2016/09/24 - 2016/09/24
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pacorinさん
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9月某日の京都新聞に、「京都市右京区京北下中町の農地で、ヒマワリが見頃を迎えている。」という記事が満開のひまわりの写真とともに掲載されていた。
その週末、京北に用があったのでちょうどいいやと見に行ってみることに。
ヒマワリは、地元のそば店「京蕪庵」が協力し、同店横の約20アールの畑に植えられているという。
ということで、ランチはお蕎麦に決まり。
たまたまその近くにあった「丹波マンガン記念館」に立ち寄り、意外な歴史を知ることになるのであった。
- 交通手段
- 自家用車
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-
京都市右京区京北は、2005年3月31日まで京都府北桑田郡京北町であった。
右京区といっても、嵯峨嵐山や太秦とは遠く離れたド田舎エリアである。
ここ20年ほどで新しいトンネルがいくつもでき、京北へのアクセスは随分便利になった。
福王子の交差点から1時間弱。周山街道(国道162号)沿いに「京蕪庵」を発見。
そば屋のテラス席から見えたヒマワリ園は新聞の写真とは随分様子が違っていた。 -
見頃はとっくに過ぎ、数日前にきた台風のせいでうつむいたヒマワリたち。
ハサミ、新聞紙、ビニール袋が置いてあり、「お好きにお持ち帰りください」状態。 -
きれいな状態のヒマワリはどんどん切られていくので、枯れた花ばかりが目につく。
そば屋のおっちゃんに聞いてみると、取材された日の随分後に新聞記事になっていたようだ。
「もっと早く載せてほしかったよね〜」 -
新聞効果かどうかはわからないが、辺鄙な場所の割に人が来ていた。
お蕎麦屋さんもさぞかし宣伝効果があったことであろう。
新聞には「今年限りのヒマワリ」と書いてあったが、店のおっちゃんは「またやります」と言っていた。 -
京蕪庵、テラス席からの眺め。
ヒマワリは残念な状態だったが、のどかな田舎の風景を見ながら外で食事できるのは良い。
この日は曇っていたものの、涼しい風が吹いて大変心地よかった。 -
あげだし納豆もち
昔ながらの発酵方法で作られた大粒の納豆を地元で採れたもち米で手作りした餅に包んだこちらの名物。なかなか美味しい。 -
おそばと天ぷら
細めでしっかりコシがある蕎麦。
隣のレストランでは鹿肉をつかった京北ジビエ料理や丹波牛ステーキなんかもあり、美山エリアへ行く途中に立ち寄るのも良いかと。
道の駅「ウッディー京北」が混んでいるときなんかにおすすめ。 -
そろそろ稲刈りの季節。
美味しく蕎麦をいただき、満腹になったところで、来る途中に見かけたちょっと怪しげな看板の「丹波マンガン記念館」に行ってみることにした。 -
丹波マンガン記念館
http://tanbamangan.sakura.ne.jp/
駐車場に着くと同時に車の中から入場料、1人1200円を支払う。
「好きなところにとめてください。入口はあちらです〜」と言われ、車をとめて歩き出すpacorinたち。
ちなみに奥の青いのがpacorinの車、手前の2台はここの関係者の車だと思われる。
他の客は入れ違いに帰っていったようで、ここから先は誰にも会わなかった。 -
まず目についたのは「飯場」と書かれた古ぼけた小屋。
-
飯場
昭和10年頃〜35年迄、付近の立木を伐採して飯場を建築し、マンガン鉱山採掘の為の家として生活した。
屋根、壁は杉皮で、内部はセメント袋をノリで張り、灯火は石油ランプで、飯場主の家族と、単身採鉱夫数人が生活した。 -
飯場の中に入ると、不気味な人形が置いてあって、当時の食事内容が紹介されていた。
-
ご飯作ってた人、かな…?
この衣装はチマチョゴリ?? -
見学できる坑道に行くまでの道にある屋外展示物。
あちこちにマネキンが置いてあるので油断ならない。 -
ベタ(牛)車
20~30km離れた最寄りの鉄道駅まで、ベタ車でマンガンを運んだ。 -
丹波マンガンの概要(ここからしばらくパンフレットより抜粋)
丹波マンガンは約2億年の昔、深い海の底に沈殿した。
その後、海は山に変じ、人々の利用に供されるところとなった。 -
明治28年頃に採掘開始、昭和58年頃までの約90年間、丹波の山々から掘り出された。
最盛期(第2次大戦中と昭和25〜45年)には約300か所もの鉱山が活況を呈していた。 -
マンガン鉱床は金・銀・銅や鉄の鉱床にくらべてその規模が小さく、そのため大手鉱山会社は、採掘事業にはほとんど参画せず、かわって零細な企業や個人による開発にゆだねられた。
-
採掘と運搬は、多くの朝鮮人と被差別部落の人々が担っていた。
-
大砲などに使う鋼鉄の材料でもあったことから、戦争中には一部の鉱山において強制連行された朝鮮人が作業を強要されていた。
-
巻き上げ機
下から坑車(トロッコ)を巻きあげた。 -
右)コンプレッサー
左)ホッパーと電磁フィーダー -
マンガンの説明
ここ「新大谷鉱山」は丹波随一の鉱山であった。 -
いよいよ見学できる坑道の入口である。
元々は幅80cm、高さ1mの坑道を観光用に広げたものだ。
上方に人形が・・・ -
坑道内の気温は年間を通して12度。涼しいのである。
どこにも見当たらなかった「保安帽」
無帽で見学し、坑道から出てきた後に資料館で「ヘルメット」を見つけた。 -
入口にあった説明。
-
坑道の中へ。
石見銀山を思い出した。
関連旅行記:「2009年BD旅行~欲張り山陰 足立美術館・石見銀山・出雲大社・境港~」
http://4travel.jp/travelogue/10817376 -
!! 突然現れる人形。びっくりするのである。
坑内木馬(こうないきうま)
昭和30年頃まで鉄が不足しており、鉱山で使う細いレールや車輪がないので木馬というソリで丸太を横に枕木のように並べた木の上を100kgの鉱石を積んで運んだ。 -
当時の苦労がしのばれる。
-
今度は上から足が!
-
木梯子による運搬の様子の再現だった。
-
一本の木をはしごにして鉱石をかついで上る。
大変なことである。 -
この細い穴は50m先まで掘られている。
-
採掘当時の様子が色々再現されているのだが、暗闇から突然現れるように見えるのでまるで肝試し状態。子どもが泣くレベル。
普通に怖いのである。 -
ゲンノウ振り
ダイナマイトを入れる穴をあける作業のこと。 -
一か所、小さいコウモリがパタパタ飛び回るところがあって、かなり近づいて飛んでくるので非常にびっくりした。
-
時代が進むと削岩機が導入された。(昭和38年頃)
-
水汲み作業
ここは地下水が流れていて、流れ着いた先は池のように水がたまっていた。 -
ようやく出口の光が見えてきた。
約300mということだが、随分長く感じた。 -
当記念館は、丹波マンガンの生成、開発の歴史、マンガンの利用などにかかわる資料を収集、展示するとともに、かつての坑内の作業を再現することによって、丹波マンガンの全体像を後世に伝えようとするものである。(パンフより)
-
丹波にマンガンの鉱山があってかつての基幹産業であったこと、被差別部落や朝鮮の人が過酷な作業にあたっていたことなど全く知らなかったので、京北のヒマワリに期待していた以上の収穫があった。
-
坑道から出てきたところ。左手に見えているのが資料館。
記念館をつくられた李さんの言葉や、朝鮮人労働者の背景を紹介したパネル、鉱山労働者のじん肺被害の実態、採掘されたマンガンの展示などがあった。あ、ヘルメットも。(資料館は撮影禁止) -
ちなみに、誰もいないと思って見学していた資料館だが、出口近くで突然「どうでしたか?」と記念館の人に声をかけられ驚いてしまった。
-
一旦は資金難で閉館の危機に陥ったが、2002年にNPO法人として営業を再開。
万人受けする施設ではないが、いろんな意味で興味を持った人には訪れてみてほしいところだ。 -
散策道
かつてマンガンを採掘した旧坑の坑口が20以上残っている。 -
時間があれば歩きたかったが、用があるので散策はせず記念館を後にした。
地元の歴史を知ることができ、充実した半日であった。
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この旅行記へのコメント (2)
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- わんぱく大将さん 2016/09/30 10:17:27
- なんや、なんや?!
- ぱこやん
ここって私も途中から思ったけど、お化け屋敷かと。(と思ってたらパコやんも”肝試し”と)で、あのマネキンは怖いよね、それも暗がりにあるのは。で、最後は本当の人間だった、と。これもいきなり。
でも最初、マンガン記念館、なんやそれ?って感じで、まさかあの、マンガンとは、 夕陽の? あれはガンマンや?!
大将
- pacorinさん からの返信 2016/10/10 01:44:25
- RE: なんや、なんや?!
- 大将さん
でしょ〜でしょ〜マネキン怖いですよね〜
まじめに歴史を学ぶ施設としても、B級スポットとしてもなかなかレベル高いところでした。
「夕日のガンマン」ってイタリア映画なんですねぇ。
だからマカロニ・ウェスタンって言うのかぁ・・・
ぱこやん
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