2011/04/11 - 2011/04/16
1288位(同エリア3078件中)
kojikojiさん
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- 旅行記1564冊
- クチコミ1159件
- Q&A回答73件
- 2,964,483アクセス
- フォロワー162人
ブダペストでの宿泊はケンピンスキー ホテル コーヴィナスをネットで予約していました。ケンピンスキーホテルは日本ではあまり馴染みはありませんが、この当時よく旅行していた中国旅行では各地に展開しているので名前は知っていました。5星のホテルですが9,000円ほどの宿泊費だったのであまり期待はしていませんでしたが、東駅から地下鉄のデアーク広場で降りて地上に出た目の前にあったホテルは凄い高級ホテルでした。大きな自動回転ドアに入ろうとするとドアマンが荷物を預かってくれるし、フロントマンの応対は素晴らしいし、部屋までマネージャーの女性が案内してくれて滞在中のサービスなど説明してくれます。本当に心のこもったサービスと感じられとても気持ち良い1週間が過ごせました。ホテルの立地も良くて日本にも進出しているお菓子の「ジェルボー」まで歩いて1分ですし、ヴァーツィ通りも近いので空いた時間には買物を兼ねた散歩にも良く出かけました。ヴァーツィ通りではフィランティアと言う美しい花屋さんに立ち寄ったり、本物のフォークロアの作品を売るお店を見つけたり楽しい時間が過ごせました。また世紀末の美しい建物も数多く興味深い通りでもありました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 船 徒歩
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ウィーンのメイドリンク駅からの出発時にブダペスト行きの列車では無くブダペスト発のミュンヘン行きの列車に乗ってしまうというアクシデントはありましたが、無事にブダペスト東駅に到着し、1週間滞在するケンピンスキー ホテル コーヴィナスにチェックインできました。
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4トラベル経由でエクスペディアで予約しましたが、朝食別で1室9,000円程の料金だったのであまり期待してはいませんでしたが、非常に広くて気に入りました。
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チェックイン時にフロントでパスポートを提示すると手続きは簡単に済んで、担当してくださった女性マネージャーは部屋まで同行して部屋の使い勝手を説明してくださいました。
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そして「何かお手伝いできることがあればお声がけください。」とニッコリ笑顔で応対してくださいました。そのうちに荷物も部屋に届きました。ウィーンを出る時は自分も間違いでトラブりましたが、ブダペストに着いてからは地下鉄で助けられて以降も気持ちよいくらいスムーズです。
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グラス類などミニバーの備品も良い物なので、夜になってからスーパーで買ってきた飲み物を飲んでも高級な感じがしました。
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バスルームも巨大な洗面台に大きなバスタブがありました。プラハは駅前のデザイナーホテルでウィーンのホテルはシャワーだけの狭いバスルームだったので天国のようです。
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独立したシャワーブースもあるので朝はここで十分です。正直これで9,000円でいいのかしらと感じました。
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部屋には何枚も版画が掛かっていました。何か違和感を感じたので良く視ると騙し絵になっていました。ああ、ブダペストにはヴァザルリの美術館もあったなと思い出しました。そしてこれはオプ・アートじゃないのでヴァザルリでは無いなと思い、エッシャーだろうかと考えましたが見た覚えもありません。
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ハンガリー生まれのヴィクトル・ヴァザルリはオプ・アートという視覚的な効果を与えるよう計算された絵画作品の作家で、広い意味でのトロンプ・ルイユ(だまし絵)で有名です。ヴァザルリを知ったのも池袋西武にあった西武美術館でした。10代から30代の頃に知ったアートの多くがこの美術館をとしてのことでした。
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部屋で一休みした後はホテル周辺に散歩に出てみました。ホテルの裏には素敵なお店がありますが、反面1階の一番良い場所にはFOR SALEやFOR RENTの看板が目につきます。当時は2008年のグローバル金融危機のためにIMFの支援を受けていたのがありありと感じられるほど経済状態は悪かったようです。
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東京で言うと銀座の目抜き通りの様なところの半分の店が閉まって、人通りが少ない印象を受けました。
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デアーク広場の反対側にスーパーが何件かありましたので、滞在中の飲み物やおつまみを買いこみました。ホテルのミニバーは結構良い値段が書いてありましたので、長い旅では経費節約が必要です。
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ハンガリーと言えばトカイワインなので、部屋飲み用とお土産用に買い求めました。面白かったのが妻が引いているカゴで、日本のように普通にカゴとしても使えますが床に置いて大きい引き手を使うとキャスター付きなのでカートのように使えます。この当時は珍しく思えました。
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夜のケンピンスキーホテルは少々暗い印象で、左隣はマリオットホテルです。ケンピンスキーには有名な松久信幸さんのフュージョンレストランNOBUが営業しています。出資者にはジョージ・クルーニーも入っているそうです。滞在中にお昼に1回くらいと思いましたが、1番安いBENTOUでも5,000円、飲み物と税サービスを含むとグンデルで食事が出来そうなので入りませんでした。レセプションカウンターのハンガリー美人はネイティブな日本語を話しますのでメニューを見ながら「高いよ!」なんて言うと恥ずかしい思いをするところでした。
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朝食なしでケンピンスキーを予約した理由の一つに、隣がグンデルの本店という事がありました。調べてみると朝食が1,000円もしないで食べられることが分かりましたし、地下にビアレストランもありました。
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1858年に創業したジェルボーは150年以上の歴史があります。このカフェはオーストリア=ハンガリー帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后エリザベートが通ったことでも有名です。
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日本にも2009年に海外初進出して、池袋西武の食品売り場にもコーナーがあったのですが、数年で無くなってしまったのが残念です。
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その本店の目の前に立っていると思うと感無量です。プラハの歴史あるカフェを巡り、ウィーンのカフェも巡り、3都市目のブダペストでもいくつかの歴史あるカフェに行く予定にしています。
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ジェルボーが建つヴェレシュマルディ広場は街の中心の憩いの場所です。この広場の周りには地元の人も含めて賑わっているようでした。またこの広場は冬になるとクリスマスマーケトのスタンドで埋め尽くされ、ハンガリーの雑貨がいろいろ買う事が出来ます。
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さらに1ブロック進むとドナウ川の河畔に出ます。ブルーモーメントのこの時間のここからのライトアップされた王宮は息も止まるような美しさでした。
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旅も3週間目に突入しましたが文句も言わずによくついて来てくれました。あと1週間頑張りましょう。
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川沿いのトラムの線路の手摺に座っているのは「リトル・プリンセス」と呼ばれる女の子の銅像で、ハンガリーの彫刻家マルトン・ラースローの代表作です。
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始め見たときは男の子の像で、帽子の形からピーターパンかと思いましたが、作者の娘さんがモデルだそうです。さらに驚いたのは池袋の「東京芸術劇場」に日本とハンガリーの友好のシンボルとして寄贈されたこの像が置かれているということです。何度も行ったところですが全く気が付きませんでした。
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川沿いは涼しくなってきたのでホテルの戻ることにしました。近くにはこんなおしゃれなバーなんかも並んでいます。
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ケンピンスキーは客室も広いですが、エレベーターホールから廊下も広いです。
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そして迷路のような廊下なので1週間の滞在で何度か迷いました。
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部屋に戻って買ってきたトカイワインを冷やして飲みました。実際にトカイ地方で語られる伝承では1632年にハンガリー王国に進攻したオスマン帝国との戦いのため、改革派教会説教師でありラーコーツィ家所有のブドウ畑を管理するセプシ=ラツコー・マーテーが不在のため、ブドウの収穫が11月にずれてしまいます。シャートルアルヤヘイのオレムス畑ではしなびたブドウしか収穫できなかったが、それから生まれた甘くて燃えるようなワインは、ラーコーツィ一世ジュルジの妃のローラントフィ・ジュジャンナのイースターの食卓に献上されたとあります。
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トカイ・アスーの5プットニョシュですが、日本で買う値段に比べたら嘘みたいな安さでした。さすが本場の都会をハンガリーで飲むのはいい気分です。シチリアのタオルミーナ近郊のカステルモーラのヴィーノ・マンドルラ(アーモンドワイン)とトカイワインは大好きなデザートワインです。
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ジェルボーのある中央広場から南に伸びるヴァーツィ通りとケンピンスキーホテルから南に延びるペーチ通りとその先のペチョーフィ・シャーンドル通りには世紀末のアール・ヌーヴォー建築や分離派の建築が数多く残っています。
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ヴァーチゥ通りを南まで下った突き当りの「中央市場」まで来て、市場の見学をしてからまた通りの建築を眺めながら戻ります。
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不思議な牛のオブジェはヨーロッパでよく見かける店の看板です。スペインでは雑貨屋の看板だったり、ブリュッセルではステーキ屋だったり、スイスではチョコレート屋だったり各国で働いています。ブダペストではピザ屋さんで働いていました。
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この時はあまりにたくさん売っていたので買いませんでしたが、後日買おうとしたらほとんど売り切れていました。リース状になったのが欲しかったのですが手に入らず、吊るしてあったものを2つ買いました。乾燥したオレンジやレモンにシナモンの皮などでとても良い香りがします。名前を聞いたのですが店のおばさんに「ない。」と言われました。そこの黄色いホッ被りの人邪魔です!
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何でもないシンプルなビルの入り口扉だけがかっこいいデザインになっていました。
扉はそれぞれシンメトリーのデザインですが、建物としてみるとバラバラです。 -
基本的に我々は観光客なのでスーヴェニールの文字を見つけたら見に行くことにしています。地下のお土産物屋のショッピングセンターはお土産物は豊富でしたが、欲しいと思えるものは見つかりませんでした。
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閉店しているお店が多くても、基本となる建物のデザインがしっかりしているので見ていても面白いです。葉っぱ模様のエオシン釉のかかったタイルや、胴版のたたき出しのパネルが往時を偲ばせます。
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翌日は中央市場へ向けてヴァーツィ通りを歩いて見ると美しい花屋さんがありました。フィランティアについては前の旅行記で紹介したので省略します。
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フィンランテアの左隣はレヒネル・エデンの設計したトーネット・ハウスのビルですが、右隣の1階は土産物屋になっていました。ボヘミアンガラスのようなガラスばかりで、プラハで出会えたフォレストガラスのようなものが無いのが残念です。
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妻はフォークロアな人形を欲しがっていましたが買いませんでした。昔イタリアのオルヴィエートで似たような赤ちゃんの人形を買った事がありました。今から思えば小さいのを買ってあげれば良かったかなとちょっと後悔しています。
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国立民族博物館でハンガリーのフォークロアな刺繍などに惹かれてしまいました。
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これを見た瞬間に爆笑問題の2人を思い出してしまいました。
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ブダペスト2日目の晩御飯はホテル近くの「ジェルボー」の地下のビアレストランに行くことにしました。こんな宮殿のレストランに入るので、一度ホテルに戻ってちょっとおしゃれしてきました。
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カフェとスイーツで有名な店ですが、階段を下りた地下にはビールの醸造施設まであるので楽しみにしていました。旅行に出発する前にジェルボーのホームページでその存在を知りました。
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ヴァーツィ通り側に入り口があります。中央公園から建物に向かって左側側面に入り口があります。
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こんなシャンデリアの吊られた誰もいないホールを進むのでちょと緊張しました。
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ホールの先の階段を降りていきますが、誰もいないのでさらに緊張します。クロークのようなカウンターにも誰もいません。正確にはエドゥアール・マネの「フォリー・ベルジェールのバー」が出迎えてくれました。
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マネの絵のバーカウンターの女性も暇そうな表情ですが、お店はガラガラでちょっと拍子抜けしました。フランスから来た家族連れが一組静かに食事をとっているだけでした。
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もちろん我々が店に入るとちゃんとスタッフが笑顔で出迎えてくれて、席へ案内してくれました。
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ジェルボーのロゴ入りグラスに入った生ビールです。SOUの意味を調べてみたらハンガリー語でビールでした。この生ビールは店の入り口にある醸造タンクで造られたものです。
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プラハからウィーンと中欧の代表的な料理のグヤーシュをブダペストでも味見してみました。どこで食べたものも美味しかったですが、最初に食べたプラハの市民会館のものが印象に残っています。ハンガリーの物はパプリカが良く利いていて美味しいです。
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生野菜不足なので大好きなトマトとオニオンサラダは忘れずに。こちらもパプリカが利いていてスパイシーでおいしいです。
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とぐろを巻いているソーセージは0.5メートルとか1メートルとか長さで注文します。ビールのつまみなのか何故か上にプレッツェルが乗っています。ちなみにハンガリーではペレツと呼ぶそうです。
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お皿はどれもハンガリーのジョルナイのお皿だそうです。
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どの料理も美味しくて大満足の夕食でしたが、お店がもう少し賑わっていたら良かったと思います。ドイツのビアホールのような雰囲気が欲しいところですが、この当時のハンガリーは本当に不況を感じました。フォリントが安かったので旅行する外国人にとっては助かりました。
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ホテルに帰るにも1ブロック歩くだけなので楽ちんです。
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1階のカフェは閉まっている時間ですが、巨大なエスプレッソマシーンが目につきました。我が家にあるラ・パボーニというイタリアのエスプレッソマシーンにデザインが似ているので写真を撮ってしまいました。今までに2台買い求めていますが、昔は免税手続きして2万円ほどで買えました。
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明日はここで朝ご飯を食べる予定です。
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日が変わってジェルボーのカフェです。ホテルの朝食は別料金の上にかなりいい値段だったので一番近くのカフェで食事をする事にしました。
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ジェルボーは1858年ヘンリー・クグレーによって現在のブタペスト市内ヨージェフ・ナードール広場にオープンした150年以上の歴史のあるカフェです。
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趣味のいい家具に囲まれたサロンで美味しい「コーヒー」と「トルテ」と「チョコレート」、「リキュール」と「ボンボン」、そしてブタペスト最高と評された「アイスクリーム」が人々に人気を博して評判の店になり、「6つのエレガントな世界が集まる場所」と呼ばれたそうです。
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1870年には市の中心であるヴォロシュマルティ広場に移転し、サロンだけでなくお菓子を紙皿にのせて包んで持ち帰るテイクアウトスタイルも生み出し、多くの人々に支持されます。作曲家のフランツ・リスト氏もジェルボーの常連客のひとりでした。
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1882年に経営者のクグレーはジュネーブ生まれのエミール・ジェルボーとパリで出会い、その後ビジネスパートナーとして迎え入れました。クグレーと同様にジュネーブの菓子店の家に生まれたジェルボーでしたが、その進取の気性に富んだ精神と人並みはずれた才能はクグレーとの出会いでさらに開花してカフェは一層繁栄しました。
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ハプスブルグ家のオーストリア皇后でハンガリー王妃となったエリザベートがジェルボーによく訪れたのも有名な話です。共産圏時代に店名は一時的に「ヴォロシュマルティ」と変わりますが、1984年にジェルボー家により買い戻されて以前の店名「ジェルボー」に戻りました。
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朝食セットは800円くらいから3種類から4種類あります。セットを注文すると濃厚で美味しい黄桃のネクターと好きなコーヒーが出てきます。私はカフェ・ラテにしましたが、コーヒーはウィーンのユリウス・マインルのようです。
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妻は朝1番にはブラックコーヒーしか飲みません。
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カフェのインテリアも素敵ですが、焼き印の押された美しいカーブを持った椅子が印象に残ります。この椅子は日本の店でも使われています。
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「こんなに!」と思えるほどのボリュームでランチセットが出てきました。妻のセットが800円で、私のセットが900円くらいでした。
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ハムやベーコンが美味しそうにグリルされ、カマンベールもてんこ盛りです。
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そして焼き立てのパンの美味しさは絶品でした。日本にもこのセットがこの値段で出ていたら通いたいところですが無理でしょうね。
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朝からとても贅沢な時間が楽しめます。地元の人は開店の9時ちょっと前に入って指定席に座っています。我々も滞在中何度も通いましたが日中よりも朝食がお薦めのジェルボーです。
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ジェルボーの前に広がるヴェレシュマルティ広場は、ハンガリーの詩人のミハイル・ヴェレシュマルティに因んで名付けられているので彼の像が置かれてあります。クリスマスのシーズンにはこの広場はマーケットのスタンドで埋め尽くされます。
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建築中のヴァーツィ・ショッピングセンターですが、この年の12月の竣工に向けて工事中でした。7年後に行ったときはこのコーナー部はハードロックカフェになっていました。
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外構工事が終わって足場をバラしているところを通りかかったのですが、通常であればクレーンでまとめて降ろすところを人海戦術で1枚1枚バケツリレーのように作業していました。
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その工事現場のフェンスも日本では考えられない簡単なものでした。面白ったのは子供が描いたようなキツネのイラストでした。
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ホテル近くまで戻ってエリザベート公園で花見をしました。いつもであれば友人家族と靖国神社で花見を楽しんでいる時期ですが、今年は夫婦水入らずでの花見になりました。
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広場にあった時計に日本地図が描かれているので、近くに行って見てみると小田原の駅前おしゃれ横丁商店街と姉妹関係にあるようでした。
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かなりコアな姉妹都市ですが、若い頃に小田原の「西武クレジット志澤店(志澤西武)」でフロア改装工事を担当したことがあり懐かしく思い出しました。志澤デパートとして菊竹清訓の設計で、フロアごとに横に少しづつズレている不思議な建物でした。1か月以上小田原のホテルに缶詰め状態で、仕事の後に食事に行ったのが駅前の商店街でした。ソフトボールより大きなサザエやアカザエビを初めて食べたのも小田原でした。
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公園を抜けてもう少し北側に進むと「聖イシュトヴァーン大聖堂」がありますが、その前に置かれたお巡りさんの銅像と記念写真です。
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この像には特に由来は無さそうですが、昔の警官の姿を現しています。お腹を触ると良いことがあるそうなので撫でてみましたが、その祟りのせいで9年間でウエストが15センチくらい増えたので、太りたくない方は触らない方が良いです。
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ブダペストらしくないカラフルな電話ボックスの公衆電話から実家のお父さんに電話してみます。
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ここからまた南に向かって散歩を続け、再びヴァーツィ通りに戻ってきました。このまま中央市場まで下っていきます。最初に現れるのはフィランティアの左隣にある「トーネットハウス」です。名前の通り曲木家具で有名なドイツのトーネット社のための建物でした。
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レヒネルによると初期フランス・ルネッサンスとマジャールの融合とロンドンのサウス・ケンジントン博物館のタイル・コレクションから受けた刺激が強かったそうです。最大の試みはファサード上部をすべてセラミックで覆ったことで、これは父親がれんが工場を経営していたのでタイルには精通しており、研究のためにイギリスにも渡っているからです。
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アメリカのシカゴ派が考えた1階が商店で2階に事務所、3階に住居を構える構成で、3階に設けられたバルコニーの鋳鉄のフェンスが美しいアクセントになっています。
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2階のバルコニーの石のバルコニーはフランス・ルネッサンスの建築の美しさを感じさせます。この年の春の中欧の3週間の旅の後のフランスの旅ではロワール渓谷の古城を13か所を3日掛けて廻ったので、このトーネットハウスのことも思い出しました。
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1階の入り口の石像の造りも幅の広い建物のアクセントになっています。1階のショールームには巨大な4メートル×5メートルの1枚ガラスが嵌め込まれて話題になったそうです。現在はダグラスというブランドショップとスワロフスキーになっているので面影はありません。
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ケレッシ・アルベルト設計のヴァーツィ通り15番地の家は、1階と2階がヴェネツィアン・ゴシックを思わせるオーク材から彫られたスラヴのストールライザーで飾られた美しいレストランが入っています。
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ヴァーツィー通りの多くの建物は19世紀の終わりに建てられています。観光客として歩いていると1階とせいぜい2階までしか目が届きませんが、その上にも世紀末ブダペストの建築が隠れています。
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現在はジョルナイのショップは入っていませんが、5つの教会をモチーフにしたジョルナイのマークが残っています。
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エリザベート橋へ続くコシュート・ラヨシ通りを渡るとアール・ヌーヴォー様式の美しい建物が通りの角に立っています。これはジョルナイ陶器の古い本社社屋だった建物です。
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その先にはブダペスト市の巨大な建物が建っています。
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細かいディティールを見ていくと初日に行った「貿易観光博物館」の軒のデザインに似ています。
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国旗が掲げられ政府関係の建物ということまでは分かりましたが、建築家も含め詳しいことは分かりませんでした。
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この建物は高名な医師だったコラーニ・フリジェイの旧邸宅です。19世紀末から20世紀初頭に建てられた建物だということがデザインから分かります。
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レースが波打っているような外壁のタイルが美しいです。またバルコニーの植物をモチーフにしたデザインも素晴らしいです。
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蝶のようなデザインのタイルもジョルナイのオリジナルだと思います。設計者はバーリント・ゾルターンとヤーンボル・ラヨシュで、1907年から1908年にかけて建てられました。
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軒に置かれたフクロウの陶器から化粧タイル迄が同じ釉薬でまとめられて、統一された美しさを感じます。知のシンボルで森の医者とも呼ばれることからフクロウを置いたと分かります。
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3階から上は住宅課事務所として使われているようですが、1階と2階は空室になっている建物が本当に多かったです。ただそんな空きビルのファサードも美しいユーゲントシュティールティールの意匠で覆われています。
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銅板や真鍮板ををたたいて浮き彫りにしたデザインが美しいです。このまま風化されていくことの危機感を感じます。
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マジャールの伝統的なデザインがモチーフになっているのだと思います。
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フィランティアで買い物しても段ボール箱が無くて困っていた時に、後ろに写っている段ボールを拾って帰りました。大きさも強度もちょうど良かったのですが、ホテルに持って帰る時は恥ずかしかったです。正面からはさすがに入りにくかったので、右手のレストランNOBUの横からコソコソ部屋に戻りました。
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ヴェレシュマルティ広場に面して大きな百貨店のような建物がありました。
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1階はハンガリーのブランドショップが入っています。この建物はアール・ヌーヴォー様式というよりはウィーンのオットー・ワーグナーやヨーゼフ・ホフマンのセセッション(分離派)の設計のようです。
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旅行前はレヒネル・エデンについては詳しく調べてきましたが、それ以外の建築についてはあまりにも情報が少ないと思いました。ドーム天井を支えるように巨人の彫刻が置かれてありますが、フランツ・メッツナーのデザインのように見えました。
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ヴァーツィ通りから一本脇に入ると更に潰れた店が多く見受けられます。そんな店の一つのウインドウには捨てられたタイヤやラジオがシュールなディスプレイになっていました。
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こちらのビルもフランツ・メッツナーの彫刻のような巨人が軒を支えています。全体が花崗岩のような石材で覆われているので重厚で重苦しいデザインです。
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ファサードの街灯も威圧的な豹のようなデザインです。プレートに掛かれた「難破船と首輪 ミュピテシェク 1912」の意味は不明です。
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こちらは一転優雅なフォルムの建物です。ファサードを見て歩くだけでも1
日楽しめそうです。「地質学研究所」で買ったブダペスト中の世紀末建築を網羅した本を持って周りましたが、詳しすぎて読み解けませんでした。 -
昔の郵便馬車のレリーフが残っていました。馬車が最初にあって郵便も一緒に運ぶようになったのか郵便を運ぶ馬車で人も運んだのか考えてしまいます。
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ハンガリーの有名な詩人のアディ・アンドレのレリーフがありました。名前だけはかろうじて知っていましたが、作品などについては皆目知識がありません。
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パーリジ・ウドゥバルを見た後にホテルへは裏道を通りました。途中にはきれいな花屋さんがありました。
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クリスマス以外のイースターでもリースを美しく飾る事を今回の旅で知りました。
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パニック・ピンスというミュージック・バーのファサードもよく見るとアール・ヌーヴォーのデザインです。手入れがされていない用で退廃的な雰囲気のファサードです。
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ブダペストの街中を歩いているとお洒落な花屋さんが多いのに気が付きました。一番のお気に入りはもちろんフィランティアですが、この店のファサードも
アール・ヌーヴォーのようです。 -
妻が舞っているので時間が無かったので中に入る時間が無かったのが残念です。
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有名なレストラン・ファタールにも入ってみたかったのですが、さすがに3週間中欧の料理を食べ続けるのに疲れてしまい、行くことはありませんでした。
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ブダペストもプラハと同じくらいセンスの良い物が多い上に、値段も手頃で買い物が楽しめる所でした。
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ホテルに最寄りのペーチ通りはヴァーツィ通りと並行した通りですが、うらぶれた雰囲気で、個人的には嫌いではなかったです。
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クラシックなインテリアの内装工事は、職人さんもクラシックな上に日本では見かけることのない木製の脚立でした。これだけで絵になるなと思いました。
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ヴァーツィ通りには面していないけれどハンガリーのフォークロアの本物を買うならこの店がお薦めです。ホテルやインフォメーションに置かれている割引カードを持って行くと10%値引いてくれるのでお得です。
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年配の女性店主と若い女性の店員さんで切り盛りしていますが、陶器などでもお土産物屋に置かれているのとは造りが違います。フェルトで造られた物も品数が多く、特に女性用のフェルトのマントなどは美しい物でした。実際日本に帰っても着られるようなデザインのものもあったのですが、妻のサイズが合わなくて諦めました。
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店のマスコット犬はシュシュって名前だったと思います。割れ物がたくさん置かれた店ですがおとなしくしています。
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「国会議事堂」の前にある「国立民族博物館」に展示してあるものが気に入ったらこの店がお薦めです。ピッチャーなどもお土産物屋にあるものと手間が違うので10,000円くらいしますが、それぞれの地方の職人さんが造っているのでとても良く出来ています。
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大きな水差しと大きなフルーツ入れを買いましたが、非常に美しく丁寧に梱包してくれました。ただトランクに入れて飛行機で運ぶようには包んでくれないので、段ボール箱を探して入れてもらいました。陶器については思い入れがあるようで、生産地や作者について詳しく説明してくれます。
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手軽なのはフェルトで作られたコースターやテーブルセンターなどでしょうか。最後の最後まで買物をして空港へ向かいました。結果トランク1個分25キロオーバーで数百ユーロの支払いを求められましたが、アエロフロートの空港事務所で交渉して50ユーロの追加料金を払う事で済みました。911以来世知辛い世の中になったものです。ほんの10年前であればアエロフロートで超過料金なんて考えた事も無かったのですが。
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旅行記グループ 2011 中欧ブダペストの旅
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