2026/06/27 - 2026/06/27
739位(同エリア1163件中)
ちゃんさん
ジャカルタコタとボゴールを結ぶボゴール線は、コミューターの中でも幹線に位置づけられる存在。205系も大活躍している。
都市鉄道としての勢いを感じながら、沿線の鉄道名所を巡ってみた。
- 旅行の満足度
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
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ジャカルタ・コタ駅は、ボゴール線の始発駅。10分に1~2本の頻度で電車が発着する、ターミナル駅だ。
各ホームには電車の発着案内表示があるのだが、肝心の発車ホームの記載がない。行先で区別しようにも、ほとんどがボゴール行きだ。たいていの人は先発電車を、車内の乗客の多さか、あるいは駅員に聞いて判断しているようである。ジャカルタ コタ駅 駅
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次発のボゴール行きは、CLI-225型電車。昨年(2025年)12月にデビューしたばかりの、インドネシア・INKA社製の国産車である。
2023年に下った外国製中古車の輸入禁止の方針に伴い、新造が決まった車両。もちろんそんなに急に対応できるわけではなく、中国製の新車で急場をしのいできた。満を持して登場した、期待のニューフェイスだ。 -
日本製の機器が多用されていることから、E235系の親戚とも称される。しかし外観の印象は日本の通勤電車と異なる、外国の電車だ。
まず窓が小さい。暑い国ではあまり大きな窓は好まれない傾向にあり、日本製中古車の窓が大きかっただけである。事故の際には窓を割って脱出できるよう、ハンマーが備えられているのも、日本人には目新しい。 -
車端部の車椅子スペースに折り畳み座席が設けられていて、これは日本も見習ってほしい点だ。車椅子スペースまで車椅子でたどり着けるのかは、また別のお話だが。
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長三角形の吊皮は、JR東日本の電車の意匠そのものである。九州の電車よりも、「最新の日本式通勤型電車」を感じられる部分だ。
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情報用LEDは窓一枚分の大きさがあり、多彩な情報を提供できる。ただ印刷された路線図は、どこかにほしい。僕と同じように、表示が切り替わるのをじっと待っている人を何人か見かけた。
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パラパラと乗客を乗せ、ドアが閉まった。「ビー」という警戒音のブザーが鳴り、この点もチャイムが鳴る日本とは違う。高架駅に止まるごとに乗客を飲み込み、満員電車へ。昼の12時台でも流動は多い。
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90年代の円借款で作られた高架駅に1つ降りてみたくなり、チキニ駅で席を立った。対面式ホームの2面2線。日本の私鉄でも、急行通過駅でよく見られるスタイルである。
チキニ駅 駅
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カラーパネル張りの壁が多用されていて、この点は日本の駅とは雰囲気が違う。釜山市地下鉄1号線の北部の、高架駅を思い出した。
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エスカレーターも完備されているのだが、一時は保守がなされず、ほとんど停止状態にあったそうだ。
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予防保全の考え方に基づいた維持管理こそ安定の要なのは、電車も施設も同じだ。
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インドネシアでは、街中で猫をよく見かける。都会の駅でも例外ではなく、人通りの中でも堂々と座り込む姿が愛らしい。
ネズミ避けの意味で可愛がられているのかなと思ったが、餌をあげる人の姿もあり、愛護の対象でもあるようだ。 -
マッサージチェアも、あちこちの駅のコンコースにあるアイテム。インドネシアではより高価な品だろうと思うのだが、みなさんそれだけお疲れなのだろうか。
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後続の電車に乗車。すっかりお馴染みの205系だ。
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高架から見える超高層ビル街の上空は、厚い雲が覆い始めている。スコールに降られたら何かと面倒だが、結局、雨にはならなかった。6月のインドネシアは、乾季に当たる。
マンガライ駅で、環状線からの乗り換え客を受けて満員になった。
郊外に出るとスピードが上がり、頻繁に電車がすれ違っていく。日本と変わらぬ、日常生活に根付く電車だ。 -
エアコンが効いた車内は快適で、危険な屋根に乗ることはない。早く、ほぼ時刻表通りに動く優秀な都市鉄道だ。
庶民層だけでなく富裕層も使う交通機関になれば、世界一とも言われる渋滞解消にも役立つと思うのだが。 -
「中古電車輸入禁止法」が成立するまでは、横須賀総武快速線で走っていたE217系が次期輸出車両としてスタンバイしていたという。もし同時に2階建グリーン車が海を渡っていれば、また違った未来が待っていたかもしれない。
チキニから約35分の、タンジュンバラッド駅で下車した。ホームに鯉が泳ぐ、風流な駅だ。 -
ジャカルタでは都心部の利用者が多い駅でも、構内踏切で駅舎と行き来する駅が多い。タンジュンバラッド駅もそうだったのだが、橋上駅舎の新築とともに、構内踏切が廃止されていた。それだけ利用者が増えているのだろう。
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その理由の一つが、駅前のイオンモールと思われる。正真正銘、日本のイオンが運営するモールで、日本と同じく都市部では駅前立地を志向している。
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イオンモールを背景に205系が行き交う。京葉線のような風景が見られるということで、日本の鉄道ファンにもお馴染みの駅である。僕も倣って、1枚パチリ。
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新しい駅舎も垢ぬけたデザインで、他の駅とは一線を画している。商業施設のそれのようでもあり、イオンが出資したのかもしれない。
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せっかくなので、異国で奮闘する流通大手の姿も見ておこう。出入口で手荷物検査があるのは、本国のイオンとの大きな違いだ。
建物の中に入れば、日本と同じ郊外型モールの世界。ゆるやかにカーブを描く、吹き抜けの空間が広がる。 -
イオンの直営売り場とともに、日本の有名チェーン店がテナントとして並び、日本に帰ったような気分になった。
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イオン直営店の女性の店員さんは、イオンのカラーであるマゼンタのヒジャブを身に付けている。目立ち、分かりやすく、かわいい。
日本のイオンでも、イスラム圏の店員さんが活躍する機会があれば、逆輸入してほしい。 -
日本企業のテナントが多い中、レストラン街にはハングル文字も見られた。
1階で車を展示しているのは、現代自動車だ。柔軟に、インドネシアの暮らしに溶け込みゆく日韓勢である。 -
再び205系に乗車。ボゴール線の支線、ナンボ行きだった。2時間に1本程度しかない路線で、うっかり寝過ごして連れて行かれたら、大変なことになる。
20分弱乗って、デポック駅で下車。車両基地がある要衝であり、日本の中央線で例えるなら三鷹のような役割の駅である。 -
主要駅ではあるが、駅前は飾らぬインドネシアの地方都市の駅前。車が寄り着けるような余裕はなく、バイクタクシーの客引きから次々声がかかる。
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活気があるのはよろしいのだが、身を守ることも大事で、持ち物をぐっと体に引き寄せた。
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表通りに出た。片側2車線で、歩道も整備された幹線道路だ。
車道は中途半端に狭く、時折ぶつかりそうになりながら、不思議な秩序を保って車が爆走する。そして車より、圧倒的にバイクの方が多い。この交通事情なら、最も効率的な移動手段だろう。 -
アンコットと呼ばれるミニバスも、頻繁に行き交う。扉は開け放しで、暑さからか身を乗り出して乗る人も多い。
つい15年前までは、電車だって扉が開け放しだった。それだけ、電車の近代化が先んじて進んだということだろう。 -
ガソリンスタンドのたたずまいは万国共通で、バイクが次々に入って行く。レギュラーガソリンがリッター1万IDRで、邦貨にならせば100円にもならない。
さすがは産油国だが、物価水準を考えれば日本より家計に占める割合は大きかろう。バイクが中心になるのも分かる。 -
バイク屋が並ぶ中、日本と変わらぬ外観のファミマが異彩を放つ。
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日本ブランドを強調したいのか、あえての日本語表記も見られるのだが、堂々と「コンビニエソスストア」と書かれているのはご愛敬だ。
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気を付けて歩くこと10分、山手線をテーマにした「ループラインカフェ」にたどり着いた。
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席は山手線の電車がモチーフになっていて、椅子から天井まで黄緑色に塗られている。
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現物の山手線の電車はここまでの色使いではないのだが、広告や掲示物など細部にまでこだわっていて、違和感がない。
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つぶさに眺めれば誤字も多いのだが、気にならないほどだ。
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注文は、タッチパネル式の券売機で行う。軽食系のメニューが充実していて、「EKIBEN」と名づけられているのがかわいい。
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細かい現金がなく困っていたら、他のお客さんに、店員さんが両替のお願いをしてくれた。ひとつひとつの親切が、嬉しい。
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フレンチトーストとアイスコーヒーを手に、屋上のテラスに上がった。
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ボゴール線を行き交う電車を眺められる特等席。
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アイスコーヒーが缶飲料風になっているのもユニーク。暑い中、汗だくで歩いてきた身にしみる。フレンチトーストは、特に可もなく不可もなくの味。
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かように鉄道好きの心くすぐるカフェなのだが、実は首都圏を中心に複数店舗を構えるチェーン店だ。市井の人々に、山手線のデザインが「クール」に受け止められていることを示唆する。
日本が外貨で稼ぐヒントは、海外のなんでもない街に転がっているのかもしれない。
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