津軽百年食堂を巡る旅　‘22冬　青春18きっぷで行く 新潟＋東北6県 塗りつぶしの旅⑧

2022/12/15 - 2022/12/16

青春18きっぷ、4日目の午後は津軽百年食堂を巡ります。

エリア 青森

11:34 大館 発　弘前行きに乗車

701系電車の帯の色が秋田エリアのピンク色。この電車で県境の矢立峠を越える、と思っていたら長大トンネルで呆気なく終了。

大館駅 駅

りんご畑、津軽らしい風景。

何故か出稼ぎを連想。もうすぐ正月。土産を下げての帰郷。電車を降り立った瞬間に全身を包む心地よい冷気、懐かしさが蘇る。
単身赴任が長かったのでワシの帰郷はそんな感じだった。

12:05　大鰐温泉で降車。

向こうに見えるのは弘南鉄道の電車。

東急から譲渡された7000系初代電車。
大館の青ガエルと言い、今日は東急に縁がある。

JR大鰐温泉駅

看板の両脇では ゆるキャラとマスコットが揃ってお出迎え。山間の渋い温泉駅を期待して来たのだが、当てが外れた様だ。

大鰐温泉駅 駅

ピース

爬虫類なので越冬はキツそうだ。しかも、もう一体はスキー場にあるらしい。青ガエルは既に冬眠中だよ。

百年食堂

青森県が観光資源の掘り起こしの一つとして掲げた、三代百年に渡り続いている地元の大衆食堂のこと。
それを基に生まれた小説「津軽百年食堂」は映画にもなった。

いこい食堂

津軽百年食堂の一つ。
大鰐温泉に3軒ある内の駅から一番遠い店。とぼとぼ歩いて12分くらい。

いこい食堂 グルメ・レストラン

中はいかにも大衆食堂。
ちょうど地元の方のランチタイムが終わる頃。

名物の 大鰐温泉もやしラーメン

　いただきます

大鰐温泉もやし を ほおばる。

とにかく長い。そして細い。
シャキシャキパワー強し！　口の中でいつまでも続くシャキリ節。

咀嚼の喜び & アゴの倦怠感。お口に広がるジレンマ。

隣が仙遊館。中々渋くて正しい温泉旅館。
駅の看板の様な明るいポップカルチャーは不要だ。

そう言えば駅の向こうに日帰り温泉施設があった様な‥

大鰐温泉　やすらぎの宿　ヤマニ仙遊館 宿・ホテル

あったぁ！　寒風にたなびく のぼりの数々。

その名も鰐の湯！　これなら鰐でも越冬できそうだ。

大鰐町地域交流センター鰐come 名所・史跡

ガビーン

休館日はのぼり旗下げといてよ～
体感温度も一気に下がる。

駅に戻って 14:09 発の下り列車で弘前へ

弘前からは 14:50 発の弘南鉄道 黒石行きにお乗換え。

弘前駅 駅

15:26 黒石 着

電車は東急7000系 寒冷地仕様車

黒石駅 駅

なんか昔のニューヨークの地下鉄みたいだ。行った事ないけど。

留置線には クロガネの塊！
人呼んで鉄人28号系ラッセル車。

背中には鉄人のロケットエンジンを彷彿とさせるエアタンク！両翼を広げ、雪煙を上げながら疾走する姿は、きっと圧巻だろう。
正に、ビューンと飛んでくテーツ人だ。

その鉄人を動かす金田正太郎くんが百年電気機関車。
なんとも頼もしい。

さてと‥

改札口に戻ると集札のオバちゃんが、中々戻って来ない乗客一人にヤキモキしていた。ワシじゃ

すごう食堂　　津軽百年食堂の一つ

駅からほど近いので、まずはこちらへ。

須郷食堂 グルメ・レストラン

頂くのは 黒石名物 つゆ焼きそば

　と、やきそば酒？？？

ほぉ～　こんな酒があるんだな

辛口でスッキリと飲みやすい。
焼きそば味でなくてよかったぁ～

つゆ焼きそば

黒石のご当地グルメ。湯気の中に漂うウスターソースの香り。

ソース焼きそばがベースだが全く違和感なし。むしろ後を引く旨さ。 この味、好きだ。スープは全部飲み干した。

ご馳走様でした。

せっかくなので町中をぶらり。
盛り場の外れ。あ～　場末のスナック、寄って行きたいなぁ。

後ろ髪引かれつつ、古い街並みの方へ。
あ、ワシまだ後ろ髪あります。

黒石のこみせ通りと言えば、

中町こみせ通り 名所・史跡

雁木

がんぎ は津軽では こみせ と言われる。

高橋家住宅 名所・史跡

SDGsに叶う、ロードヒーティング不要の先人の知恵。
雪国には雪国ならではの街の作り方がある。東京の都会の街並みをコピーして見映えだけよくしても、住みやすい街になるとは限らない。

雁木にガラス戸

杉玉だ！

酒屋か

こんな大きな杉玉、初めて見た。このまま雪だるまになってしまうのだろうか。

中村亀吉酒造 専門店

暗くなって来たので
16:50 発の電車で弘前へと戻る。車両はデハ7100形。

さて、電車を降りて弘前駅から歩く事35分。

　やって来た所は‥

三忠食堂

津軽百年食堂の一つで、小説「津軽百年食堂」のモデルとなったお店。映画のロケでも使われた。

三忠食堂 本店 グルメ・レストラン

う～～さぶ～
熱燗と津軽そば、お願いしま～す

　ワンカップだけどいい？
　　と、親父さん

もちろん！　ノープロブレムでござる。

ん？　なんかちょっと黄ばんでないか？　津軽三年ねかせ酒か？　まさかミリンになってやしないだろうな。
出した親父さんも一瞬ひるんだ！　様に見えた。

恐る恐るちょっとだけチュパチュパ。
大丈夫だ。色を気にしなけりゃまだ飲める。程良い熟成。無問題でござる。

そこへおもむろに 蕎麦前 で添えられた、焼き干し

小説「津軽百年食堂」の重要なアイテム

そして親父さんの長年の思いが語られる。
煮干しは文字通りイワシをそのまま煮て干して作る。一方焼き干しは鮮魚のうちに頭と内臓を取り除いてから素焼きにして干して仕上げる。だから煮干しの様にお湯に旨みが流出せず、雑味のない濃い出汁が取れる。もちろん値段も張る。小説もこの話から始まってゆく。

津軽そば

焼き干しで出汁をとった、とても贅沢な蕎麦汁。
箸で持ち上げるとぷつぷつと切れるほどの 津軽そば独特の食感。しみるね～

こちらは ざる蕎麦のつけ汁

親父さんが、かけ蕎麦との違いを是非とも味わってほしいと出してくれた。

　お～　なるほど（違いがわかる男を演じる）

たくあん食べたら　甘ぁ～い

りんごのコンポートだった。こっちも黄色い。クチナシの実か？

さてと、宿へ向かおう。

今宵の宿

看板が黄色い。こちらは全国区のコーポレートカラー

スーパーホテル弘前 宿・ホテル

ウエルカム　アルコホーリック　ドリンク

飲み放題

呑兵衛御用達の宿として差別化を図る戦略。
い～じゃないか

地酒もある様だ。

クーポンGETだぜ

￥5,800- 40%off-楽天ｸｰﾎﾟﾝ-￥3,000クーポン＝￥180也

近場のアイリッシュパブへ

酔っ払いの夜の雪中行軍は命取りになりかねない。

アイリッシュ パブ ザ ドーランズ グルメ・レストラン

ここでクーポンを使い切る。

中々い～雰囲気

ビールタップの前に座る。

振り向くとカウンター席以外に客はいない。

落ち着いて飲めそうだ。

ヴァイスをハーフパイントで

アイリッシュパブでギネスを外したって、い～じゃないか。

フィッシュ&チップス（ハーフサイズ）

今夜はモルト・ヴィネガーで

51st STATE IPA

アイルランドのビールに 51st STATE と名前をつける。どんな意味が込められているのか？　プエルト・リコではなさそうだ。イングランドの事かな？　興味津々

シェパーズパイで〆る。

ご馳走様でした。

さてと、今夜はこの辺で‥

明日は今までずっとスルーして来た宿の朝食を頂いてから、弘前の街をブラつくとしよう。

この旅行記へのコメント （12）

• olive kenjiさん 2023/01/07 06:51:49

  雪景色に焼き干し一本　これ日本の叙情なり

  エフサさん　明けましておめでとうございます。
  
  いい旅していますね。今回は最初から最後まで白一色の世界ではありませんか。
  こういう日本の原風景みたいな所があるなんてたまらんです。
  小学校時代、教科書に載っていた鉄人28号系ラッセル車に雁木の写真にくぎ付けになり、こんな所に住んでみたいと夢見ていました。今も現存しているのだ。
  
  私は小説・映画共に津軽百年食堂は知りませんが、三忠食堂では本当にワンカップと焼き干し一匹がお酒セットなのですか。
  味があるな～　こんなお店でお酒頼みたい。も～気持ちは高倉健です。
  ほんで、やきそば酒とは味とは関係ない単なるネーミングなのですね。
  それじゃ私ちんくも、讃岐うどん酒を販売すれば、皆飛びつくだろうな～
  つゆ焼きそばを美味いと言うエフサさんが信じられない。私は聞いただけでムリムリ。
  
  本当にこの地は素敵です。一度は行ってみたくなりました。
  そして、帰路に就くスーパーホテルの写真。
  こんな素晴らしいスーパーホテルの光景は初めて見ました。
  
  ところで、前回の旅行記でサウンドトラックしおりの説明有難うございました。
  私には難解すぎてチンプンカンでした。
  エフサさんはもしかして、東京工大出なのですか。
  ちょっと読解力の弱い私ですが、今年も、よろしくお願い申し上げます。
  
  

  エフサさん からの返信 2023/01/07 16:17:17

  Re: 雪景色に焼き干し一本　これ日本の叙情なり

  「いい旅してますね」olive kenjiさんからそう言われると、あれ、ワシ本当はいい旅してるんじゃないかな？　と思えてくるから不思議です。
  魔法の言葉ですね。
  
  小学生時代の写真に魅せられた憧れの地。未だ色褪せない思い。羨ましいです。
  ワシにも色んな思いがあったのに念願叶う前にどんどん薄れて消え去って行きました。
  
  鉄人ラッセルが走る弘南鉄道弘南線は「田んぼ鉄道」の愛称が付くほどの長閑な路線。
  本当は車窓から見た岩木山を撮りたかったのですが生憎の雪曇りで叶わず。山を背景にした雪原の津軽平野、残念でした。
  
  三忠食堂は丁度客がワシ一人だったので、親父さんに丁寧に対応してもらえました。焼き干しには串に刺して炭火で炙った時の穴が残っていて、それが丁寧に仕上げられた証の様に見えました。煮干しは茹でたお湯に旨みが溶け出して失われてしまうけど、焼き干しにはそれがない分、煮干しの３倍のうま味が残っているのだそうです。
  そんな話を聞きながら焼き干しをアテに、チビチビやっていました。
  
  ＞エフサさんはもしかして、東京工大出なのですか。
  
  　ブブー
  　ワシは大学に入った事がないんですよ。
  　キャンパスはうろついた事がありますけど
  
  だから分かりにくい説明であった事、ご容赦ください。
  
  今日はまだ松の内、遅ればせながら
  
  　あけましておめでとうございます。
  　今年もよろしくお願いします。

• チーママ散歩さん 2023/01/06 22:47:33

  黒石の絵が素敵すぎ・・・。

  こんばんは　エフサさん。
  
  今年もよろしくお願いします。
  表紙の黒石のこみせ通りの写真　すてきですね。
  風情があってしばらく見とれていました。
  夏場に行きましたが、やはり冬が絵になりますね。
  
  そして大鰐のもやし。
  私あれ好きなんです。
  ラーメンもそうですが甘しょっぱくもやしと
  あげやお肉を炒めた　普通の家庭料理が
  好きなんです。
  しゃきしゃきと美味しいですよね。
  あ、あごが大変だったんでしたっけ(*^-^*)
  なかなかこちらでは売ってないのが残念です。
  
  駅にも土手町にも近いスーパーホテル弘前。
  アイリッシュパブは　ホテルの反対側に
  あるところですよね。
  私も飲めないのに行ったことがあります。
  ちょっと懐かしくなっちゃいました。
  私も大好きです　青森。
  
  お邪魔しました。
  
  
  

  エフサさん からの返信 2023/01/07 08:06:50

  Re: 黒石の絵が素敵すぎ・・・。

  おはようございます
  
  黒石にはチーママ散歩さんも行かれたんですね。
  雁木。やっぱり冬のために造られたものは、雪が似合いますね。
  
  大鰐温泉もやしを、あげやお肉と炒める。なるほど！
  美味しそうですね！　他の食材と和えて口中ブレンド。これが正しい食べ方なんですね。ワシの様にもやしだけを口一杯に頬張るのは危険な行為だったんですね。
  北海道には別名「鍋こわし」と言われる「カジカ汁」がありますが、ワシの食べ方は顎こわしだったのかも。麺やチャーシューと一緒に食すべきでした。
  
  弘前のスーパーホテルは全国旅行支援が適用できるコスパの良いホテルで探していたら、たまたまここがヒットしました。
  おっしゃる通り、立地も良くて、お得感最高でした。
  
  そしてなんと、この近くのパブにチーママ散歩さんも行かれたとは！　しかもお酒が飲めないのに！　素晴らしい。
  パブやバーは酒飲みだけの店ではありませんし、ノンアルカクテルの種類もいっぱいありますから、またの機会にお近くのお店に旦那さんと行ってみてはいかがでしょうか。

• さとぴ。さん 2023/01/05 20:44:32

  弘前は雪も桜もいい。

  エフサさん。
  
  今年もよろしくお願いいたします。
  
  いやぁ雪の津軽いいですねー。
  やっぱりガンギですよね。長岡にもありました。
  
  大鰐もやし、噛んで噛んでアゴやられました涙
  つゆ焼きそば未体験です。お気に召したんですね。
  やきそば酒ってなんですかw
  
  翌日は弘前城で奥さまとのお花見の下見ですか。
  
  さとぴ。

  エフサさん からの返信 2023/01/05 21:23:49

  Re: 弘前は雪も桜もいい。

  長岡の雁木は本家ですもんね。越後は雁木発祥の地。今度は長岡で晩冬の風雪流れ旅したい！
  
  さとぴ。さん、ニューイヤーコメントありがとうございます。
  こちらこそ今年も宜しくお願いします。
  
  大鰐温泉もやし、年寄り泣かせです。さとぴ。さんがそうなら尚更ですね。
  やきそば酒は本当に焼きそば味だったら美味しいのにと思ってたんですけど、やっぱしポン酒の味しかしませんでしたぁ。
  
  弘前城の桜、農家の娘は難しいかな？
  お堀の桜。着雪がピンクにライトアップされて、まるで満開の桜の様だったのは知ってたんですけど、雪だおれになるのが怖くて断念しました。
  
  雪見で一杯、花見で一杯と言うのも風情があってよかったんですけどね～

• picotabiさん 2023/01/05 15:59:23

  りんごのコンポート

  黒石の小店通り、銀山温泉に劣らない雪の深さです。
  やっぱ雪の津軽いいですねぇ。。
  
  三忠食堂のおやじさんは他の方の記事でも見ましたが
  おしゃべりが好きな方なんでしょうね。
  
  りんごのコンポートは懐かしく感じました。
  りんごもらいすぎて冬はよく作ってたので。

  エフサさん からの返信 2023/01/05 17:37:44

  Re: りんごのコンポート

  大館、津軽、青森はちょうどいい雪で、いい感じでした。津軽はやっぱり雪が似合いますよね。五所川原は八戸と抱き合わせにして、次回の楽しみに回しました。
  
  三忠食堂の親父さんは、色々話したんですけど、先代が残された店と食文化を守る使命感みたいな覚悟が伝わって来ました。
  
  りんごもらいすぎ！　うらやましい。
  昨年はアップルパイもりんごきんとんも作らず終い。今年はもっと気力活力をアップせねば‥

• @タックさん 2023/01/05 15:40:42

  オレには出来ねぇ～！？

  ☆ 青森『冬旅』雰囲気プリタツ。。
  
  ★ オレには出来ねえ～！？
  
  （※ 塩原にも「スープ焼きそば」がありまして、寒いほどに旨いんわだなぁ）

  エフサさん からの返信 2023/01/05 17:22:38

  Re: オレには出来ねぇ～！？

  大丈夫ですよ～
  測量山の月山の強風に耐えた体は、雪国巡りなんてカッパの屁。雪道運転はキツいかもしれんけど、徒歩ならきっと大丈夫！
  
  と、思ふ。
  
  塩原のスープ焼きそば、チェックしました。👍

• マプトさん 2023/01/05 14:19:36

  津軽の雪

  あけましておめでとうございます。
  津軽の列車旅、読みました。鰐comeの休み、ショックですね。あったかい温泉を夢見て…。うーん、参りますねぇ。
  黒石のこみせ、冬は雰囲気ありますね。道産子が言うのもおかしいけど、津軽が冬がいいですね。
  今年もよろしくお願いします。

  エフサさん からの返信 2023/01/05 17:14:46

  Re: 津軽の雪

  新年のご挨拶 & コメント、ありがとうございます。こちらこそ今年もよろしくお願い致します。
  
  鰐の湯はちょっとビックリ。大規模な温泉施設に定休日があるなんて、全くの想定外。きっと津軽には温泉施設が沢山あって、色々と大変なんでしょうね。
  リカバリーの公衆浴場（温泉）もリサーチ済みだったんですけど、ま、い～かって言う感じです。最近、貪欲さがなくなって来ました。
  
  黒石の雁木はおっしゃる通り、い～雰囲気ですね。北海道とは違う本州最果ての雪国～って言う雰囲気は、北海道人にとってもエキゾティック・ジャパン。やっぱり150年の北海道と比べると、歴史の深みを感じます。