2013/06/04 - 2013/06/04
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kojikojiさん
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第1回廊の主壁の下段120枚と欄楯上372枚と下段128枚、第2回廊の欄楯100 枚までの720枚のレリーフには本生譚・譬喩経をもとに、釈迦の前世の物語と英雄的行為をなした聖者たちの物語が描かれています。これらの物語のレリーフはすべてが解明されているわけではなく、どのような物語を描いたものか未だ判明していないレリーフもあるそうです。これらに描かれた題材はあまりなじみが無く、レリーフ的には素晴らしいのですが、意味を読み解くことは出来ません。読み解くための資料も乏しく、持って行った資料やガイドブックにもほとんど紹介されていません。ネット上で調べても同様で、比較的分かり易く紹介されていたのはジョグジャカルタで車とガイドさんをお願いしたエンジェ・ウィサタ・ツアーズのHPでした。この詳しい紹介を読んでこの会社に手配をお願いしたと言っても良いかもしれません。その遺跡紹介の欄を参考に読み解いてみたいと思います。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- レンタカー タクシー 徒歩
- 航空会社
- ガルーダインドネシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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東面の第1回廊の仏伝図は上下2段の上段を左に読み解いていきます。その下段が本生譚・譬喩経をもとに、釈迦の前世の物語と英雄的行為をなした聖者たちの物語が描かれています。これらの物語のレリーフはすべてが解明されている訳では無く、どのような物語を描いたものか未だ判明していないレリーフも多いそうです。
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東側正面の入り口から左に向かって歩き始める最初の部分に、ひとつの物語としては最も多い20枚のレリーフであらわされているのが、夫婦の純愛を語ったマノハラ物語です。(写真の番号と場面は一致していません。)
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001面
最初の場面は北パンチャラの王宮です。 -
002面
昔、パンチャラ国という王国があり、この国は2人の王によって統治されていました。 -
002面
北部は良き王によって治められ、首都近くの湖には龍神が住み、定期的に雨を降らせてくれたのでお米も豊作続きで大変繁栄していました。 -
003面
一方、南部は悪王によって治められていたため神々にかえりみられず、日照りが続き貧しくなるばかりです。 -
003面
猟に出かけた悪王は自分の領地が荒れ放題なのを知り、北部に住む龍神を生け捕りにして自分の国へ連れてくれば国が繁栄すると考えます。 -
004面
そこで悪王は「龍神を南部へ連れてくるのに成功した者には、籠いっぱいの金を与える」というおふれを出します。 -
004面
何が起ろうとしているかに気づいた龍神は、ハラカというひとりの猟師に助けを求めます。 -
005面
ハラカは蛇使いに弓を放ち、見事蛇使いをやっつけます。龍神は恩返しとして猟師を地下の龍神の国に招き、褒美として金銀財宝を猟師に与えます。 -
005面
そこでハラカは金銀財宝を返し、投げ縄に交換してもらいます。 -
005面
そこでハラカは金銀財宝を返し、投げ縄に交換してもらいます。 -
006面
その後、猟師がヒマラヤ山中に出かけたとき、また別の隠者に出会います。この隠者からキナラ族の王女が満月の日に近くの池やってきて水浴びをする事を聞かされます。 -
006面
猟師はこの天女を捕まえてやろうと池の近くで待ち伏せしていると、間もなく天女一行がやって来ます。すかさず投げなわを放ったところ見事ひとりの天女を捕まえます。 -
006面
彼女が天女マノハラです。猟師はマノハラの美しさに驚き、スダナ王子のもとへ連れて帰ります。王子は一目見てマノハラの美しさに魅了され2人は結婚します。 -
006面
マノハラホテルのマノハラはこの天女の名前だったのですね。 -
007面
2人が幸せな日々を送っていたある日、どこからともなくふたりの呪術師が現れます。1人は父王専属の呪術師として採用され、もう1人はスダナ王子付きになります。 -
007面
王子の呪術師は王子が王位についた際には自分を呪術師の長にしてくれるよう約束をとりつけます。 -
007面
このことを耳にした父王の呪術師は策略をめぐらし、長引く国の辺境での反乱を鎮静化するという理由で、スダナ王子とその軍を辺境に派遣することに成功します。 -
008面
ある日、父王が悪い夢をみたので呪術師に相談しました。本当はスダナ王子の辺境での勝利を暗示する夢でしたが、呪術師は故意に真実を伝えません。 -
008面
これは国に災厄がやってくる予兆であるから、動物に加えてマノハラも生贄に捧げて災いを回避しなければならないと進言します。 -
009面
このことを知ったマノハラは王子の母のもとへ行き、預けておいた翼を出してもらい、この世の別れとしてその翼をつけて踊ってみせます。 -
009面
踊りの最中に突如として宙に浮き、皆に別れを告げて宮殿を抜けだして空高く飛んでいってしまいます。 -
009面
天女マノハラの故国はヒマラヤ山中にあります。国へ帰る途中に隠者のところへ立ち寄り、スダナ王子からもらった指輪を預け、またキナラ国への道順を伝えてくれるように頼みます。 -
010面
辺境から戻り事の次第を知った王子は嘆き悲しむが、迷わずマノハラを追うことにします。 -
010面
スダナ王子はまず猟師をたずね、隠者のところに案内してもらいます。隠者はマノハラから預かっていた指輪を王子に渡し、キナラ国への道を教えます。 -
010面
7年7ヶ月と7日が過ぎ、やっとのことでマノハラの城に辿り着いたスダナ王子は城の女中が水くみをしていたので事情を聞いたところ、城の外に住んでいるマノハラが水浴びするための水を汲んでいるという事を聴きます。 -
011面
マノハラはかつて人間界に住んでいたので人間の匂いがしみ付き、それをとるために7年7ヶ月7日の間、毎日水浴びをさせられていたのです。 -
011面
その最後の日がスダナ王子が訪れたその日だったのでした。王子は指輪を水瓶の中に忍ばせます。 -
011面
マノハラが水浴びをしようとしたその瞬間、水瓶の中から指輪が転がり落ちてすっぽりとマノハラの指にはまります。 -
012面
スダナ王子がここまで来てくれたことに気づいたマノハラは大喜びで両親に会わます。 -
012面
スダナ王子はマノハラの両親に弓の技を披露し、マノハラとの結婚を許可してもらえるよう頼みます。 -
012面
そこで両親はキナリの娘たちに同じ化粧と衣装を着けさせ、スダナ王子がマノハラを判別できるかどうかを試します。 -
013面
見事マノハラを見抜いたスダナ王子は結婚を許されます。 -
013面
しばらくマノハラの国で暮らしましたが、やがて故国に戻り王位に即位します。このスダナ王子は前世における釈迦の姿だそうです。 -
014面
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014面
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015面
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015面
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016面
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016面
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016面
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017面
スダナ王子はマノハラの両親に弓の技を披露し、マノハラとの結婚を許可してもらえるよう頼みます。 -
017面
弓を引くスダナ王子。 -
017面
弓を引く場面などはラアーマヤーナ物語にもありますので、仏教とヒンドゥー教の関連性を感じさせます。 -
018面
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018面
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019面
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019面
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019面
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020面
ここまでがマノハラ物語です。 -
以降021面から120面までの写真は収めましたが、ストーリーが判明しないのでレリーフとして状態の良い物だけを抜粋してアップします。
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廻廊のレリーフの中には帆船が彫られた浮き彫り図が何枚かあります。これらの帆船は、ボロブドゥールが造営されるよりもはるか昔にインドネシアの人が東南アジアやインドやアフリカと香料貿易で航海をしていた時の商船らしいです。
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自分の眼で船を見てその構造が分かっていないとここまでリアルな船は彫れないだろうと思いました。
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ブランパナンや周辺の寺院で見た石像と同じような姿のレリーフです。
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穏やかな表情は日本人好みだと思います。インドシナ半島の仏像や天人より親しみがわきます。
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ダブル・アウトリガーのジュクンと呼ばれる船にも似ています。
バリ島のクサンバの塩田やレンボガン島へ行ったのがもう遠い昔のようです。 -
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キンナラのレリーフがありました。プランパナンのロロ・ジョングランのレリーフにも沢山見られました。
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緊那羅(きんなら)はインド神話に登場する音楽の神々(または精霊)で、仏教では護法善神の一尊で、天竜八部衆の1つにあたります。迦楼羅王の妹の迦陵頻伽も人頭鳥身の姿をしています。ギリシャ神話のハルピュイアも同じような姿をしています。元々はどれもギリシャが起源なのかも知れません。
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ストーリーから解放され美術品としての美しさや完成度としてレリーフを見たほうが楽しいですね。
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106面
母に対する親不孝が原因で地獄に落ちた息子を描いたのが マイトラカニャカ物語で、第1回廊の主壁下段の106面から112面の7枚に見られます。 -
107面
マイトラカニャカは行商人の親分の息子として生ます。成人してから彼は死んだ父と同じ道を歩みたいと思い、父が何の仕事をしていたのかを母親に尋ねます。行商人の親分であったが母親は危険な仕事をさせたくないと思い店主と答えます。そこでマイトラカニャカは店を開き一生懸命働きます。 -
108面
商売もうまく軌道に乗ったある日のこと、父が行商人の親分であったと偶然耳にした彼は父の後を継いで行商に出ることを決心します。 -
109面
息子を心配した母親は泣いて止めるように諭したが、マイトラカニャカは聞く耳を持たず、挙げ句の果てには母の頭を蹴り倒して、行商人の親分になるために出かけて行きます。 -
110面
初めての航海で乗った船が沈没し、マイトラカニャカは命からがらある浜辺に辿り着きます。ここで4人の鬼女と豪遊しますがそれではあきたらず別の街で8人の鬼女と、また別の街で16人、またまた懲りずに32人の鬼女と遊び続け、さらなる享楽を得ようと旅に出たところ今度は4つの門のある壁に囲まれた街に着きます。 -
111面
更に遊んでやろうと意気込んでその街に入ってみると、行き交う人々の頭には刃のついた車輪が突き刺さっています。落ち着いて見渡してみるとここはまさに地獄と呼ぶにふさわしい場所でした。 -
112面
そこで近くにいた人に尋ねたところ、自分は母を殴り倒した罪でこの地獄にいるのだと言います。気がつくとマイトラカニャカ自身の頭にも同じように刃のついた車輪がめり込んでいるのでありました。 -
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120面までたどり着きました。上段の仏伝図はここで終わりですが、本生譚と譬喩物語はまだまだ続きます。
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