2020/11/18 - 2020/11/18
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2020/11/18
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広島県福山市から福岡へ戻る途中で山口市に寄り道をした。中原中也、種田山頭火といった極めて個性的な文学者に縁の深い土地である。
高校生のとき出会った中原中也の詩に私は今も魅力を感じている。
一番のお気に入りは中也の第二詩集「在りし日の歌」冒頭の
『含羞(はじらい)――在りし日の歌――』
である。
なにゆえに こころかくは羞じらう
秋 風白き日の山かげなりき
椎の枯葉の落窪に
幹々は いやにおとなび彳(た)ちいたり
枝々の 拱みあわすあたりかなしげの
空は死児等の亡霊にみち まばたきぬ
おりしもかなた野のうえは
あすとらかんのあわい縫う 古代の象の夢なりき
椎の枯葉の落窪に
幹々は いやにおとなび彳ちいたり
その日 その幹の隙 睦みし瞳
姉らしき色 きみはありにし
その日 その幹の隙 睦みし瞳
姉らしき色 きみはありにし
ああ! 過ぎし日の 仄燃えあざやぐおりおりは
わが心 なにゆえに なにゆえにかくは羞じらう……
初めて訪れた中原中也記念館は中也の生地の跡に建っている。長年の夢を果たせて幸いである。
(2020.11.30作成開始)
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令和2年11月の平日、JR新山口駅に降り立った。
約30年前に山口市内や秋芳洞などを訪れたときJR山口線にも乗っているはずだが、記憶が残っていない。なぜだろう?新山口駅 駅
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南口の広場に山口県出身の俳人、種田山頭火の像が建っている。
国語の教科書にも句が載っているこの漂白の俳人のことは高校生か大学生のときに読んだ丸谷才一氏の小説「笹まくら」で詳しく知り、それ以来興味を持った。 -
像の台座に刻まれている山頭火の句。
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北口のバス案内所付近にもパネルがあった。
種田山頭火(たねだ さんとうか)。明治15(1882)年~昭和15(1940)年。自由律俳句の俳人。佐波郡(現在の山口県防府市)の生まれ。「層雲」の荻原井泉水門下。 -
この後一番早い山口線の列車で湯田温泉駅へ向かう。
発車までの間に駅ナカのうどん屋さんで腹ごしらえをする。出汁が少し甘く麺は福岡市のうどんのように柔らかい。 -
新山口駅から列車で30分とかからず山口駅の一つ手前の湯田温泉駅に着く。ここで下車する。
湯田温泉駅 駅
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駅前に大きな狐のオブジェが建っている。事前にGoogle Mapでチェックしてこのようなものがあることを知っていたので驚きはなかった。
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湯田温泉駅の駅舎。その右側が足湯の屋根。
「白狐の湯」というのは駅舎に隣接してある小さな足湯のことである。無料で利用できるようだ。
湯に足を浸している人がいたため、写真撮影は遠慮した。湯田温泉 足湯 (湯田温泉駅前) 名所・史跡
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湯田温泉郷にある中原中也記念館へぷらぷら歩いて行く途中に井上公園がある。
井上公園 公園・植物園
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明治の政治家・井上馨の生地跡の一帯が公園になっている。
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何遠亭。幕末の井上家の離れを復元したもの。
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幕末の七卿都落ちの際、約半年の間三条実美らの宿舎にあてられた建物を休憩所として再現したものとのこと。
残念ながらこの日は閉所日であった。 -
園内に立つ山頭火の句碑。
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この句は知らなかった。
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今日初めて遭遇した中原中也の詩碑。
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詩句の拡大写真。
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故郷をテーマにした詩である。
この詩のことは、ここへ来るまで知らなかった。 -
井上馨公の像。
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井上公園を後にしてぷらぷら歩くこと10分もしないうちに中原中也記念館に到着した。
狭い通りを挟んだ向かい側に有料の足湯を含む休憩施設がある。ここには立ち寄らなかった。湯田温泉観光回遊拠点施設 狐の足あと 名所・史跡
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記念館の敷地の入口。
中原中也記念館 美術館・博物館
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通りに面して立つ碑(表紙の写真と同じ)。
ここが中也の出生地である。 -
右奥が記念館の入口である。
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途中、中也の詩の一節がパネルになって複数掲示されている。
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玄関。ここから先は撮影不可である。
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記念館の外側にいろいろな掲示がされている。
中也の生家である元医院の建物が火災で消失した後、記念館が建てられた。 -
2種類の特別展示を見学できた。
文学者の資料展示なので作品の原稿(本物)や直筆の書簡の類が最も貴重な資料である。
それ以外の関連した諸資料や写真、中也の生涯をわかりやすく説明したビデオの上映もあった。 -
中原中也記念館の見学を終えた後、まだ時間があるので付近をぶらぶら歩いてみる。
写真は記念館の隣にある酒屋さんの壁に貼られているポスター。
「純米大吟醸 むかつく」が気になって仕方ない。 -
記念館の敷地は細い通りと交通量の多い太い通りに面している。
太い通りを挟んだ向かい側に私などには泊まれない超高級そうな老舗旅館がある。その敷地内に幕末の史跡があるようだが、気の小さい私は旅館の従業員に見学を申し出ることが出来ないので諦める。 -
この旅館の外側には中原中也記念館側の車道に面して史跡の碑が立っている。
幕末に西郷・木戸・大久保が会見した場所らしい。 -
この旅館の敷地の東側の細い路地にも無料の足湯がある。訪れた時浸かっている人がいたので、ここでも写真撮影を控えた。
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足湯の手前にある湯が湧き出している丸い石の桶。
指を漬けてみると熱かった。 -
近くには他にも維新関係の史跡がある。以下はネット情報。
これは史跡「瓦屋跡」。瓦屋は江戸時代からつづいた旅館。幕末に湯田で瓦ぶきの建物は公館の湯田御茶屋とこの旅館だけだったので、瓦屋といわれるようになり、屋号となった。
幕末維新期に多くの志士らが利用したことで昔から有名。
明治3年には瓦屋の長女龍子が山田顕義と結婚した。 -
今日遭遇した二つ目の中原中也の詩碑。
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アップの写真も撮ったが、光の加減なのか読み取れない。
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解説板。ネットで調べたところ次のような説明があった。
『昭和8 ( 1933 ) 年9月作の『 童謡 』が刻まれていたようです。
しののめの
よるのうみにて
汽笛鳴る。
こころよ
起きよ
目を醒ませ。
しののめの
よるのうみにて
汽笛鳴る。
象の目玉の、
汽笛鳴る。』 -
同じく今日湯田温泉で遭遇した二つ目の山頭火の句碑。
以下はネット情報より。
山頭火は、最初に居を構えた小郡の「其中庵」から昭和13(1938)年11月に湯田温泉へ転居した。
湯田温泉では「風来居」と名付けた庵を拠点として山口の街を徘徊した。小郡から湯田温泉までは約3里。温泉好きの山頭火は小郡に住んでいたころから湯田温泉に入っていたという。 -
句碑に刻まれている句は
『ちんぽこも おそそも 湧いて あふれる湯』
山頭火らしい実におおらかであけっぴろげな句である。教科書に載ることは100%ないだろう。
湯田温泉にあった「千人風呂」(有名な露天風呂)を詠んだ句とされる。 -
湯田温泉郷の中心部に建つ大きなホテル。
散策を終えて新山口駅戻ることにした。中原中也記念館の前にバス停があり、15分ぐらい待って路線バスに乗った。
【了】
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