2016/04/01 - 2016/04/01
6位(同エリア154件中)
キートンさん
長年の夢でもあった憧れの地、南米パタゴニア。
いよいよその夢を実現する時がやってきました。
地球の裏側にやってきて3日目にして、ようやく最初の目的地パイネ国立公園へとやって来ました。
パイネ国立公園はチリ側パタゴニア観光で最大の見どころ。
花崗岩の岩峰群と湖がおりなす独特の山岳風景で知られています。
昼過ぎに宿泊するロッジ・パイネ・グランデにチェックインしたあと、いよいよこの旅最初の本格的なトレッキングに挑戦。
風の大地パタゴニアでちょっと不安な空模様の中、トレッキングは楽しめるのでしょうか・・・
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 2.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- KLMオランダ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
パイネ国立公園には、トーレス・デル・パイネ、フランセス谷、グレイ氷河という3つの代表的トレッキングコースを全て含んだ「Wコース」という、通常4泊5日の人気コースがある。
その名の通り地図上で見ると、「W」の字(青の点線)をたどることになる。
今回の旅はチリ側パタゴニアより、フィッツロイとペリト・モレノ氷河をメインとしたアルゼンチン側パタゴニアに重点を置いたので、残念ながらWコースを踏破する日程は組めなかった。
しかし、せめて1泊してその一部でもトレッキングを楽しもうという考えである。
このロッジ・パイネ・グランデからはフランセス谷とグレイ氷河を見に行く2つの代表的なコースがあるが、いずれも通常7時間以上かかる1日コースである。
今からでは午後の半日しかとれないので、フランセス谷への中継地点となるイタリアーノ・キャンプ場付近までの往復(赤の矢印)をしようという計画だ。 -
部屋の扉の鍵がないのに鍵がかかってしまうというアクシデントがあって、対応してもらうのに時間を要したので、結局ロッジを出発したのは13:50頃だった。
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10分弱歩いたところからロッジ・パイネ・グランデの方向。
最初はペオエ湖沿いを歩く。 -
やがてペオエ湖から離れてアップダウンのあるコースとなる。
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短い木橋を渡る。
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木橋から上流側にはクエルノス・デル・パイネ(パイネの角)とパイネ・グランデ山を見ることができる。
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樹皮が焼けた跡が残る樹木。
今から4年ちょっと前の2011年12月に大規模な森林火災が発生し、翌年1月までに1万ha以上を焼失したという。
1万haといわれてもピンとこないかもしれないが、10km×10km、関西でいうと高槻市、関東では青梅市に匹敵する面積になるから、とんでもない大惨事である。
その原因は観光客による火の不始末だったという。 -
振り返るとペオエ湖がだんだん遠くなっていく。
-
イチオシ
イタリアーノ・キャンプ場までのルートは、ひたすらクエルノス・デル・パイネ(パイネの角)に向かって歩く風光明媚なトレイルだ。
残念ながらさえない空模様の上に風も強い。 -
左にパイネ・グランデの氷河を見上げるように歩く。
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ロッジを出発してから50分ほど歩くと、右手にスコッツバーグ湖が現れた。
この湖はペオエ湖のようなミルキーブルーではなく、やや寒々とした色合いだ。 -
時々ものすごい突風が吹く。
それは湖面に水しぶきをまき上げるほど凄まじいものだ。 -
パイネ・グランデの氷河からの水を集めた流れが、滝となって落ちている。
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やがて白い樹皮の樹林帯に入って行く。
山火事で焼けた樹皮が雨や風ではがれて、生命力を失った白い幹が見えているのだと思われる。 -
秋も深まる時期で花はあまり見られない。
たまに見かけたタンポポのような花。 -
15:40頃に見かけた表示。
2時間近くかけて5.5kmか。
イタリアーノ・キャンプ場まではあと2km。
20:00頃まで明るいと思われるが、夕食の時間とか山影で暗くなるのが早いかもしれないことなどを考えると19:00前後にロッジに帰りたいところ。
復路に2時間半かかると仮定すれば、逆算して16:30頃には帰路につきたい。
となると、時間的にぎりぎりで、キャンプ場に着いたとしてもゆっくりはできそうにないな・・・ -
などと思いながら、気合を入れてどんどん進む。
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16:00過ぎ、川が現れ木橋を渡る。
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木橋を渡った後すぐに、今度はもっと長い吊り橋が現れた。
一度に2人までしか渡れないスリリングな吊り橋だ。 -
吊り橋から見た下流側の流れ。
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吊り橋を渡ったところがイタリアーノ・キャンプ場だった。
16:10頃、予想していたより意外に早く到着した。
ロッジを出発してから2時間20分の所要時間。
プエルト・ナタレスで入手したマップではこの間の所要時間は2.5時間となっていたが、キャンプする人は私より重い荷物を背負って歩くので、その所要時間の表示は標準的で適切なものだろう。 -
じっくりは見ていないが、設備は整ったキャンプ場といった印象だ。
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上流側はこの時間、まともに逆光だった。
パイネ・グランデの荒々しい山肌と氷河の光景はなかなかの迫力だ。 -
上流側から見た、一度に2人までしか渡れない吊り橋。
細いワイヤーが頼りなげ。
確かにこれでは3人以上で渡るのはリスクがある。 -
吊り橋付近から見た氷河。
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突然その方向から何かが崩れるような音が響いてきた。
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雪崩なのか氷河の崩落なのか、凄い雪煙りが舞い上がっている。
近くでその光景を見ていた婦人に、「今の写真に撮った?ナイスじゃないの!」みたいなお褒めをいただいた。 -
地殻変動の結果なのか、氷河の爪痕なのか、凄い山肌をしている。
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20分ほどのんびりできたので、16:30頃帰路につくことにした。
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帰り道、クエルノス・デル・パイネ(パイネの角)を振り返ると青空が見え始め、山は日を浴びていた。
右がクエルノ・プリンシパル(2600m)、左がクエルノ・ノルテ(2400m)。 -
イチオシ
距離はあるが、クエルノ・ノルテの左のナイフを立てたような峰が目を引く。
その峰はおそらくCo.Espada、その右側がCo.Hojaだと思われる。
イタリアーノ・キャンプ場からフランセス谷をさかのぼれば、これらの岩峰がもっとまじかに見れるのだが、今回はその時間が取れなくて残念だ。 -
クエルノ・プリンシパルの山頂部。
これほど地層の境目がくっきりわかる山肌を見たのは初めてだ。 -
また白い樹林帯に入って行く。
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4年前の山火事以降も強風に耐えしのんできた樹木。
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スコッツバーグ湖沿いの眺めのよいポイントでひと休み。
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イチオシ
クエルノス・デル・パイネ(パイネの角)とスコッツバーグ湖。
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パイネ・グランデ山とクエルノス・デル・パイネ(パイネの角)を背に歩く復路。
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18:00過ぎ、ペオエ湖が見えてきた。
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氷河湖特有のミルキーブルーが美しいペオエ湖。
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18:40頃、ロッジ・パイネ・グランデに帰り着いた。
後から思えばイタリアーノ・キャンプ場よりもう少し先まで行ってみてもよかったかも・・・ -
その時、クエルノス・デル・パイネ(パイネの角)は夕日を浴びていた。
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19:15頃、夕食時のロッジのレストラン。
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ロッジの夕食にしてはなかなかのメニューだ。
ライスはタイ米っぽくてイマイチだが、チキンっぽい肉がたっぷり。
カレーでもなく、よくわからないメニューだが、パイネでライスが出てくるとは思わなかった。 -
味だけで評価すれば微妙なところだが、このロケーションで食事ができるのだから贅沢な夕食だ。
-
19:40頃、パイネは夕暮れ時を迎えた。
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雲が多い空でも、都市の夕暮れとはどこか違う表情豊かな夕暮れだ。
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イチオシ
クエルノス・デル・パイネ(パイネの角)の空も、オレンジ色の雲が昼とは違う表情を演出する。
こんな夕景が見れるのも、国立公園内に宿泊するメリットのひとつ。 -
天候に恵まれたとは言い難いが、考えていた予定は十分実行できた。
トレッキング初日としてはまずまずの出来かな。 -
ロッジの談話室。
まきストーブが山小屋っぽくていい感じ。 -
トレッキングから帰って来た時に部屋には誰もいなかったが、下の2つベッドにはバックパックが置かれていた。
私が枕元に置いていたショルダーバックには気付かなかったらしい。
しょうがないので上のベッドに移動した。
夜になって風が強くなって部屋の中にも響いてきた。
同室の一人はエジプト人の青年で、イスラム教の礼拝を行ってから就寝した。
同室のもう一人は結構遅くまで戻ってこなかった。
台風並みの風の音になかなか寝付けない夜だった。
この風では明日のトレッキングは厳しそうな気がしていた。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- pedaruさん 2016/04/28 05:51:19
- まさに絶景
- キートンさん お早うございます。
順番に拝見しようとしましたが、この表紙の雲の色に誘惑されて引き込まれてしまいました。絶景ウォークと題するにふさわしくどの写真もえーっと
驚くような素晴らしい景色ですね。4トラベルで知るかぎりでは、絶景だけでこれ程魅了する旅行記は滅多にありません。
少しずつ次の旅行記も拝見して行きたいと思います。美味しい物を少しずつ味わうように・・・・急いで通り過ぎるともったいない旅行記です。
pedaru
- キートンさん からの返信 2016/05/01 01:01:02
- RE: まさに絶景
- こんばんは、pedaruさん。
書き込みありがとうございます。
身に余る賞賛のお言葉、恐縮です。
今回の旅は大自然のの凄さを満喫しようというのがテーマだったのですが、終わってみれば期待以上の凄さを体感しました。
「絶景」という言葉はあまり簡単に使いたくないと思っていましたが、今回の旅で歩いて目の当たりにした光景は「絶景」というにふさわしいと自信を持っています。
パイネはあまり天候に恵まれたとは言いがたいのですが、朝焼けや夕景はパタゴニアのどこでも鮮やかできれいなものでした。
このあとアルゼンチン側ではパイネ国立公園以上の素晴らしいシーンに巡り合えたので、また引き続き見ていただければ幸いです。
なお、3日間ほど出張に出てたので、返事が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
では、またよろしくお願いします。
キートン
-
- 川岸 町子さん 2016/04/26 21:57:01
- 風の大地
- キートンさん、おばんでした☆
夢がかなって、おめでとうございます!
良かったですね!(^^)!
いやぁー、すごい所ですね。
広大な風景の連続。
風を感じます。
風の音も伝わります。
山肌や樹木が、たえず風を受けて存在しているかのよう。
湖の遊覧船、素晴らしいですねヽ(^o^)丿ヽ(^o^)丿ヽ(^o^)丿
透明感のある水色の湖面が、美しい〜。
なかなかこんな風景には出会えませんよね。
氷河も、山々も、スケールの違いがわかります。
山は、2,000~3,000m級なのに、もっと高く見えちゃう。
人を寄せ付けない厳しさだからでしょうか?
最後の夕焼け空、見られて良かったですね(@^▽^@)
様々なアクシデントの連続、ドキドキです…。
町子
- キートンさん からの返信 2016/04/27 18:23:21
- RE: 風の大地
- こんばんは、町子さん。
書き込みありがとうございます。
パタゴニアは行きたいところの筆頭でもあったのですが、ようやく行くことができました。
日本から遠いこともありますが、スペイン語圏なので、今までスペイン、ペルー、メキシコに旅してきた経験をいかして、アクシデントはありましたがなんとか無事旅を終えることができました。
パタゴニアはまさに風の大地。
写真ではなかなか伝わりにくいと思いますが、吹き出すとホントに台風並みの暴風が吹きます。
ぺオエ湖は氷河湖特有のミルキーブルーで、天気が良ければパイネの山々との絶景が見れたと思いますが、空模様が少し残念でした。
パタゴニアは高い山でも標高3000mを超える程度ですが、高度なロッククライマーでしか登頂不可能な尖峰が多いです。
ぺオエ湖などの湖は一見山の中の湖のように見られがちですが、湖面の標高は50m未満で海水面とほとんど変わりません。
なので、標高3000mに満たない山でも、とてもスケール感と迫力を感じます。
緯度が高いこともあって、標高が低いところでも氷河が見られます。
毎日のように都市部では見られないようなきれいな朝焼けや夕焼けを見ることができました。
厳しい自然だからこそ美しい自然が存在するのだろうと、パタゴニアを見て思います。
パイネ国立公園のあとはアルゼンチン側のパタゴニアですが、ますます自然の凄さを体感しました。
また、続きを見ていただければ嬉しいです。
キートン
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