2018/05/05 - 2018/05/06
212位(同エリア1466件中)
葵さん
この旅行記スケジュールを元に
2018年のゴールデンウィーク、俗世の垢(?)を落とすべく、1泊2日の予定で天台宗の総本山・比叡山延暦寺へ訪れてみることに。
延暦寺の主要エリアである三塔(東塔・西塔・横川)をすべて巡ったあと、「坂本ケーブル」に乗り、比叡山東麓に位置する「坂本」へ下りてきました。
ここ「坂本」は「比叡山延暦寺」や「日吉大社」の門前町として栄え、中世以降、高齢となった僧侶が下山し隠棲する里坊群が形成され、これらを取り囲むように築かれた穴太積みと呼ばれる石垣など、昔ながらの町並みが今も残されています。
新緑が美しい季節、町全体を緑が包み込み、その魅力をより一層引き立てている中での散策となり、今度は秋の紅葉の時季に再訪したいなぁと思わせる素敵なエリアでした。
〔新緑に染まる天台宗の聖地・比叡山延暦寺巡拝記〕
●Part.1(1日目①):坂本ケーブル/比叡山延暦寺 横川(世界遺産)
https://4travel.jp/travelogue/11636104
●Part.2(1日目②&2日目①):比叡山延暦寺 西塔&東塔(世界遺産)
https://4travel.jp/travelogue/11693968
●Part.3(2日目②):坂本(重要伝統的建造物群保存地区)【この旅行記】
〔昔ながらの町並み(重要伝統的建造物群保存地区)を歩く〕
●海野宿(宿場町/長野県東御市)
https://4travel.jp/travelogue/11522707
●城東(商家町/岡山県津山市)
https://4travel.jp/travelogue/11491168
●豊町御手洗(港町/広島県呉市)
https://4travel.jp/travelogue/11666668
●鞆町(港町/広島県福山市)
https://4travel.jp/travelogue/11670076
●堀内地区・平安古地区・浜崎(武家町・港町/山口県萩市)
https://4travel.jp/travelogue/11632115
●宇和町卯之町(在郷町/愛媛県西予市)
https://4travel.jp/travelogue/11652466
●吉良川町(在郷町/高知県室戸市)&土居廓中(武家町/高知県安芸市)
https://4travel.jp/travelogue/11544239
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 3.5
- ショッピング
- 3.0
- 交通
- 3.5
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 新幹線 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
※「新緑に染まる天台宗の聖地・比叡山延暦寺巡拝記《Part.2》」の続きとなります。
●坂本ケーブル(ケーブル坂本駅)
比叡山の山上から「坂本ケーブル」のケーブルカーに乗り、山麓の「ケーブル坂本駅」へ降りてきました。
引き続きこれから「坂本」の町を散策していくこととし、まずは駅舎内のコインロッカーに荷物を預けておきます。坂本ケーブル 乗り物
-
ここ「坂本」は、古くより比叡山延暦寺や日吉大社の門前町として栄え、昔ながらの町並みが今も残されていることから、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
なので、比叡山延暦寺へ訪れるからには「坂本」もセットで巡らねばと思い、今回の旅の行程にはめ込んでみました。 -
ではでは、さっそく町歩きへと出発!
山麓にある駅は市街地の中でも高い場所に位置しており、ここから緑に包まれた坂道を下っていきます。 -
●日吉東照宮
駅から坂道を少し下ったところを右折しそのまま歩いていくと、「日吉大社」の境外末社「日吉東照宮」の社殿の前へ出ました。
なお、殿内の拝観は土日祝の10~16時で、拝観料は大人200円とのことで、門前の社務所にて払うとともに、御朱印もお願いしときました。日吉東照宮 寺・神社・教会
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極彩色に彩られた「唐門」には、数々の美々しい彫刻や装飾が施されており、予想外の光景にかなりビックリ!
比叡山上の伽藍群にもこれだけのものは無かったですし。。。 -
そして門を抜けた先には、こちらも華やかなご社殿が♪
ここ「日吉東照宮」は江戸時代の1623年に、徳川家康の側近として活躍した天海僧正により創建され、御祭神はもちろん徳川家康公とともに、日吉大神と摩多羅神の3柱です。 -
ということもあり、社殿のあちこちに葵の御紋の装飾も。
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社殿の側面もカラフルな彩りになっていて、拝殿(右手前)と本殿(左奥)の間をもう1つの建物でつなぐ「権現造」と呼ばれる造りです。
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ちょうどこの日は拝殿内部も公開されていたので入ってみると、その外観以上に極彩色の空間となっていて、さらにビックリ!
境内の建物はこの1棟のみのようなので、再度「唐門」から外へ。 -
そしてお願いしていた御朱印をいただきました。
規模感は全然違いますが、日光東照宮のひな型とされたという説もあり、社殿の装飾類の豪華さはさすが東照宮と思わせるだけのものでした♪ -
「日吉東照宮」は「ケーブル坂本駅」と同じく比叡山の東麓に鎮座しており、琵琶湖の方へと延びる急な石段の参道を下っていきます。
今回は駅から歩いたので気づきませんでしたが、ここを上ってくるのはかなり大変そう(汗) -
木々の合間からのぞく琵琶湖にフォーカスするものの、手前にどうしても枝が入り込んでしまい。。。
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それにしても、参道を包み込むこの新緑が美しい♪
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最後、石造りの鳥居の前で一礼し、次のスポットへと向かいましょう。
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●慈眼堂
ここ「坂本」の町には、昔より比叡山延暦寺での修行を終えた老僧が住む里坊が設けられ、その里坊を囲うように、穴太衆と呼ばれる石工職人が築いた穴太積みと呼ばれる石垣が今も残されており、ここ「慈眼堂(じげんどう)」の前の小路もそう♪
では次に、この奥にあるお堂の方へと行ってみることに。慈眼堂 (大津市) 寺・神社・教会
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う~ん、このあたりも新緑がいい味出してますね~。
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イチオシ
門を抜けた先、石灯籠が立ち並ぶ奥に「慈眼堂」がひっそりと。
このお堂は、先ほど訪れた「日吉東照宮」の創建にも関与し、徳川3代(家康・秀忠・家光)に仕え、「黒衣の宰相」と名を馳せた天海僧正(慈眼大師)の御廟になります。
ちなみに天海僧正は天台宗の僧であり、織田信長の焼き討ちで焦土となった比叡山の復興に尽力し、本能寺の変後に羽柴(豊臣)秀吉に敗れた明智光秀であるという俗説を持つ人物です。 -
お堂の横から道なりに進み、さらに眼下に見える建物の方へ。
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●滋賀院門跡
こちらが格式ある門跡寺院の1つで、江戸時代末まで比叡山延暦寺のトップである天台座主となった法親王の居所であった「滋賀院門跡」です。
寺院内は参観することができる(参拝料@500円)ので、この立派な玄関から入っていきます。
◇紅葉に染まる山里・京都大原の天台寺院巡拝記《Part.2》~三千院門跡・寂光院編~
https://4travel.jp/travelogue/11549521滋賀院門跡 名所・史跡
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●滋賀院門跡庭園
内仏殿に安置されているご本尊は薬師如来で、延暦寺根本中堂と同じ仏様でした。
また、江戸時代初期に小堀遠州により作庭されたと伝わる池泉観賞式の庭園(国指定名勝)もあり、縁側からゆっくりと眺めることも♪滋賀院門跡庭園 公園・植物園
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いただいた御朱印がこちら。
やはり根本中堂と同じく、醫(医)薬の仏である薬師如来を祀っていることから、「醫王殿」と記されてます。 -
参観を終えて、さらに寺院の正面側へ。
先ほどは「慈眼堂」を通り脇から境内に入りましたが、こちらが正門にあたる「勅使門」で、その名のとおり朝廷からの勅使を迎えた際に使われる門のため、普段はこのように閉じられています。 -
イチオシ
さすが門跡寺院だけあって、このあたりの石垣は特に高く、また白壁との一体感もあり、里坊群・坂本らしい素晴らしい光景!
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石垣の真下から見上げるとかなりの高さ。
また、張り付いたこの苔たちがいい味を出してますな。 -
「滋賀院門跡」から引き続き、石垣が積まれた小路を歩いていきます。
こんな通学路、いいなぁ。。。 -
●日吉馬場
そして町並みを東西に一直線に貫き、「日吉大社」入口の鳥居まで続く「日吉馬場(ひよしのばんば)」へと出ました。
今の時期は緑一色ですが、4月上旬には約200本の桜でピンクに彩られる桜の名所なんだそうです。 -
イチオシ
馬場の両側には延暦寺里坊群の寺院が残り、その石垣に沿って歩道と水路が設けられていて、とても素敵な空間に♪
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この清冽な水も比叡山から流れ出てきたんですかねぇ。
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●旧竹林院
そのまま「日吉馬場」を山麓方向へと歩き、16世紀末に建立された里坊の1つである「旧竹林院」へとやってきました。
町並みの中に残る里坊群は通常非公開となっていますが、こちらは明治以降民間の手に渡り、現在は市が所有(なので名称に”旧”がついているのですね)し常時公開されているので、見学するのにちょうどいいです。
◇旧竹林院ホームページ◇
https://kyuchikuriin.web.fc2.com/旧竹林院 寺・神社・教会
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2階建ての主屋へと入り、1階奥の広間へと向かうと、緑豊かな庭園を思う存分眺めることができます♪
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イチオシ
さらに別アングルから、窓枠を額縁に見立てもう1枚いっときましょう。
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さらに、主屋の2階にも上がることができ・・・。
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こんなふうに、庭園を上からも眺めることができます!
ちなみに、坂本に点在する里坊庭園の中でも最大規模とのことで、確かにフレームに入り切らない広さがあります。 -
ではでは、最後に主屋を出てお庭の方へ廻り、池泉回遊式の庭園内をぶらぶらと。
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う~ん、お庭にとけ込んだ1つ1つのオブジェが渋い。。。
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石灯籠の周りの地面に敷き詰められた苔もいい感じですねぇ。
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そして庭園中央の、野点傘が立つ池の前あたりでひと休み。。。
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これだけの広さのある庭園ですが手入れも行き届いており、また、タイミング的に混雑するほどでもなかったので、落ち着いた佇まいの里坊庭園をゆっくり楽しむことができました。
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●日吉大社
そして最後に訪れたのが、言わずと知れた全国に約3,800あるという日吉・日枝・山王神社の総本宮である「日吉大社」です。
◇日吉大社ホームページ◇
http://hiyoshitaisha.jp/日吉大社 寺・神社・教会
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鳥居のそばにあった案内図がこちら。
かなり広い境内には約40もの社殿が建ち並び、大きく西本宮と東本宮を中心とするエリアに分かれています。
鳥居の先にある西受付にて入苑協賛料(@300円)を納め、さっそく境内を順に参拝していきます。 -
境内を流れる大宮川に架かる、石造りの「大宮橋」を渡り、まずは西本宮の方へと行ってみることに。
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しばらく参道を歩いていくと、鳥居上部に三角形の屋根(破風)が乗った形が特徴的な「山王鳥居」が見えてきました。
そういえば、東京・赤坂に鎮座する「日枝神社」の鳥居もこんな形をしてたっけな。
●ぷらっと東京さんぽ《Scene.7》~梅雨の合間にホテルニューオータニ東京ステイ~
https://4travel.jp/travelogue/11700895 -
お~、このあたりの緑の木々が包み込む感じの参道も素敵♪
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そして堂々たる西本宮の楼門の前へ。
戦国時代の1571年、織田信長による比叡山延暦寺焼き討ちにより、ここ日吉大社の伽藍群も全焼してしまったため、この楼門も1586年に再建されたものです。 -
イチオシ
楼門を抜けた先には、西本宮の拝殿と本殿が連なって建っています。
拝殿の垂れ幕にあるとおり、2018年が御鎮座1,350年にあたるそうで、飛鳥時代の668年に、大和国の「大神神社(おおみわじんじゃ)」より、御祭神の大己貴神(おおなむちのかみ)を勧請したことに始まっているんだとか。
春の桜の季節、「大神神社」にもお参りしましたねぇ。。。
●2019 さくらの名所を巡る旅《Part.9》~大和国一之宮・大神神社巡拝記~
https://4travel.jp/travelogue/11618583 -
奥の本殿は国宝に指定されており、先ほど訪れた「日吉東照宮」の絢爛豪華な感じもいいですが、こういう木そのものと檜皮葺とが醸し出す渋~い社殿も惹かれるものがありますね~。
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引き続き、西本宮から東本宮へと向かう途中にも、多くの立派な伽藍を持つ摂社や末社が鎮座していて、その規模感に圧倒されてしまいます。。。
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東本宮の入口にも同じように、堂々たる楼門が。
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楼門を抜けると、正面の東本宮の拝殿があるのですが、その手前、向かって左側に末社にあたる「樹下神社」の本殿、同右側にその拝殿を配すという、なかなか面白いというか不思議な配置に。
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東本宮拝殿の奥に、こちらも国宝に指定されている本殿が。
こちらの御祭神は、ここ比叡山の地主神である大山咋神(おおやまくいのかみ)です。 -
東本宮拝殿の奥から楼門側を向いての1枚♪
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イチオシ
東本宮を出て、これにて「日吉大社」の参拝を終えることに。
この日はGW最終日で明日から会社に出勤しなければということもあり、これにて今回の1泊2日の旅を打ち止めとし、「坂本駅」からJR湖西線で「京都駅」へと向かい、東海道新幹線で東京へと帰りました。
ここ「坂本」の町は里坊群という特徴的な歴史的町並みが残り、穴太衆による見事な石垣に庭園、そして多くの寺社と見どころも多く、かつそれぞれのスポットを彩る新緑がとっても印象的♪
今度は紅葉の時期にでも、またゆっくり散策してみたいですね~。
最後までご覧いただき、どうもありがとうございました。
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