2022/10/01 - 2022/10/02
30位(同エリア372件中)
葵さん
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2022年秋の週末、1泊2日で福井県の西部・若狭地方を巡る旅へ。
旅の2日目の最後に、ここ若狭に残る2つの昔ながらの町並みを歩いてみることに。
まず訪れた滋賀県との県境に近い「熊川宿」は、若狭と京都とを結ぶ通称「鯖街道」の要衝として栄えた宿場町で、約1.1キロにわたる町並みの中心にあたる「中ノ町」には、石積みの水路を引いた街道の宿場ならではの景色が残されています。
また、城下町・小浜の市街地の西側に位置する「小浜西組」は、街道沿いの商家町及び茶屋町として栄えたエリアで、特に「三丁目」と呼ばれる茶屋町には、今も細い街路に沿って町並みが続き、趣向を凝らした当時の料亭なども残されています。
今回の旅は1泊2日と限られた時間でしたが、若狭エリアの城跡・寺社仏閣そして昔ながらの町並みといったスポットを巡り、その豊かな歴史・文化を直接見ることができ、改めて文化財の宝庫なんだな~と実感しました。
〔大陸からの海の玄関口にして文化財の宝庫・若狭路をゆく(2022年10月)〕
●1日目①:氣比神宮(一之宮)/気比の松原(日本三大松原)
https://4travel.jp/travelogue/11854953
●1日目②:佐柿国吉城(続日本100名城)/三方五湖
https://4travel.jp/travelogue/11839491
●1日目③&2日目①:松永六感・藤屋ステイ/明通寺(国宝建造物)
https://4travel.jp/travelogue/11837799
●2日目②:神宮寺/若狭彦・若狭姫神社(一之宮)
https://4travel.jp/travelogue/11842706
●2日目③:熊川宿/小浜西組(重伝建地区)【この旅行記】
〔昔ながらの町並み(重要伝統的建造物群保存地区)を歩く(北陸・近畿エリア)〕
●坂本(門前町/滋賀県大津市):https://4travel.jp/travelogue/11704303
●伊根浦(漁村集落/京都府伊根町):https://4travel.jp/travelogue/11766916
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス レンタカー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
●道の駅 若狭熊川宿
「若狭姫神社」への参拝を終えて、今度は車を東へと走らせ、滋賀県との県境近くに位置する「道の駅 若狭熊川宿」へと移動してきました。
正面左の看板にあるとおり、ここ「熊川宿」は、若狭国と京都を結ぶ通称「鯖街道」の交通の拠点として栄えた宿場町です。道の駅 若狭熊川宿 道の駅
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●熊川宿
「熊川宿」の案内図がこちら。
宿場町は大きく上ノ町・中ノ町・下ノ町の3つのエリアに分かれ、全長約1.1キロにわたり当時の町並みが残されており、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
☆若狭熊川宿ホームページ☆
https://kumagawa-juku.com/ -
●熊川番所
道の駅は町並みの一番東側にあり、ではではさっそく、町並みの入口にあたる「熊川番所」を通り、上ノ町へと入っていきましょう。熊川番所 名所・史跡
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う~ん、旧街道にそって昔ながらの建物が連なる絵がいいですね。
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京都と若狭を結ぶ「鯖街道」は複数のルートがあり、最も物資の往来が多かったのが「熊川宿」を通る若狭街道ルートで、京都・出町柳から大原・朽木と進み、「熊川宿」を経て小浜へと至る街道になります。
★紅葉に染まる山里・京都大原の天台寺院巡拝記
https://4travel.jp/travelogue/11544446
https://4travel.jp/travelogue/11549521 -
「中条橋」という小さな橋を渡り、宿場町の中枢エリアである中ノ町へと入っていきます。
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イチオシ
この秋晴れの青空を広く取り入れ、縦構図でもう1枚!
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●旧逸見勘兵衛家
橋のすぐそばには、江戸時代末期に建てられたという「旧逸見勘兵衛家」があり、現在は宿泊施設兼喫茶店になっているとのこと。
昨日宿泊した「松永六感・藤屋」もそうですが、最近は昔の建物をリノベーションした宿もけっこう見かけるようになりました。旧逸見勘兵衛家 名所・史跡
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反対側の町並みはこんな感じで、2階建ての平屋が整然と並んています。
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●熊川宿若狭美術館
お、この黒壁に虫籠窓が渋い。。。
内部は美術館としても活用されているそうです。熊川宿若狭美術館 美術館・博物館
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●若狭鯖街道熊川宿資料館宿場館
町並みからちょっと奥に入ったところに、これまでとちょっと毛色の違うレトロな洋風の建物が。
こちらは1940年に村役場として建てられたもので、現在は「宿場館」という資料館になっています。若狭鯖街道熊川宿資料館宿場館 美術館・博物館
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イチオシ
さらに歩いていくと、旧街道に沿って「前川」と呼ばれる石積みの水路が現れ、より一層趣きを感じさせる景観に!
以前訪れた長野県の「海野宿」にも、こんな水路がありましたっけ。。。
★秋涼の信州・上田&塩田平をゆく《Part.3》~北国街道海野宿・昔ながらの宿場町の町並みを歩く~
https://4travel.jp/travelogue/11522707熊川宿 名所・史跡
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●菱屋勢馬清兵衛家
朱色の格子が特徴的な「菱屋」は、ここ「熊川宿」を代表する問屋で、架かっているのれんを見ると、こちらもリノベ施設っぽいですね。菱屋勢馬清兵衛家 名所・史跡
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景観的には、この「菱屋」あたりが個人的には1番良さげな気がします。
あと、町並み全体で電柱・電線が一切無いのもポイント高いです。 -
●御蔵道
この狭い路地は、宿場町の北側を流れる「北川」の舟運を利用して運ばれた米が、ここを通って蔵屋敷へ持っていったことから「御蔵道」と名が付いたそうで、さすがにこれは案内表示がないと見逃しますな。御蔵道 名所・史跡
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●倉見屋荻野家住宅
こちらの「倉見屋荻野家住宅」は、ここ「熊川宿」で最も古い町家で、江戸時代後期の1811年頃に建てられたシロモノだとか。倉見屋荻野家住宅 名所・史跡
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さらに町並みの中を歩いていくと、中ノ町(向かって左側)と下ノ町(向かって右側)との境がいわゆる枡形になっており、地元では(見たまんま)「まがり」と呼んでいます。
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ここでちょっとだけ、国道を挟んだ反対側を流れる「北川」の方へ。
周囲は山々に囲まれており、川に並行するように延びる「若狭街道」(現国道303号線)を進み峠を越えると、そこはもう滋賀県になります。 -
イチオシ
中ノ町まで歩き、宿場町の主要どころは概ね見ることができたので、道の駅へと引き返すことに。
町並みはきちんと保存されていて見ごたえもあり、すぐとなりに道の駅もあるので、ちょっと車を止めて散策するのにもちょうど良いと思います。 -
●小浜公園
「熊川宿」を出発し、国道303号線・国道27号線を西へと走り、小浜市内の「小浜公園」に設けられている観光用の駐車場へと移動してきました。
この旅の最後、残された時間で「小浜」の城下町を観光していきます。小浜公園 公園・植物園
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ここ「小浜」を訪れた目的は、「熊川宿」と同じく昔ながらの町並みを散策することで、今も商家町・茶屋町の町並みが残り、「小浜西組」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
さすがに案内図のオレンジのエリア全部を歩くのはツラいので、主に西側(案内図の右側)を中心に散策していくことにします。 -
●三丁町
さっそく町並みが残るエリアへ向かうと、「三丁目」という大きな道しるべが立っており、ここから先は当時の茶屋町になります。三丁町 名所・史跡
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こちらの「小浜西組」は、町人地を東・西・中の3組に分けて整備したことから名付けられ、車1台がやっと通れるくらいの当時の町割りの道が続いてます。
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イチオシ
道はだんだん狭くなっていき、小洒落たベンガラ色の建物なんかもあり、まさに茶屋街の裏道って感じの雰囲気ですね~。
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●蓬嶋楼
この細い路地の一角に、明治から昭和期に料亭を営んでいた「蓬嶋楼(ほうとうろう)」の建物が残されており、内部を見学できるので立ち寄っていきましょう。蓬嶋楼 名所・史跡
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「蓬嶋楼」はここ「三丁目」の料亭の中でも最大級で、当時は多くの政財界の有力者が訪れたそうで、賑わいぶりも凄かったのでしょう。
さっそく玄関からお邪魔して、向かって右手にある階段を上って2階へと行ってみます。 -
2階は12畳の主室と10畳の次の間から成る座敷で、(お高そうな)屏風や扁額、掛軸などが所狭しと展示されています。
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イチオシ
特に目を引いたのが、この三日月をあしらった壁の意匠で、こういうのをお洒落って言うんでしょうね。
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三日月と対になる満月もあり、その中に掛軸を飾っていて、設計者の遊び心が感じられます。
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木製のシャンデリアもいい味だしてます。
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こういう空間って、ついモノクロームでも撮りたくなりますね。。。
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ちなみに当時のままの建物なので、階段はかなり急なので注意しないと。
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1階の奥には比較的シンプルな大広間があり、広く取られた縁側からはお庭も眺められます。
ほんの少し滞在しただけでも当時の料亭の空気感が味わえるスポットで、入館料も無料なのでオススメです(開館日は土・日・祝日なので注意)。 -
●常高寺
「三丁目」茶屋街を抜けてさらに重伝建地区の南側へと向かい、JR小浜線の線路を越えたあたりに、「常高寺」というお寺があります。
戦国時代、織田信長の妹・お市の方の娘で、浅井三姉妹の次女・お初(常高院)が、関ケ原の合戦後、この地を治めた大名で夫である京極高次の菩提を弔うために建立したお寺です。常高寺 寺・神社・教会
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山門の近くには三姉妹の顔出しパネルが(笑)
お初(常高院)を真ん中に、左に長女の茶々(淀殿/豊臣秀吉側室)、右にお江(崇源院/徳川2代将軍秀忠正室)という有名人揃い踏み。
★秋めく近江歴史紀行《Part.1》~江北の戦国大名である浅井氏3代の居城・小谷城登城記~
https://4travel.jp/travelogue/11716960 -
戦後は無住の寺となっていたものの、近年になり再建の機運が高まり、2001年に「本堂」が再建されたとのこと。
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お寺の境内の奥、山裾を少し登ったところに常高院の墓所があるそうですが、お騒がせするのもあれなので、ここで引き返すことにしましょう。
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●四季彩館 酔月
お昼ご飯の時間もとっくに過ぎていたことに今更ながら気づき、再び町並みへと戻り、こちらも明治時代の料亭を改修した「四季彩館 酔月」で、遅いランチを取ることに。
明治時代初期に建てられたという2階建ての建物をリニューアルしており、その外観はいかにも茶屋町の料亭といった趣きです。町並みと食の館 四季彩館 酔月 グルメ・レストラン
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建物の内部は落ち着いた感じでギャラリースペースもあり、木製の階段箪笥がいい味を出してます。
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とりあえずサクッと食べたかったので、思考停止で「本日のランチ」(@1,500円)をチョイス。
パンとスープとともに、色とりどりのおかずがワンプレートで供され、見映えも良く味も美味しくいただきました。
(たまたまのめぐり合わせかもしれませんが)提供まで30分くらいかかったので、時間に余裕を持って訪れるのが良いかと思います。 -
●翼のテラス
昼食後は「小浜公園」の駐車場へと戻り、海側に「翼のテラス」と呼ばれる広場があったのでちょっとだけ寄ってみると、白鳥が翼を広げて飛び立つモニュメントがお出迎え。マーメイドテラス 翼のテラス 名所・史跡
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その先には小浜湾の穏やかな海が広がっています。
ここでしばらくボ~っとしてたいくらいですが、時間は残酷に進み、そろそろ東京へ帰らないといけないタイミングが近づいてきたようで。。。 -
●小浜駅
このまま車で敦賀まで移動し、北陸本線→東海道新幹線と乗り継いで帰京するのが一般的なルートですが、それでは普通すぎて面白くないので、今回は変化球を選択。
この2日間お世話になったレンタカーを「小浜駅」近くの店舗で返却し、そのまま駅へ。小浜駅 駅
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少し時間があったので駅舎内に入ってみると、JR小浜線全線開業100周年を記念した写真が展示されており、しばし興味深く見てました。
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で、今回は、西日本JRバスが運行する「若江線(じゃっこうせん)」のバスに乗り、滋賀県の「近江今津駅」へと向かうことに。
元々この路線は、旧国鉄時代に同区間を結ぶ予定だった鉄道路線で、先行する形でバスの運行が開始されたものの、旧国鉄の経営悪化により鉄道建設計画は中止となり、バスだけが残ったという曰くのある路線です。 -
バスは定刻通りの14時55分に「小浜駅」を出発し、しばらくはJR小浜線に並行するように走っていきます。
右側に北陸新幹線小浜ルート早期着工の看板が立ってますが、いつになったら大阪までつながるんですかねぇ。 -
そして途中から国道303号線(鯖街道)へと入り、先ほど訪れた「熊川宿」を横目に見つつ県境の峠を越えていきます。
バスの便は約1時間に1本くらいあったので、このタイミングで訪れたほうが効率的だったなぁと少し反省。。。 -
●近江今津駅
バスは滋賀県へと入り、予定通り約1時間ほどで、湖西線の「近江今津駅」前へと到着しました。
ここからはJR湖西線で「京都駅」まで移動し、東海道新幹線で東京へと帰るだけです。
今回の旅は1泊2日と限られた時間でしたが、若狭エリアの城跡・寺社仏閣そして昔ながらの町並みといったスポットを巡り、その豊かな歴史・文化を直接見ることができ、改めて文化財の宝庫なんだと実感しました。
最後までご覧いただきありがとうございました。近江今津駅 駅
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