PARIWISATA JOGJA（4）豪華なロイヤル・アンバルクモ・ホテルの水の宮殿を貸切り、王宮リスタフェルディナーを楽しむ。

2013/05/30 - 2013/05/30

パラントゥリウス海岸からジョグジャカルタ市内へ戻り、フェニックスホテルでちょっとお洒落してからロイヤル・アンバルクモホテルへ向かいました。このホテルは創業時はアンバルクモ・パレス・ホテルと呼ばれ、太平洋戦争の戦後の賠償役務として日本が技術指導したホテルです。その敷地には今から150年ほど前ジョグジャカルタ王宮７代目の王、ハメンクブォノ７世がアンバルクモの地に愛する妻との暮らしのため素晴らしい宮殿があります。敷地内には美しい水の宮殿(タマンサリ)も用意されています。しかし、ひとつの王家にふたつの王宮が存在することはおかしいと宮廷内で反対の声があがり、わずか1代限りで歴史の中から姿を消した宮殿でもあります。1966年にこのアンバルクモ王宮のあった土地に当時のスカルノ大統領によるインドネシア政府プロジェクトとしてホテルが建てらますが、王宮の建物自体は利用されることもなく、ホテルの脇にひっそりとたたずんでいるままでした。2010年にホテルの大改装工事が行われ、今まで沈黙を続けていた幻の宮殿が2011年にレストランとして復活されたことをクレア・トラベラーで知りました。同じ頃のBSの番組トラベリックスという番組で紹介されたのを見て絶対に行きたくなり、バリ島とジャワ島を併せた旅行の計画を思い立ちました。ただそのレストランの予約についてホテルのHPにも書かれていないので、現地の車をチャーターした会社に尋ねると雑誌やテレビで紹介された料金よりも安いという事が分かり予約をお願いしました。当初週末の金曜日の夜の予約をお願いしましたが、週末はレストランが混むと言うので木曜日の夜にお願いしました。また王宮内のどこでも食事ができるのでバレカンバングという水に浮かぶ東屋の2階に席を設けてもらいました。1晩に1組だけの貸切りの贅沢なディナーでした。

エリア ジョグジャカルタ(インドネシア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: レンタカー タクシー 徒歩
• 航空会社: ガルーダインドネシア航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

パラントゥリウス海岸からジョグジャカルタ市内へ戻り、ホテルで着替えた後にロイヤル・アンバルクモホテルまでは車でほんの10分くらいの距離です。

最初にホテル内のレストランに寄ると女性スタッフが案内してくれます。その物腰からも非常に格式のあるホテルという事が分かります。ベルボーイは伝統的な宮廷の衛兵の衣装を着ています。

女性スタッフに案内されフロントを抜けて中庭に出ると王室の離宮が姿を現します。

まるで午前中に見学したクラトンの中に迷い込んだみたいです。ただアブディダルム（宮廷の侍従）の姿が無いだけです。クラトンの建物では中に入ることは出来ませんが、ここでは自由に入ることが出来ます。

建物の一番奥に池があり、その中に予約したバレカンバングという八角形の建物が浮かんでいます。

バレカンバングの中は土足禁止なので裸足で階段を上がります。階段にはキャンドルが灯されていますが、この日のゲストは我々だけなのです。

東屋と言っても巨大なパビリオンです。対角線で20メートルはあろう大きな空間にテーブルが1つだけ置かれ我々を待っています。

お花でハートが描かれ、バラの花が置かれています。妻には内緒にしていたサプライズのディナーです。

このシチュエーションを喜ばない女性はいないと思います。

贅沢な空間で贅沢な時間を満喫しましょう。BSのテレビ番組では下の階の廊下みたいなところでランチを食べているシーンでしたのでその何倍もゴージャスに感じます。

メニューが渡されますがすべてコースになっています。この当時で1人3,000円ほどでした。ワインが3,000円くらいだったので全部で10,000円の豪華ディナーです。

飲み物を頼むと誰もいなくなってしまうので周辺を見てみます。唯一の問題は厨房から離れているので、何か注文しても応対に時間がかかるという事です。

記念に写真を撮ってもらいました。

今回我々のサービスをしてくれたお兄さんです。

衣装はクラトンのアブディダルムと一緒です。

という事はクリスを持っているので見せてもらいましたが本物の短剣でした。

さあ食事が始まります。

伝統的な王宮の給仕方法でたくさんの女性が料理を持って来てくれます。　ただオランダの植民地時代に宮廷の作法とオランダ様式がミックスされているそうです。

ワインリストをもらい、ボルドーの白ワインを選びました。ミネラルウォーターは料金に含まれているようで何本もいただきました。冷えていないので氷を頼んでも厨房の往復で時間がかかり王様の憂鬱も味わえました。

料理は11種類でこれが２回に分けて運ばれます。
URAP SAYUR／ココナッツをまぶしたインゲン豆と野菜のサラダ
TUNA SAMBA／非常にに辛いツナとタマネギサラダ
SATE CAMPUR MADURA／サテ盛り合わせ（チキン・ビーフ・シーフードミンチ）
PECEL MADUUN／ピーナッツドレッシングの掛かった野菜サラダ

KIMLO SOUP／木耳と魚団子と豆腐と春雨の野菜スープ
UDANG BALADO／エビチリ
OPPR BEBEK／ターメリック風味のアヒル煮込み
DAGING LOMBOK KETHOK／ビーフのスマトラ風カレー
ORAK-ARIK／野菜と豆腐のチャンプルー
NASI PUTIH DAN NASI KUNING／蒸しごはん三種（白・赤・黄）

オープンエアーの熱き席ですが、熱々のはんぺんのような魚のすり身のスープは美味しかったです。

BUSH BUAHAN／フルーツ盛り合わせには何故か蜂蜜とライムが添えられていますがかけなくても充分に甘いです。

ここ数年病気だった父や看病していた母のサポートに尽力していただいたので、今回は妻への感謝の旅行です。毎年行っていますが。

そして不思議な飲み物がサービスされます。これはメニューに載っていません。レモングラスの入った熱い生姜湯をいろいろなナッツや白玉の入ったカップに注ぎ、シロップで甘さを調整するものです。そしてシナモンスティックで香りを調整します。

1人づつ説明しながらサーヴしてくれます。

ジャムウとは違うと言っていましたが、名前を忘れてしまいました。

混ぜるとこんな感じで何杯でも飲めてしまいます。複雑に絡み合った味と香りが鼻腔の奥にまだ残っています。トレーには丁子が敷詰められています。ジャワ料理の奥行きの深さを感じました。

楽しい時間はすぐに終わってしまいます。ワインが半分残ったので持ち帰りにしてもらいました。料理はもちろん完食しましたしバラの花もいただきました。

階段を降りた所で記念写真を撮ってもらいました。

皆さんがこうしてお見送りです。妻には大好評でした。

またジョグジャに忘れられない思い出が出来ました。給仕のお兄さんが宮殿内を案内してくれます。

ワヤン・クリッの人形のコレクションが見事でした。

この時点ではまだ影絵を観に行っていないので興味津々です。

ハヌマーンたち猿族もいます。

レストランの余韻に浸ります。

ホテルの由来が書かれたパネルに拡大した切手の写真がありました。スカルノ大統領とこのホテルがデザインされています。1965年12月に竣工して、建築中にはデビ夫人も来られたそうです。

誰もいない夜の宮殿の中を散歩できるだけでもここに来た甲斐があります。

最後にロビーからタクシーに乗るまで係のお兄さんは笑顔でエスコートしてくれました。最高に素晴らしく思い出になるアンバルクモのリスタフェル・ディナーでした。

この旅行記へのコメント （2）

• daisuke-iさん 2019/08/13 18:28:03

  一度でもしてみたいこのような食事をしてみたい

  Jogjakartaに旅行してみたいなと思い、バリ島からジャワ島を見ています、旅行記のホテル、フェニックスホテルも完璧。本題のこの食事ディナー（アンバルクモ王宮）は雰囲気も写真驚きの連続です、食事代予算とと予約方法は聞きたくなります。いつも感心させられる、博識と知見、また買い物のコメントもうなずくだけです。

  kojikojiさん からの返信 2019/08/14 02:06:10

  Re: 一度でもしてみたいこのような食事をしてみたい

  いつも旅行記にお立ち寄りいただきありがとうございます。バリ島に絡めて行ったジャワ島でしたが、行ってみたらその素晴らしさに驚きました。行かれるご予定があるのでしたら、フェニックスホテルとリスタフェルディナーは絶対にお勧めです。リスタフェルディナーを知ったのはクレア・トラベラーの記事とＢＳのトラベリックスという番組でした。正直こんな値段でこんなところで食事してよいのかと思いました。コスパの高さは今まで行った数々のレストランでも1番だと思います。ホテルに直接予約しても良いと思いますが、同じ日にパラントゥリティス海岸とカソンガンへのツアーをアレンジしていただいたエンジェ・ウィサタ・ツアーズ（経営は日本人の女性）に予約をお願いしました。支払いは当日自分たちでしたので、特に旅行会社への支払いはありませんでした。
  ロイヤル・アンバルクモ・ホテルのこのディナーは宮内のどこでも食事ができるのでバレカンバングという水に浮かぶ東屋の２階がおすすめです。
  参考になればと思います。正直もう一度行きたい気分です。