雲南省之旅(3)昆明会堂を探し出し、楊麗萍（ヤン・リーピン）演出の「雲南映像」に感動する。

2007/08/18 - 2007/09/01

昆明の市内観光の後は昆明会堂に行ってみました。昆明に入るまでその場所すら分かりませんでした。何といってもまだグーグルマップが開始されてすぐの頃だったので知りませんでした。海外公演も多い楊麗萍（ヤン・リーピン）の「雲南映像」が見られるか確かめるためです。行ってみると入口には大きな幕が掛かり、入口も開いていました。祈る気持ちでチケット売り場で尋ねると公演していて、座席も選べますと言うので中央の辺りに席を決めました。雨が降ってきたので中で休ませてもらうと、出演者も表のロビーで寛いでいました。彼らは楊麗萍（ヤン・リーピン）が雲南省の各少数民族の村を訪ねて、オーディションして探して来たダンサーです。読み書きも教えているとも聞きました。公演中は流石に中国でも写真を撮る人はいませんでした。最後に孔雀舞が終わった所からは写真撮影が許可されているようだったので撮らせてもらいました。これは渋谷のオーチャードホールでも同じでした。この旅ではこの後もいくつもの民族舞踊ショーを観ましたが、この「雲南映像」を越えるものはありませんでした。前年の桂林の旅で中国の少数民族に触れ、この旅では昆明と麗江と香格里拉と濾古湖で更にその奥深さを知り、翌年には貴州省の山の中を車で1週間周りました。また「雲南映像」を見た後は九塞溝で「蔵謎」も観に行きました。もちろん日本に来られた時は「シャングリラ」と「覇王別姫 ・十面埋伏」も観に行っています。

エリア 昆明(中国)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 3.5
• 交通: 3.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 高速・路線バス 船 タクシー 徒歩 飛行機
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

軽く晩ご飯を食べて昆明会堂に戻ってきました。地方都市の劇場としては立派な建物です。本当に「雲南映像」の公演が観られて良かったです。日本にも来られましたがチケットの値段が10倍以上したので観に行きませんでしたが、「孔雀舞」を最後に演じる時だけは大枚を叩いて、渋谷のオーチャードホールへ行きました。

ロビーに入るとマニ石を持って祈るおじさんがいます。この時点で「雲南映像」は始まっています。

開演前に出演者と記念写真を撮る事が出来ます。これは日本では絶対にあり得ないので早く来て良かったです。

「雲南映像」のパンフレットというか和綴じの本です。紙の質とか良くできています。この本もオーチャードホールでは数倍の値段で売っています。

プロローグは混沌から太陽と月が生まれるというストーリーから始まります。最初の太陽ではワ族やイ族やハニ族の太鼓の競演です。太鼓の振動が客席まで伝わってきます。

「神太鼓」

「雨乞い」ハニ族の小さい女の子の独演が印象に残ります。

「月光」はもちろん楊麗萍（ヤン・リーピン）の独演です。ステージ正面なので筋肉の動きや息遣いまで感じられてとても良かったです。

「花腰歌舞」はフアヤオイ族の少女たちの群舞。個人的にはこの演目が一番好きです。

「煙草舞」では２人１組で動物や昆虫の姿になぞらえた、さまざまなポーズが次々に繰り広げられます。カンボジアでも同じような踊りを見たことがありました。

手のひらに目を描いて、菅笠で顔を隠して踊る「女人国」も凄い迫力です。「太陽は休んでもいい、つきも休んでもいい。でも女は休まない。もし女が休んだら、かまどの火が消える。」

「打歌」では男女ふたつの集団が絡み合ううちにカップルが生まれていくさまが踊られます。超高速の「花いちもんめ」のようなイ族の若い男女の踊りです。昔の日本にもあった歌垣のようなものです。

「火祭」雲南省では多くの民族が火を崇拝し、火は人を再生させることができると信じています。「鳳凰涅槃」という言葉は鳳凰が死ぬと火の中で復活するという考えです。

エピローグは「孔雀の精霊」です。同じ衣装を着た女性がたくさん出てくる演出でしたが、渋谷で見たときは1人で踊るものに変わっていました。1人だけ女の子が舞っているのが印象に残りました。

最後の孔雀群舞です。ここまでは写真撮影が禁止なので写真はありません。

エピローグに出演者の紹介がありました。

雲南省に住む本物の少数民族の人たちです。

雲南省は中国でも少数民族の数が最多で、農業や牧畜と分けることの出来ない舞踊や歌の宝庫と言われます。楊麗萍（ヤン・リーピン）自身が大理の少数民族の白族出身です。

2000年から１年以上かけて25余りの少数民族が暮らす省内の山村部を巡り、歌舞や楽器などを収集したそうです。

音楽は現代風にアレンジされていますが、「群舞は100％その土地のもので、土着で原始的な本物であることが大事で加工を極力排除した。」と語っています。

雲南省の山村でスカウトされたダンサーたちは、非常に素朴な歌声と独特な身体表現によって、イ族、ミャオ族、チベット族、ダイ族、ぺー族、ワ族、ハニ族など雲南の少数民族の労働や歓びの歌、愛情やトーテム、宗教を自然な形で表していると思います。

色鮮やかな民族衣装です。

この蔵（チベット）族の2人はカッコ良かったです。

彼らの踊りを見て西蔵の旅を計画しようと考え始めました。今回は香格里拉までで、雲南省を越えることはありません。

少数民族のみなさんが誇らしげな表情に感動します。

他の都市の民族ショーは衣装もアレンジされて簡略なものが多いですが、この雲南映像の衣装は本物の民族衣装です。

昨日昆明民族園でワ族の女性の踊りを見る事が出来ました。前年の陽朔の世外桃源ではワ族の男性の踊りも見る事が出来ましたが迫力が違いました。

ロビーでマニ石を運んで祈っていたおじさんも現れました。

このおじさんもカッコ良かったです。

混沌から太陽と月が生まれるという最初の場面で真っ赤な太陽の前でおどっいぇいたダンサーです。彼の踊りも迫力がありました。

孔雀舞で1人だけの女の子も登場しました。

そして全員の拍手で迎えられるのは「孔雀の精霊」を舞った楊麗萍（ヤン・リーピン）です。

素人が見ても素晴らしい踊りでした。特に腕と手を使って孔雀の頭と首の動きを表わす様は鳥肌が立ちました。多分この人は手首と肘と肩以外にもう1つ関節があるのだろうと思えました。

左右の腕から指先が2羽の孔雀の頭に見えてしまいます。そして、方と肘の間の筋肉の動きが、ここのもう1つ関節があるように見えました。

ここ昆明で「雲南映像」を見ておいてよかったと思います。それくらいの強い思い出として心に残っています。

普段バレエも演劇も全く観に行くことは無いのですが、楊麗萍（ヤン・リーピン）の「雲南映像」と張芸謀（チャン・イーモウ）の「印象・劉三姐」と北京の糊広会館で京劇を観てから中国の演劇や踊りにはまりました。

滞在中にもう一度見たいと思ったほどの感動でした。

興奮冷めやらないままに昆明会堂を出て、少し町を歩いてからタクシーでホテルに戻りました。

この旅行記へのコメント （5）

• meron3さん 2009/07/18 13:15:44

  雲南映像

  こんにちは。
  初めまして。
  
  これを私も見たいと思っているのですが、夜遅くなるので、帰りが心配です。
  kojikojiさんは、どのようにして帰られたのでしょうか？
  タクシーは拾えそうですか？
  
  また昆明会堂はどこにあるのでしょうか？
  
  今回は一人旅なので、いろいろと心配で、よろしくお願いします。
  
  

  kojikojiさん からの返信 2009/07/20 22:51:48

  RE: 雲南映像

  お返事遅くなりました。
  今青島から帰ってきたところで、メール拝見しました。
  私も事前にいろいろ調べたのですが、場所とかは分かりませんでした。
  結果、現地に着いてから入手した地図で場所を探しました。一番の繁華街
  のカルフールなどがある大きな通りを東に１５分位歩いた所です。
  と言っても分からないと思います。市内のタクシー運転手であれば「昆明会堂」と紙に書いて渡せば絶対に分かります。帰りについてですが、終演後の周辺は暗いですが、終わるのを見越したタクシーが集まってきますし、危険な感じはしませんでした。また、チケットを買うために当日の午後３時頃にも行きました。チケットブースがあって英語も通じました。座席票を提示してくれて希望の席を予約できました。（個人的な結果ですので違う場合もあると思います。）いずれにせよ日本だと凄い高い公演が２クラスで180元（2,700円程度）で観られたので良かったです。当日に行ってみるまで公演があるのかも分からなかった事も追記しておきます。。（最近は調べていないので分かりませんが、2年前はそんな状況でした。）今までに数々のショーを中国で観ていますが、張芸謀以外ではダントツに素晴らしかったですよ。

  meron3さん からの返信 2009/07/20 23:22:04

  RE: 雲南映像

  こんばんは。
  
  お返事ありがとうございます☆
  
  帰りのタクシーがなんとかなりそうで、観られる可能性が高まりました。
  危険な感じがなかったという情報も、とてもうれしいです。
  がんばって行ってみます。
  あとは中国人の人に負けずに、タクシーに乗り込まないといけませんね。
  
  楽しみです☆☆
  

  meron3さん からの返信 2009/07/31 23:57:59

  行ってきました！

  kojikojiさん、いろいろアドバイスをありがとうございました☆
  
  おかげで無事に雲南映像を楽しんで来る事ができました。
  タクシーに雲南映像と書いた紙を見せて、つれていってもらいました。
  
  素朴で、迫力があり、本当にすばらしかったです。
  
  ありがとうございました。

  kojikojiさん からの返信 2009/08/01 01:33:46

  RE: 行ってきました！

  
  おお、行って来られましたか･･･。良かったです。
  先日掲示板に連絡いただいたことを妻にも伝えて、思い返してもヤン・リーピンさんの孔雀舞と雲南映像が一番良かったよね〜。と話しておりました。
  孔雀舞凄かったでしょう。あの人は絶対に肩と肘と手首以外にもう一つ関節
  がありますよ。普通の人間はあんなふうに手が動かないと思いませんでした？
  最近は妻と2人で旅することが多くなりました。2人で旅するとそれはそれで楽しいのですが、一人で旅していたときのように行く先々で個人で旅行している人と知り合わなくなりました。そんなフラストレーションの解消の場がこの掲示板かななどと思っています。撮りためた写真を徐々に旅行記にしています。ようやく中国が一段落したのでヨーロッパにも手をつけ始めました。お時間があったらそちらも見てください。
  　ご丁寧にメールいただきありがとうございました。