煌びやかな雛の饗宴　雛のつるし飾り　～河津・稲取ショートトリップ～

2011/03/06 - 2011/03/06

河津桜を思う存分堪能した翌日、稲取に移動して「雛のつるし飾り」を見に行った。
「つるし雛」などとも言われるが、「つるし飾り」が正式な呼称であるとのこと。

そこには、想像を超えた煌びやかな世界があった。

稲取温泉　雛のつるし飾り
http://www.inatorionsen.or.jp/hina_sp/

エリア 稲取温泉(静岡)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: JR特急
• 旅行の手配内容: 個別手配

稲取は町を挙げての「つるし飾り祭り」。駅前にもボランティアが大勢いて、会場までの道のりを説明してくれる。
驚くべきことに、メイン会場までのルート上にも多くのボランティアがいて、観光客を誘導していた。

街路にはこんなユーモラスな飾り。
キンメダイだろうなぁ

伊豆稲取駅 駅

幟も立派だ
メイン会場である「文化公園　雛の館」は古民家風の建物。稲取駅からはそぞろ歩いて20分ほど。内部はつるし雛一色

稲取文化公園 公園・植物園

こんな雛が束になってかかってきたら、腰を抜かす…

つるし雛にはいくつかパターンがあって、赤ん坊だったり、野菜だったり、玩具だったり。

それらが、着物などの端切れで作られている。
色も形もさまざまで、個々は決して華やかではない。
一見、統一感に欠けるように思えるが、

まとまって吊るされるとこの通り。
ひな壇に飾られた“主役”を食ってしまうほどの華やかさなのだ。

昔の人たちの美的感覚ってのは、脱帽モノ

どうだろう、この華やかさ。
中央のひな壇飾りだけでは、絶対に出せない味わい

つるし飾りの起源は･･･
古く江戸時代後期の頃より、「つるし飾り」の風習があったとされている。
江戸時代においては、雛人形を購入できる家庭は稀で、雛人形の代わりにと、手作りで初節句を祝ったのが始まりとされている。

この『つるし飾り』は稲取独自の伝統であることは間違いないらしいが、その起源は定かではない。

子や孫の成長を願う親心の成せる技…
一時は廃れたものの、地元の婦人会有志の手によって、この町独自の和裁細工として現在まで受け継がれて来た。

こういうものを見ると、昔の日本人の美意識、色彩感覚には感嘆させられる。

この雛の和細工のさげ物の風習は全国でも珍しく、

九州柳川地区では「さげもん」
山形酒田地区では「傘福」
そしてここ稲取の「雛のつるし飾り」

この三地区のみが歴史的な背景や、由来、文献等、つるし飾りの資料が現存しているという。

一つ一つが大変味わい深く、見ていて飽きが来ない。

雛の館にはこんなミニチュアも

ユニークな表情の雛人形とミニチュアサイズの雛人形

こちらは質素で手作りのぬくもりを感じる人形

ちょっと下から見上げてみた

とても古い雛人形
意外に小さいけれど、凝った造りで重厚な印象

膨大な数の人形たち
手間暇かけたこの数そのものが親心

本来の雛人形とつるし雛の饗宴
これは今だからこそ実現した組み合わせかもしれない。

その華やかさに目を奪われるが、背景にあるのは温もりそのものだった。

「雛の館」全景

さて、充分に見学したので、ぼちぼち駅に戻ろう

雛のつるし飾りまつり 祭り・イベント

この期間は、沿線の商店も「つるし飾り」
ショーウインドーも華やか

文具屋さんも・・・

和菓子屋さんも・・・

ここはつるし飾りの制作体験ができる場所。

町を挙げてのイベントは、とても温もりのあるものだった。

この旅行記へのコメント （2）

• norisaさん 2014/03/27 07:13:21

  凄い数！

  琉球熱さん
  
  おはようございます。
  
  海でも山でもない普通の？旅行記ですね（笑）
  
  春めいてきたこの頃ですが河津、稲取はさらに暖かでしょうね。
  それにしてもこのすごい数のつるし飾りーー！！
  
  さぞ作るのが大変だったでしょうね！
  
  norisa

  琉球熱さん からの返信 2014/03/27 22:07:47

  RE: 凄い数！

  norisaさん
  投票＆書き込み、ありがとうございます。
  
  そうなんです、普通の旅行記です。
  私もこんな普通の旅行をしていたのですよ、かつては(笑)
  
  この時はとにかく天気に恵まれて、桜も菜の花もすこぶるキレイでした。
  吊るし雛も実に端麗で、たっぷり目の保養ができた2日間でした。