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2022年5月19日(木)朝の8時40分ちょっと頃、参議院議員会館の向かいの国会議事堂参議院見学入口へ(下の写真1)。事前に9時からの見学を申し込んでおり、20分前から受付なので、セキュリティチェックを経て参議院参観ロビーへ進む。<br /><br />国会議事堂はもちろん日本の国会が開催される議事堂。1936年(昭和11年)に帝国議会の新議事堂として建設された。江戸時代には安芸広島藩浅野家上屋敷などがあった場所。<br /><br />鉄骨鉄筋コンクリート造り。中央塔を除く大部分が地上3階建て、中央塔が4階建てで、塔屋最上部まで含めれば9階建て。建物は中央塔を中心に左右対称形を成しており、正面(東側)に向かって左側に衆議院、右側に参議院(旧貴族院)が配置されている。<br /><br />敷地はほぼ長方形で、前方部は広く庭園や車寄せに取られており、衆議院側・参議院側それぞれの後方部には事務局や委員会室などが入居している別館と分館が設置されている。竣工当時は西側を底辺とする三角形状の敷地で、1960年代に現在の大きさに拡張されてた。<br /><br />外装は3種類の花崗岩を使った石積みで、内装には33種類の大理石、2種類の蛇紋岩をはじめ、沖縄県宮古島産珊瑚石灰岩、橄欖岩、黒髪石、尾立石、日華石などが使用されており、こうした石材は日本全国から取り寄せられた。特に外装に多く使われたのが広島県倉橋島の桜御影と呼ばれる桜色をした御影石で、議事堂に使用されたことから「議院石」という呼び名もつけられている。また、天皇の休憩室には静岡県島田市産の紅葉石が使用されている。<br /><br />参議院参観ロビーは参議院の見学ツアーでのみ訪れることができるところで、参議院の前身である貴族院や議事堂の歩みなどの展示物や貴族院の開院式のときに天皇陛下がお座りになった御椅子や国会議事堂模型などが置かれている。レゴ製の国会議事堂もある。本物を模した議員席もあるのだが、コロナ禍で利用中止だった。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.25227054306937922&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br />展示物を眺めながら待っていると、小学生の社会見学の一行がやって来て、9時数分前に見学に関しての説明が始まる。この日は私以外に一般見学者はいなかった(下の写真2)。<br /><br />9時過ぎ、見学開始。まずは3階に上がり、廊下を中央塔を見上げながら進んで本会議場に。国会中継で見掛けるところね。扇状の議員席に向かって中央奥に議長席、事務総長席、演壇、速記者席があり、左右に国務大臣席と事務局職員席が並ぶ。右手奥には貴賓席が、左手奥には皇族席があり、議員席を囲む2階には報道関係者席と傍聴席がある。<br /><br />この構造は衆議院も全く同じだそうだが、唯一違うのは参議院は戦前は貴族院だったので天皇陛下をお迎えして開会式が行われるため、議長席の後ろに天皇陛下が座られる席がある。カーテン閉まっていて席は見えなかったが。衆議院本会議場では正面後ろに御傍聴席があるそうだ。<br /><br />本会議場を出て参議院中庭を見下ろしてながら廊下を南(衆議院側)に進むと中央広間の上に出る。中央広間は中央塔の真下にある中央玄関から御休所へと通じる広間。2階から6階までの吹き抜けになっており、天井までの高さは32.62mある。<br /><br />広間の四隅には台座が置かれ、そのうち3ヶ所には板垣退助、大隈重信、伊藤博文の銅像が置かれている。レッドカーペットが続く中央玄関に向かって左が板垣退助で、右が大隈重信。1ヶ所が空きとなっているのは、人選できず将来に持ち越されたが、未だにそこに置かれるのに相応しい議員が生まれてないってことかな。「政治に完成はない、未完の象徴」という意味もあるとも・・・<br /><br />中央広間から3階に上がる階段の正面に御休所(ごきゅうしょ)。天皇陛下は、開会式の当日、中央玄関から中央広間を経て、この御休所にお入りになり、両院の議長と副議長がここで陛下にお目にかかる。部屋の造作は、総檜造の本漆塗りになっているなど、当時の建築や工芸の粋を集めたもの。西隣には他の皇族の方の控室の皇族室もある。<br /><br />御休所前広間の天井は筒形になっており、ステンドグラスを入れた天窓が設けられている。御休所入口は、1つの大理石を彫り抜いており、ドア上装飾も大変凝ったもの。床の大理石モザイクは金華、茨城白、白鷹、小桜、薄雲、紅雲、鵬足、遠目鏡、美濃赤、土佐桜、新淡雪、貴蛇紋+2種類の、合計14種類の大理石が使われ、色の違う大理石を、細かく割って形をそろえ、ひとつずつ埋め込んでいって見事な模様を作り上げている。<br /><br />9時半過ぎ、レトロなエレベーターで1階に降りる。内部もピッカピカ。ただ、設備は最新っぽかった。本来(?)ならこの後、中央広間の見学も出来たようだが、この日はイベントありで行けなかったのは残念。<br /><br />参議院正玄関から玄関前庭に出て、中央玄関前の正門から外に出て見学終了。中央広間の見学が出来なかったので、40分ほどだった。国会議事堂にはこの正門の他、参議院側の北門(写真なし)と衆議院側の南門もあり、南門の前の坂道は茱萸(ぐみ)坂と呼ばれる。<br /><br />この坂に沿った武家屋敷にぐみの木が植えられていたことに由来している。また番付坂という別名もあり、山王祭の行列がこの場所に並び、山車の番付札を確認したことから名付けられた。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.25227035103606509&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />国会議事堂周辺を回るが、続く

東京 永田町 国会議事堂 参議院(House of Councillors,National Diet,Tokyo,Japan)

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2022/05/19 - 2022/05/19

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ちふゆ

ちふゆさん

2022年5月19日(木)朝の8時40分ちょっと頃、参議院議員会館の向かいの国会議事堂参議院見学入口へ(下の写真1)。事前に9時からの見学を申し込んでおり、20分前から受付なので、セキュリティチェックを経て参議院参観ロビーへ進む。

国会議事堂はもちろん日本の国会が開催される議事堂。1936年(昭和11年)に帝国議会の新議事堂として建設された。江戸時代には安芸広島藩浅野家上屋敷などがあった場所。

鉄骨鉄筋コンクリート造り。中央塔を除く大部分が地上3階建て、中央塔が4階建てで、塔屋最上部まで含めれば9階建て。建物は中央塔を中心に左右対称形を成しており、正面(東側)に向かって左側に衆議院、右側に参議院(旧貴族院)が配置されている。

敷地はほぼ長方形で、前方部は広く庭園や車寄せに取られており、衆議院側・参議院側それぞれの後方部には事務局や委員会室などが入居している別館と分館が設置されている。竣工当時は西側を底辺とする三角形状の敷地で、1960年代に現在の大きさに拡張されてた。

外装は3種類の花崗岩を使った石積みで、内装には33種類の大理石、2種類の蛇紋岩をはじめ、沖縄県宮古島産珊瑚石灰岩、橄欖岩、黒髪石、尾立石、日華石などが使用されており、こうした石材は日本全国から取り寄せられた。特に外装に多く使われたのが広島県倉橋島の桜御影と呼ばれる桜色をした御影石で、議事堂に使用されたことから「議院石」という呼び名もつけられている。また、天皇の休憩室には静岡県島田市産の紅葉石が使用されている。

参議院参観ロビーは参議院の見学ツアーでのみ訪れることができるところで、参議院の前身である貴族院や議事堂の歩みなどの展示物や貴族院の開院式のときに天皇陛下がお座りになった御椅子や国会議事堂模型などが置かれている。レゴ製の国会議事堂もある。本物を模した議員席もあるのだが、コロナ禍で利用中止だった。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.25227054306937922&type=1&l=223fe1adec

展示物を眺めながら待っていると、小学生の社会見学の一行がやって来て、9時数分前に見学に関しての説明が始まる。この日は私以外に一般見学者はいなかった(下の写真2)。

9時過ぎ、見学開始。まずは3階に上がり、廊下を中央塔を見上げながら進んで本会議場に。国会中継で見掛けるところね。扇状の議員席に向かって中央奥に議長席、事務総長席、演壇、速記者席があり、左右に国務大臣席と事務局職員席が並ぶ。右手奥には貴賓席が、左手奥には皇族席があり、議員席を囲む2階には報道関係者席と傍聴席がある。

この構造は衆議院も全く同じだそうだが、唯一違うのは参議院は戦前は貴族院だったので天皇陛下をお迎えして開会式が行われるため、議長席の後ろに天皇陛下が座られる席がある。カーテン閉まっていて席は見えなかったが。衆議院本会議場では正面後ろに御傍聴席があるそうだ。

本会議場を出て参議院中庭を見下ろしてながら廊下を南(衆議院側)に進むと中央広間の上に出る。中央広間は中央塔の真下にある中央玄関から御休所へと通じる広間。2階から6階までの吹き抜けになっており、天井までの高さは32.62mある。

広間の四隅には台座が置かれ、そのうち3ヶ所には板垣退助、大隈重信、伊藤博文の銅像が置かれている。レッドカーペットが続く中央玄関に向かって左が板垣退助で、右が大隈重信。1ヶ所が空きとなっているのは、人選できず将来に持ち越されたが、未だにそこに置かれるのに相応しい議員が生まれてないってことかな。「政治に完成はない、未完の象徴」という意味もあるとも・・・

中央広間から3階に上がる階段の正面に御休所(ごきゅうしょ)。天皇陛下は、開会式の当日、中央玄関から中央広間を経て、この御休所にお入りになり、両院の議長と副議長がここで陛下にお目にかかる。部屋の造作は、総檜造の本漆塗りになっているなど、当時の建築や工芸の粋を集めたもの。西隣には他の皇族の方の控室の皇族室もある。

御休所前広間の天井は筒形になっており、ステンドグラスを入れた天窓が設けられている。御休所入口は、1つの大理石を彫り抜いており、ドア上装飾も大変凝ったもの。床の大理石モザイクは金華、茨城白、白鷹、小桜、薄雲、紅雲、鵬足、遠目鏡、美濃赤、土佐桜、新淡雪、貴蛇紋+2種類の、合計14種類の大理石が使われ、色の違う大理石を、細かく割って形をそろえ、ひとつずつ埋め込んでいって見事な模様を作り上げている。

9時半過ぎ、レトロなエレベーターで1階に降りる。内部もピッカピカ。ただ、設備は最新っぽかった。本来(?)ならこの後、中央広間の見学も出来たようだが、この日はイベントありで行けなかったのは残念。

参議院正玄関から玄関前庭に出て、中央玄関前の正門から外に出て見学終了。中央広間の見学が出来なかったので、40分ほどだった。国会議事堂にはこの正門の他、参議院側の北門(写真なし)と衆議院側の南門もあり、南門の前の坂道は茱萸(ぐみ)坂と呼ばれる。

この坂に沿った武家屋敷にぐみの木が植えられていたことに由来している。また番付坂という別名もあり、山王祭の行列がこの場所に並び、山車の番付札を確認したことから名付けられた。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.25227035103606509&type=1&l=223fe1adec


国会議事堂周辺を回るが、続く

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  • 写真1 国会議事堂参議院見学入口

    写真1 国会議事堂参議院見学入口

  • 写真2 参議院参観ロビーでの説明

    写真2 参議院参観ロビーでの説明

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