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陸の孤島の おひな様/時の狭間にて【真壁のひなまつり 和の風 第14章】

旅行時期 2016/02/20 - 2016/02/20 (2016/02/26投稿

茨城県の西に真壁という小さな町があります。<br />真壁は奈良時代の末には歴史書にその名が記された古くからある街道町で、城下町の町並みが今なお残り、江戸時代には番所が置かれた交通の要所でもありました。<br />しかし、押し寄せる時代の波はいつしか真壁を【陸の孤島】へと変えていきました。<br /><br />真壁の町はつくば市からは車で1時間という距離にありながらも、真壁には公共交通機関ではアクセスすることができません。<br />20年ほど前までは路線バスや鉄道という足がありましたが、人口の減少に伴う利用率の低下により、バス路線・鉄道路線は順に廃止され、真壁は行政から忘れられた地域、時の狭間に取り残された町…となっていきました。<br /><br />そんな真壁でしたが、そこにはまだ多くの方々、古くからの真壁の地域に暮らしてきた町の人達が居ます。<br />行政が何も行動を起こさないならば、自分たちで町おこしをしよう!<br />町の人達が考えたのは、真壁の城下町に古くから伝わる雛人形の利用。<br />真壁は古い歴史のある町で、町の各家々には由緒あるお雛様たちが人知れずに眠っていました。<br />そのお雛様を町おこしの起爆剤にしようと町の人達は考えたのです。<br /><br />そして、今から14年前に有志による【真壁のひなまつり 和の風】が始まりました。<br />最初は、お雛様の飾りつけは数件のみでしたが、14回目を迎える2016年には、160軒以上の家々がお雛様を個性豊かに展示し、おもてなしの心で真壁地域にお雛様を見に来る旅人を迎えてくれます。<br />江戸時代から脈々と伝わる享保雛や人形雛などのお雛様を、昔の家の特徴を生かしながら飾り付け、寒い北関東の地に暖かい春の風を呼ぶ【真壁のひなまつり 和の風】。<br /><br />友人と共に【真壁のひなまつり 和の風 第14章】へと行ってきました。

茨城県の西に真壁という小さな町があります。
真壁は奈良時代の末には歴史書にその名が記された古くからある街道町で、城下町の町並みが今なお残り、江戸時代には番所が置かれた交通の要所でもありました。
しかし、押し寄せる時代の波はいつしか真壁を【陸の孤島】へと変えていきました。

真壁の町はつくば市からは車で1時間という距離にありながらも、真壁には公共交通機関ではアクセスすることができません。
20年ほど前までは路線バスや鉄道という足がありましたが、人口の減少に伴う利用率の低下により、バス路線・鉄道路線は順に廃止され、真壁は行政から忘れられた地域、時の狭間に取り残された町…となっていきました。

そんな真壁でしたが、そこにはまだ多くの方々、古くからの真壁の地域に暮らしてきた町の人達が居ます。
行政が何も行動を起こさないならば、自分たちで町おこしをしよう!
町の人達が考えたのは、真壁の城下町に古くから伝わる雛人形の利用。
真壁は古い歴史のある町で、町の各家々には由緒あるお雛様たちが人知れずに眠っていました。
そのお雛様を町おこしの起爆剤にしようと町の人達は考えたのです。

そして、今から14年前に有志による【真壁のひなまつり 和の風】が始まりました。
最初は、お雛様の飾りつけは数件のみでしたが、14回目を迎える2016年には、160軒以上の家々がお雛様を個性豊かに展示し、おもてなしの心で真壁地域にお雛様を見に来る旅人を迎えてくれます。
江戸時代から脈々と伝わる享保雛や人形雛などのお雛様を、昔の家の特徴を生かしながら飾り付け、寒い北関東の地に暖かい春の風を呼ぶ【真壁のひなまつり 和の風】。

友人と共に【真壁のひなまつり 和の風 第14章】へと行ってきました。

写真 62枚

テーマ:
街歩き
交通手段 : 
  • 現地移動 :  高速・路線バス / JRローカル / 私鉄 / 徒歩
エリア:
茨城 | 桜川
エリアの満足度:
4.5
  • 500_42669944

    公共交通機関が無く、車でなくてはアクセスが不可能な真壁の町。
    そんな真壁の町だが、ひなまつり開催期間の内の2週間だけ臨時バスが運行される。

    バスでのアクセス方法は、つくばエクスプレスのつくば駅からとJRの水戸線の岩瀬駅からの二通りがあり、友人と私はつくば駅発のバス(往復2000円)を利用した。

    バスの始発は9時半で、バスの車体はいわゆる大型観光バス。
    ゆったりとしたバスに揺られながら、約50分のバスの旅を楽しんだ。

    (写真:真壁行の臨時バス。バス停はバスセンターから少し離れている。場所が不安な場合には、バスセンターで待っていれば、発車10分前に係員がバス停まで案内してくれる)

  • 500_42669945

    この日の始発バスの利用者は10名程度と思いの外、少ない。
    この日は朝から雲行きが怪しかったのが観光客の出足に影響を与えたのかもしれない。

    真壁までのバスには、バスガイドさんが一緒に乗ってくれる。
    行きのバスのガイドさんは、まだ新人さんかな…と思える位初々しい方で、つくば市から真壁に行く道中に、地域の事を色々と話してくれた。
    地域の産業である筑波石や真壁石のこと、美味しいお米の話や日本の北限の蜜柑の生産地があること等様々なトピックがあったのだが、面白かったのが『はにわの西浦』情報。
    この沿線には埴輪の専門店があり、そこの埴輪が面白い!ということだった。
    埴輪の紹介は、若いバスガイドさんの発想ならではの沿線紹介だったのだが、確かに面白かった。

    バスがそのスポットを通り過ぎるのは一瞬で、あまりゆっくりと埴輪を眺めることはできないのだが、かなりツボに嵌った。
    お店の前だけではなく、自宅と思われる家の前庭、そして埴輪を製作する作業場の窓の高さを更に超えて高く積み上げられた埴輪たち。
    古典的な古墳出土品風も有れば、前衛的なエンジェル埴輪や河童埴輪なんかも置いてあった。
    我が家に庭はないので埴輪は置けないが、この埴輪屋さんは絶対に見に行く価値(買えないけど、ごめんね〜)がある気がする。

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    撮影場所の地図

    バスの車窓からは筑波山の姿が見える。

    ひなまつりの頃の筑波山と言えば、山麓の梅園が有名だ。
    千本を超える梅の木が山肌を埋め尽くすその景観は見事とのことなので、もし時期が合えばひなまつりと合わせて一緒に梅園にも行こうかと思っていたのだが、この日はまだまだ3分咲とのこと。

    筑波の梅園の見頃は2月下旬からのようだ。

  • 500_42669947

    真壁の城下町【真壁のひなまつり 和の風 第14章】へのバスの到着は定刻。
    桜川市のホームページによると、土日のひなまつり会場は周辺道路も大変混雑するとのことだったのだが、雨の天気予報だったのが幸いしてか道路も混んでいなく、一般車の駐車場も空きがまだまだあるようだった。

    車で真壁へと来る人のために、町内に何カ所か臨時駐車場が準備されていて、場所によっては無料〜500円の利用料がかかる。
    私が真壁の町を歩き回った感じでは、有料の駐車場は町の真ん中にあり街歩きには便利ではあるが、無料の駐車場も町の中心部から歩いて10分位の距離なので、わざわざ有料を利用しなくても十分な気がする。

    車の人もバスの人も真壁の町へ着いたらまず最初に向かいたいのは、真壁町の観光案内所だ。
    ひなまつりの案内マップ自体はバスの停留所でも貰えるのだが、有るのは地図だけで案内はない。
    特にバスの場合は、帰りのバスの時間までに真壁の町の160軒以上のお雛様を全て見て回るのは無理なので、まずは観光案内所でお勧めのお雛様を聞いて、それに更に自分たちで興味あるところをプラスして見て行くのがお勧めだ。(この時の聞き方のポイントはバスで来ているという事を明確に伝えること。効率的な廻り方を提案してくれる)

    (写真:真壁の町の見所マップ: 公式ホームページより)

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    バス利用の場合の真壁町での滞在時間は、行きに始発、帰りに最優の便を利用しても、たったの5時間しかない。
    始発のバスの真壁町への到着時間は朝の10時20分で、帰りの最終バスの出発時間は15時30分。
    観光地にしては帰りの最終バスが少し早い気がするのだが、コレには真壁町ならではの理由がある…のだと思う。

    真壁のひなつりは地域住民が総出でボランティアで行っている行事で、休みの日には地元の中学生も街角に立ち、観光客に道案内をしていた。
    商店のオジサンもオバサンも商売そっちのけで、家に伝わるお雛様の由来を丁寧に説明してくれた。
    時には、買い物をしないのに、お茶やお漬物までを出してもらいゆっくりとお雛様を見せてもらった。

    真壁の雛祭り…その最大の特徴は【おもてなしの心】。
    モノを売る商売ベースの雛祭りではなく、ひな人形を見に来てくれる人達をおもてなしの心でもてなす。
    そして、住民自身も雛飾り作りを愉しみ、ひなまつりに参加するイベント。

    だから、その開催時間も住民の方に大きな負担にはならない時間帯(朝の片付けの終った時間から夕食の準備の始まる時間まで)で実施できるようにしているのではないのかな。

    (写真:筑波駅発着のバス時刻表)

  • 500_42669949

    雛めぐりの第一歩は、【星野家】のお雛様から。
    星野家に飾られているのは約100年前の古今雛。

    古い時代のお雛様は総じて引目鉤鼻のお顔が多いが、古今雛の特徴は丸顔のお顔。
    ふっくらとした頬が可愛らしい。

  • 500_42669950

    古今雛がブームだったのは、江戸時代の後期から。

    豪華な頭飾りや刺繍が特徴的だ。

  • 500_42669951

    イチオシ

    撮影場所の地図

    こちらも先ほどのお雛様と同じ時代の三人官女。

    気品のある立ち姿だ。

  • 500_42669952

    真壁の町のお雛様はそのジャンルも様々で、こちらは【佐藤家】のネズミの嫁入りひな人形。
    栄養ドリンクの空ボトルを芯にして作られている。
    人形は、地域の方たちが作られたということ。

    可愛らしい作りで、地域の皆がひなまつりを楽しみにしてきているのが伝わってくる。

  • 500_42669953

    撮影場所の地図

    真壁の町はその昔は城下町、宿場であったところで、その町中には古い家々が立ち並ぶタイムスリップしたかのような町並みも残されている。
    そんな町並みの中でちょっと変わっていたのが、洋風石造り風の建物:【旧真壁郵便局】。
    現在は国の指定文化財のため郵便局としては使われてはいないが、中の見学は可能だ。

    この旧郵便局の紹介で洋風石造り風…と書いたのには訳がある。
    実はこの郵便局の基本構造は木造建築で、外壁は石の様に見えるセメントだという事。
    昭和2年に建てられた建物は、当時の建築の流行を真似たもの。

    限られた予算の中で時代の最先端の建築を作ろうとした当時の建築家の方に拍手!
    セメントと聞かされていなければ、石造りだと思ってしまう。

  • 500_42669954

    展示されているお雛様は様々で、こちらは石屋さんが作った石雛。
    真壁石:御影石(花崗岩)の産地でもある真壁町らしいお雛様だ。

    ひな人形たちが微妙に四頭身なところが、なんだか漫画っぽいのかも。

  • 500_42669955

    撮影場所の地図

    旧真壁郵便局のある通りには郵便局以外にも古くからの建物が残っていて、写真の【旅籠ふるかわ】もそんな家だ。

    旅籠ふるかわのお雛様の展示方法は少し変わっていて、家の2階部分にお雛様を飾っている。

  • 500_42669956

    道行く人が屋根の上を見上げて眺めるお雛様。

    このお雛様は、私と同い年…と云う事で、なんだか親近感♪
    きっと、お年頃の娘さんがいらっしゃるのだろう。

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    変わり雛としては狐の嫁入り雛…なんていうのもある。

  • 500_42669958

    こちらはネコ雛。

    地域の方たちの手作り雛なのだろう。

  • 500_42669959

    お宅によっては吊るし雛と共に、婚礼の時に着た花嫁衣装の展示もあった。

    金糸をふんだんに用いた花嫁衣裳。
    もしかしたら代々受け継がれ、次の世代のお嫁さんがまた袖を通すのかもしれない。

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    お雛様の展示方法は様々で、昔の文庫蔵を展示スペースとしている家も有った。

    蔵の中の細い階段を雛壇に見立てているのは【川島洋品店】。

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    川島洋品店の蔵の中には昭和初期のころのお雛様たちが飾られている。

    でも、このお雛段、何か変かも…?

    変なところ…それは、主賓のお内裏様とお雛様がいない。
    お二人がいる筈の最上段で澄ましているのは三人官女のお嬢様たち。

  • 500_42669962

    撮影場所の地図

    お雛様は何処に…と思って探してみたら、ひな壇の一番下で、酒盛りを楽しんでいた。

    昭和初期のころのお雛様は、こんなにユーモアのセンスに溢れていたのだとビックリ!

  • 500_42669963

    更に驚いたこともあった。
    それは、ひな壇の隅にお雛様たちのその後の様子まで演出されていたこと。

    竜宮城で楽しい日々を過ごしたお内裏様とお雛様。
    ほんの数日の滞在と思いきや、現実界へ戻ってみれば、あっという間に100年の月日が過ぎていた。
    更に、乙姫様からお土産でもらった玉手箱に入っていたのは、成長促進薬。
    玉手箱の蓋を開けると同時に、二人は白髪のお爺さんとお婆さんに…早変わり。

    でも、年老いたお内裏様とお雛様の表情はとっても楽しそう。
    竜宮城で過ごした日々に後悔はなく、これからまだ100年位は人生楽しもう〜という意気込みが感じられる。

    年をとってもニコニコしていられるって、素晴らしい事だと思う。

  • 500_42669964

    川島洋品店の道路向かいにあるのは、古い土蔵つくりの【川島書店見世蔵】。
    この見世蔵の中には古い時代のお雛様たちが沢山飾られていた。

  • 500_42669965

    古い箪笥を雛壇に利用したひな飾り。

    お雛様というと5段飾りといった豪華できらびやかな衣装を着たお人形さん達をイメージするが、実は、その昔は素朴な人形が始まりだったそうだ。

    煌びやかなお人形さん達は上流階級のみが愉しむことが出来た娯楽で、江戸時代の町屋でのお雛様の飾りつけは、きっとこんな感じだったのだろう。

  • 500_42669966

    イチオシ

    撮影場所の地図

    享保雛と呼ばれるお雛様。

    最初に見学した江戸後期から明治の古今雛と比べ、その衣装が質素だ。
    享保時代の頃は江戸中期の時代で、質素倹約が第一とされたころ。
    お雛様にもその特徴が表れている。

  • 500_42669967

    川島書店見世蔵には押絵雛と呼ばれる非常に珍しいお雛様たちもいた。

    押絵雛たちはその表情がユーモラスで、なんだかコマ送り的な感じで動き出しそう…。 

  • 500_42695876

    川島書店の吊るし雛は、江戸時代の赤ちゃん用のベッド・メリー・モビールみたいだった。

    ベッド・メリー・モビールとは、ベビーベッドの上に吊るす赤ちゃんをあやすためのクルクル回るおもちゃのこと。

    古典的なモチーフが素敵だ。

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    真壁の町には旧家が数多く残っているが、その中でも一番歴史があるのが【中村家】。

    江戸時代のお雛様で、つるつるしたお顔は享保雛の特徴を備えている。

  • 500_42669969

    しかし、お雛様の着物は享保雛にしては少し豪華な感じ。

    享保時代でも後期なのかもしれない。

  • 500_42669970

    こちらは【根本米穀店】に飾ってあった大正時代のお雛様。

    大正時代の流行は、お花を背負ったスタイルだ。

  • 500_42669971

    【森家】のお雛様は、明治時代のお雛様。

    こちらのお雛様は、三人官女や五人囃子…みたいに一般的なひな人形ではなく、お爺さん、そして狆引き官女(狆:チンを連れた官女)もいる。
    そして、なんだかみんな楽しそうな雰囲気だ。

    実は、現在普及している5段飾りなどの一連のお雛様一式セットが確立されたのは、比較的最近で大正時代・昭和の初めのころから。
    デパートが女の子の節句にと言ってセット販売したのが、現在のひな人形スタイルの始まりとのことだ。

    それ以前の時代では、女の子が生まれると人形屋さんへと出向き、自分のお気に入りのお雛様をひとつひとつ集めていくのが普通だった。
    きっと、このイキイキしたお人形を集めた当時の森家の奥さまは、活発な方だったのではないかな…と勝手に想像してしまう。

  • 500_42669972

    真壁の町で飾られているお雛様たちの種類は多いのだが、中にはここでしか見られない…という少し変わったお雛様たちもいる。
    そんなお人形さん達が居るのが【民芸の里 一喜】。
    こちらのお雛様の特徴は、そのお顔。

    よく見ると、お内裏様とお雛様の口には歯が描かれている。

  • 500_42669979

    イチオシ

    歯に特徴があるのは三人官女たちも…。

    三人官女たちは既婚者のしるしとして、鉄漿(おはぐろ)で歯を黒く染めている。
    歯があったり、鉄漿をしているひな人形は、初めて見たかもしれない。

  • 500_42669980

    何処のお宅の吊るし雛も素敵なのだが、私がいいな…と思ったのは、【橋本旅館】の吊るし雛。

    吊るし雛というと様々なモチーフの人形が吊るされている物が多いが、橋本旅館にあったのは、毬を吊るした吊るし雛。

    球だけで構成される非常にシンプルな吊るし雛なのだが、その形のシンプルさが毬の色を引き立てている。

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    橋本旅館は登録有形文化財に指定された老舗の旅館なのだが、その建物の一部を改装して【橋本珈琲】というカフェを併設している。
    橋本珈琲のコーヒーは茨城県下では有名で、コーヒーを飲みに遠方から訪れる方も多いとか。

    お雛祭り期間はカフェでは特別ランチを提供していて、この日のランチは橋本珈琲に決定!

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    撮影場所の地図

    通常は何種類かのランチメニューがあるようだが、お雛様期間はひなまつり限定「上巳御膳」だけ。
    食前酒は茨城の特産の梅酒、そしてメインは地元産の野菜やお肉を使った御膳、さらに食後には美味しいと評判のコーヒーで1800円(税込)。

    2時間近く真壁の雛めぐりをしていたので、ちょうど良い足休め時間だった。

  • 500_42669983

    時刻は13時半。
    帰りのバスのタイムリミットまであと2時間。
    でも、まだ見所の半分位しか見ていない私たちは、少しペースを上げて次の目的地へ。

    次のお雛様はお肉屋さん。
    いつもは新鮮なお肉が置いてあるショーケースは、ひな壇に早変わり。

    コロッケと並んでお雛様がある光景は、ちょっとシュールで、なんだか面白い。

  • 500_42669984

    イチオシ

    撮影場所の地図

    此処、【桜井精肉店】にあるのは享保雛。

    享保雛の特徴を色濃く残すお雛様だ。

  • 500_42695014

    面長の顔に切れ長の目、そして鉤鼻。
    そのお顔は白く光っている。
    享保雛の特徴の白く光る顔は、貝の粉を練り混んであるからだそうだ。

  • 500_42695015

    質素・倹約が美徳とされた享保時代の全盛期のお雛様がよく現代まで受け継がれてきたものだ…と感慨深い。

    古今雛や近代の煌びやかなお雛様も素敵だが、約300年前のお雛様が醸し出す気品、それに敵うものはない気がする。

  • 500_42669985

    桜井精肉店のある上宿、そして下宿は、昔ながらの門や土塀が多い通り。
    写真の門は【猪瀬家薬医門】。

    何だか時代劇に出てきそうな佇まいだ。

  • 500_42695438

    吊るし雛でもう一か所、心に残ったものがある。
    それは、真栄石材産業の吊るし雛。

    ぶら下がっているそれぞれのお人形さんたちも可愛かったのだが、この吊るし雛に添えられていた店主の方の文章。
    その文章が、とっても素敵だった。

    この吊るし雛は年老いたお母様が作ったのもので、この真壁のひなまつりの為に、一つ一つ心を籠めて作ったもの。
    ひな祭りのためにこの吊るし雛を作ること、そして、それを見ていただくことがお母様の楽しみである…。

    そんな内容の文章が添えられていた。
    お母様が一針一針、心を込めて縫う様子、それを微笑ましく遠くから見つめる店主の方の様子がなんとなく心に浮かび、ほんわかした気持ちになれた。

  • 500_42695439

    こちらの建物は、現役バリバリの旅館【伊勢屋】。

    二階のガラスは、大正ガラスがまだ割れずに残っているのか、そのガラスに反射する光景が微妙にひしゃげて見える。

  • 500_42669986

    【潮田家】もまた、昔ながらの造りのお宅だ。

    江戸時代の末には商いを営んでいたというその店構えは、その面影を感じさせる。

  • 500_42669987

    撮影場所の地図

    潮田家のお雛様は江戸・明治・大正・昭和と様々な顔ぶれ。

    時代による人形の顔つきの違いが良くわかる。
    潮田家の明治時代のお雛様にも、狆引き官女(狆:チンを連れた官女)がいる。

    江戸時代、狆は将軍家に可愛がられた犬。
    明治時代でも狆は富の象徴だったのだろう。

  • 500_42696122

    潮田家の内部には、家の歴史を示す看板も残されていた。

    江戸末期には呉服・荒物・雑貨商を営んでいたそうだ。

  • 500_42669988

    最後の雛めぐりは、町の中心部から少し離れたところにある【蔵元・西岡本家】だ。
    此処は、インフォメーションのお姉さんから、時間があれば是非に…と勧められた場所。

    町の中心部からの所要時間は徒歩で10分〜15分だ。

  • 500_42669989

    西岡本家では様々な形でお雛様を飾っていたのだが、その飾り方は古典的な手法ではなく、芸術的な飾り方。

    庭園雛(ていえん雛)なんて、初めて見た。
    酒蔵の中を庭園に見立て、苔を生やした築山の上には春の花とお雛様。

    見せ方(魅せ方)を知っているなぁ〜という感じだ。

  • 500_42669990

    素人の仕事ではないだろう…と思っていたら、庭師さんの紹介があった。

    この庭園雛は、植物屋6 SENSE MOND(ロクセンモン)の仕事だということ。
    斬新だけど、乙女心はがっちりと掴んでいる。

  • 500_42669991

    蔵の中は、わざとバックヤード的な部分も演出されている。

  • 500_42669992

    酒蔵はいくつもあり、それぞれに様々な趣向を凝らしたお雛様が飾られていて、その一つがレゴ雛。

    レゴブロックの菱餅が可愛い。

  • 500_42669993

    そして、蔵元・西岡本家で一番凄い!と思ったのがこちらの建物の中。

    倉庫の様な建物の入口に暗幕が張ってあり、お雛様展示中という張り紙が無ければ、倉庫か…と素通りしてしまいそうな建物だ。

  • 500_42669994

    暗幕をめくり中へ足を踏み込むと、そこは暗闇の世界。
    でも、目が慣れてきたら、Wow…という光景が目の前には広がっていた。

    広い蔵の中には段飾りのひな人形。
    その人形たちをランプの光が優しく照らし出す。

  • 500_42669995

    お雛様を照らすのは、瓢箪(ひょうたん)から作られたランプだ。
    初めて見る瓢箪ランプ

    その独特な形ゆえに、繰り出される光の陰影もまた独特…。

    こんな風景が広がっていたなんて…、外の倉庫の雰囲気からは想像できなかった。

  • 500_42669996

    撮影場所の地図

    瓢箪ランプとお雛様のコラボ。

    瓢箪ランプは、ひょうたんアーティストの筑波傾金堂(つくばかぶきんどう)の作品だという事。

  • 500_42669997

    瓢箪ランプは、まるでモロカンランプの様な美しさ。

    瓢箪がランプになるなんて知らなかった。

  • 500_42669998

    イチオシ

    お雛様と瓢箪が作り出す幻想空間。

    昔からの慣習にとらわれないお雛様の飾り方。

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    想像もしていなかったな光の幻燈に、惑わされたような圧倒されたようような不思議なお雛様だった。

  • 500_42669999

    バス停までの帰り道、【靴屋さんの飯島家】で、ちょっと変わった飾り方のお雛様を見つけた。

    靴のショーウィンドウの中にちょこんと座ったお雛様達。
    真壁ならではの光景だ。

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    飾られているお雛様には、ひなまつりマップにはない隠れお雛様もいる。

    この写真の享保雛もその一つで、下宿地区に飾られていた。

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    江戸時代には当時の娯楽である人形浄瑠璃も盛んであった真壁の町。
    人形浄瑠璃の人形を飾っているお宅も何軒かあった。
    その一件であるこちらのお宅は、ホソヤ損害保険事務所。

    お人形さんは、もうすぐ真壁を発つ私達を見送るかのような視線…。


    真壁町でのお雛様巡りは、ぐるっと町を1周して約4時間(食事時間を入れて5時間)。
    始発のバスで真壁町へやってきて、最終のバスで筑波に戻るプランでも、見学時間はギリギリ。

    15:25にバス停に到着し、つくばへと戻るバスに乗り込んだ。

  • 500_42670001

    撮影場所の地図

    真壁の町は、本当におもてなしの町だった。
    商売そっちのけでお雛様の説明をして下さる店主の方。
    温かい緑茶を入れてくださって、寒かったでしょ…と来訪者をねぎらってくださる方。
    そんな方が沢山いらした。

    街角にはボランティアの方が多く立ち、地図を広げていると「どこに行きたいの?」と声をかけてくれる。

    友人と二人、つくばの駅前のカフェでお茶をしながら、本日の反省会。
    二人の感想は全く同じ。
    真壁のひなまつり、本当に来てよかった。
    雨の中を、傘をさして歩いた小さな町。
    黒光りする古い街並みも素敵だったし、何よりお雛様達の色々なお顔、その歴史に触れることが出来た…。

    我が家にいるお雛様。
    ここ数年、箱に入れっぱなしでお顔を見ていないのだけれど、来年は飾ろうかな。
    そんな風にも思った雛めぐりだった。

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    旅行記の最後に、紹介した真壁の雛人形を公式マップと照らし合わせながら紹介。

    C4 星野家 古今雛
    C2 佐藤家 鼠の嫁入り
    C1 旧郵便局 国の指定文化財
    C7 旅籠ふるかわ 木造店舗の二階のお雛様
    C11 川島洋品店 浦島太郎雛
    A11 川島書店見世蔵 押絵雛
    A30 中村家 享保雛
    A14 根本米穀店 大正雛
    A15 森家 明治雛
    A22 民芸の里 一喜 鉄漿(おはぐろ)雛
    A26 橋本旅館 ランチタイム(毬の吊るし雛)
    B32 桜井精肉店 享保雛
    B28 真栄石材産業 お母様の吊るし雛
    B20 伊勢屋旅館
    D19 潮田家 狆引き官女
    D33〜D38 蔵元・西岡本家 庭園雛 瓢箪ランプ
    B2 靴の飯島 靴の中のお雛様
    D14 ホソヤ損害保険事務所 人形浄瑠璃

    実際に見て廻ったお宅の数は、紹介した倍以上ある。
    真壁には素敵なお雛様が沢山飾られているので、お近くの方は是非♪
    陸の孤島と言われる場所だが、ひな祭りの後半は臨時バスも出ている。
    【真壁のひなまつり 和の風 第14章】は3/3まで。
    筑波山の梅も満開を迎えたそうなので早出をして梅とお雛様の両方を愉しむのもお勧めだ。

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    【旅行記・あとがき】

    真壁のひな祭りへと足を運んだのは、今回が初めてでした。

    雛めぐりとして真壁の町を選んだ理由。
    それは、真壁に江戸時代の古いお雛様である享保雛があると知ったから。
    そして、お雛様ついでに今なお残る江戸の古い町並みも眺めることが出来ればラッキー…位の軽い気持ちからでした。

    実際に訪れた真壁の町。
    真壁で訪問した家々では、昔から伝わる古いお雛様を見せていただき、様々なお話を伺いました。
    それぞれの家のお雛様一つ一つに、異なる物語がありました。
    教えて頂いた話には、時代背景による雛人形の顔つきや着物の違いなどのお話もありましたが、やはり興味深かったのはお雛様自身にまつわる昔話。

    そんな話の中で私の心に一番深い印象を残したのは、おばあ様のお嫁入りの話をしてくれたお宅です。
    そのお宅で飾られていたお雛様の一つは、おばあ様の嫁入り道具だったそうです。
    今はもう亡くなられてしまったおばあ様ですが、その記憶は雛人形という形で、家族の中で引き継がれていました。

    実を云うと、私はひな人形や日本人形は白いお顔や長い黒髪がちょっぴり怖く、あんまり得意ではありませんでした。

    しかし、真壁で一つの事に思いが至りました。

    雛人形が持っているあの独特の雰囲気。
    アレは怖さではなく、ひな人形が背負う歴史の重みなのではないのかな…と。
    お人形たちが放つオーラの様な不思議な輝き。
    あの輝きは、ひな人形を大切にする家族の想いなのではないかな…と。

    真壁を訪れて以来、人形を怖いとは思わなくなりました。

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