2016/04/07 - 2016/04/07
1位(同エリア133件中)
キートンさん
長年の夢でもあった憧れの地、南米パタゴニア。
いよいよその夢を実現する時がやってきました。
地球の裏側にやってきて9日目。
今日はエル・カラファテからペリト・モレノ氷河のミニ・トレッキングのツアーに参加します。
世界自然遺産に登録されている「ロス・グラシアレス」の観光の目玉はペリト・モレノ氷河。
いくつかあるペリト・モレノ氷河への現地ツアーの中で、氷河の上を歩くミニ・トレッキングは特に人気の高いツアーです。
昨日はビエドマ氷河トレッキングツアーに参加したばかりで、まさかの2日連続氷河トレッキング。
似たようなものなのか、それとも新たな感動に出会えるのでしょうか・・・
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- 交通
- 2.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 観光バス 船
- 航空会社
- KLMオランダ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
ツアーのバスは7:30頃に宿泊するFUJI旅館に迎えに来る予定だった。
FUJI旅館は6:30から朝食を食べることができた。
久しぶりの白ごはんにキムチ風の味噌汁とシャケ。 -
日本人宿泊者のS氏もミニ・トレッキングのツアーに参加するというが、私より30分早い7:00にバスが迎えに来るとのこと。
しかしなかなかその迎えが来ず、7:25頃にやっと来たので私もそのバスかと思ったが、やはり次のバスのようだった。
7:30までわずかだったのでそのまま外で待ったが、私のバスも同じ程度遅れたので、結局寒い中で30分近く待つこととなった。 -
バスはいくつかの宿に寄ってツアー客をピックアップして、西へ西へと向かった。
8:30前になってやっと山の向こうから太陽が顔を出した。 -
途中、パタゴニアの固有種なのかワシのような鳥を見かけると、ドライバーはバスを一時停車して解説をはじめた。
バスの中から無理なアングルで撮ったので上手く撮れなかったが・・・ -
朝の光を浴びる雲。
上空は青空が広がっている。
今日も期待できるかも・・・ -
最初は右に見えていたアルヘンティーノ湖は、9:00を過ぎる頃には左に見ながら走っていた。
西へ西へと向かっているのに同じ湖が右に見えたり左に見えたりするのは、複数の氷河が流れ込むアルヘンティーノ湖がフィヨルドのような複雑な形状をしているからだ。
途中で国立公園入園料として260ペソを徴収される。
ツアー代が1200ペソ、往復のバス代が300ペソ、国立公園入園料が260ペソで合計1760ペソとなる。(2016年4月時点) -
9:20頃、目指すペリト・モレノ氷河が見えてきた。
氷河としては比較的緩やかな勾配だが、湖に落ち込む河口の広さが遠くからでも見てわかる。 -
9:30過ぎ、ペリト・モレノ氷河が遠望できる駐車場でフォトストップ。
-
氷河の上に太陽の光と雲の影が落とされている。
青空も見えているが雲も多い微妙な天候だ。 -
9:40頃、クルーズ船の発着点バホ・デ・ラス・ソンブラス港に到着。
ここからは氷河は見えない。
後にわかったことだが、左の大きめの船はクルーズツアー用の船で、右の小さい船が氷河トレッキングツアー用の船だった。 -
10:00頃、クルーズ開始。
クルーズはリコ水道を横切るように航行し、やがて右前方にペリト・モレノ氷河が姿を現す。 -
ペリト・モレノ氷河は、アンデス山脈の南端部でチリとアルゼンチンにまたがる南パタゴニア氷原から流れ出す48本の氷河の1本である。
南パタゴニア氷原は、凍結した陸塊としては南極、グリーンランドに次ぐ世界3位の面積がある。
南パタゴニア氷原の中でペリト・モレノ氷河は、ウプサラ氷河、ビエドマ氷河に次いで3番目の規模の氷河であるという。 -
クルーズツアーのクルーズ船が氷河の近くを航行中。
こちらの氷河トレッキングツアーの船はそこまで氷河に接近しないらしい。 -
大勢のツアー客でデッキはにぎわっている。
-
ペリト・モレノ氷河の末端の高さは約60m、高いところでは100m近くになる場合もあるという。
-
トレッキングツアーの船は氷河からやや離れて対岸へと向かう。
-
氷河の末端の壁面は氷河の断面そのものだ。
縦に入った亀裂は深いクレバスだった。
それにしてもこの氷河は汚れのない純粋なブルーをしている。 -
30分弱のクルーズを終え、10:25頃対岸に上陸。
-
トレッキングに必要なもの以外はバックパックに詰めて、休憩所の棚に置いておく。
出発まで15分程度余裕があるので、あわてずトイレやトレッキングの準備ができる。 -
トレッキングはスペイン語と英語のグループに分かれてそれぞれにガイドがつく。
まずはペリト・モレノ氷河についての解説。 -
防寒対策をしてカメラだけ持って湖岸を歩く。
前方には氷河の壁。 -
氷河の壁を前にして撮影タイム。
-
氷河が造る造形は見ていて飽きない。
-
氷河の手前で上流へと上って行く。
-
氷河の造形を横目に楽しみながら歩く。
-
ここでアイゼンを装着。
さすが人気の氷河トレッキングとあって、小屋がありアイゼンを装着専門のスタッフが待機している。
ただアイゼンはやや旧式のようで重い。
重いと感じたのは前日にビエドマ氷河をトレッキングした時のアイゼンがこれより軽かったというだけで、ここで初めてアイゼンを付けた場合はこれが標準となるだろう。 -
11:20頃、アイゼンを装着した状態でトレッキング再開。
しばらくは氷河の淵沿いに土の上を歩く。 -
5分ちょっと歩いてから氷河上に上陸し、いよいよ氷河を上って行く。
-
すでに氷河の真っ只中。
白とブルーのグラデーションの世界である。
ビエドマ氷河には申し訳ないが、こちらの方が数段美しい。 -
氷河の中に入れば人間なんてちっぽけなものだ。
遠くから見ればほとんど平坦な表面にしわが入ってるだけのように見えても、実はこんなにも立体的なのである。 -
氷河をどんどん上る。
こんなところを手ぶらでトレッキングが体験できるなんて、この手軽さは異常なほどだ。 -
イチオシ
ここで各自持参のカメラでガイドが記念撮影をしてくれる。
一人(一組)につき縦横2枚づつ(計4枚)撮ってくれた。 -
記念撮影をしてくれた地点で折り返し、湖の方に向かって歩く。
-
ペリト・モレノ氷河から見るアルヘンティーノ湖のリコ水道。
-
その方向に先行グループが歩いている。
約30分前にスタートした1つ前のグループだと思われる。 -
ヨーロッパや北米やニュージーランドでいくつかの氷河を見てきたが、どの氷河もよく見ると表面がモレーンで多かれ少なかれ汚れているものである。
昨日のビエドマ氷河もそうだったが、ビエドマ氷河が特別というのではなく、近くで見るとそういうものだと思っていた。
しかしこのペリト・モレノ氷河はほとんどそういう汚れがなく、ダントツで美しい氷河である。 -
氷河トレッキングの途中で、ガイドの解説中。
氷河に突き刺したポールをGPS観測して氷河の流れを解析している・・・みたいな話だった気がする。 -
イチオシ
氷河に刻まれたクレバス。
-
クレバスの中のブルー。
-
イチオシ
クレバスに気をつけながら、慎重に歩く。
ペリト・モレノ氷河は動きが活発なことで知られ、平均して1日に中央部で約2m、両端で40cm程度下流に移動している。
今歩いているコースは氷河の南端付近なので、このあたりでも年間150m近く動いていることになる。
なので氷河トレッキングは、定期的に上流側へとコースの見直しがされていると思われる。 -
浮かび上がる氷の波。
-
風もなく日が差して爽快な氷河トレッキングが続く。
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自然が造った氷の芸術を堪能。
-
氷河トレッキングの名物ともなっている、氷河の氷でオンザロックの時間。
-
オンザロックは昨日のコーヒー味のが美味しかったかな。
でも今日は「bonbon」というチョコがついている。 -
12:50頃、アイゼンを装着した地点に到着。
ここでアイゼンを返却して、あとは自由に散策しながら休憩所へと戻る。 -
イチオシ
その頃、次のグループがこちらに向かって下りて来ようとしていた。
こうやって見ると改めて凄いところを歩いて来たんだなと感動する。 -
しばらくはそのグループが下って来るのを興味深く眺めていた。
-
1時間半ほどのペリト・モレノ氷河のミニ・トレッキングは忘れ得ぬ体験となった。
さすがは人気の高いツアーである。
満足感に浸りながら休憩所へと向かった。 -
雲行きが怪しくなってきたと思っていたら、休憩所にたどり着く前に雨が降り出してきた。
-
休憩所に戻ると雨が本降りとなってきた。
持参した食料でランチをしていると、1つ前のグループに参加しているS氏と出会った。
S氏は私のグループより30分早い行動となるので、雨の中を出発していった。 -
14:00に休憩所を出て再びクルーズ船に乗船する。
幸いあれほど降っていた雨はほとんどあがっていた。 -
雨はあがったといっても、相変わらずどんよりとした天気で氷河の色も冴えなかった。
-
バホ・デ・ラス・ソンブラス港でクルーズ船からバスに乗り換え、14:45頃ペリト・モレノ氷河の展望台に到着した。
最初に大きな地図の前でガイドから効率的な見学ルートの説明があった。
帰りのバスは到着した駐車場ではなく、湖岸沿いを北に行ったレストランの駐車場から出るという。
遠くはいまだに雲に隠れているが、かなり視界は広がっていそうだ。 -
ペリト・モレノ氷河の雄大な光景が目の前に広がる。
この末端の幅は5kmにもおよび、真正面から撮ると24mmの広角レンズでも左右が切れてしまう。
氷河の奥の山々が見えないのが残念。
ペリト・モレノ氷河は全長約35kmもあり、見えているのは最下流のごく一部ということになる。 -
左は南のリコ水道側。
船で渡って氷河トレッキングをした方向である。 -
右は北のロス・テンパノス水道側。
アルヘンティーノ湖を南北に分断するようにペリト・モレノ氷河が流れ込んでいる。 -
遊歩道を下の方に下りて行くと氷河に近くなる。
ペリト・モレノ氷河は、氷河が存在する割には比較的気温が高い場所にあり、氷の融解と再氷結が短いサイクルで繰り返されている。
その結果、中央部の末端で1日約2mも進み、進んだ分が湖へ崩落している。 -
左のリコ水道側には手前の陸地にも氷塊がある。
地球温暖化の影響でほとんどの氷河が後退している中、ペリト・モレノ氷河は後退していない珍しい氷河の一つである。
時々氷河の末端がこちらの陸地まで達することによって、湖を2分することもある。
そうなるとリコ水道側の湖の水をせき止めることになり、リコ水道側の水位が上昇する。
上昇した水の圧力によって、湖を2分していた氷河の末端部の氷塊が破壊され、水位差が解消するという。
その時に手前の陸地に残った氷塊だと思われる。 -
氷の壁はやはり中央部が一番高そうだ。
7〜80mはあろうか。
気温の高い夏なら大崩落がよく見られるようだが、秋も深まる今はなかなか崩落が見られない。 -
集合場所の方に向かって北方向へ移動して行く。
大きな氷塊が浮かんでいる。
ロス・テンパノス水道側は整然とした氷の壁が連続している。 -
鮮やかなブルーをした氷河の断面。
-
イチオシ
湖に落ちる世界有数の氷河の末端を、こんなに近くに正面から見ることができる展望台なんて、世界中探してもありそうにない。
氷河観光においてこれだけ好条件のそろった観光地はそうはないだろう。
欠点があるとすれば、ここが日本から見て地球の裏側にあるということだ。 -
ついでなんで紅葉を入れたりなんかして。
-
北側の展望台から見たロス・テンパノス水道側の氷河。
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北側の展望台から見たリコ水道側の氷河。
ゆっくり眺めていたいところだが、集合時間の記憶が曖昧だったので先を急ぐ。 -
最後の展望台あたりから遊歩道は湖岸沿いを東方向に延びていた。
山の木々はこれから紅葉の時期を迎えようとしていた。 -
もうすぐレストランという場所から見納めとなるペリト・モレノ氷河を振り返る。
15:40頃に復路のバスに戻ったが、結局30分近くバスの中で待つことになった。
最後は集合時間をちゃんと覚えてなかったばかりにあわただしい見学となってしまったが、今日のツアーには大いに満足した。
1時間くらいのにわか雨に合ったとはいえ、ちょうどランチタイムだったこともあり、ほとんど影響はなかった。 -
FUJI旅館に戻ってきたのは17:30頃だったか。
この日はオーナーの奥さんが在宅で、翌日の行動予定と朝食の時間を聞かれた。
実はまだ明日の予定を決めていなかった。
明日の天気は晴れではないが雨の確率も低いらしい。
エル・カラファテは付近にめぼしいトレッキングコースもないのでツアーに参加しようと思った。
候補としてはウプサラ氷河の氷河クルーズかエスタンシア・クリスティーナのディスカバリーツアー(4WD)あたり。
ただウプサラ氷河の氷河クルーズはここの宿から予約ができないということもあり、エスタンシア・クリスティーナの方にした。
奥さんに予約をしてもらい、ツアー代は国立公園入園料込みで2330ペソだった。
今日のツアー以上に高額だが、地球の裏側まで来てるのだからそこをケチる気はなかった。 -
この日も夕方にスーパーとパン屋に買い物に行って夕食は簡単に済まそうと思っていた。
宿に帰って部屋で用事をしていると、例の韓国人夫婦の奥さんが「ちゃんと夕食は食べたのか?」と心配しているとS氏が伝えてきた。
まるで本当のオカンみたいな奥さんだ。
そんなわけで今日の夕食は韓国夫婦の奥さんが作ってくれたサラダ類とS氏が分けてくれたステーキで、ちゃっかり2日連続のタダ飯となった。
S氏はこの日の深夜3:00発のバスでウシュアイアへ向かうという。
バスターミナルへ向かうまでの時間ここに滞在するというが、私は明日のツアーが朝早いのでシャワーを浴びて早めに就寝することにした。
23:00頃になってリビングの方からギターを弾く音が聞こえてきてにわかに盛り上がっている雰囲気がしてきたが、疲れていたのですぐ眠りについた。
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この旅行記へのコメント (2)
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- TKさん 2016/06/23 21:46:25
- 5年前と変わらぬ美しさに感動!
- キートンさん
こんばんは!
ペリトモレノ氷河のトレッキング写真集、素晴らしい。
ここの氷河が一番美しいですね。
透き通るような、コバルトブルーのクレパスの中。
周り一面の真っ白な氷河を、アイゼンを付けながら、
トレッキング。
こんな体験なかなかできませんよね。
〆のオンザロックのおいしさ。
行って良かったですよね。
私たちも5年前に行きました。
その時と全く変わらぬ美しさ!
懐かしく拝見いたしました。
ありがとうございます。
TK
なお、私たちの写真集は↓です。
お時間がありましたら、ご覧下さい。
http://4travel.jp/travelogue/10754275
- キートンさん からの返信 2016/06/23 22:50:33
- RE: 5年前と変わらぬ美しさに感動!
- こんばんは、TKさん。
書き込みありがとうございます。
今までカナディアンロッキー、スイスアルプス、マウントクックなどで氷河を見てきましたが、多少なりともモレーンなどで表面が汚れて見えたものでした。
この前日に歩いたビエドマ氷河もやはり例外ではなかったのですが、ペリト・モレノ氷河だけは違いましたね。
離れて見ても、氷河を歩いて近くで見ても、こんなに美しい氷河を見たのは初めてです。
こんなに手軽に氷河トレッキングができるところも他に聞いたことがありません。
地球温暖化の影響で各地の氷河が後退していく中で、ペリト・モレノ氷河は後退せずに美しい姿を保ち続けている貴重な氷河。
日本から行くにはあまりに遠いところですが、この体験のためにはるばる行く価値はありますよね。
当日はあまり良い天気ではなく、曇りがちで一時雨も降りましたが、氷河トレッキングの時は奇跡的に日差しが照りつけました。
そんな幸運にも恵まれ、忘れられない体験となりました。
TKさんのペリト・モレノ氷河の旅行記は以前にも拝見しておりました。
快晴で絶好のトレッキング日和だったようですね。
他にも私が興味を持っているところの旅行記がありそうなのでまた拝見させていただきます。
では、また。
キートン
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