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2022年5月18日(水)お昼前の11時40分過ぎ、鬼怒川ライン下りを終えて、下船場からの無料シャトルバスを鬼怒川温泉駅前で降りる。鬼怒川温泉駅は朝乗って来た東武鉄道鬼怒川線の駅で、元々は1919年(大正8年)に下野軌道の下滝駅として開業した。<br /><br />1921年(大正10年)に下野軌道が下野電気鉄道に改称し、さらにその翌年大滝駅に改称した。ただし、この時点では現在地でなく約1.2km北、くろがね橋の東にあり、移転前の遺構が今も残っている。1927年(昭和2年)に鬼怒川温泉駅に改称、1943年(昭和18年)東武鉄道が下野電気鉄道を買収する。現在地への移転は1964年。<br /><br />駅前広場には鬼怒太の湯と云う足湯や鬼怒太像がある。鬼怒太は2003年に日光市が元気な鬼怒川温泉をアピールするために誕生させたキャラクター。足湯は無料で、温泉街と同じアルカリ性単純温泉。鬼怒太像は環境陶芸家の藤原郁三氏の作品(下の写真1)。<br /><br />まずは歩いて5分ほどで乗船場に行く前に車で渡り、ライン川下りでその下を潜った立岩(楯岩)橋へ。1963年に鬼怒川バイパスの完成に伴い開通したアーチ橋。下流を見るとライン下りで見た高さ70m以上ある楯岩が見える。上流には鬼怒川ライン下りの乗船場の先に鬼怒川温泉のホテル街(下の写真2)。<br /><br />鬼怒川温泉は箱根や熱海と並んで「東京の奥座敷」と呼ばれる温泉。鬼怒川沿いに約40軒のホテル旅館の他、リゾートマンションや企業の保養所などが連なる。ただし、近年はバブル期の過剰投資の反動で、倒産したホテルのいくつかが廃墟となっていることが話題になっている。<br /><br />古くは滝温泉と呼ばれ、江戸中期の1691年に沼尾重兵衛が鬼怒川右岸で源泉を発見したとされる。その後、1751年から日光奉行の支配となったことから、日光詣帰りの諸大名や僧侶達のみが利用可能な温泉だった。<br /><br />明治時代になって滝温泉は一般開放され、さらに東岸にも藤原温泉が発見される。大正に入り上流の水力発電所の完成によって鬼怒川の水位が下がると、川底から新源泉が次々と発見され、1927年(昭和2年)に滝温泉と藤原温泉を合わせて鬼怒川温泉と呼ぶようになった。<br /><br />橋の半ばで引き返して川の下流に向かう。10分足らずで鬼怒楯岩大吊橋が見えて来る。2009年に完成した全長140mの通行無料の歩行者用吊橋。川面までの高さは37mあり、橋の上からは絶景が望める。下流にはライン下りで見た象岩、ゴリラ岩などが見え、上流には楯岩が見える。鬼怒川を女性、楯岩を男性に例え、男性と女性を結ぶ橋として「縁結びの橋」とも云われる。<br /><br />橋の西詰には鬼怒川温泉が行っている七福邪鬼めぐりの一つの楯鬼がある。七福邪鬼は邪気を追い払い福を招くという“邪鬼”をモチーフに造られた7体の陶像で鬼怒太と命名され、鬼怒川温泉の7ヶ所に設置されている。楯鬼は自ら楯となり、鬼怒川温泉を守り、明日へ継ぐ様子を表してている。<br /><br />橋の先から楯岩遊歩道を右手に進み、楯岩トンネルを抜けて楯岩展望台に向かう。長さ72mの楯岩トンネルは会津から東京へ向かう小佐越新道の脇道として馬頭岩をくり貫いて造られた手掘りのトンネル(下の写真3)。かつては物資の運搬は馬車が中心で、そのことからトンネル内部に馬の頭のレリーフがあると云われ、馬頭岩と云う名前になった。<br /><br />橋の西詰から5分ほどでトンネルを抜けると広場があり、ここにも七福邪鬼の一つの誕生鬼と楯岩鬼怒姫神社がある。七福邪鬼は全て子宝岩である楯岩から誕生したとされており、この誕生鬼は鬼怒太誕生の地を記念してここに設置された。<br /><br />楯岩鬼怒姫神社は今市にある森友瀧尾神社の御祭神の分神をお祀りした社殿。縁結び・安産・子宝のご利益がある。<br /><br />3分ほど掛けて楯岩展望台への階段を登る。展望台は楯岩より高い位置(川から104m)にある。手前の岩や樹木に隠れて楯岩そのものを見ることは出来ないが、鬼怒川温泉の景色は見事。頑張って歩いてきた価値はある。展望台には縁結びの鐘が設置されているが、この時は故障で鳴らせなかった。<br /><br />展望台から折り返し、橋の西詰を行き過ぎて楯岩遊歩道を逆方向にそのまま進み古釜沢へ。3段滝の古釜の滝と、下流には川の水が末広(扇子)状に見える末広池がある。古釜沢は小佐越の古釜地区を源に鬼怒川に流れ込む沢で、沢沿いに家屋などがなく、天然のイワナやヤマメが生息する清流。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.25028216030155085&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />12時半、鬼怒楯岩大吊橋に戻って、さらに下流に向かうが、続く

栃木 日光 鬼怒川温泉 楯岩(Tateiwa Rock,Kinugawa Onsen,Nikko,Tochigi,Japan)

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2022/05/18 - 2022/05/18

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ちふゆ

ちふゆさん

2022年5月18日(水)お昼前の11時40分過ぎ、鬼怒川ライン下りを終えて、下船場からの無料シャトルバスを鬼怒川温泉駅前で降りる。鬼怒川温泉駅は朝乗って来た東武鉄道鬼怒川線の駅で、元々は1919年(大正8年)に下野軌道の下滝駅として開業した。

1921年(大正10年)に下野軌道が下野電気鉄道に改称し、さらにその翌年大滝駅に改称した。ただし、この時点では現在地でなく約1.2km北、くろがね橋の東にあり、移転前の遺構が今も残っている。1927年(昭和2年)に鬼怒川温泉駅に改称、1943年(昭和18年)東武鉄道が下野電気鉄道を買収する。現在地への移転は1964年。

駅前広場には鬼怒太の湯と云う足湯や鬼怒太像がある。鬼怒太は2003年に日光市が元気な鬼怒川温泉をアピールするために誕生させたキャラクター。足湯は無料で、温泉街と同じアルカリ性単純温泉。鬼怒太像は環境陶芸家の藤原郁三氏の作品(下の写真1)。

まずは歩いて5分ほどで乗船場に行く前に車で渡り、ライン川下りでその下を潜った立岩(楯岩)橋へ。1963年に鬼怒川バイパスの完成に伴い開通したアーチ橋。下流を見るとライン下りで見た高さ70m以上ある楯岩が見える。上流には鬼怒川ライン下りの乗船場の先に鬼怒川温泉のホテル街(下の写真2)。

鬼怒川温泉は箱根や熱海と並んで「東京の奥座敷」と呼ばれる温泉。鬼怒川沿いに約40軒のホテル旅館の他、リゾートマンションや企業の保養所などが連なる。ただし、近年はバブル期の過剰投資の反動で、倒産したホテルのいくつかが廃墟となっていることが話題になっている。

古くは滝温泉と呼ばれ、江戸中期の1691年に沼尾重兵衛が鬼怒川右岸で源泉を発見したとされる。その後、1751年から日光奉行の支配となったことから、日光詣帰りの諸大名や僧侶達のみが利用可能な温泉だった。

明治時代になって滝温泉は一般開放され、さらに東岸にも藤原温泉が発見される。大正に入り上流の水力発電所の完成によって鬼怒川の水位が下がると、川底から新源泉が次々と発見され、1927年(昭和2年)に滝温泉と藤原温泉を合わせて鬼怒川温泉と呼ぶようになった。

橋の半ばで引き返して川の下流に向かう。10分足らずで鬼怒楯岩大吊橋が見えて来る。2009年に完成した全長140mの通行無料の歩行者用吊橋。川面までの高さは37mあり、橋の上からは絶景が望める。下流にはライン下りで見た象岩、ゴリラ岩などが見え、上流には楯岩が見える。鬼怒川を女性、楯岩を男性に例え、男性と女性を結ぶ橋として「縁結びの橋」とも云われる。

橋の西詰には鬼怒川温泉が行っている七福邪鬼めぐりの一つの楯鬼がある。七福邪鬼は邪気を追い払い福を招くという“邪鬼”をモチーフに造られた7体の陶像で鬼怒太と命名され、鬼怒川温泉の7ヶ所に設置されている。楯鬼は自ら楯となり、鬼怒川温泉を守り、明日へ継ぐ様子を表してている。

橋の先から楯岩遊歩道を右手に進み、楯岩トンネルを抜けて楯岩展望台に向かう。長さ72mの楯岩トンネルは会津から東京へ向かう小佐越新道の脇道として馬頭岩をくり貫いて造られた手掘りのトンネル(下の写真3)。かつては物資の運搬は馬車が中心で、そのことからトンネル内部に馬の頭のレリーフがあると云われ、馬頭岩と云う名前になった。

橋の西詰から5分ほどでトンネルを抜けると広場があり、ここにも七福邪鬼の一つの誕生鬼と楯岩鬼怒姫神社がある。七福邪鬼は全て子宝岩である楯岩から誕生したとされており、この誕生鬼は鬼怒太誕生の地を記念してここに設置された。

楯岩鬼怒姫神社は今市にある森友瀧尾神社の御祭神の分神をお祀りした社殿。縁結び・安産・子宝のご利益がある。

3分ほど掛けて楯岩展望台への階段を登る。展望台は楯岩より高い位置(川から104m)にある。手前の岩や樹木に隠れて楯岩そのものを見ることは出来ないが、鬼怒川温泉の景色は見事。頑張って歩いてきた価値はある。展望台には縁結びの鐘が設置されているが、この時は故障で鳴らせなかった。

展望台から折り返し、橋の西詰を行き過ぎて楯岩遊歩道を逆方向にそのまま進み古釜沢へ。3段滝の古釜の滝と、下流には川の水が末広(扇子)状に見える末広池がある。古釜沢は小佐越の古釜地区を源に鬼怒川に流れ込む沢で、沢沿いに家屋などがなく、天然のイワナやヤマメが生息する清流。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.25028216030155085&type=1&l=223fe1adec


12時半、鬼怒楯岩大吊橋に戻って、さらに下流に向かうが、続く

  • 写真1 鬼怒川温泉駅前

    写真1 鬼怒川温泉駅前

  • 写真2 鬼怒川温泉ホテル街

    写真2 鬼怒川温泉ホテル街

  • 写真3 楯岩トンネル

    写真3 楯岩トンネル

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