2025/03/10 - 2025/03/10
59位(同エリア336件中)
マリアンヌさん
- マリアンヌさんTOP
- 旅行記372冊
- クチコミ25件
- Q&A回答1件
- 348,519アクセス
- フォロワー141人
今年は少し春が遅れているようで、都内の河津桜がやっと咲き始めたと聞き、以前から行ってみたかった桜神宮へ出かけました。
それからちょっと気になった展示会を見に麻布台ヒルズへ。
その後、蔵前神社のミモザと河津桜を見に行きました。
東京散歩の一日でした。
-
天気予報で晴天だというので、早めに家を出発して桜新町へ。
-
御朱印をもらう方々でしょうか、既に長蛇の列だった。
-
お社の両脇の河津桜、満開だね☆
-
神代より脈々と受け継がれる古式神道を蘇らせるためお祭りだけを行う神社でなく、御祭儀もしながら人々に対する布教をもしっかりとできるように明治天皇より勅許を得て、教派神道十三派の一派を立てたとのこと。明治に創建されたんですね。
-
ピンク色がとても見事。
-
ちょうど満開で良かった。
-
願い事を書いたピンクの花帯を桜の木に結ぶとえんむすびのご利益があると言われているそうな。
-
ペットと記念写真を撮る方もあり大混雑だった。
-
青空に映える。
-
しだれ桜みくじとのこと。
-
ずっと来てみたかったので、満開の河津桜が見れて良かった。
-
ちょっと寄り道、カフェへ。
15分ほど待ってから案内された。
<OGAWA COFFEE LABORATORY> -
お洒落な雰囲気で、モーニングとしてやまと豚ハムと平茸の炭焼きグリル 炭焼きバタートースト添えをいただいた。美味しかった。
そして美術展を見に神谷町へ移動。 -
美術展をネット検索していて興味を惹かれてやって来た。
松山 智一(MATSUYAMA TOMOKAZU)さんとは…展覧会HPより
現代美術家。1976年岐阜県生まれ、ブルックリン在住。絵画を中心に、彫刻やインスタレーションを発表。アジアとヨーロッパ、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素を有機的に結びつけて再構築し、異文化間での自身の経験や情報化の中で移ろう現代社会の姿を反映した作品を制作する。
https://www.tomokazu-matsuyama-firstlast.jp/ -
<Homecoming Day> 1コーナーキャプションより
最初の展示室では、<Fictional Landscape (仮想風景)> シリーズの第1作 We Met
Thru Match.com )(2016) や、装飾的な立体作品 This is What It Feels Like (2023) など古今東西の膨大な情報をリサーチしモチーフや技法を「サンプリング」して作品に引用するアプロプリエーションといわれる手法で世界の注目を集めた、松山の主要な作品を紹介する。
作家による本展示室のタイトル「Homecoming Day」は、アメリカの高校や大学で卒業生が母校に戻り在校生と交流する伝統行事「帰郷の日」に因んでいる。そこには、マイノリティから見たアメリカ社会へのアイロニカルな感情、あるいは松山が自分のルーツに向き合う意味合いもあるかもしれない。空想的な物語世界へ観客をいざなうこの展示室の作品たちには、松山の作品に共通するモチーフやテーマ性が現れ、最新シリーズ First Last へ続く松山のキャリアの源流を示す -
Say You, Say Me, 2023 キャプションより
高さ5mの長大な画面 (本展では横並びに展示)に、樹木の枝の上で、ファッション誌から飛び出たようなポーズでくつろぐ2人の若者が描かれている。上に向かって曲線的に伸びる樹木の周りをジグザグに飛翔するチドリが、観客の視線を上下左右へと矢印のように誘導する。画面下から上にいくに従って、背景色がタ暮れから夜、白昼へと移り変わり、目線の移動とともに時間の経過、または空間の変化が暗示される。
左右に分かれながら、縦長の空間を花鳥や木々が動的に生き生きと描かれるなか、互いに距離のある位置にゆったりと留まる本作の2人は静的であり、やや緊張感も漂う。
友情が孤独から救済してくれることを歌ったライオネル・リッチーのヒット曲 「Say You,Say Me」(1985) にちなんだタイトルを借りれば、現代の異種混交的な情景のなか、適切な距離を保ちながらともに上を目指す、 現代的な仲間の関係性も見えてくる。 -
初めて知った美術家、とにかく彩り鮮やか。
百合がきれいだし、鳥は屏風絵のよう。 -
We Met Thru Match.com 2016 キャプションより
横幅6m の大画面の左右に佇む2人の若者は、手紙を手にお互いを見つめ合っている。タイトルの「Match.com (出会い系サイト)で知り合った」によって、親密な関係が暗示され、色鮮やかに周囲を埋め尽くす多様な花木や鳥が、2 人だけの濃密な世界を観客に想起させる。
狩野派や土佐派など日本の絵画から花鳥のモチープを引用した本作は、元になった屏風絵や襖絵のように横長の画面で、鑑賞者を絵画の内側に引き込む。伝統的な絵画様式や情景描写を、出会い系サイトで知り合ったという極めて現代的な文脈で改めて立ち上がらせることで、 新たな美術史の道筋を示しているともいえるだろう。
松山はまた、アンリ・ルソーの く夢>(1910)に本作の着想を得ており、ルソーの愛人が見た夢の中のジャングルレという2 人だけの詩的な世界に共鳴しつつ、出会いの概念がバーチャルかつグローバルに広がる現代における、愛情や親密性の在り方を表現した。
フイクショナルーランドスケープ (仮想風景)シリーズの第一作にして、最大の本作は、松山の絵画の可能性を拡張した代表作。 -
確かに狩野派などの屏風絵の華やかさが感じられる。
なんと屈む人の持つ手紙は、出会い系サイトで知り合った暗示とは、面白い。 -
相手となるこの方の手にも手紙。
ネットで出会うのは恋人だけでなく、友人などもある現代、そうした状況ではアナログな時代には考えられなかったことも起こったりするよね。 -
紺色系の背景には、ダマスク柄の壁紙のようでもあり、面白い。
-
美しき花鳥風月。
-
He Sits She Reads 2023
-
<Fictional Landscape> 2コーナーキャプションより
2016年に始まった Fictional Landscape (仮想風景) シリーズは、2023年に弘前れんが倉庫美術館と宝龍美術館 (上海) で開催された同名の展覧会で大きな注目を集めた。タイトルが示す通り、本シリーズに共通する特徴は、現実離れした空間に人物が佇む、西洋の肖像画のような構成である。
弘前での展覧会の邦題「雪月花のとき」が示すように、作品には東洋の美意識を示す意匠がふんだんに採り入れられている。それらを多様な文化や時代のモチーフと混交させることで、松山が「時間と文脈、地域性から解放してくれる」と語る光景が出現する。そして、曲線を帯びた変形カンヴァスが、まるでその架空世界をのぞき込む窓のように、見る者の目を引き付ける。 -
20 Dollar Cold Cold Heart 2019 キャプションより
オフロード車 (シトロエン・メアリ)の後部でポーズをとる2人は、簡易化されて読めない表情でこちらを見つめる。背景には高い壁のようなフェンスが立ちはだかり、手前の地面には撃ち落とされたような蝶の死骸や、図鑑から引用した生き物のイラストがちりばめられている。一方で、 有刺鉄線越しにはのびのびと茂る木々や鳥が垣間見え、立ちはだかるフェンスが異なる2つの世界を隔てているようだ。
車のリアミラーには2人の人物の視線の先にある地平線と月が映っており、タイトルの
「20ドルに冷え切った心」が示す物語を想像させる。絵の中に鏡を描く手法は、例えばヤン・ファン・エイクの アルノルフィーニ夫妻像 (1434) では画家自身の姿や、ベラスケスのラス・メニーナス(1656) では他者の視点を映し出すために用いられているが、本作の鏡が映すのは、特定の人物像ではなく、観客の想像に委ねた広大な情景である。2人が見つめる景色を知ることで、曖昧だった表情に明らかな意思が浮かび上がってくる。それは、なにかの始まりかもしれないし、終わりなのかもしれない。 -
Sing It Again Sweet Sunshine 2019
-
Call The Days Heaven 2024 キャプションより
トロビカルレな色彩やモチーフが印象的な本作は、タ暮れの浜辺でポーズをとる2人の若者を描いている。画面上部には、田中一村 (1908-77)の アダンの海辺(1969)から引用された奄美のアダンの木が2人を覆うように生い茂る。写実的に描かれた植物が目を強く引き、画面に南国的な空気感を与える一方で、 沈みゆく太陽と満月が同時に描かれ、海岸の岩場は合わせ鏡のように左右対称に反転するなど、2人がいるのは、ここではない架空のランドスケープであることを示唆している。
松山は、既存の作品からモチーフを模写する際、立体感の表現や写実と意匠性のバランスを通じて、その作家と身体性を共有する瞬間があると言う。本作を制作しているときも、全身全霊をかけて描くことに取り組んだ田中一村の、ひとつひとつの筆遣いに込められた情熱と、自然に対する深い洞察が身体から伝わったと語る。タイトルの「天国のような日々」が、誰にとってのものなのか想像が膨らむ。
昨年、田中一村展で感動したことが彷彿される。 -
Counterfeit Artist 2024
カーテン柄が可愛い。セザンヌへのオマージュのようなカンバスが見える。 -
Sacrifice Suddenly 2023
-
Divergence Humble Solitaire 2024 キャプションより
ミッドセンチュリーモダン調のインテリアが置かれた部屋に1 人の若者という、松山の作品のなかでもシンブルな構図の作品。青色の基調でまとめられた室内に、尾形光琳 (1658-1716) の絵から引用したオレンジ色の蝶々が舞い、ペットやスタイッシュな家具に囲まれながら、こちらを向く人物の表情はどこか寂しげに見える。Fictional Landscape (仮想風景) シリーズでは珍しく、背景の家具や調度品に細かく影が描写されているので人物が置かれた空間は把握しやすい。
人物に寄り添う2匹の犬と台の上に置かれた果物は、それぞれ広告写真と17世紀方オランダの静物画から引用されている。こうした、松山が「サンプリング」と呼ぶ借用したイメージには影がないため、別の絵から切り取って貼り付けたような違和感がある。様々なモチーフで画面を埋め尽くす表現方法からー転し、シンブルな構図の中で陰影描写とサンブリングを使い分ける新しい引用の手法は、松山の今後の作品への影響を予感させる。 -
Reflection Swim Of Sea 2023
-
Blue Monday Frosl 2023
-
Hello Open Arms 2023 キャプションより
中庭を囲む回廊のような場所に、2人の若者が佇んでいる。背景には田中一村 が描いた奄美のハッカナョウ (ムグドリの仲間)、柱頭のある柱、芍薬を描いた大壺、奥の暖炉なとが、左右対称に配置されている。対称性のある構図は、松山の作品においてたびたび光景の非現実性を際立たせる意図で用いられてきた。特に本作では、2本の柱が鳥居や門の役割となって、見る者と作品世界の境界を示しているようである。
タイトルは「気前よく迎える」といった意味であるが、同時に「Open Arms」 は「銃を構える」と訳すことができる。松山はこういった言葉遊びを一種の「頓知」だという。しかし、タイトルのアイロニーは、平和で受容的な意味と同時に、警戒感や緊張感をシーンに与え、色彩豊かな空間と見る者の間にある距離を際立たせる。見直せば、中庭でくつろいでいたはずの人物も、どこか身構えた表情に見えてくる。 -
柱頭のある柱やイタリアを思わせるアーチの回廊は好きなモチーフだけど、言われてみれば鳥居のような結界も面白い。
「Open Arms」 は「銃を構える」とも訳すことができるんですね、そうすると身構えているように見えるから不思議。 -
そこここにオブジェが飾られていた。
-
MLBや大谷を思わせる野球モチーフも。
-
<Broken Kaleidoscope> 3コーナーキャプションより
まるでアリスが自いウサギを追いかけて迷い込んだ不思議の国のようなこの展示室は、松山による最新のインスタレーション作品 (Broken Kaleidoscope ) (2025)である。イギリスの伝統的なフローラル壁紙を引用したパターンが空間を囲み、手のひらサイズの磁器人形を巨大化させた立体の数々が点対称に配置されている。本作は、観客が視覚的に迷い込み、上下左右の感覚を失うかのような没入空間を作り出し、現実と虚構が交錯する多層的な視党体験をもたらす。
数々の彫刻は、東洋の磁器制作の技術がヨーロッパに渡り、貴族の嗜好品となった磁器人形をモチーフにしている。現在は近代化に伴い、廉価で中国や日本で大量生産されている磁器人形は、東洋と西洋を行き来しながら発現した文化の複雑な成り立ちを象徴する。
展示室タイトル「Broken Kaleidoscope (壊れた万華鏡)」には、情報や文化が断片化しながらも再び統合される動的な美が込められている。本作は、具象画と抽象画、そして記号の分解と再編を行き来する松山が次の展示室で提示する、(Fictional Landscape (仮想風景)) 以外の作品シリーズの展開を予兆させるものとなっている。 -
イギリスを感じる花模様の壁紙、確かに不思議の国のアリスを思い出す。
-
天井からも陶器が下がっていて不思議な空間。
-
<Pan-Am Spiritual> 4コーナーキャプションより
Pan-America (汎アメリカ) の精神性や信仰について、その多様性と同時にある表面的な浅薄さを松山は作品で頻繁に主題に扱ってきた。本展示室では、千羽鶴と様々なモチーフを分解、再構築した。 Keep Fishin' For Twilight (2017) や、バンデミックによるロックダウンのさなかリモートでスタジオチームと制作した Cluster 2020(2020)など、個のつながりや祈りといった千羽鶴の精神性をも顕在化させた抽象作品シリーズ Sun Danceが展示されている。また、これまでパブリックアートとして展示されてきたステンレス鋼製の立体作品 Dancer (2022) が展示されており、鏡面仕上げの表面に行き交う人々の姿を取り込んで多様な時代の様相を映し出す。
1920年代から1970年代までは米国の航空業界を独占していたかつてのパンアメリカン航空の愛称 (Pan-Am) をもじったタイトルは、米国の高度成長期の終焉と米国を中心としたPan America (汎アメリカ)精神を皮肉に捉えている。松山はグローバル化する世界で、日本や非西洋の価値観や信仰がどのように映るかを探る。 -
Keep Fishin' For Twilight 2017 キャプションより
あまたの色彩の断片を寄せ集めたような画面を丁寧に観察すると、松山がたびたび描く騎馬像の馬の目や、鳥のくちばしと頭らしき形が視認できる。これら生きものの有機的な曲線や円形に、さらに千羽鶴をモチーフにした幾何学的な直線や多角形が入り乱れる。
この色彩の渦の中で、個々の断片はその由来や意味を失い、平等な光源となって鑑賞者の前に現れては消え、視線を散乱させる。
松山の具象絵画は、古今東西の視覚素材から引用した様々なモチーフを読み解くとで、背後にある物語を想起させるが、本作のように細かく断片化され、カオティックなモザイク状に配置された抽象絵画は、全体の印象を捉えることが重視される。
本作で松山は、圧倒的な情報量を伴う自身の具象画の表現技法を、抽象画として再構築している。ひとつひとつに祈りを込めた折り鶴が集積し、物質に精神が宿る千羽鶴のように、抽象の概念に無数の「個」を存在させることで、独自の抽象表現へと向かう作品といえよう。 -
拡大してみて。
-
Dancer 2022 キャプションより
続面仕上けされたステンレス鋼製の表面に映り込む空間の動きや色をも作品の一部とし、設置された環境によって姿を変える本作は、松山が考える装置としてのバブリッグアートとして、ニューヨークのフラットアイアンプラザなど公共空間で展示されてきた。多層的なイメージが自在に舞い、素早い動きで宙に軌道を描く姿は、踊り子 (Dancer)そのものの表象ではなく、踊りという身体表現を詩的に探求した結果である。
松山は、公共空間におけるアートの意義を考えるときに、その環境に置かれた人々について考える。動的な身体表現の中に多様な人々の色や形が鏡面に映り込み、角度によっては奥行きの輪郭さえ曖昧になる本作は、古くからコミュニティの中に連帯感と特殊な精神状態をもたらした「踊り」という行為の儀式性を現代に蘇らせ、さらに環境と人との対話を促す作品ともいえるだろう。 -
こんな作品も。
-
Passage Immortalitas 2024 キャプションより
M字型の変形カンヴァスと中央の奥行きのある描写によって、部屋の両側が飛び出したような錯覚を与える。画面の左右と中央のパートをつなぐように、半門形のソファがぐるりと置かれ、その上で男女が互いに手を取り合おうとしている。タイトルの「不死への道」といった意味から、中央の黄色い廊下とその奥のアーチ型の扉が、アート作品の不死、つまり時代を超えて後世に語り継がれる運命への突破口にも見える。
本作を含む First Last シリーズは、これまでの作品に通底する古今東西のモチーフの引用に加え、作家のルーツに関わるキリスト教を画題に取り込むことで、自身のアイデンティティに向き合う姿勢が核となっている。本作では、大天使ガブリエルが降臨しマリアが聖霊によってキリストを妊娠したことを告げる場面を描いた、ボッテイチェリの チェステッロの受胎告知(1489-90) を引用している。西洋美術史において、多くの画家が「受胎告知」の主題のもとに、処女懐胎による純白さや優美さを表現することで、人間の情欲を戒めキリストの神性を象徴するイコンを生み出してきた。
しかし、室内には食べかけのピザやポテトチナッブス、プロテインの袋のほか、美術や建築の書籍が散らばっており、食欲や知欲を断ち切れない生活の痕跡もある。
また、奥の白いアーチ型の扉の左右に飾られた、會我蕭白の龐居士、霊昭女図屏風 (見立久米仙人(1759)から引用した2点の絵は、空を飛んでいた久米仙人が若い女性の白いふくらはぎに目を奪われ、神通力を失って落下したという、「今昔物語集」の説話を描いたものである。
本作のなかの人の欲望を象徴する要素と、中央に仕込まれた、まるで「モーセの海割り」のように室内空間を割って新たな道が現れるという演出は、作家が「これらは見る作品ではなく、読む作品である」と語るように、大胆な読み解きを見る者に促す。自身の精神的背景をもとに、「芸術の不死」に寄せた眼差しを表現した作品。 -
ネットでこの受胎告知の絵に興味を惹かれてやって来た。
食べかけのピザや書籍が散らばっており、食欲や知欲を断ち切れない生活、空を飛んでいた久米仙人が若い女性の白いふくらはぎに目を奪われ、神通力を失って落下したという、今昔物語集の説話など面白いピースに溢れていて想像力をかきたてられる。 -
壁の色彩や室内の彩りに惹かれる。
-
寒色系の壁も良い。
-
大天使ガブリエルやテーブル下の和柄がきれい。
-
着物を纏ったようなミクスチュアなマリア。
-
<First Last> 5コーナーキャプションより
本展示室では、松山の最新シリーズFirst Lastを中心に、近年の松山の作品を展示する。エッシャーの騙し絵のように複数の場所をつなぎ合わせた背景と、西洋名画のシーンを現代的な装いで再演する人物が特徴のFirst Lastをはじめ、Equestrian (騎馬像)の新作など、そびえ立つようなズケールと緻密なデイテールの描き込みで、見る者に没入感を与える。
幼少期の海外生活を経て日本でよそ者として扱われた松山は、単身渡米後も外国人というレッテルと向き合い、日常的に他者として不平等や不条理を目の当たりにしてきたという。また、First Last というタイトルは、だれもが等しく神に救われることを教える「後の者が先になり、先の者が後になる」という聖句にちなんでおり、クリスチャンの両親の元、どのようにして人々は現代に数済を求めるべきか松山は考えてきたという。
このシリーズでは、二極化による分断や対立の深化、ジェンダー平等が引き起こすパラドグス、情報操作やフェイクニュースの蔓延、浮遊するアイデンティティといった問題と直面する混純とした今の時代を、ルネサンス期や近世の絵画の主題を参照しながら批評的に捉えることを試みる。
松山が長年続けてきた Equestrian (騎馬像)シリーズから近年の絵画の大作や立体作品も本展示室では展示されており、東西の美術史の中でもたびたび争いや権力のプロパガンダとして画題にされてきた騎馬像のモチーフに対して、本展示室の救済のテーマが再解釈を促す。 -
Catharsis Metanoia 2024 キャプションより
大胆な変形カンヴァスには、左側にアメリカの邸宅、右側に日本家屋を思わせる室内が描かれ、中央の家具の輪郭に沿ってつなぎ合わされている。それぞれの空間に座る2人は、別々の方向を見ており、互いの存在に気づいていないようだ。
2人の間に亡霊のように立ちはだかるのは、ジョー・ローゼンタールが撮影した (黄島の星条旗) (1945) のシルエットである。今年80周年を迎え、たびたびメディアでも取り上げられる日本の敗戦を意味するこの写真は、海兵隊戦争記念碑などに再現され、アメリカで平和の象徴として扱われている。その他にも、戦時中のアメリカ海軍のマスコットが描かれたヘルメットや、メトロポリタン美術館の東洋陶磁コレクションを模した本棚など、東西で意味の二重性をもち、日米の力関係を暗示する様々なモチーフが、画面のあちらこちらに配置されている。
タイトルの「メタノイア」は、心の変化という意味とと古に、キリスト教における過去を悔い改める「回心」の意味をもつ。本作について、「(それでも)アメリカがすべてを与えてくれた」と松山が語るように、牧師である父親のもとで育った作家の精神的背景から、アイロニカルに歴史を見つめた作品ともいえよう。 -
黄島の星条旗のシルエット、アメリカでは平和の象徴なのね。
日米の力関係を暗示する様々なモチーフ・・・
トランプ大統領率いる現代アメリカ、力関係は変わっていない気がする。 -
戦時中のアメリカ海軍のマスコットが描かれたヘルメット、ミッキーマウス風なのね。画家の生い立ちが煩雑で幼少期の海外生活で日本ではよそ者として扱われ、渡米すればマイノリティな外国人、嫌でも世界の国家や民族について考えただろうし、牧師である父親のもとで育ちキリスト教についても考察したり懐疑的な思いも抱いただろう。
-
Lost Full Cycle 2024 キャプションより
複数の建築雑誌から引用した階段のイメージを組み合わせて描いた、果てしなく上へと続ような大階段が目を引く。鋭い光が窓から差し込むその中で、2人の若者が背を向けて階段を下から駆け上がり、その先ではもうひとりが、首を傾げ、ポケットに手を入れて見下ろしている。3人は同一人物にも見え、上へと視線を導く階段によって、画面が若者の成長評を表現した作品にも見える。
松山の作品を特徴づける吹雪とともに、本作で繰り返し描かれているシマウマ横様は、戦後的ら文化人に愛されてきたニューョークの名物イタリア料理店の壁紙を模したもので、近代アメリカの急速な経済成長やアメリカンドリームといった、人物の背景が暗示される。
階段の上部では、ドイツの画家ジグマー・ポルケ (1941-2010) がアメリカの高度成長への皮肉を込めて描いたヤシの絵 (1964) が待ち受ける。その前に佇む達観したかのような人物は、まるで「階段をとこまで上がれば気が済むのか」と冷ややかな問いを見る者に投げかけてくるようた。 -
Bring Home Stratus 2024 キャプションより
First Last シリーズの一作。ビバリーピルズに実在するスペイン植民地時代のリバイバル建築の中庭と、京都の旧三井家下鴨別邸のイメージを、まるで増築するようにつなぎ合わせ、洋の東西で大きく異なる富と豊かさの象徴としての建築を、画面のなかに共存させた。さらに複数の四角形を組み合わせた変形カンヴァスには、奄美を描いた田中一村 (1908-77) やバルビゾン派のコロー (1796-1875)の風景画に取材した草木や鳥のモチーフも現れ、自然の豊かさも軍要な要素となっている。
中央の2人の若者の構図は、イタリアのバロック期の画家アンニーバレ・カラッチの キリストとサマリアの女(1594_95)からの引用で、 新約聖書でイエスが井戸の前で出会った (ユダヤ人と対立する)サマリア人の女に永遠に渇きのこない「生ける水」を与え、女がイエスは救世主であることを悟るシーンである。聖書では、宗教や民族、性の垣根を超えて平等に救いが与えられることを説くが、本作の若者の間には、まるで2つの異なる情景を強引につなぎ合わせたようなイメージのズレが仕込まれており、2人は全く別の役を与えられている。
京都の旧三井家下鴨別邸も懐かしいが、キリストとサマリアの女が暗喩されているとは・・・ -
United We Stand Divided 2024 キャプションより
ヴィヴィッドな赤い地に、ホットドッグスタンドの車輪部分に頭をのせて休む人物が描かれている。 松山がしばしばモチーフにするウイリアム・モリス (1834-96)の壁紙の花鳥柄で埋め尽くされた背景が、近年の作品では珍しい平面的な印象を与える。パラソルに宣伝文句のごとく書かれた本作のタイトルを直訳すれば「団結して立ち分裂している」という意味になり、移動販売で疲れ果てたように見える人物と相まって、その謎は深まるばかりだ。
アメリカの独立戦争時のスローガンにもなった「United We Stand, Divided We Fall (立ち上がり一致団結し、分断したら総倒れとなる)」にちなんだものであるが、松山が込めた意味は「それぞれが自立しながらも団結して立ち上がる」といったニュアンスに近い。
松山スタジオのメンバーが着る制服にもこの文がプリントされており、ニューヨークの移動型のホットドッグスタンドのイメージに、特定の所属を持たずに活動してきた松山の現代的な姿勢を重ねた象徴的な作品である。 -
Black Mao,Yellow Beuys 2023 キャプションより
合わせ鏡のように対になった階段下の空間にそれぞれ人物が佇み、2つの空間は縦長の画面で分断、またはつなぎ合わされている。中央の人物は、シャンデリアや花柄の壁紙など洋風の装飾を施した舞台装置のような背景に、歌川国貞 (1786-1865)の役者絵に着想した豪華なジャケットをまとい、作品の中心にまるで主役のように君臨する。
壁には、ポップアートの旗手アンデイ・ウォーホル (1928-87)の Mao) 1972-73)とJoseph Beuys(1980)をもとにした、黒人になった毛沢東、アジア人になったヨーゼフ・ボイス (1921-86)の肖像画が飾られている。本作を通じて作家は「人種が違えば歴史はどのように変わっていただろう」と想像する。松山は、たびたび移民としての体験をもとに、人種や属性に左右される社会やアート業界での待遇をテーマに作品を制作してきた。中央の第3の人物は、歴史を巻き戻し、救済を与える役割にも見えてくる。 -
背景や服の柄がきれいで目を引いたが、解説を読むと救世主のようにも見えてくる。
-
黒人になった毛沢東なのね。
人種が違えば歴史はどのように変わっていただろう、深い問題だ。
アート業界も人種や属性に左右されるのね。 -
You, One Me Erase 2023 キャプションより
横幅6mにも及ぶ大画面に、空想上の室内で様々なポーズをとる複数の人物が描かれている。壁にかかった個々の絵画や、内装模様、人物に至るまで、すべてのモチーフは、松山が「サンプリング」と呼ぶ過去のメデアからの引用やパロディで、引用数においてこれまでの作品で最も多い。
壁にかけられた数多の作品のなかに、フランスでも日本でも外国人として差別された藤田嗣治 (1886-1968)、権力とアイデンテイティに対するフェミニズム視点からの大胆な批評で知られるバーバラ・クルーガー (1945-)、同性愛者として作品を発表し、エイズで亡くなったアメリカのフェリックス・ゴンザレス=トレス (1957-96)らの作品のパロディが見てとれる。松山は本作で「自身のアイデンティティと戦わざるを得なかったアーテイスト」を引用し、過去の画家に自分自身の経験を重ねている。本作の大壁はさながら松山によるアートコレクションのようだ。
画面下部では、西洋画に見られる複数の聖書の場面が構図ごとに引用され、現代の装いをした「役者」によって再演される。例えば、左で片手に生首をもつ者は、グスタフ・クリムトの ユディトⅡ (1909)、中央右でおしやべりに興じる2人はロセッティの 聖母マリアの少女時代(1849)、右側の片足を抱えあげて座る女性はティントレットのイスザンナと長老たち(1555-56)からの引用である。これらの物語に共通するのは、女性が主役として聖書の教えを説いているところであり、本作では従来の権力構造と向き合うエンパワーメントが象徴されている。
このように、様々な文脈のイメージが呼応し合い、饒舌で忙しない光景を繰り広げる本作は、松山が引用手法を駆使して思い描くグローバルで平等な世界を表した曼荼羅図であり、そのなかで美術が果たす役割を明らかにした代表作といえよう。 -
中央部を拡大して。
西洋絵画からのサンプリングやデティールが好きだなぁ。 -
左側を拡大して。
-
右側を拡大して。
-
藤田嗣治や草間彌生、北斎も見える。
-
美術について造詣が深くないので、もとの作品はわからないけど、まさに松山によるアートコレクションのよう。
-
カラヴァッジョのホロフェルネスの首を斬るユディト でしょうか。
-
グスタフ・クリムトの ユディトⅡからだね。
-
片足を抱えあげて座る女性はティントレットのイスザンナと長老たちの引用なのね。
中央右でおしやべりに興じる2人はロセッティの 聖母マリアの少女時代からだったのか・・・ロセッティ好きだけどわからなかった。 -
We The People
アメリカのスーパーマーケットを舞台にした本作には、ジャック=ルイ・ダヴィッドのソクラテスの死やマラーの死から引用されたモチーフが大きく描かれている。 -
アメリカの食品業界や製薬業界が抱える社会問題を示唆するような作品。
-
ダヴィッドのソクラテスの死なのね。
-
ダヴィッドのマラーの死だね。
-
緻密なドラッグストア製品。
-
Soul Miner
-
下は、The Fall High
色鮮やかに描かれた人馬が颯爽と大草原を駆け抜ける西部開拓時代を想起させる騎馬群像。
ここで2階の展示は終了。興味深い展示だった☆ -
1階では動画1展の隣にコラボ作品が飾られていた。
ファッションから
クマ型のフィギュアBE@RBRICK。
ゆずのアルバムPEOPLEまで。 -
最新ゾーンの麻布台ヒルズ、お洒落な店が立ち並ぶ。何かと思ったらはちみつ屋さん。
-
お洒落な空間。
-
ここにも桜が咲いていた。
まだ日も高いので、昨年に続き、蔵前神社にも行ってみることに。 -
蔵前から徒歩数分、やはり大人気、人が溢れていた。
-
こちらの河津桜も昨年より1週間ほど満開が遅れていたよう。
-
黄色いミモザと濃いピンクの河津桜がとてもきれい。
-
もこもこのミモザ、可愛いね。
花粉症の方はちょっと痒くなりそうな画像だけど。 -
今年も見れて良かった☆
-
参拝も長蛇の列だった。
椿の狭間からミモザと桜が垣間見れて素敵だった。 -
気になるお店が集まるウグイスビルへ。
ビルの2階の北欧ヴィンテージショップはお休みだった。 -
ブリザードフラワーのお店を覗いてみた。
立ち寄ろうと思っていた喫茶半月は、外に6組くらい並んでいて諦めた。 -
チェックして別のカフェへ。
<feb’s coffee&scone Blucca> -
奥には植物も販売されていて癒やされた。
クリームティーをいただいた。 -
とある別の日、友達と代々木上原に行く機会があったので、以前から行って見たかった東京ジャーミイへ。
巨大なドームが特徴のオスマン帝国スタイルを採用している。建築を担当したのはトルコの建築家ヒリミィ・シェナルプとのこと。 -
信徒以外の方もお気軽にお越しくださいとのことで、スカーフを持参してきた。
-
モスクの回廊ですねぇ。
-
美しい堂内。
エジプトのカイロで見たモスクを思い出した。 -
コンパクトだけどシンプルで美しい。
アラビア語で書かれたコーランの一節などがカリグラフィーで書かれて装飾となっている。 -
プラスター(石膏)ウインドーといわれる窓のステンドグラスから降り注ぐ光がモスクの中を優しく包む。
-
軽くランチにカフェへ。
<ファイヤーキングカフェ>
アジアンなメニューもあり、フォーをいただいた。
身近にある東京だけど、散歩するところはまだまだ多い。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
展覧会
-
YANESENそぞろ歩き
2016/06/19~
谷根千
-
ポールスミス展に行って来ました!
2016/08/19~
上野・御徒町
-
ロックの殿堂ジャパンミュージアム
2017/11/01~
銀座・有楽町・日比谷
-
ロセッティに魅せられて
2019/05/30~
丸の内・大手町・八重洲
-
久しぶりの展覧会
2020/07/17~
上野・御徒町
-
東京散歩(ポンペイ展と花手水)
2022/02/23~
上野・御徒町
-
浮世絵劇場 from Paris 異空間へワープ
2022/02/28~
所沢
-
東京散歩(メトロポリタン美術館展、乃木邸)
2022/04/16~
青山
-
デジタルアートでゴッホの生涯を感じて・・・
2022/09/07~
所沢
-
東京散歩(昭和記念公園&エゴンシーレ展)~色彩に溢れたチューリップの絨毯
2023/04/04~
立川
-
魅惑の『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展
2023/04/14~
木場・東陽町・清澄
-
「超複製品」の展示でツタンカーメンを体感
2023/10/18~
所沢
-
東京散歩(皇居乾通り一般公開&ゴッホと静物画展)
2023/11/30~
丸の内・大手町・八重洲
-
東京散歩(山の上ホテル閉館、蜷川実花展&花手水)
2024/02/16~
御茶ノ水・本郷
-
東京散歩(昭和モダン×百段階段展&神楽坂そぞろ歩き)
2024/03/24~
目黒
-
東京散歩(昭和記念公園のチューリップ、根津神社のツツジ&マツオヒロミ展)
2024/04/25~
立川
-
横浜散歩(エミール・ガレ展&山下公園と港の見える丘公園の薔薇)
2024/05/05~
横浜
-
東京散歩(NHK朝ドラ「虎に翼」展&旧古河庭園の薔薇)
2024/05/10~
大塚・巣鴨・駒込
-
アール・デコの館に響きあうアイアンとガラス
2025/01/09~
白金
-
モネ展とジヴェルニーの思い出&国立西洋美術館常設展
2025/01/09~
上野・御徒町
-
東京散歩(桜神宮と松山智一展と蔵前神社)
2025/03/10~
麻布
-
東京散歩(正倉院展&オルセー美術館展)
2025/11/07~
上野・御徒町
-
東京散歩(ユトリロ展&アンティークカフェ)
2025/11/14~
新宿
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
麻布(東京) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 展覧会
0
97