スペイン巡礼１－③：ロンセスバジェス修道院からスビリへ

2011/04/30 - 2011/05/01

僕らの選んだスペインの巡礼路は、パリからサンジャンピエドデポーを通ってサンチャゴデコンポステーラまでおよそ１６５０ｋｍの道が続いている。
その約半分、ピレネー山脈のフランス側のすそ野サンジャンピエドデポーからサンチャゴデコンポステーラ大聖堂まで８００ｋｍの巡礼路カミーノフランスを二人で歩く。
僕らの年齢、妻62歳、夫65歳、5回目の春が過ぎるころにはガリシア州にある大聖堂に着き巡礼を終える予定だ。
その後は　ア・コルーニャ、フィニステーレ岬、それからポルトガルへ渡って、ポルト、コインブラ、ファティマ、オビドス、リスボン、ロカ岬をゆっくり、のーんびり巡ろう。

＜初めてのヨーロッパ、英語もスペイン語も、ましてフランス語もまるで出来ない二人だ、身振り手振りでどのくらい意志が通じるのだろうか？＞
≪きっと何とかなるわ≫
＜？？？・・・・！　君に任せるよ＞

＜＊＊＊＊＊＞夫の言葉
≪＊＊＊＊＊≫妻の言葉
（＊＊＊＊＊）二人以外の言葉

教会の扉はかたく閉まっていて、今朝は身近な感じがしない。

エリア パンプローナ(スペイン)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: 徒歩
• 航空会社: エールフランス
• 旅行の手配内容: 個別手配

■３０日ーロンセスバジェス修道院→ブルゲータ村→スビリ村

巡礼２日目の朝
ロンセスバジェス修道院をあとにし２５ｋｍ先のスビリ村をめざす

今日も美しくおだやかな朝　
朝食を途中のバルかスーパーで調達できれば良いのだが
できなければ二人には昨日のパンの残りと水しかない

＜それでも十分？＞
≪？？＊＊＊＊！＊＊＊！！≫

ーサンチャゴデコンポステーラへ７９０ｋｍ－

だが、今回の僕らの旅はパンプロナまで、約６０ｋｍ
残り７３０ｋｍ余りを４年かけて歩く

＜一回目の巡礼、ちょっと短すぎてしまった？＞
≪何度も来れるし、その間にいろいろな勉強もできるし、丁度いいわ≫

ー果物を売っている店があるよー

３０分ほど歩いた先に小さな店を見つける。

≪何か買いましょ≫

バナナ、オレンジ、リンゴを手に入れたので
昨日のパンの残りと合わせれば、今日の食料の心配はなくなる。

－はるかに広がるの山の中を歩いてー

ヘミングウェイの愛したスペインの小村に着く。
どの家の窓もきれいな花で飾られているブルゲータ村。

＜この村でヘミングウェイはしばらくの間暮らしたらしいよ＞

ーこころ休まる窓辺の花々ー

ー初めて見つけたバルのあるホステル,Hostal Burgeteー

僕は少しかしこまって挨拶しカフェラテをたのみトイレを借りる

＜Buenos　dias．Dos cafe con leche Porfavor＞
＜コンニチワ。カフェラテを二つください＞

店を出る時、妻は簡単に挨拶する

≪Hora 　Gracias≫
≪ありがとう。またね≫

そしていつも丁寧に挨拶を返されるのは妻のほうだ

（Gracias　Madame）
（ありがとう　奥さま）

中丸明著”スペインの５つの旅”によると
ヘミングウェイはこの宿の２階、８号室に泊まったそうだ。

ー僕らが遅いのだろうか？ー

誰も歩いていない道を進む。

＜これこそ巡礼だよ＞
≪わたしは嫌よ≫

妻は人の歩いていない道を歩くは嫌いなのだ。

ー小さな川の手前でようやく前を歩く人を見つけるー

ー私の好きな羊さんたちー

≪コンニチハ≫
≪あげるもの何もないの、ごめんなさい≫

ー１人で歩くキムさんに出会うー

わたしは片言の英語でキムさんと話をする。

≪どこから歩き始めたの？≫
≪一人で来たの？≫
≪クリスチャンなの？≫

なぜか質問ばかり

－しばらくキムさんと行を共にする－

－朝食の取れる場所を見つけたキムさんとお別れ－

私たちは先へ進む

（Ｂｕｅｎ　Ｃａｍｉｎｏ）
≪ブエンカミーノ、バイバイ≫
＜Ｂｕｅｎ　Ｃａｍｉｎｏ＞

－飲める水場の脇で食事をしよう－

村の中の水場には飲用に適するかどうかの標識があるので
飲む前にチェックしよう。

―朝食のつもりのパンとバナナを食べて出発ー

道にはもう誰も歩いていないが
この少し先で巡礼路は左へまがっているはずだ。

≪ほんと？≫
＜もちろんだよ＞

―左へ曲がって、村をはずれ、丘の中へと向かう道を進む－

－巡礼路のマークで正しい道を歩いていることがわかる－

今日の巡礼路は牧場の中を通っている１本道なので
帆立貝のマークを見失わなければ決して迷うことはない

－人間は開けられるが家畜は開けられない－

個人が所有している牧場の中を歩くのでこんな柵を越えて進む。

－どこまでも続く牧場の中を僕らは進むー

牛とヒツジと馬
ナバーラ州を象徴する生き物に出会うことで
ここがどんなところなのかを実感する

ーおはようお馬さんたちー

≪おはよう≫≪Ｂｕｅｎ　Ｃａｍｉｎｏ≫
≪わたしの言葉　皆に通じるのかしら？≫
＜！！！！！＞

－Ｓｅ　Ｖｅｎｄｅ－

”売り出し中”のマークを付いている大きな家の脇を通る。

＜いくらなんだろう？＞
≪買わないわよ≫

そうだけど、いくらなのか知りたい。

－その家の前から来し方を振り返る－

－そのわきの道に咲き乱れる花－

ー巡礼途中で亡くなった日本人の慰霊碑の前を通り過ぎるー

冥福を祈って僕らは手を合わせる

≪山下さん　安らかにお休みください≫

ー巡礼路を少し離れて今夜の宿泊地スビリ村に入るー

ー長い歩行に慣れていない僕らの足　かなりがんばっているー

５ユーロの巡礼宿に着いてベッドを決め、それから買出しへ

≪あのお爺さんに尋ねてみましょ≫
＜すみませんスーパーマーケットはどこですか？＞

お爺さんは僕らを２か所の小さなスーパーへ案内してくれる。

（おーい、お客さんだよ）

そんな風なことを言って扉をたたくがシエスタなのかどこも開けてくれない

－僕らもシエスタ－

目が覚めたらもう暗くなっていた
バルしか開いていない

＜とりあえず何か食べようよ＞
≪賛成≫

近くのバルに入って、搾りたての美味しいオレンジジュースを２杯
スペイン風オムレツ１皿、肉じゃがのような料理１皿、スープ１皿
全部で８ユーロ
この時以来、僕の注文する飲み物は”スモ　デ　ナランハ”に決まった。

－僕らの泊まる公営の巡礼宿－

左側は日本の山小屋のような、土間だけの部屋、定員はキット無制限
右は２段ベットが置いてある定員の決まっている部屋

僕らは右の２段ベッドの下側の隣あっている場所を選ぶ。

－キムさんと再会－

炊事場で数人の韓国人が食事をしていた。

（一緒に食事しませんか？）

その中にキムさんがいた。
どうも一緒に来た仲間らしい。
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