2020/12/03 - 2020/12/04
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この旅行記のスケジュール
2020/12/03
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長崎駅前のバス停で佐世保バスセンターから乗って来た高速バスから下車
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年内に長崎市を再度訪れることができた。
最初の日にJR長崎駅構内にある観光案内所へ足を運び、端島(以下、通称の軍艦島とする)へのツアーに関する情報を収集した。
参加しやすいツアーを実施している会社のリストをもらうことができたので、早速その日の午後にネットで当たってみた。
参加可能な3社のうち一番価格の安い会社を選んでみたところ、平日である翌日の午後に実施されるツアーにまだ若干名の空きがあり、運良く申し込むことができた。
私が軍艦島に興味を持ったきっかけは、約10年前にテレビで見た浅見光彦シリーズのドラマにこの島が登場したことである。
無人の廃墟でありながら、人間が住んでいたリアルな痕跡がたくさん残っている不思議な場所として記憶にインプットされた。
いつか一度は行ってみたいと思っていた。そうこうするうちに、軍艦島が「明治日本の産業革命遺産」を構成する資産の一つになったことを知った。
見学ツアーの存在は知っていたが、観光シーズンなどはさぞかし多くの人が訪れるのであろうと思い、敬遠していた。
長崎に到着した日もその翌日も晴天が続き、風はほとんどなかった。島へ渡るツアーに参加するには申し分のない条件である。
参加したツアーでは、長崎港から軍艦島までの所要時間が案外短く、最初に島を時計回りに一周し概要についてガイドさんが詳しく説明してくれた。
上陸した後の行動時間は比較的短かったが、見学場所が限られるので必要充分な時間でありガイドの内容も実に適切なものであった。
私以外の参加者は若い人が多かったけれども礼儀正しい感じで、ツアーは実に快適であった。
(2020.12.07作成開始)
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【一日目】
佐世保駅近くにあるバスセンターを10時00分に出発した長崎行きの高速バスは、11時35分に長崎駅前に到着した。
NHK長崎放送局と県営バス高速バスターミナルの間にある降車場で下車する。
(上の写真は旧JR長崎駅舎の入り口付近)長崎駅 (長崎県) 駅
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昼時である。先に腹ごしらえをすることにした。
以前何度も利用しすっかり気に入ってしまったキッチン政へ行く。キッチン政 グルメ・レストラン
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昼なのでボリュームを考えてオムライスを食べることにした。
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食後、JR長崎駅へ向かう。
旧駅舎の入口に隣接するアミュプラザ前にはクリスマスツリーが飾られている。アミュプラザ長崎 ショッピングモール
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右側が旧プラットフォーム。歩行者通路として残されている。
左側が開業を待つ長崎新幹線の高架線路と工事中のホーム。
在来線の高架線路はさらに奥にある。 -
通路になっているプラットフォームの奥側の線路はすでに剥がされている。
線路末端の長崎駅を示す表示はそのままになっている。 -
現在の在来線の改札は高架線路の下にあり、駅の中心もここである。
ちなみに、元の駅の入り口(クリスマスツリーの前)からここまで普通に歩いて5分以上かかる。長崎駅 (長崎県) 駅
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改札の手前にあるプレハブ小屋の中の観光案内所。
ここに立ち寄って軍艦島へ行くツアーのことを教えてもらった。
実際に参加可能なのは次の三つの会社である。
やまさ海運
シーマン商会
軍艦島コンシェルジュ
ホテルに戻るのももどかしいので、アミュプラザの中にあるスターバックスに寄ってネットで三つの会社のことを調べてみた。
シーマン商会のツアーを最初に申し込んだ時は寸でのところで定員に達してしまい、翌々日土曜日の午後の予約が取れなかった。
ツアー会社へ電話をかけてそのことを確認し再度ネットで申し込みをしたところ、運良く翌日金曜日の午後のツアーに参加することが可能となった。長崎市総合観光案内所 名所・史跡
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一旦ホテルに戻り休憩する。
夕方遅く食事のため外出した。長崎駅の近くで紫色に怪しく輝く教会の尖塔を見かけた。翌日この教会へ行ってみることにする。 -
東京に本店のあるつけ麺屋があったのでここで食事をすることにした。
長崎 大勝軒 グルメ・レストラン
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ラーメンのスープの塩味が懐かしくなり普通の魚介出汁のラーメンを食べた。無料で麺を大盛りにしてもらった。
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【二日目】
体調もまずまず。天気も昨日に続いてとても良い。
本当を言うと午前中のツアーに参加した方が時間を有効に使えるのだが仕方がない。
午前中は短い時間だが観光することにした。
大村藩の蔵屋敷(出先機関)跡の碑。中町教会のすぐ近く。背後の石垣は江戸期の蔵屋敷の遺構である。 -
昨日気になっていた教会へ行ってみる。長崎駅から歩いてすぐのところである。
中町教会 寺・神社・教会
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中町教会というカトリックの教会である。
ここも原子爆弾の被害を受け建物はほとんど破壊された。 -
白亜の教会がとても美しい。この日は葬儀が入っていた。
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昨日観光案内所でもらった駅周辺のイラストマップに載っている福済寺という寺へ行ってみる。
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看板に「フーコーの振り子がある寺」と表示されている。その言葉を聞くのは高校の地学の教科書以来だと思う。
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幕末に坂本龍馬がこの寺に滞在している。
原爆で破壊される前は国宝に指定され、長崎最大の大伽藍を誇っていたようだ。福済寺 寺・神社・教会
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昭和54年に再建されたコンクリート製の門。
原爆で焼失したかつての楼門とはデザインを大幅に変えている。 -
本堂の隣にある巨大な亀。その上に観音様が立っている。
かなりシュールな風景である。このような建造物があるのはおそらく日本中でここだけであろう。 -
正面から撮影。
不謹慎なたとえだがSF映画や特撮怪獣映画のシーンのようである。 -
亀の形をした建物内部は慰霊堂になっている。
正面の祭壇の手前に円形の金属製の柵がある。この中に穴が開いていて天井からフーコーの振り子がぶら下がっている。
しかし仏教寺院になぜフーコーの振り子なのか、説明が書いていなかったのでよくわからない。 -
福済寺を出てさらに少し先へ進むとイラストマップに載っているもう一つの小さな寺がある。長い石段を登っていく。
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聖無動寺。江戸時代、日本とオランダの貿易交流(航海)の安全祈願の場所。
聖無動寺 寺・神社・教会
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見晴らしが良かったので、安全祈願の石灯籠の「常夜灯」があり、今も綺麗な形で残っている。
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境内の奥に鎮座する不動明王像。
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聖無動寺の隣にある本蓮寺へ向かう。二つの寺の裏山は広大な墓所が繋がっているように見える。
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日蓮宗の大きな寺院である。
本蓮寺 寺・神社・教会
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江戸初期に教会と病院の跡地に建てられた大伽藍。長崎三大寺の一つ。
幕末、勝海舟が四年間この寺に滞在した。 -
海援隊士の墓がある。
それ以外にも有名な人物の墓所があるようなので探してみたが、案内板などが見当たらず見つけることはできなかった。 -
本蓮寺の正面の石段の上り口に勝海舟寓居の碑が立つ。
石段の下からさらに北西の方角へ向かう。 -
少し高い場所に本蓮寺の裏山の墓所からもよく見える特徴的な建物が見えて来る。
日本二十六聖人記念聖堂 (聖フィリッポ教会) 寺・神社・教会
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日本に初めてガウディを紹介した今井兼次が建てた聖フィリッポ教会である。
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そのすぐそばに日本ニ十六聖人殉教記念碑がある。
この一帯は西坂公園と呼ばれている。 -
豊臣秀吉のキリシタン禁教令によりこの場所で宣教師6人と日本人信者20人が処刑された。日本でも数少ないカトリック公式巡礼所である。
約35年前に初めて長崎に来た時私はここを訪れているが、現在公園となっているこの辺り一帯の景色について全く記憶が残っていない。不思議である。日本二十六聖人殉教地 名所・史跡
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日本ニ十六聖人殉教記念碑がある西坂公園を後にして電停長崎駅前から市電に乗る。
長崎駅前電停 駅
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大浦海岸通りで下車。
大浦海岸通電停 駅
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電停の目の前にあるファミレスでランチ。
今日参加するツアーは待合所がなく乗船する桟橋で直接受付をすることをネット情報で事前に把握していた。
ここで時間調整をする。 -
13時40分出航予定のツアーの受付は13時00分開始である。
5分過ぎに集合場所の「常盤2号桟橋」へ行くと参加者の列が出来ていた。 -
桟橋の上の最初の受付で事前に記入しておいた承諾書を提出した。承諾書の電子ファイルをネットでダウンロードし、コンビニでプリントアウトして事前に記入しておいた 。
乗船して今日のツアー参加料を支払う。
首から下げる、この会社「シーマン商会」のツアー参加者であることを示すプレートを渡された。 -
参加したシーマン商会のツアーの船は「さるくⅡ号」という。
定刻(13時40分)より少し早く13時27分に出航した。それほど揺れない。進行方向右側の端に座る。 -
出航後間もなく右手に三菱長崎造船所が見えて来る。
戦前、有名な巨大戦艦「大和」の同型艦である「武蔵」がこの造船所で造られた。
往路の船内ではこれから訪れる軍艦島のことはもちろん、途中目にする三菱長崎造船所、橋、島などについて拡声器を通して分かりやすいガイドが流された。三菱長崎造船所 名所・史跡
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写真中央のジャイアント・カンチレバークレーンは1909(明治42)年に竣工した同型としては日本で初めて建設された電動クレーン。現在も現役である。
英国アップルビー社製。高さは約62m、アーム部分の長さ約75m。
同型のものは、私が長崎へ来る前に立ち寄った佐世保の造船所で見学したもののほか、横浜の造船所にある。
ちなみにこのクレーンは造船所内にあるため非公開であり、間近に見るには洋上からしか手段がない。
端島(軍艦島)と並んで【「明治日本の産業革命遺産」を構成する長崎県内にある八つの資産】のうちの一つである。三菱長崎造船所 名所・史跡
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修理中の自衛隊の護衛艦が停泊している。
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もう一隻停泊している護衛艦の手前に「第三船渠」が見えて来る。
これも【「明治日本の産業革命遺産」を構成する長崎県内にある八つの資産】のうちの一つである。
非公開。
ちなみに「八つの資産」のうち五つがこの三菱長崎造船所内にあり、その三つが非公開となっている。
非公開の三つのうち二つを今日軍艦島へ行く船の上から見ることが出来た。三菱長崎造船所 名所・史跡
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前の写真を拡大したもの。
「No.3DOCK」と白く描かれている。
観光案内所で貰ったパンフレットによると、このドックは1905年に建設された大型乾船渠(ドライドック)である。入り江の地形を利用し、背後の崖を切り崩し前面の海を埋め立てて建設された。
明治期、第一船渠(1879年)、第二船渠(1896年)、第三船渠(1905年)と続けて開渠したが現役は第三船渠のみである。船舶の大型化に伴い、三度拡張されて現在に至る。 -
長崎港に架かる女神大橋(ヴィーナスウィング)をくぐる。
斜張橋としては国内で6番目の長さである。高さ65メートルの橋桁は日本一。
案内放送の中でこれから訪れる軍艦島の大きさをこの橋と比べて説明していた。軍艦島がいかに小さいかイメージしやすい。女神大橋 名所・史跡
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女神大橋をくぐった先の右手に島が見えて来る。
長崎港の入り口に浮かぶ 「 ねずみ島 ( 皇后島 ) 」である。
幕末、日本最初のピクニックか行われた地として知られている。 -
高鉾島。江戸時代、隠れキリシタンが潜伏していたと伝えられる。この島で多くの信徒が殉教し、海に遺体を投じられたとされる。
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高鉾島の隣にある「神の島」。白いレンガ造りの建物は島のシンボルでもある神の島教会である。
岬に立っている聖母マリア像は、航海の安全を祈っている。
江戸時代にはこの島にも隠れキリシタンたちが生活していた。 -
沖之島と伊王島大橋。
伊王島大橋 名所・史跡
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沖之島を過ぎると船は外海に出る。
右手に高島が見えて来る。日本の石炭産業の発祥の島とも言える炭鉱の島である。
1869年に開坑した高島炭坑(北渓井坑)の跡は【「明治日本の産業革命遺産」を構成する長崎県内にある八つの資産】のうちの一つである。高島 名所・史跡
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出航から約40分後、いよいよ軍艦島の島影が見え始めた。
端島 名所・史跡
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船は軍艦島に近づいて行くがツアー会社ごとに唯一の桟橋に接岸できる時間が決められているため、私たちの船はすぐには接岸できない。
乗客の中の希望者は屋上のデッキに上がって写真撮影を許される。
この後船は軍艦島の少し沖を時計回りに一周する遊覧を行う。 -
上空から見たとき細長い形をした軍艦島は、北東から南西の方角に位置している。
上の写真は南西の端を島の東側の船上から撮影。
この後上陸して見学するコースはこの写真のエリアである。 -
軍艦島の北東部を同じく島の東側から撮影。
他のツアー会社の船が泊まっている場所が唯一上陸出来る船着場である。
写真の右奥は高島。 -
海岸線に垂直に向いている中央の建物が7階建ての端島小中学校。
その奥の左右に見えているのが巨大な鉱員社宅。10階建てで屋上に端島保育園があった。 -
船は軍艦島の東北端を回り島の北側へ進む。
外海に面している島の北側は、先ほどまで目にしていた南側とは様子がかなり異なる。
上の写真の中央は隔離病棟。その左奥の建物が端島病院である。 -
隔離病棟の右側に鉱員社宅が並ぶ。
高層の社宅は防潮堤を兼ねていた。海側に廊下があったとのこと。 -
写真の右端は島の北西の端部分。
中央から左側にかけての折り曲がった建物は31号棟鉱員社宅。地下に共同浴場、1階に郵便局や理髪店があった。
その右奥が30号アパート。1916(大正5)年に建てられた日本最古の7階建て鉄筋コンクリート造の高層アパートである。 -
軍艦島に着岸するまでの約25分間の遊覧の最後に船は島を離れ沖合いへ。
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写真中央の島影は軍艦島から1km余り離れた岩礁。
軍艦島から斜めに掘り下げられた坑道はこれらの岩礁の地下に達している。 -
船が沖合に来た最大の狙いは乗客にこの島影を見せること。
よく知られている「軍艦島」の由来はこの方向からの島影が戦艦「土佐」に似ていること。 -
戦艦「土佐」。
艦の向きが逆でわかりにくいものの、確かに似ているようだ。 -
約25分間の島を眺めながらの遊覧が終わり、 いよいよ上陸である。屋上のデッキにいた乗客たちは一旦元の船室へ戻る。
ちなみに出港してからもう遊覧中も船はけっこう揺れたが船酔いしない体質の私は全然平気であった。 -
ドルフィン桟橋と呼ばれるコンクリートの塊に船は接岸しそこから上陸する。
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上陸し見学通路を歩き出すと右の方にこのような風景が見えてくる。高いところに立っている建物は幹部用の職員社宅である。
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現在の軍艦島には見学通路が設けられており、ドルフィン桟橋から島の北西の隅まで行くことができる。
途中に三箇所の見学広場があり、私たちのツアーでは第1見学広場を通過した後最初にこの第2見学広場に立ち寄ってガイドさんから説明を受けた。
ちなみに私たちの滞在中、他の二つの団体と一緒になった。 -
この時のガイドさんの説明の中で最も印象深かったのは「軍艦島全体が世界遺産になっているわけではない」ということである。
明治時代の遺構二箇所のみが世界遺産なのである。 第2見学場所の正面にあるこの赤レンガの施設は「第三竪坑捲座跡(資材倉庫)」と呼ばれる遺構であり明治時代のものである。 -
もう一箇所が第2見学広場の海側にあるこの防波堤である。
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「天川の護岸」とよばれている。
石灰と赤土を混ぜた天川と呼ばれる接着剤を用いた石積み工法により造られている擁壁は、この場所以外にも島内の至る所に残っている。 -
島の北西端にある第3見学広場へ移動する。
途中、間近に廃墟を目にする。 -
この日はとても天気が良かったのでこのような具合であるが、どんよりと曇った日などに眺めるとまた違った印象になるのだと思われる。
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第3見学広場で再び説明を受ける。
ガイドの男性の背後の建物が先ほど洋上から眺めた日本最古の鉄筋コンクリート造りのアパート「30号棟」である。 -
ガイドさんの説明では現在軍艦島にある建物群は修復が許可されていないとのこと。
昨年や今年の台風でも建物にかなりの損害が出た。もうしばらくすると完全に崩壊する建物も続々と出てくるそうだ。
気のせいかもしれないが、私を含めたツアー参加者から大きなため息が漏れたような気がする。今日のツアーに参加できて本当に良かったと思う。 -
島の北西端に残るプールの底。
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最後に第1見学広場に戻り説明を受けた。
途中の通路で別の団体とすれ違った。 -
最後に立ち寄った第1見学場所でツアー参加者の集合写真を撮った(希望者のみ)。
後日シーマン商会のウェブサイトからこの画像をダウンロードすることができた。 -
軍艦島へ上陸したのは14時33分であった。
出航は15時17分。船内でおしぼりのサービス。
至れり尽くせリである。 -
出航後、おしぼりと合わせてツアー参加者に「上陸記念証明書」が配付された。
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15時55分、最初に乗船した長崎港の埠頭に着いてツアーは終了した。
私はこれまでにタイやラオス、ベトナムなどの海外でも船による日帰りツアーに参加したことは数え切れないぐらいあるが、 ツアー客の安全という一番基本的な部分に十分な配慮がなされており、とても快適に過ごすことができた。
ツアー客に対するもてなしの心も十分感じ取れ、船を降りる時、私は複数のスタッフさんに対して何度も何度も感謝の気持ちを伝えた。
【了】
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