アンドラーシ通り､英雄広場､オペラ劇場､シナゴーグ､ドナウクルーズ～チェコ&ブダペストの旅13

2015/05/03 - 2015/05/03

（メモ）
オーストリア･ハプスブルク家の支配下の神聖ローマ帝国（ドイツ）では、カトリック派とプロテスタント派の領邦が争った“三十年戦争”が続いて国土が荒廃する。
1648年ウェストファリア条約で各領邦の独立が認められて、神聖ローマ帝国はその実態が無くなり、ハプスブルク家は事実上オーストリアを支配するだけとなった。

18世紀ウィーンはマリア･テレジア（在位：1740～80年）の元、華やかな文化が花開き、多くの民族が集い欧州の中心都市となる。
しかし1783年アメリカがイギリスから独立したこと（フランス軍が参戦）に影響を受け､
1789年フランス革命が起こり、市民階級の台頭はやがて民族自立の運動を呼び起こす。
1806年 神聖ローマ帝国は、フランス革命後の混乱のなか躍り出たナポレオンに敗れて消滅。ハプスブルク家は依然広大な領土を“オーストリア帝国”と改める。

1848年フランス2月革命（第2共和政樹立：生存権･労働権･結社権など承認､言論の自由､奴隷廃止実行）は、瞬く間にヨーロッパ全土に飛び火した。
3月、オーストリア帝国の中で大きな領土を占めていたハンガリーでもマジャール人たちが独立を宣言、武装蜂起する。

同年12月、18歳で即位した若き皇帝フランツ･ヨーゼフに最初に課せられたのは、鎮圧だった。
初代首相バッチャーニ･ラヨシュ伯爵など 反乱に関わった者100人以上を処刑。この厳しい対応にハンガリーの人々の心に、深い怨念を生む。
6年後の1854年 皇帝は、バイエルン王家であるヴィッテルスバッハ家傍系で、母方の従妹にあたるエリザベート16歳と結婚。

エリア ブダペスト(ハンガリー)

• 同行者: カップル・夫婦
• 旅行の手配内容: 個別手配

7：40　聖イシュトバーン大聖堂の裏側。
英雄広場まで２.５kmなので、アンドラーシ通りを散歩することにしました。

お目当てのカフェがあったのですが、見つからず・・・・（泣）

建国千年の都市計画で1872年からアンドロラーシ通りを建設し、1876年に開通式。
建国千年祭の時、通りの下に欧州大陸部初の地下鉄が開通した。

（メモ）
オーストリア帝国は、1859年イタリア統一戦争に敗北してミラノを、1866年普墺戦争でプロイセンに大敗してベネチアを失う。
支配民族のドイツ人は、独力では多民族国家の支配を維持できなくなり、外交･軍事を除きハンガリー政府の独自性に任せて、ハンガリー王国がオーストリア帝国から離脱することを防ぎ、連立して帝国内の他民族の独立を抑えることにした。こうして1867年、対外的には一国として振舞うというオーストリア･ハンガリー二重帝国が発足する。

リスト広場 広場・公園

この前日、英国にプリンセスが生まれたので、お祝いの言葉が下げられていました。

（メモ）　
保守的な皇帝フランツ･ヨーゼフと、君主制なんか廃止すべきだと考える一人息子ルドルフは次第に反目し、ルドルフは1889年謎の自殺。
1896年ハンガリー建国千年祭の時には、ハンガリー古来の華麗な礼服のフランツ･ヨーゼフと喪服のエリザベートが戴冠29周年パレードを行い、その様子は“祖先が墓から蘇ってきた様だった”と評された。

第二次世界大戦中は“ハンガリーのナチス”矢十字党の本部として 共産主義者を、
共産主義時代にはハンガリーの秘密警察の本部になって 内部対立者を厳しく取り調べ､拷問が行われた建物。

歩道に設置されたこの“鉄のカーテン”の側面には、
Shall we live as slavers or free men？　と刻まれ、資料が掲示されていました。　

恐怖の館 博物館・美術館・ギャラリー

犠牲者の顔写真が並んでいます。館内の拷問部屋を見なくても十分恐い。

(メモ)ハンガリー動乱
ハンガリーは、第2次世界大戦でソ連軍によってナチスから解放されたが、
ソ連により押さえつけられハンガリーは不満爆発、1956年10月23日デモが起こり、ナジ・イムレが首相になり民主化を目指す。
11月4日ソ連軍が介入、ハンガリー軍が抵抗して大規模な市街戦となる。
当時、西側からの攻撃に備え、大学生などは銃を持つ権利（軍事教練）が与えられていた。
首相はラジオで世界に向かって”SOS”を発するが、第3次世界大戦を恐れる西側諸国は動かず、死者３千人、西側へ20万人が亡命した。
首相は処刑され、民主化を果たしたのは30年以上後のことだった。

日曜の８：30、地下鉄 V?・r?・smarty utca 駅。

（メモ）民主化
ソ連でゴルバチョフが登場し、東ヨーロッパの民主化を黙認。
1988年改革派が首相に就任、翌年5月オーストリア国境の鉄条網を切断し開放すると、東ヨーロッパ各国から人々が殺到した。
1989年8月19日ピクニック計画、11月10日にベルリンの壁崩壊。

リスト フェレンツ記念博物館 博物館・美術館・ギャラリー

コダーイ円形広場 Kodaly Korond

英雄広場に近づくと店やカフェは無く、立派な邸宅や大使館が並んでいます。
アンドラーシ通りは、目の錯覚を利用して長く見えるよう、英雄広場に近づくにつれて道幅が広っていて、歩道と建物の間は、かつて馬の専用道だった。

8：50　英雄広場

英雄広場の左側、西洋美術館

英雄広場の右側、現代美術館

英雄広場の建国1000年碑

建国1000年碑の左右に、14人の国の英雄たち

英雄広場 広場・公園

9：10　市民公園のほうに行ってみました。　
この日はメーデーを含む3連休の最終日で、屋台や子供の遊具の準備をしていました。

市民広場にあるヴァイダフニャド城　〜1896年の建国千年祭で博覧会のパビリオンの1つとして建設。

ヴァイダフニャド城内の農業博物館

農業博物館 博物館・美術館・ギャラリー

Jáki Kápolna （Jaki Chapel）

地下鉄１号線で国立歌劇場へ。
浅く掘った地下鉄で驚きます。　地下へ降りたら いきなりホームで、上りと下りのホームが地下で繋がってないので、地上へ戻って道路の反対側階段を下りてホームへ。

1863年ロンドンの地下鉄が蒸気機関車で開通（1905年に電化）。
1875年トルコ･イスタンブルで地下ケーブルカー（傾斜のトンネル）開業。
1896年ブダペストで本格的地下鉄が開業。地下鉄としては世界初の電化路線だった。

カフェ･ミューヴェーズで、朝ごはん代わりにケーキを食べ、靴とスカートを着替えてオペラ座へ。

ハンガリー国立歌劇場 (オペラ座) 劇場・ホール・ショー

エントランスロビー

ヨーロッパのオペラ座で見るなら、やはりボックス席で観たかったんです。

舞台正面にあるロイヤルボックスは、各国の大統領や首相など国賓級のＶＩＰ用。

皇妃エリザベートの席。

11：00　公演はスポンサーがついているようで、開演前に司会者が登場し、抽選で紙おむつなど景品をもらっていました。

“フィガロの結婚”
日曜の昼公演だったせいか、スポンサーの関係か、子供がたくさん登場しました。
左から、浮気者の伯爵、伯爵夫人、伯爵の従者フィガロと、伯爵家の女中でフィガロの婚約者スザンナ。

中休み

カーテンコール
左から4人目が伯爵、伯爵夫人の赤いドレスを着たスザンナ、フィガロ、スザンナのウェディングドレスを着た伯爵夫人

15：00　遅い昼食

カラスカフェ カフェ

近くなので、豪華なカフェまで行ってみました。

アレキサンドラ ブック カフェ 建造物

Deak Ferenc ter で地下鉄1号線から２号線へ乗り換え、シナゴーグへ

シナゴーグ 寺院・教会

1859年に完成した、3千人を収容できるヨーローッパ最大級のユダヤ教会

祭壇。　ユダヤ教独特のデザインだそうですが、よくわからない。

イスラム教のような説教台？

1786年、ペスト市はユダヤ人に都市に居住する許可を与えたが、市民権は与えず商売用の看板を掲げることも許さなかった。
1850年ペストとオーブダのユダヤ人は1万7千人だったが、帝国の辺境地方からユダヤ人が流入し、
1900年16万6千人と10倍近くに膨張（ブダペスト全人口の増加は5倍）。
1910年人口88万人のうち4分の1がユダヤ人で、弁護士の4割、医者の6割、ジャーナリストの4割をユダヤ人が占めていた。
改宗して爵位を獲得したり、国会議員になる者もあらわれ、ブダペストの驚異的な発展と活発な文化活動はユダヤ人の活躍なしには考えられなかったが、ねたみや恐れの感情は反ユダヤ主義の台頭につながった。

中庭の墓地
現在ブダペストには約８万人のユダヤ人が暮らしているが、ホロコースト以前にははるかに多くのユダヤ人が暮らしていた。
1945年2月国際赤十字が解放されたゲットーを検分した時は、ユダヤ教会の中庭には死体が山積みになっていた。

柳の木をモチーフに、ユダヤ人虐殺の犠牲者の名前を葉に刻んだ、生命の木（ホロコースト記念碑）

建築家レヒネルがデザインした最初のアールヌーボー建築。
セラミックは、石の少ない平原の国ハンガリーにふさわしい素材だったが、装飾過剰で批判され、内部は白く塗りなおされた。 後年彼自身も、やりすぎだったと語る。

工芸美術館 博物館・美術館・ギャラリー

地下鉄３号線

日曜なので開いていません。
エッフェル塔で有名なエッフェルの設計、1897年オープンした中央市場内は、むき出しの鉄筋がきれいらしい。

中央市場 市場

ヴァーツイ通り 散歩・街歩き

近くに泊まっていながら まだ行ってない、カフェ･ジェルボーに入ってみました。

ジェルボー カフェ

19：00　昼食が遅かったので、コーヒーしか入りません。

“ジェルボー･コーヒー”というアプリコットリキュールやホイップクリームの入ったホットコーヒーを頼んだら、すでに砂糖が入っていて激甘〜！

21：00　ホテルで一休みして、ドナウ川クルーズへ

エルジェーベト橋と、ゲッレールトの丘の女性像（ナチスドイツを敗したソ連軍の慰霊碑）

第2次世界大戦後 自由橋と改名された、旧フランツ･ヨーゼフ橋

セーチェニーくさり橋

国会議事堂

ホテルの隣のインドレストラン Bombay で食事をして、23：00 ホテルへ帰りました。