2010/10/31 - 2010/10/31
17位(同エリア34件中)
さっくんさん
私はこの旅以降中国本土を訪れていません。かれこれ十年以上訪れていない事になります。十年一昔、コロナ危機も加わって中国も大きく変わりました。旅事情も大きく変わってしまいました。猥雑に面倒になったビザ事情、曖昧で危険極まりないスパイ法、その他諸々バックパッカーが気ままに旅出来る旅先では無くなってしまった様です。更に定期的に行われる反日扇動、処理水問題で荒れる昨今往き時では無い事は明白ですが、先を見越しても政治的にも経済的にも不安要素しかないのが中国の実情だと思います。いつか以前の様に旅出来る日が来ると良いですね。
さて、中国シルクロードの旅も、終着駅に近づいてきました。今回は初代三蔵法師、鳩摩羅什の故郷クチャを紹介します。
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食堂車で朝食を頂きました。思ってた以上に美味しかったです。
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列車は一番の難所、天山山脈越えに差し掛かりました。
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もう頂上は雪がかぶってます。
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列車はゼェゼェ息を切らして走りますが、乗客は大喜びです。
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トルファンが海抜-100 mに対し天山山脈の峠が2990mだそうなので列車は3千mの高低差を登ってきたのですからお疲れ様です。
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無事峠を越せました。
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川が流れるところまで下ってきました。
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車窓から夕陽を拝みます。反対側の車窓にへばりついて一眼レフ構えている中国人の鉄チャンにも教えてあげたら「ウヒョー!アヒャー!アイヤー!」って凄いリアクションでシャッター切ってて微笑ましかったなぁ。
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列車の供はトルファンでイケメンの兄ちゃんから買ったナンと牛肉麺です。(ナンを一口かじってから写真撮らなきゃと思いました(笑))
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此方が牛肉麺のカップヌードルです。
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中国の寝台列車(長距離列車も?)に乗って感動した事があります。乗車すると乗務員さんが切符を預かりに来ます。そしてその乗客の下車駅直前になると返却しに来てくれるのです。
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外国人は土地勘も無ければ言語にも疎いので下車駅が近づいているか解り難いので、これは嬉しい配慮です。切符が手元に戻ったら、荷物を纏めていれば目的地に到着します。あ、それと流石麺発祥の国です。カップヌードルを沸かすお湯は完備しています。
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クチャに到着しました。
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夜が明けました。
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良い一日になります様に!
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朝食のビュッフェです。お粥が嬉しいです。
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スバシ故城を訪れました。
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亀茲国最大の寺院遺跡と考えられているそうです。
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都市遺跡では無く寺院遺跡と考えると、かなり広大な規模であり、とてつもなく立派な寺院だったのではないでしょうか。
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僧院の様に僧侶や寺に携わる人々の居住区もあった事でしょう。
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只、如何せん古い遺跡でありますし、建材が日干し煉瓦である事から、良好な保存状態を望める訳も無く当時の光景を想像するのは困難です。
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この故城には玄奘三蔵も二ヶ月間滞在したと記録が残っています。
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此処を経つと玄奘は天山山脈を越え、現在のキルギスに入り、現在のウズベキスタン・ブハラで進路を南に取り、アフガニスタン・バーミアンを経由して現在のパキスタン・ガンダーラ地方に向かいました。
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象さんに見えるのは私だけでしょうか?
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最早周囲の自然と同化しつつある様に映ります。
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故城も良かったですが、周囲の環境も素晴らしかったです。
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荒涼とした世界観がシルクロードを旅していると言う実感が沸きました。
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山を削って流れるのでしょうか?茶濁した川が流れていきます。
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鉱山でもあるのでしょうか?
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いや、きっとあるのでしょうね。レアアースとか…。
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旅立った人はいるが、あんまりに遠い
その国の名はガンダーラ
何処かにあるユートピア
心の中に生きる幻なのか… -
思わず口ずさんでしまう程、旅情を掻き立てるクチャ郊外の景色でした。
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次に訪れたのはキジル千仏洞です。
銅像は鳩摩羅什三蔵、元祖三蔵法師です。 -
三蔵法師とは個人名では無く、仏典の翻訳に精通した優れた僧侶に贈られる名です。
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千仏洞は仏画が描かれた石窟で、今回訪れる石窟の中では一番西に位置します。
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それだけに石窟に描かれた仏の顔は最早中華の面影はありません。
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ランチタイムです。
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クチャの街に戻ります。ドライバーは中華系の人なのでこう言います。
「旧市街にはウイグル人ばかりで何も無いです。新市街では何でも揃ってますよ。」 -
この様な事は、宗教や民族の違う人々が混在する様な地域で度々出会ってしまう事ではありますが、旅人の私としてはどちらの民族にも敵意は無い、寧ろ好きな方なので胸が痛みます。
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しかし此処だけでは無く何処だって、植民支配があった様な地では尚更に、私は其所に暮らす人々の本来の文化や歴史が詰まった旧市街と呼ばれる地域にしか興味を持ちません。そもそも便利とか快適さを求めるなら日本から出る必要は無いでしょう。支配した側の文化に興味があるなら、そっちに旅すれば良い訳ですから新市街に私の欲求を満たすものは何も無いのです。
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と言う訳で街に戻ったその足で旧市街へと向かいます。先ずはクチャ大寺と呼ばれるモスクに赴きました。ファザードは中央アジアのスタイルです。
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此方の方角にメッカがあり、人々はこの方角に祈ります。
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彼等は一日に5回祈りを捧げます。人はとかく慢心する生き物なので、一日五回神の前で平伏せて反省するのです。
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これってとても大切な事に思うのです。昔のアニメは上手い事言うもので豚も煽てりゃ調子に乗って、豚も煽てりゃ木に登る。と言う名台詞がありますが、人はとかく直ぐ調子に乗って何様になる動物です。モンスター・クレイマーとか煽り運転手とか「貴方一体何様だ?」ってのが、いっぱいいますよね。
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仕事でもプライベートでも、自分の言動が正しいものだったかどうか?これを一日数回反省していたら、もし気まづい事になったり、喧嘩したり、傷つけてしまったりしても最小限の損害で回復させられるかもしれません。
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大切なのは、回数とか場所が重要なのでは無く、一定の時間毎、自分自身の行いを振り返って見ると言う事。ムスリムの礼拝って兎角恐ろしいものに誤解されてますが、実際は反省している様なものなのです。そしてそれは我々にとっても有益な行為に思えます。特に自分!反省なさい!
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クチャの旧市街を散策します。ウイグルのイケメンオジサンが驢馬車を操ってます。
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可愛らしいウイグルの子供達に出逢いました。
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ポプラ並木がシルクロードらしさを盛り上げてくれます。
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ポプラ並木に驢馬車は良く合います。
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羊さんの大群に道を阻まれました(笑)
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今度は驢馬車に道を阻まれました。
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クチャ王府を訪れました。
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1759年に清の乾隆帝がクチャのウイグル族首領の功績を讃えるために漢族建築家によって建てさせた王宮です。
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只殆どの部分は再建されたものだとの事です。
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外観は中央アジアのイスラーム建築ですが。
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内部は中華風だったりします。
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此方は純中華風です。
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でもゲートはイスラーム風です。
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御遺体もありました。
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周囲は簡素な土壁で覆われています。
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中央アジアらしい路地裏です。
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驢馬車が同じ方向へ走っていきます。何処へ向かうのでしょう?追っかけて見ましょう。
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モスクの前は素通りです。お祈りでは無さそうです。
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おっ!凄く人が集まってます。バザールが開催されてる様です。テンション・マックス!
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地方になると、バザールは毎日開催される訳では無く週一だったり、曜日で品目を分けたりして開催されます。なのでバザールに出くわしたらラッキーなのです。
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この袋詰めの陳列は中東と全く一緒です。
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枯れ川は驢馬さん達の休憩所?
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市場へ行く人の波に体を預け
石畳の街角をフラフラと彷徨う -
祈りの声、蹄の音、歌う様なざわめき
私を置き去りに過ぎていく白い朝 -
地べたで商売してるのを見るのも久し振りです。
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日本でもこんな光景ずっと昔に見た様な気がするのですが…記憶が変になってるかな?
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可愛らしい兄弟。
絶対繋いだ手を離しちゃダメだよ! -
馬車の荷台は商品の陳列棚でもあります。
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今日の戦果は如何だったでしょう?
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今夜も夕食はラグメンです。
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串焼きも頂きました。
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クチャ駅に来ました。
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さて、次こそ終着駅です。地図を見て、距離があるなぁなんて考えたのは、旅を出る迄、始まってしまえば、あっという間の出来事でした。
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クチャ旧市街のウイグル族の微笑ましい光景に触れる事が出来ました。でもこれは十年以上昔の風景。今は最早滅茶苦茶にされてしまっているかもしれませんが…。
毎度後乗車ありがとうございます。
次は終着駅カシュガルに停まります。
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