PARIWISATA JOGJA（12）2度目のクラトンでは伝統舞踊の物悲しいガムランの調べと美しい踊りブドヨを堪能する。

2013/06/03 - 2013/06/03

クラトンの南では毎日午前11時からジャワの伝統芸能を見ることが出来ます。ジョグジャカルタ到着の翌日はガムランの演奏を聴きに行きましたが、この日は伝統舞踊を観に行きました。2回目なので様子は分かっていたので少し早めに行ったのですが、日曜日という事もあって10時30分には満席に近い状態でした。演目も人気があったのだと思います。もう少し滞在期間があったらワヤン・ゴレッ（人形劇）も観られたのですが、日曜日の舞踊はブドヨと呼ばれる王宮に伝わる女性の舞踊で、最初の2人はまだ可愛らしさの残る女の子でした。その真剣な眼差しが印象に残りました。次の舞踊はもう少し歳のいった女性の群舞で、メイクが変わっていてこちらも良かったです。最後は力士のような男性と仮面を被った悪魔との戦いの舞です。これはラーマやーな叙事詩の一場面だと思いました。1週間の演目の中では一番華やかなパフォーマンスであろうと思います。

エリア ジョグジャカルタ(インドネシア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: レンタカー タクシー 徒歩
• 航空会社: ガルーダインドネシア航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

日曜日の朝のマリオボロ通りはいつになく静かでした。通りの途中からジャランジャランしながら王宮に到着です。

入口でチケットとカメラの撮影料を払って中に入ります。

午前10時30分には着いたのですが、正面の良い席は既に欧米人のツアー客で埋まっていました。

右手の席が幾らか空いていたので荷物を置きます。日曜日のガムランは全員男性でした。先日のおばさんガムランも良かったですが、やはり男性の方が力強い感じがします。

もちろん全員アブディダルムです。先日出会った少年アブディダルムのおじいさんもガムランを担当する家臣の1人です。彼らの役割にはスルタンの生活支援やクラトンの維持以外にも伝統儀礼の保護と育成があります。

ジャワ古典舞踊はジャワ島中部のジョグジャとスラカルタ（ソロ）の2つの王都でそれぞれ発展し、長い歴史にはぐくまれてきた伝統舞踊です。

バリ島のダイナミックな踊りとは対照的に静的で内面的な表現形態が特徴なので、動く瞑想とか動く仏像などと称されるそうです。

中部ジャワには古くからヒンドゥー教と仏教を基礎とした文明が存在していて、ジャワの音楽や舞踊などの舞台芸術も同時代に誕生したそうです。

舞台右手の控室から出て来た踊り手はまだ10代半ばのようでした。真剣な眼差しから緊張感がこちらにも伝わってきます。

舞台へは日本の茶室へ入るように躙る所作をするのが印象に残りました。

立ち居振る舞いがとても綺麗です。

膝を立てた不思議な座り方です。

2人の動作は全く同じようです。

緊張感が伝わってきます。

こちらの女性は少しお姉さんのようで慣れている感じがします。

BSのアジア神秘紀行と言う番組でジャワ舞踊を学ぶ女性の話があり、最後にこの舞台で踊るので是非観てみたいと思っていました。

冠の鳥はフェニックスでしょうか、伝統的な衣装と三連の首飾りが素敵です。

踊りが始まりました。

何とも哀愁を帯びたガムランの演奏に合わせて静かに舞いが始まります。

バリ島のガムランとは全く違った文化が飛行機で1時間の距離にあるのだなと実感します。

まだインドネシアの2つの島しか知りませんが、バリ島だけでは知りえない文化の深さを感じます。ジャワガムランや伝統舞踊を知ることでよりバリ島の舞踊が鮮烈に思い返されます。

ジョグジャカルタでも出来る限りの伝統芸能を鑑賞しましたがとても良かったです。

次は4人の女性による群舞で、衣装やメイクは全く同じなのでストーリー性は感じられません。奉納の舞いのように感じられます。

踊りが始まるとほとんど伏せ目になってしまうので表情が分かりません。

唯一ステージに入る前のこのタイミングだけでしょう。

しばらくガムランの演奏だけが流れます。

踊りが始まります。

ゆっくりと時間が流れるような感じがします。

振付はきわめて抽象的で象徴的で、全員が同じ踊りを舞います。しかも東西南北の4つ方向に同パターンの振りを繰り返えします。

日本舞踊にも通じる様な優雅な踊りだと思います。

そして流れるように踊りは終わり、女性たちは去って行きます。

最後の演目はラーマヤーナ・バレーでも出て来た男性の踊りです。

力士の様な姿で精神を集中しています。

左手のトッペンの男性は人相からも悪役のようです。善と悪の戦いのように思えました。

相撲の土俵入りのような所作を行います。

仮面の男も同じ所作でだんだん近づいていきます。

ラーマヤーナ叙事詩の物語の一場面かもしれません。

だんだんと距離が縮まります。

緊張が高まりますが、表情が分からない分不気味な感じがします。が仮面は呼吸するのには向いていないようで、息が荒くなっていくのが感じられます。

そして組んでは離れての戦いになります。

踊りの中の戦いではありますが、振り付けと分かっていても迫力に圧倒されます。

特に勝ち負けの決着も着かないままに終わります。

あと数日滞在期間が長ければワヤン・ゴレッという人形劇も観ることが出来たのが残念です。

今回の旅行ではバリ島の伝統芸能をメインで考えていましたが、ジャワガムランをはじめワヤン・クリッ（影絵）などの多彩な文化を知るにつれてジョグジャカルタにはもう1度来ないと駄目かなと思いました。今回は行けなかったソロにも興味が残ります。

妻も同様の意見だったのが嬉しいです。2人で同じ趣味や興味があると旅行をしていても楽しみが倍増します。いつまでも感動を分かち合いたいです。

楽しかったジョグジャカルタの旅ももう少しで終わりです。最後は今回の旅のメイン・イベントでもあるボロブドゥールへの旅が始まります。