2007/08/18 - 2007/09/01
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kojikojiさん
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旅の最後は車をチャーターして麗江から1泊2日の「濾古湖」へのツアーです。麗江から5時間の山の中の雲南省と四川省の県境にある湖で、路線バスや現地の安いツアーでも行けますが、道路事情はあまりよくないので足回りの良い車を用意してもらいました。大型のワンボックスに旅行会社のガイドさんと摩梭人のガイドさんだけなので広々として快適でした。標高が2700メートルと麗江よりもさらに高く、交通の便も悪くて険しい所ですがとても美しい所でした。この辺りに住む摩梭人(モソレン)の方々は納西族の支族らしいのですが、見た感じや宗教上は蔵族に似ているような気がしました。この人たちは母系家族で「阿注」と言われる「通い婚」が未だに残っている世界でも珍しい風俗を伝える人たちです。摩梭人はおよそ4万人の少数民族で、父方の血統ではなく母方の血統を通して家系が伝えられる「母系社会」を形成しています。最長老の女性が家長で、一族のさまざまな物事を取り決めるのも女性です。外での労働や農作業で男たちが稼いでくる金銭は、すべて女性の手に渡り家計費として女性たちに分配されます。また「夫」という概念が存在せず、女性が選んだ恋人がいるだけで、恋人とのあいだに生まれた子供は、女性たちの庇護のもと、一族のなかで育てられます。そんな方々と出会えるのも興味深い旅です。普通の1泊2日のツアーで考えれば比較的高めでしたが、とても素晴らしい旅でした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.0
- ショッピング
- 1.0
- 交通
- 1.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 船 レンタカー 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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表のレストランで朝食を食べて「三合酒店」に戻ると、ロビーの所に摩梭人(モソ人)の女性がいました。そこへガイドさんもやって来たので4人とドライバーさんの5人で濾古湖へ向けて出発です。
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九十九折りの道を進みますが片道5時間の行程です。どんどん山を登って行きますが周辺にも人が住んでいるようで、急斜面にへばり付くように細い道が続いています。
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暫らく上ったところで休憩しました。ドライバーさんは疲れると思います。
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急峻な斜面にへばりつくように家が建ち、玉蜀黍畑が広がっています。
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こんな急坂にどうやって畑を作ったのでしょうか?
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そしてこの道はどこへ続くのでしょう。
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摩梭人(モソ人)のガイドさんは車酔いになってしまい可愛そうでした。普段あまり車に乗ることは無いのかもしれません。妻が持っていた100均で買った首枕をあげたら、だいぶ良くなったようです。
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途中の名も無い集落をいくつも通り過ぎます。
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3時間ほど走った街道沿いのレストランでようやく昼食です。何の変哲も無いジャガイモ炒めも、卵焼きもピーマン肉炒めも信じられない美味しさでした。帰りも同じ店で同じ料理を出してもらいました。
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ここの店のトイレは庭にあり小屋のようになっていますが、扉どころか仕切りもありませんでした。でも全然気にならなくなりました。農家のような造りの店で、足元には鶏が走り回っていました。気のせいか我々がテーブルに座ると1羽減ったような・・・。
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摩梭人の住むエリアに入る所には料金所みたいなものがありました。ここでも一休みしました。「濾古湖」派ではまだしばらく走るようです。
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道路の脇には人が落ちています。五体投地というわけではなさそうです。
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芯の強そうな子でした。何を想っているのでしょうか?日本ではもう見かけない力強さを感じます。
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最後の峠を越えると「濾古湖」がきれいに見えました。湖畔まで下りてくると「里務比島」もきれいに見えました。水は澄み空気は凛として冷たく厳かな雰囲気を漂わせています。
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船着き場でお客を待つ摩梭人の女の子達です。「猪槽舟」と称する丸木舟を漕いでくれます。
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若い男の子は男の子でかたまっています。舟を漕ぐのは疲れるので2人がかりです。
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彼らの被る帽子がカッコイイですが、どこにも売っていませんでした。隣の村なら有るかも知れないと言われましたが湖の対岸です。そもそも外部の人間にお土産として被らせたくない雰囲気がありました。
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昆明の「雲南民族村」で初めて摩梭人の人を見たのがもう遠い昔のようです。
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「格姆女神山」は瀘沽湖の北にそびえる標高3754メートルの山で獅子の形に似ていることから「獅子山」とも言われます。格姆女神山は摩梭族の聖山であり、神と崇められ信仰され、旧暦7月25日の転山節は摩梭族最大の祭日で、多くの人々が盛装して格姆女神山の麓に集まり盛大な祭りを行い、格姆女神に祈願し日頃の生活の感謝をします。
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「濾古湖」は湖面で標高2700メートルあるそうです。周囲には急峻な山が囲んでいます。空気が澄んでいるので手が届きそうに見えますが、対岸は四川省なので省境になっています。
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瀘沽湖にある5つの島の中で「黒瓦吾島」「里務比島」「里格島」は特に美しく仙界の「蓬莱三島」と称えられます。黒瓦吾島は瀘沽湖の中心に位置し、かつて永寧土司が水上行宮を建造した場所で、鬱蒼としげる森林に覆われ渡り鳥の生息地として多数の野鳥が訪れるそうです。
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手漕ぎ舟に乗って湖の上でくつろぎました。
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同じような木製の舟が行き交います。
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こちらも若い男の子と女の子が前後で漕いでくれています。
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オールのきしむ音以外は静寂の世界です。
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前では女の子が漕いでくれています。
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結構疲れるようで休み休みです。
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実際はこの男の子が漕いでいるようなものです。
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笑いながら漕いでいますが大変だと思います。
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島を1周してから「里務比島」に上陸します。
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島の名前と寺の名前は同じでした。「里務比寺」です。
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このお寺は1960年代の文革の時代に破壊されたそうですが、1989年より刊行を目的に再建され、1999年に完成したそうです。
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寺院で祀られている仏像や仏具はすべて地元の信者によって寄進されています。寺本堂には仏釈迦牟尼や千手観音、ダバ教の宗派ツォンカパと2人の弟子、守護者や神々の像が納められています。
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本堂の周りに摩尼車(マニ車)があったので、お堂を時計回りに順々に周り、同じく時計回りに摩尼車を回転させていきます。「オム・マニ・ペメ・フム」(Om・Mani・Padme・Hum)と真言(マントラ)を唱えます。
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本堂のディティールは納西族の建築物に似ています。基本的には日本の木造建築と構造は同じですが肘木などに鳥や動物の彫刻を施しているのが面白いです。
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摩梭人の人たちはラマ教を信仰しています。納西族の支族なので東巴教かと思っていましたが、摩梭人独特のラマ教に由来するダバ教を信仰しているそうです。農歴6月4日にはこの島でお祭りがあるそうです。この白い塔は摩梭人の王墓で30年ほど前に造られたそうです。
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寺院のある高台からの湖畔の眺めは雄大でした。
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4方を高い山に囲まれた湖なのだとよくわかります。
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本堂の周りはダリアの花が咲き誇っていました。
和名だと「天竺牡丹」です。雲南省の山奥ではこの名前の方が雰囲気が出ます。 -
微妙なピンク色の違いが美しいです。
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暑さに弱いのでこのような高地での栽培が向いているのかもしれません。
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暫らく飽きずに眺めていました。
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また手漕ぎ舟に乗って湖畔の村に戻ります。
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スイスのエッシネン湖の美しさに言葉を失ったことがありますが、この湖の美しさも心に残るものでした。
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楽しい舟遊びでした。
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空に浮かぶ雲の白さが湖面に溶け込みます。
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湖は中国でも2番目の深さがあるそうなので、頭を少し出したこの島も100メートルくらいの高さがあるはずです。
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今朝の麗江の市場で売っていた梅花藻のような水草が白い花を覗かせています。
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これだけの手漕ぎ舟があってもお客の姿は数十人しかいません。簡単に来れる場所ではないのは身をもって感じています。舟の形は豚の餌箱の形だそうです。昔洪水の時に豚の餌箱に入れられて助かった男の子と女の子が摩梭人の祖先となった伝説があるそうです。
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最後の舟が戻ってきました。
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女性たちはお喋り好きです。お客もいないので今日の仕事は終わりですね。
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暫らく湖畔の景色を眺めていました。
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空気が澄んでいるのが肌で感じます。
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そしてほとんど人もいないので静けさに包まれています。
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一軒近いように見えますがかなりの沖合に島は浮かんでいます。
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湖面の面積は約50平方キロで平均水深45メートル、透明度は11メートル、標高2690メートル、最深部が93.5メートルで、中国第2の深い湖です。3つの半島と5つの島があり、湖は原始林に囲まれています。
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湖畔の家は何とも言えないピンクでした。この家の幸せが伝わって来るような気がしました。
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生きたままの鶏を売っています。そのまま足を縛って、ぶら下げて、家に持って帰ってからつぶすようです。
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湖の周囲にはカエルもたくさんいるようです。これから持って帰って食べるのでしょうね。唐揚げとかにしたら美味しいです。
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湖畔からは少し離れた場所にあるホテルにチェックインしました。部屋から見えた塀には「除文盲」の文字が読み取れました。字が読めない人に対して漢字でスローガンを描くのは意味があるのだろうか…。
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夕方になって西からの光が湖上の島にきれいに当たりました。部屋からの眺めは最高に良かったです。
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宿泊したのは「瀘古湖摩梭大飯店」というホテルでした。この当時ではこの辺りとしては一番良いホテルだったようです。
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摩梭の家長は一番年長の女性なので、井戸端会議と言っても重要なことを話しているのかもしれません。手には摩尼車を持っています。
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絵に描いたような入道雲が見えました。
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夕食まで時間があるので周囲を散歩してみました。
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物凄い数の瓦が並べられていましたが、どれも日本のものと違うので面白かったです。台風などが来ないので風で煽られることも少ないのでしょう。
夕食の後は摩梭の人のお祭りを再現したショーの見学に行きます。
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