PARIWISATA JOGJA（13）タクシーをチャーターして旅の最終地ボロブドゥールへ向かい、遺跡エリア内のマノハラホテルに到着する。

2013/06/03 - 2013/06/03

楽しかったジョグジャカルタの5日間も終わってしまいました。もう2日か3日は居たかった気もしますが、感慨に耽っている暇は残り時間の少ない旅行者にはありません。ホテルに預けてあった荷物からボロブドゥール2日間の必要なものが入ったバックをピックアップしてタクシーを呼んでもらいます。ホテルでタクシーを呼んだ時点で値段交渉は負けていますが、ボルブドゥールまでの片道は300,000ルピアでした。それ以下では話にならないようでした。道中ボルブドゥールのホテルに着いてからの飲み物やお菓子をどうしようかと思い、コンビニに寄ってもらいました。最初のコンビニはアルコールが売っておらず、次にサークルKに寄ってもらいました。ここにも見当たらず店の人に尋ねると、隠し扉を開けてくれました。イスラム教徒の多いインドネシアではコンビニでのアルコール販売は最近許可されたそうです。探すならサークルKですが、郊外へ出ると隠してある店も多いようです。
途中の交通渋滞もあり、ボロブドゥールへは１時間半くらいかかりました。真っ直ぐマノハラホテルへチェックインしました。部屋で暫らく寛いで夕方になってから遺跡公園へ散歩に出ました。遺跡に登ろうと思えば登れる時間ではありましたが、中途半端に見学するのが躊躇われました。妻と2人でブラブラ遺跡を一周しました。ホテルへ戻る途中に振り返ると薄ら夕焼け空にストゥーパがシルエットになって浮かんでいました。

エリア ボロブドゥール遺跡周辺(インドネシア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 3.0
• 交通: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: レンタカー タクシー 徒歩
• 航空会社: ガルーダインドネシア航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

フェニックスホテルからタクシーをチャーターして、ボロブドゥールのマノハラホテルに向かいます。ジョグジャカルタの市内をほんの10分も走ると田園地帯になり、コンビニでいろいろ買っておいて良かったと思います。

途中の渋滞もあってマノハラホテルに着いたのは1時間半後でした。午後3時のホテルは閑散としてお客の姿は見えません。

ボロブドゥールの遺跡を見るのがメインで予約したホテルでしたが、リゾートホテルとしてもレベルが高い印象を受けます。

超高級では無いこれくらいのリゾートはまったりしていて好きです。

フロントではジャワ・ガムランの静かな音色が流れています。

ウェルカムドリンクのタマリンド風味の炭酸ドリンクが喉に気持ち良いです。

妻にとっては冷たいおしぼりが何よりだったようです。

バリ島の満月の日ティルタ・ウンプルで初めて見たモジョの樹がありました。もうあれから２週間近くたっているのだと思うと旅の終わりを感じます。

遺跡に近い側のコテージの部屋は17号室でした。ボロブドゥールの写真集が置かれてありました。この遺跡がほんの数百メートル先にあると思うと興奮を抑えられません。

23年前に岩波書店の岩宮武二写真集「ボロブドゥール」を見て以来、いつかは訪れたいと思っていた場所にようやくたどり着けました。実際はもっと行きにくいスペインのカタルニアの村々へは同じシリーズの田沼武能写真集「カタルニア・ロマネスク」を見てすぐに行ったのですが。ここまで23年かかりました。

ホテルの部屋はシンプルで必要な機能しかありません。まあ遺跡見学で1泊するだけの人が多いのでしょうから。

小さいながらバルコニーもありますが、隣からはフェンス越しに見えてしまいます。余談ですがエアコンの室外機と物干し台が置いてあるので、洗濯物はあっという間に乾きます。

チケットは３枚綴りでオーディオビジュアルルームと朝食券と朝6時から夕方までの遺跡入場券です。オーディオビジュアルの日本語版の時間は限られているので、フロントで確認が必要です。朝食券は必要ですが遺跡の入場券は必要ありませんでした。

ミネラルウォーターとポットとティーバックは完備されていますが、冷蔵庫は空です。周辺にはコンビニなどありませんので、ジョグジャカルタを出る前にミネラルウォーターやジュースやビールなどは買っておいて持ち込んだ方がお得でしょう。

コテージから芝生越しにレストランを望みます。部屋でしばらく休んだ後に遺跡見学に出掛けます。

レストラン正面にホテルから遺跡公園への出入り口があります。全くのノーチェックなのは、そこがすでに遺跡公園内だからです。

高台の上に長年想い焦がれた遺跡が堂々とした姿を現します。

陽は西に沈みかけ遺跡は巨大なシルエットになっています。

ホテルの敷地からショートカットして吸い寄せられるように遺跡へ向かいます。

空に絞りを合わせると遺跡は巨大な岩の塊のように見えます。

人間の創り上げた物が自然と同等に対峙している凄い迫力です。

近づいてディティールを眺めてみても、これはこれで凄い迫力です。

ここから遺跡へ上がることが出来ますが、足が進みませんでした。夕方のこの時間から中途半端に見学するのが躊躇われました。23年あこがれ続けたという年月がそうさせたのかもしれません。

カーラマカラが怖い訳ではありません。

正面に当たる東面から時計回りに遺跡の基壇を眺めることにしました。

遺跡の周り南側から西側にかけては山々に囲まれています。もう間もなく陽が暮れるでしょう。

同じポーズの如来像がまるで五線紙に並んだ音符のように見えます。

この段々の間に素晴らしいレリーフがあるのだと思うと心が弾みますが我慢します。

方形の5段からなる基壇は色界にあたります。

我々が歩いているのは欲界にあたります。バリからジャワへ買い物三昧の物欲界にどっぷり浸った2人にはお似合いの散歩道です。

対角を俯瞰で見ると遺跡の大きさがよく分かります。1辺115メートルという数字より大きく感じます。

弥陀定印を結んだ姿は西方浄土を持つ阿弥陀如来です。

母方の祖母が亡くなった年に母が書いた般若心経を携えてアンコール・ワットへ行きました。中央祠堂の西側の仏像を守るおじいさんにお願いして写経を納めさせてもらいました。

この旅行の数か月前に父が亡くなったこともあり、母にお願いして父のためのお経と母方の祖父母のために2枚の般若心経を持って来ました。

自分が歳を取るにつれ大切だった人がどんどん減って行ってしまうのは悲しい事です。

そんな事を考えながら立体の金剛界曼荼羅のような遺跡を歩きます。

一周して東面まで戻ってきました。

指地の印を結んだ阿閦如来（あしゅくにょらい）が座しています。

明朝はサンライズツアーに参加する予定なので楽しみ半分ですが、朝日が見えるか心配でもあります。

夕暮れ時のこの時間の散策はとても心に残りました。

遺跡公園も閉園の時間なのでもう誰もやってきません。

さあ我々もホテルに戻りましょう。

山の向こうからどんどん霧が降りてきます。

イスラムの女の子が可愛いカップルです。三脚を立ててポーズを取っています。

若い女の子にとってオシャレは宗教を越えているのかもしれません。昔トルコを旅しているときに出会った若者は「人生で1番大切な本はコーランで、2番目に大切な本はドラゴンボールだよ。」と言っていたのを思い出しました。

遺跡のシルエットがどこを切り取っても美しいです。

巨大なストゥーパも迫力です。

世界遺産マークもありました。

明朝が楽しみです。

2週間の旅の疲れも溜まっているので早く休みましょう。

後ろ髪を引かれるように振り向きながらも写真を撮ります。

いよいよ陽が暮れてきました。

これ以上はキリがありません。

本当に美しい夕暮れでした。個人的には真っ赤に焼けるような夕日は好きではありません。

ホテルの部屋へ戻って夕ご飯に行こうと思った矢先にBSで「八重の桜」が始まってしまいました。日本では夕方6時から放送ですが、時差が1時間あるので夕方5時過ぎです。

部屋から暗い回廊を渡ってレストランへ向かいます。

オーストラリア人の家族が一組先に来ていた以外は我々より年配の日本人のご夫婦がいただけで店はガラガラでした。

もう周囲は真っ暗で遺跡の気配も感じません。

さんざんインドネシア料理ばかりの2週間だったので、この日は洋風のメニューから料理を選びました。こちらはアスパラガスのクリームスープで、五臓六腑に沁み渡ります。

妻のスープは何だったか？

グリーンサラダとステーキを注文しました。

このステーキが絶品でとっても美味しかったです。2人とも黙々と食べ続けます。

こうしてマノハラホテルの夜は更けていくのでした。