南部の火祭りは文字通り「炎」づくし

2012/08/15 - 2012/08/16

盆の休みを利用して、山梨県南部町の南部の火祭りを見て来た。

南部町は静岡県との県境に近い、山間の静かな町。町の真ん中を富士川が流れ、両岸の山に張り付く様に西側は国道52号線、東側は身延線が走っている。

そんなのどかな町も、8/15だけは沢山の人で賑わう。
この火祭りにはおよそ3万人の人出があるとのことだが、都心の花火大会に比較したら可愛いもの･･･と言うなかれ。
何せ人口9000人弱の町に3倍強の人がたった一晩で集まるわけだから、その準備は大変なものだ。
それこそ文字通り「町をあげて」の大イベント。

エリア 内船温泉・船山温泉(山梨)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: レンタカー JRローカル
• 旅行の手配内容: 個別手配

さて、夕方になると河原には続々と人が集まって来る。皆クルマでレジャーシートやベンチを持参、もちろんビールやつまみも必携。

電車も大増発で、4両編成で20分間隔！
普段は2両編成で1時間に1本あるかどうかなので、その大盤振舞いぶりがわかろうと言うもの。

それでも、広い土手は場所取り不要でのんびり寛いで見物できる。

あたりが暗くなると、まず始まるのが『投げ松明』。
これは運動会の“玉入れ”の要領で、長い竿の先にくくられた「蜂の巣」と呼ばれる麦わらで編んだ籠をめがけて、点火した松明をクルクル回しながら投げ合うもの。
うまく松明が命中すると、「蜂の巣」が火の塊となって燃え上がるという算段。

燃え盛っている最中に竿を激しく揺らすので、火の粉が飛び散ることになる。
遠くから見ている分にはきれいだが、やる身にはかなり危険を伴うのでは？

次は『百八たい』。
川の両岸約2kmに渡って配置された円錐状の焚き木の山、その数108。もちろん、これは人間の煩悩の数になぞらえているもので、これらに一斉に点火、見事な炎の帯ができあがる。

ちなみに、この焚き火は燃え尽きるまで放置(笑)

この“炎の帯”ができたところで、メインイベントの花火が打ち上げ開始。

これが5000発の規模なのでなかなか侮れない。ちゃんとスターマインもある。

また、何と言っても素晴らしいのがその「音響」。

花火の音が両岸の山に反響して韻々と響き、コンサートホールのような効果なのだ。

最後の花火は、スターマインと尺玉の競演。
それはそれは見事！(写真は別)

都心の花火大会のような混雑もなく、視界を遮るものもなく、非常にゆったり、じっくりイベントを楽しむことができた。

交通の便は正直良くない。しかも帰りは大渋滞(涙)。
しかしそれでも、このロケーションでこそ得られるものもあり、非常に満足度の高い祭事だった。

この旅行記へのコメント （2）

• ねもさん 2020/05/16 09:51:06

  一応、隣町

  琉球熱さん
  近くなので、山歩きで結構伺います。こんな派手なイベントがあるのですね。知りませんでした。琉球熱さんは、こちらに何かご縁があるのですか？
  
  旅行記と関係なくて恐縮ですが、私は運転できないのでタクシーに乗ることがありますが、運転手から面白い話を聞きます。
  オウム真理教の施設が近くにあったので、あのころは東京のマスコミ関係者がいっぱいやってきて、気前よくタクシーを利用してくれてウハウハだったと(笑)
  １月に思親山に登ったときもタクシーに乗ったら、新雪の後にもかかわらずチェーンを巻いてなかったので、途中で坂を登れず。運転手が「お客さん、降りて後ろから押してくれないかい」(・□・；)
  そんなことで登れるわけはなく、そこで降ろしてもらい登山口まで１kmくらい歩きました(苦笑)

  琉球熱さん からの返信 2020/05/16 22:28:14

  Re: 一応、隣町

  ねもさん
  
  隣町でしたか
  以前清水市に住んでいたので、興津川上流とか富士川上流とか、気まぐれに遡行していました
  この火祭りは、娘がまだ小さい頃にたまたま居合わせて、その存在を知りました
  数十年後、お盆に里帰りしていた際、「そう言えば！」と、カミさんと二人で見物に行ったというワケです
  
  あの辺は何と言っても身延山、参拝者も多いですが、登山者も多いですね
  思親山、、、知りませんでした
  山梨百名山なんですね
  
  ---------琉球熱--------