川御所（おがわのごしょ）の跡地。

孝明さん人形。立ち姿なので３頭身。
孝明天皇の崩御後に宝鏡寺に形見分けとして下賜されたもの。
（内部は写真撮影できないので、拝観券に掲載されている写真をお借りしました）

等身大の皇女和宮様の人形
ここだけは撮影可能でした。

皇女和宮様が１２歳からお住まいになっていたお寺です。皇女や尼さんはなかなか外に出ることができなかったため、この物見窓から外を眺めていたのだそうです。

外の世界に出たくても出られない不自由さ。そして許嫁がいたのにもかかわらず国のために徳川家に降嫁（こうか）なさった皇女和宮様。
若くしてご逝去された和宮様。維新前後の混乱期には国を思い、徳川家を思い天璋院篤姫様と共に力を尽くされたと伝えられています。
寺内に展示されている和宮様逝去の後に遺品を運んだという葵の御紋付の大きな箱を見ると、時代に翻弄された宮様の悲しさ、憐れさを感じざるを得ませんでした。

物見窓のすぐ裏手の路地

この場所は応仁の乱の時に東陣と西陣が対峙した場所なんだそうです。

堀川通へと続く宝鏡寺前の小路を歩きます。

堀川通に戻って再びバスに乗ります。

バスは京都御所と同志社大の間の今出川通を東へ進みます。

出町柳駅近くにある常林寺へ。
今年が初公開だそうです。

常林寺 寺・神社・教会

駒札

萩寺の別名を持つ常林寺。

勝海舟が京都での常宿としていたそうで、坂本龍馬や中岡慎太郎も随行したことがあると言われています。

ご本尊の阿弥陀三尊像。
阿弥陀如来、脇侍の観音菩薩（向かって右）、勢至菩薩（向かって左）。
観音菩薩が前かがみになっているのは少しでも早く人々を救おうということの現れなんだそうです。
（堂内の写真は撮影禁止なのでパンフレットからお借りしました）

本堂天井には野村はるみ画伯のとても美しい７７枚の草花の天井絵が描かれています。写真でご紹介できないのが残念です。
初公開の常林寺。この他にもなかなか多くの見所がありました。

境内にある世継ぎ子育て地蔵尊の前の灯篭。

裏に回ってみると菊の御紋が彫られていました。
明治天皇から他の方を通じて間接的に賜ったものだそうです。このため裏を向けてあるんだそうです。

（つづく）