2014/05/06 - 2014/05/18
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hiroworldさん
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巡礼行4回目
去年利用したパリからの夜行列車が無くなってしまった。
見知らぬ街に立ち寄ることを諦めてマドリッドからブルゴスへ直行する。
今回の旅のハイライトはスペインの乾燥した中央台地メセタを進む巡礼路
麦畑の中の一本道を進むこれまでの巡礼で最も苦しい旅
前を見ると進めなくなってしまうので僕らは自分の足元だけを見て進んだ。
第1日目:haneda→london→Madrid
第2日目:Madrid→burgos→hornillos del camino
第3日目:hornillos del camino→San Anton→Castrojeriz
第4日目:Castrojeriz→boadilla del camino
第5日目:boadilla del camino→carrion de los condes
第6日目:carrion de los condes→Terradillos de los Templarios
第7日目:Terradillos de los Templarios→Calzadilla de los Hermanillos
第8日目:Calzadilla de los Hermanillos→Mansilla de las Mulas
第9日目:Mansilla de las Mulas →leon
第10日目:leon→villavante
第11日目:villavante→astorga
第12日目:astorga→madrid
第13日目:madrid→paris→haneda
ガウディの設計したアストルガの司教館の前で
<****>夫の言葉
≪****≫妻の言葉
(****)二人以外の言葉
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
■5月4日 巡礼行4 10日目:
ーサンマルコス広場を出発しヴィジャバンテ村を目指すー
今日の目的地は旧道を通る29km先のヴィジャヴァンテ村か
あるいは、新道を通る26km先のサン・マルティン・デル・カミーノ村だ。
<旧道を歩きたいのだけど>
≪いいわよ≫
この選択で僕らは最悪の試練を味わうことになってしまった。 -
ーラ・ヴィルヘン・デル・カミーノから旧道に入るー
僕らの進む道が中央台地メセタを通って遥か彼方まで延々と続いているのがみえる。
いくら進んでも進んだ実感の全くない道、どこまでも木陰のない道。
そんな道を黙々と進む
≪この道は最悪だわ≫
<いつまでもこの道のことは忘れないよ、きっと>
前を見ると歩けなくなってしまうので足元だけを見てメセタの続く大地を進む。
≪もう歩けへん≫
これ以上歩けなくなった頃、ヴィジャバンテ村の看板が目に入る。
<ヴィジャバンテ村には巡礼宿があるよ>
今日の歩行距離は約30km、8時50分にParadorを出て17時着
今回の巡礼中、最も長い1日であった。 -
ーようやくヴィジャバンテ村が見えてくるー
ほとんどの人が新道を進むためだろう
巡礼宿サンタ・ルシアの8人泊まれる部屋には僕ら2人だけだ。
英語のできないギュンターお爺さんと夕食の席が一緒になり
片言のドイツ語と英語で話し始める。
<ich bin hiro、妻を指して taiko、Was heisen sie?>
<私はヒロ、彼女はタイコ、あなたのお名前は?>
(ギュンター)
何とか会話を続けようとドイツリートの好きな僕は
シューベルトの歌曲集"冬の旅"の1節をドイツ語で口ずさむ。
<Ich kann zu meiner Raisen Nicht Wahlen mit der Zeit>
それを聴いて彼は財布から1枚の紙を取り出した。
そこにはゲーテの詩が書かれており、それを読んでくれた。
(Ich reize meine reiz)僕には最後の方の言葉だけしか分からなかったが
僕らの意思は何とは伝わったようだ。
それから彼は自分の住むライン川の畔の街コブレンツの美しさと
その街を通るラインブルゲンヴェーグ(ライン古城の道)のことを話し始めた。
(1日歩くのは10~14kmくらいだから、巡礼の後の疲れた体でも大丈夫)
(古いお城や素朴な宿にも泊まれるよ)
彼の話を聞いて僕らの次の旅が決まった。 -
■5月5日巡礼行4、11日目:
-ヴィジャバンテからチョコレートの街アストルガへー
今日が最後の巡礼の1日
昨日の残りの何もない道をしばらく進む。 -
ー水量の少ないオルビゴ川を渡って巡礼路は続いているー
マスの料理で有名なオスピタル・デ・オブリゴ
食事をするには早い時間に僕らはこの町を通過する。
魚料理の好きな妻には申し訳ないが先を急ごう。 -
ーこれは橋なの?それとも道路?ー
橋の名前はオブリゴ橋
原型は川幅の広かったローマ時代まで溯ることができるとのことなので一応は橋だ
≪水量が少ない割にはなんて長い橋なのかしら≫
橋の長さは250m、川幅はせいぜい20mくらいだろう。 -
ーオルビゴ橋を渡るとロマネスク風の教会の前にやって来るー
名前はオスピタル・デ・オブリゴ教会
人口1000人足らずの小さな村なのに鐘楼の綺麗な教会があり
巡礼宿が3軒もある。
バルもありそうだ。
≪もう少し頑張ればここまでこれたかしら?≫
<昨日の苦しさをもう忘れちゃったの> -
ーサン・フルト・デ・ラ・ベガの町を見下ろすー
丘の中の曲がりくねっている細道を二人だけで歩くのは素敵だ。
ザックを置いて1回深呼吸
時にはくさい臭いを吸い込むけれど、今日は花の香りがするような大気だ。
≪なんてステキな日なのかしら≫
歩く人が少ないので開いているBarが無い
道を少しそれて持っているバナナを食べ、ほんの数分休憩をとる。
≪美味しいわ≫ -
ーレンフェの鉄道を越える跨線橋を渡るー
アストルガの駅はもうすぐだ。
今日で僕らにとっては長かった4回目の巡礼のたびが終わる。
歩行距離は約250km、ホテルに3回、巡礼宿に7回宿泊する。
使ったキャッシュは二人合わせて600ユーロ位だろうか?
2時10分、アストルガ着。
巡礼路を離れて階段を上っていると、大きな声で老人が話しかけてくる。
(オーイ、巡礼路は向こうの道だよ)
わざわざ急な階段を僕らのところまで登ってくる。
<今、僕らはカサ・デ・テパへ向かっているところです>
彼は色々な道順を説明してくれる。
階段を上った先の広場では、丁度果物や野菜の市が開かれていた。
その中にチュロスを売っている店があり、熱々を1ユーロ分、6本買い
食べながらカサ・デ・テパを探す。
≪美味しいわ≫
今の僕らの舌にはどんな食べ物もおいしく感じられる。 -
ーやがて、目的地らしい場所に着くー
看板にはポサーダとだけ記されている。
僕らの泊まる場所はポサーダ・レアル・カサ・デ・テパ
ここで間違いないだろう。
黒い大きな木の扉を押すが開かない。
妻をガウディの設計した司教館の前に残して
カサ・デ・テパの入り口を探しに出かける。
<すみません。カサ・デ・テパはどこですか?>
道行く人に聞いてみるとさっきの扉の家を教えてくれる。
もう一度扉を押すが開かない。
良く探してみると小さな呼び鈴が入口の脇にある。
押してみると門番がやってきて入口の扉がようやく開いた。
時間がかかってしまったがカサ・デ・テパにチェックインする。
途中で出会った数人の巡礼者と挨拶を交わす。
(オラ)
≪オラ、ブエンカミーノ≫
(ここに泊まるのかい?)
<そうだよ> -
ーガウディの設計した司教館ー
ガウディらしいちょっと変わった建物だが
屋根はガウディの設計ではないようだ。
チケット売り場で最後のスタンプを押してもらう。
<日本人は来るの?>
(今日はいないけど日本人も来るわよ)
一人3ユーロの入館料を支払って、司教館へ入る。 -
ー司教館の天井ー
この天井はイスラム様式?
それともガウディ様式?
これまで見たことのないような天井の様式であった。 -
ー天井が特別高いわけではないー
それでも室内は隅まで明るく照らされている。 -
ー司教館の資料展示室ー
巡礼に関する資料が沢山展示されている。
サンチャゴデコンポステーラのフランスルートの地図
ルートの説明書 -
ーそれから、巡礼証明書や巡礼者の小さな像ー
<あんな木彫り、どこかで買えないだろうか> -
ー司教館の隣のアストルガ大聖堂ー
ここに入るにも3ユーロ必要だ。
<巡礼者もお金いるの?>
(ハイ)大聖堂 (アストルガ) 寺院・教会
-
―入り口に荷物を預けてカテドラルの中を周るー
特に広いわけではない。 -
ーとくに有名な遺物があるわけでもないー
-
ーそんなわけで人が多くはないー
僕らはこんなところが好きだ。 -
ー右側が司教館、左奥がカテドラルー
-
ー裏側から見る司教館ー
-
ーサント・シルデス広場のカフェでー
三日前から僕らと前後して歩くオーストラリアの夫婦
夫婦とも先生を退職してサンジャンピエドポーから歩いてきたそうだ
(サンチャゴデコンポステーラで少し休んでポルトガルへ行くわ)
≪私たちも来年フィステーラ岬に寄ってからポルトガルへ行く予定ですわ≫
僕らより少し年配だろうか
<日本に来るときは連絡してね Buen Camino>
(Buen Camino) -
ーナポレオンも泊まったカサ・デ・テパの中庭、最後に残ったパンとバナナで優雅な昼食ー
ホテルのレストランは開いていなかったが
紅茶と珈琲が置かれてあったのでこの中庭でいただく。
≪お金もかからずこんな素敵な雰囲気でお昼が食べられるなんて、サイコー≫
何回も改装が行われているようだが、昔の雰囲気をうまく伝えている。 -
ーカサ・デ・テパの前のレストランで巡礼者定食を食べるー
きれいなレストランでゆったりとした夕食。
スープ、メイン、デザート、ワイン、水の巡礼者定食
一人10ユーロ、量が多いので残してしまった。
1/3で僕らには充分な量だ。
明日はマドリッドの”花友”で日本料理の夕食。 -
■5月6日巡礼行4、12日目:
-アストルガからマドリッドへー
列車の時間が来るまでの間アストルガの街を見て回る。
左側がヘルガ川、右は名前の分らない小さな公園。
公園の木陰のベンチに座ってホテルからもらって来たヨーグルトとパンで軽い昼食
<歩いても歩かなくてもお腹は減ってしまうね> -
ー横道にあるチョコレート博物館にスペイン人に混じって入いるー
きっと地元の団体なのに違いない
売店の前でサンプルのチョクレートを口にほおばりにぎやかに話しをしている。
その中に入って土産を買うのは嫌なので
しばらく横にいて、色々な展示品を眺める。 -
ーチョコレートの手作り方法を説明するビデオをみるー
20分くらい見ていると売店には誰もいなくなった。
≪さあ、チョコレートを買いに行きましょ≫
僕らはゆっくりと土産のチョコレートを選ぶことができた。
3個のサンプルを妻と分けて食べたがどれもおいしい。
最もビターなグレード90%と中間のグレード50%
それから甘いミルク入りを買う。
店を出る時に大きなチョコレートを2枚もお土産にくれた。
≪グラシアス≫
(Buen Camino)
<ブエン・カミーノ>
巡礼者の格好をしている僕らへのプレゼントなのだろうか。 -
ーこれはなに?-
-
ー見ただけの印象ではココアを作る道具のようだー
旅行に出かけた先でココアを飲むための道具のようだ。 -
ー灰皿と煙草入れー
-
ーこの坂を下るとアストルガ駅だー
-
ーアストルガ駅前ー
歩く人のいない閑散とした駅前
13時43分の特急でマドリッド・アトーチャ駅へ向かう。
<今日こそ花友で夕食を食べよう>
≪!!!!!≫
花友のご主人も奥さまも4年前に訪れた僕たちを覚えてくれていた。
日本人は誰もいなかったがとても美味しい日本食だ。
僕らは残らず食べてしまった。
妻は奥様と僕はご主人とスペインや日本の話をする。
タクシーに乗るつもりだったが往復地下鉄1号線を利用する。
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この旅行記へのコメント (1)
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- おくさん 2025/04/14 16:11:47
- 楽しく
- ずっと楽しく拝見させて貰ってきます。
何が一番楽しいかって言うと、ご主人が書いているであろう奥さまのお姉言葉が最高です。笑
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