2019/02/26 - 2019/03/29
11位(同エリア99件中)
さわ子さん
2019年春、羽田から全日本空輸でロンドンに到着し、イギリス、オランダ、ベルギー、イタリア、ドイツのヨーロッパ5カ国を訪問し、ミュンヘンから羽田に帰って来ました。途中オランダでの思はぬ事故で、フランス.パリをキャンセルする事になりました。今回も絵画鑑賞が主な目的です。
この6回目の旅行記は、午前中のチェスター町歩きと午後ロンドンに移動して美術館を訪問した記録です。
全体の旅程の概略です。
★ 2月26-27日 ANAでロンドンへ。ロンドンの北、ビスターの友人宅泊。
★ 2月28日 バーミンガム泊。
★ 3月1~2日 リバプール泊。
★ 3月3日 チェスター泊。
★ 3月4~5日 ロンドン泊。
★ 3月6日 船中泊
★ 3月7~13日 デン.ハーグ泊
★ 3月14日 シャルルドゴール空港泊
★ 3月15~16日 ナポリ泊。
★ 3月17~19日 フィレンツェ泊。
★ 3月20~22日 シエナ泊。
★ 3月23~25日 ヴェネツィア泊。
★ 3月26日 ミュンヘン空港泊。
★ 3月27日 ミュンヘン空港からANAで羽田へ。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ザ.チェスター.グロブナーの食堂です。綺麗な装飾ガラス張りの天井です。
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食堂内の様子です。月曜日ですが、宿泊の皆さんはゆっくり朝起きのようです。
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このホテルのビュッフェ朝食も十分満足できるレベルでした。
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4階の廊下です。8時ですが、まだ清掃用のカートは出ていません。
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階段ホールです。特にエレベーターが混む事もなく階段は利用しませんでした。
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イーストゲート.ストリートを挟んで、部屋の正面にあるHSBC銀行の建物です。煉瓦造ですが、趣があります。1883年の表記があります。左寄り遠くに大聖堂が見えています。
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カメラを右に振ると、北側の窓からも時計塔が一部写りました。
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イーストゲート.ストリートの西の方向です。出窓から撮ったので、東から入る太陽の光がガラスに映ってしまいました。遠くにセント.ピーター教会とその左、更に遠くにギルド.ホールの尖塔も見えています。
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出窓から撮った時計塔です。ここでも撮影者がガラスに映ってしまいました。
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時計塔の通路にいるババです。
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我々の部屋の出窓はここです。赤いコートのジジが見えます。
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時計塔の北側から時計塔を望みます。時計の下の銘板には1899年完成とあります。
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時計塔の通路からイーストゲート.ストリートを西の方向に望みます。
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時計塔の通路からイーストゲート.ストリートの南側の建物列を望みます。左にザ.チェスター.グロブナーです。
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時計塔下から南の方向の市壁を望みます。
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時計塔下から北の方向の市壁を望みます。これから北に歩いて行きます。
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後ろを振り返ります。時計塔が小さくなりました。
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そして大聖堂が見え始めました。
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更に北に市壁の上を歩いて行きます。朝が早いからか、観光客らしい人とは会いません。
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大聖堂を振り返ります。
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左手遠くにタウン.ホールの塔が見えます。
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東壁から北壁への曲がり角にあるキング.チャールズ.タワーを過ぎました。昨日到着したバス.ターミナルが遠くに見えます。茶色の長い屋根がそうです。バスも小さく見えます。
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キング.チャールズ.タワーを絵や写真入りで説明しています。
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北壁を更に歩いています。天気が良いので気分も爽快です。
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南の方角に大聖堂が見えます。
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北壁の上から見たタウン.ホールの塔です。
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ノース.ゲートが間近になりました。
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ノース.ゲート上から北西の方向を望みます。市壁歩きはここ迄です。
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ノース.ゲートを下りました。ノースゲート.ストリートで西側にある家です。平板のガラスを丸く並べて出窓のように造っています。
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東側の家のガラスに映った西側の家々です。
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"Westminster.Coach and Motor.Car Works"の表示がある建物で、現在は"The Old Library"となっていて、イベントなどの特別行事に使われているようです。旅行当時は、"WOMAN’S HOUR CRAFT PRIZE EXHIBITION"、「女性の時間、クラフト賞展」が開かれていました。
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立派なタウン.ホールの建物を見上げます。1869年にゴシック.リバイバル.スタイルで完成しました。塔の高さは49mだそうです。
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昨日に続いてチェスター大聖堂を再訪します。ファサードの左側にある入り口を入るとクロイスターに到り、その南西角から聖堂に入ります。そこは左側廊になり、壁面には4つの旧約聖書の登場人物を描いた1883年から1886年の間に製作されたビクトリア朝時代のモザイク画があります。
1番目のモザイク画は、アブラハムのエピソードです。左に「イサクを神に献げる」、右に「妻サラをマクペラの洞窟に埋葬する」です。絵の下に、英語訳の旧約聖書記述が書かれています。 -
2番目のモザイク画は、モーゼのエピソードです。左に、「エジプトの王女、ナイル川からモーゼを救う」、右に「モーセが手を上げていると、イスラエルが勝つ」です。「モーセが手を上げた時、イスラエルが勝つ」は、イスラエルの民のエキソダス、エジプト脱出、でアマレク人と戦った際のエピソードです。
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3番目のモザイク画は、ダヴィデのエピソードです。左に「イスラエル軍の敵ペリシテ軍の大男ゴリアテを倒し、その首を持つ羊飼いの少年ダヴィデ」、右に「ダヴィデ王に叛旗を翻した王子アブサロムの戦死を知り嘆くダヴィデ」です。
David answered I am the son of thy servant Jesse the Bethlehemite -
4番目のモザイク画は、預言者エリヤのエピソードです。左に「雨乞いの呪法の競争に勝ったエリヤは、敗者のイゼベル王妃の刺客に追われますが、疲れて死を願うと、天使が水とパンを与え力付けた」と右に「アハブはエリヤに叫びました『私の敵、あなたは私を見つけた!』、『そうです』とエリヤは答えました」です。アハブは、イゼベルの夫で、エリヤと敵対関係にありました。
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モザイク画がある壁面の上にはステンドグラスに飾られた大窓があります。人物像は、いろいろな楽器を奏でる奏楽の天使達です。
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身廊の聖歌隊席からファサードの方向を望みます。
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聖歌隊席です。ここでもゴシック建築特有の針葉樹の森のように、木彫りの彫刻で飾られています。
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内陣の主祭室です。ここもモザイクの床が綺麗です。
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主祭室の祭壇です。
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拡大して見ました。1876年にサルヴィアーティにより制作された最後の晩餐のモザイク画です。キリストを裏切るユダが右側のテーブル手前にいます。当然、頭に光輪が描かれていません。
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左側廊の東の端にあるセント.ワーバラ.チャペルです。セント.ワーバラはアングロサクソンの王女でチェスターの守護聖人です。
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セント.ワーバラ.チャペルのステンドグラスです。「キリスト生誕」が主題です。
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内陣奥のレディー.チャペルです。
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レディー.チャペルの綺麗なモザイクの床です。
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身廊のリブ.ヴォルト、天井です。
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内陣の聖歌隊席を含む主祭室区画の天井です。
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拡大します。奏楽の天使が描かれています。
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右側廊の東の端にあるセント.エラスムス.チャペルです。ここにも主祭壇と同じ製作者のサルヴィアーティによる彩色モザイク画が飾られています。
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聖堂内の一角に設置されていた暖房機のようです。
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礼拝に訪れた家族の内、子供達が過ごすセント.メリー.マグダラ.チャペルです。チルドレン.チャペルとも呼ばれています。
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交差廊左側にあるパイプ.オルガンです。30分ほど大聖堂に滞在して外に出ました。
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セント.ワーバラ.ストリートをイース.トゲートに戻って行きます。後方にタウン.ホール、右にバークレー銀行の建物、更に大聖堂の一部が見えています。
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セント.ワーバラ.ストリート沿いの商店街です。
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セント.ワーバラ.ストリート奥にあるイタリア.レストラン、セルジョの建物です。
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ミレニアム.トレールで大聖堂前を示す道路上の標識です。
ミレニアム.トレール(Millennium Festival Trail Chester)は、宝くじの助成金を受けて2000年に設立され、チェスターで最も重要な40の建物に沿って街歩きです。 市庁舎から始まって、この2時間の散歩は、市の中心部と市壁の一部をカバーしているそうです。 -
我々が泊まっているホテル、チェスター.グロヴナーに戻ってきました。
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ホテルの玄関前です。
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今度はイースト.ゲートから南へ市壁の上を歩いて行きます。歩き出すと直ぐにグローブナー.ショッピング.センターの大駐車場の建物が右手に現れました。しかし市壁の両側には特に興味を引く建物や景色はありませんでした。
市壁も良い愛犬の散歩道のようで、こんな注意喚起の標識が立っていました。 -
市壁の南側に隣接するディー川が見えてきました。
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ディー川には観光船も運航しているようです。遠くに青灰色に塗られた鉄製の吊橋であるクイーンズ.パーク.ブリッジが見えます。
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市壁歩きは南端のこのブリッジ.ゲートでお終いです。
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ブリッジ.ゲートで市壁を下りて、ローワー.ブリッジ.ストリートを北の方向に歩いて行きます。通りの東側にあるチューダー.ハウス(Tudor House)を見つけました。
建物の入り口扉の上には、1503年の表記がありますが、樹木年代学で推定すると1603年頃に建てられた家だそうです。 -
左(西)にグロブナー.ストリートと右(東)にペッパー.ストリート、奥(北)にブリッジストリートと手前(南)にローワー.ブリッジ.ストリートの交差点から北の方向を望みます。正面奥には、セント.ピーター教会が見えます。
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交差点を過ぎ、通りがブリッジ.ストリートと名を変え、その東側にあり、"Cinderbox Coffee"珈琲店が地上階で営業している建物です。この通りの建物正面2階には、隣りの建物とつなぐ通路があり、2階にも商店が開いています。
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服飾店"Barbour"の店舗前に、愛犬を連れた客のための水飲み場でしょうか。大きい犬と小さい犬用でしょうか。
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ブリッジ.ストリートは途中から歩行者専用通りになります。通りの西側にあったお馴染みの電話ボックスです。扉はありませんが、下の方に電話機が見えます。これを屈んで使うのでしょう。更によーく見ると、ボックスの左面に"CASH"の表示があります。
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"ATM"、現金自動預け払い機になっていました。こちらの面が本来の扉だったようです。こちらの利用の方が多いのでしょうね。
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ブリッジ.ストリートの西側にデワ.ローマン.エクスペリエンスという名の博物館があり、ローマ時代の発掘品や武具などを展示して、当時のチェスターを再現しているそうです。デワとはチェスターの古い名前です。この博物館から、写真のようなローマ兵に仮装した人が市内のツアーをガイドしていました。
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ブリッジ.ストリートの中程にあるグローブナー.ショッピング.センター入り口の建物です。
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入り口を拡大しました。
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中に入ると、外から想像できない程の大きなショッピング街が現れました。ブリッジ.ストリートから東側の市壁まで小道もなく建物が互いに接続し密集して建っているようです。唯一大駐車場に入る道路だけが真ん中にあります。
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中に進んで行きます。綺麗に装飾したアーケード街が続きます。ここは建物2階だった筈ですが、1階がどうなっているか興味深々です。
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一つの仕切りを越えると新たな街並みが現れます。この商店街は70程の店舗が営業しているそうです。
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グローブナー.ショッピング.センターの入り口に戻り、ブリッジ.ストリート東側2階の商店街を北の方向に歩いていきます。
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昨日に続いてウォーターゲート.ストリートを歩きます。ミレニアム.トレールでビショップ.ロイド.ハウス前を示す道路上の標識です。これは、イギリスのマン島の三脚巴(triskelion)のようです。マン島の三脚巴紋は、鎧で覆われた膝と足首を直角に曲げた三本の脚が、太ももの付け根の部分で接合した形になっています。ちなみにシチリアの旗は、メドゥーサの首を中心に3本の脚をあしらった三脚巴です。ビショップ.ロイド.ハウスの建物は、撮影し損ないました。
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ザ.クロスの南東角の建物の南面です。
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イーストゲート.ストリートに戻ってきました。正面にイースト.ゲート.クロック、その右手前にホテルがあります。
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イースターゲート.ストリートとセント.ワーバラ.ストリートとの交差点の北東角にある商店の北面です。
12時になりホテルに戻り、荷物をまとめて駅に向かいます。歩いて15分くらいです。ロンドンに移動します。 -
イギリス鉄道の観光案内用ポスターです。イーストゲート時計塔の東側から西の方向を望んでいます。車の形から戦後の様子を描いた絵のようです。
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イーストゲート.ストリートは、市壁の外になるとフォアゲート.ストリートと名を変えます。この通りを歩いて行くと大きなロータリーに至り、そこから北北東の方向にシティ.ロードを歩くと正面にチェスター駅が見えてきます。
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発車まで1時間以上の余裕を持って駅に着きました。
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ローカル列車のようです。この辺りは電化されていないので、全てディーゼル駆動の客車、いわゆる気動車かディーゼル機関車牽引の列車です。
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切符の販売機です。切符を購入する際は、レール.カードを選んで購入し、車内の検察の時に登録のレール.カードを提示する事がルールです。
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このディーゼル列車に乗ります。チェスター駅を13時35分に発車し、ロンドンのユーストン駅には15時36分に到着する予定です。この列車は航空会社のヴァージン.アトランティックが運行しています。
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途中駅のホームにあったカートの案内文が面白いです。「その荷物は重そうですね。お手伝いしましょうか?」
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車内の様子です。あと30分弱で到着します。2時間の乗車は疲れます。
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ロンドンのユーストン駅に着いて、そこから地下鉄ノーザン線の南行で4駅目のチェアリング.クロス駅で下車しました。地上に出ればアンバ.ホテル.チェアリング.クロスは目の前です。いわゆる駅上ホテルです。3階の部屋に案内されました。ここに2泊します。
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部屋は、駅の裏手にあるので静かでした。ベッドルームもバスルームも小さめでした。
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荷物をホテルに置いて、早速近くのナショナル.ギャラリーに行きます。歩いて5分です。ここには2015年以来の再訪となります。どこの美術館でも同じですが、常時外国も含め他の美術館の特別展に絵画が貸し出されます。また、常時絵画の修復が行われていますので、展示されていない絵画が存在します。そのため再訪で見損なった絵画を見たりします。当然また見たい絵画の鑑賞も兼ねます。
ナショナル.ギャラリー前のトラファルガー広場です。 -
これもイギリス鉄道の観光案内ポスターです。上の写真の反対方向を描いています。チャールズ1世騎馬像、ネルソン記念柱、そして右にセント.マーティン.イン.ザ.フィールズ教会、左にナショナル.ギャラリーが描かれています。
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ナショナル.ギャラリーにセインズベリ.ウィングから入りました。この建物には1200-1500年代の絵画が展示してあります。主にイタリア絵画です。
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シエナ派のルネサンス期イタリアの画家マッテオ.ディ.ジョヴァンニ(1452-1495)作の祭壇画「被昇天の聖母」の中央部です。シエナの南東にある小さな町アシャーノのサンタゴスティーノ教会に納めるために製作しました。奏楽の天使を含め多くの天使に囲まれて聖母マリアが昇天して行きます。色合いが綺麗な祭壇画です。
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ミラノとその近郊で活躍したルネサンス期のイタリア画家アンブロージョ.ベルゴニョーネ(1481-1523)作の「聖母子と聖人達」です。二人の聖人は、左に王女の服装のアレキサンドリアの聖カテリーナと、右にドミニコ修道女の容姿で百合の花を持つシエナの聖カテリーナです。この祭壇画は、ミラノの南にあるパヴィア修道院の教会のために描かれました。
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同じくアンブロージョ.ベルゴニョーネ作の「聖母子」です。パヴィア修道院の修道僧が個人的な祈りに使う祭壇画として描かれました。背景の建物がパヴィア修道院だそうです。
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主にヴェネツィアで活躍したルネサンス期のイタリアの画家ジョヴァンニ.バッティスタ.チーマ.ダ.コネリアーノ(1459/60-1517/18)作の「聖母子」です。同じ構図の絵がルーヴルも含め他に6枚程あるようです。
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同じジョヴァンニ.バッティスタ.チーマ.ダ.コネリアーノ作の「聖母子」です。 絵画全体を彩る澄んだ光と豊かな色彩はチーマの作品の典型です。幼子は、小鳥のムネアカヒワを持ち、未来の受難(キリストへの拷問と磔刑)を象徴的に暗示しています。
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同じくチーマ.ダ.コネリアーノ作の「聖トーマスの不信」です。 復活を疑っていた聖トーマスが、キリストの復活を確信した瞬間を描いています。 彼が指をキリストの傷に置き、キリストが本当に死からよみがえられたことを確認しました。
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ヴェネツィアで活躍したイタリアのルネサンス期の画家ジョヴァンニ.ベッリーニ(1435-1516)作の「聖母子」です。この絵は、個人が自分の家に設けたチャペルに置くために描かせました。
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イタリア.ルネサンス期のヴェネツィア派の画家ジェンティーレ.ベッリーニ(1429-1507)作の「玉座の聖母子」です。前の写真の作者ジョヴァンニ.ベッリーニの兄です。この絵は、作者の2作しか残っていない聖母子画の1作で、おそらく多翼祭壇画の中央パネルだったと考えられています。
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イタリアのルネサンス初期の画家であるカルロ.クリヴェッリ(1430/05-1494)作の「受胎告知と聖エミディウス」です。大天使ガブリエルが聖母に受胎告知する瞬間ですが、ルネッサンスの町の通りで彼を呼び止めた司教聖人により、彼の使命から注意が逸らされました。 その聖人は、イタリアのマルケ州の南端にあるアスコリ.ピチェノの町の守護聖人、聖エミディウスです。 この祭壇画は、聖書の出来事に効果的に参加している地元の聖人を示している点で非常にユニークです。
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祭壇画の一部を拡大した3枚です。
マリアは祈りの机に跪いて、そよぐ風にページが舞う本を読んでいます。彼女は大天使ガブリエルが到着した瞬間、メサイアの誕生に関するイザヤの預言を読んでいたと考えられています。マリアは、ファッショナブルな15世紀の女性の容姿で描かれています。 -
受胎告知の時に、司教聖エミディウスに呼びかけられた大天使ガブリエルです。このように、告知中に中断するように別人が参入する場面は見た事がありません。聖エミディウスは、アスコリ.ピチェノの町の模型を捧げ、何か話し掛けているように見えます。マリアの居る部屋は地上階のようで、保安のため窓に鉄柵が付いています。
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受胎告知が行われている時の周りの様子です。階段の隅でじっと見つめている子供と空を見つめている若い男だけが、聖霊の鳩が天から降り、壁の金色の穴を通ってマリアに向かっている光に気づきました。
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同じカルロ.クリヴェッリ作の「ツバメの聖母」です。この作品は、イタリアのマルケ州の中部山岳にあるマテリカの町のフランチェスコ会教会のオットーニ家チャペルのために、1491年に描かれた祭壇画の中央部分です。ツバメは毎年春に再び現れたので、復活を象徴しました。そのツバメは聖母の左上にいます。幼子はリンゴを持っています。リンゴは、イブがエデンの園でアダムを誘惑した果物です。左は、聖ヒエロニムスが枢機卿のローブで、彼がラテン語に翻訳した聖書の本を持っています。右は、中世の騎士に扮した聖セバスチャンで、矢を指で摘んでいます。セバスチャンはローマの兵士であり、秘密のクリスチャンでした。彼の信仰が発覚したとき、彼は矢で撃たれましたが、死にませんでした。
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これもカルロ.クリヴェッリ作で「聖母子」です。アスコリ.ピチェーノにあるサン.ドメニコ教会の多翼祭壇画の中央パネルです。この祭壇画は、分解され一部がロシアの王子アナトール.デミドフに売られました。そのため、この祭壇画は「デミドフ祭壇画」と呼ばれています。聖母は戴冠し、天の女王のように豪華な服装をして、大理石の玉座に座っています。長く先細になっている指で、聖母は幼子を覆っている半透明の布を持ち上げ、まるで教会で祈る人々に幼子を見せるかのようです。微妙に曲がり長く先細になっている指は、クリヴェッリの特徴的な描き方です。
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「デミドフ祭壇画」は、中央の聖母子を挟んで左右に2枚づつ聖人画が付属しています。右隣のパネルが「アレキサンドリアの聖カテリーナ」です。4世紀のアレクサンドリアの王女のカテリーナはキリスト教に改宗し、幻視の中でキリストとの神秘的な結婚を経験しました。 彼女が信仰を放棄しないので、マクセンティウス皇帝は、彼女をスパイク付きの車輪に縛る拷問をして殺そうとします。 しかし、落雷で車輪が壊れてしまいました。 その後、カテリーナは斬首されました。
この絵も、微妙に曲がり長く先細になっている指が印象的です。 -
「デミドフ祭壇画」で、中央の聖母子の左隣りのパネルは、「聖ペトロ」です。聖ペテロは、カトリック教会の初代教皇であり創設者の一人です。フードのような眉毛の下の目は、私たちをじっと見つめていますが、灰色がかった髭、日焼けした顔、深い顔の皺の特徴は、クリヴェリの慣習的な正確さで描かれています。ペトロは、 キリストに召命される以前はガリラヤ湖の漁師でした。
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これもカルロ.クリヴェッリの作品です。アスコリ.ピチェーノの聖ドミニコ教会の多翼祭壇画で、ナショナル.ギャラリーが所有する4つのパネルの内の1枚です。「悪魔を退治する大天使聖ミカエル」です。左手に正義の証の天秤を持っています。
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同じカルロ.クリヴェッリ作の「二人の天使に支えられる死せるキリスト」です。この絵は、もともと多翼祭壇画の上部にあり、クリヴェッリがイタリアのマルケ州南部のモンテフィオーレ.デッラゾのフランチェスコ会教会のために描いたものです。
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2010年春、カルロ.クリヴェッリのファンになったジジとババは、レンタカーでマルケ州を初めて走り回り、この画家の作品を探し回りました。一番印象的だったのがモンテフィオーレ.デッラゾのフランチェスコ会教会に残っているこの「聖マグダラのマリア」です。この目つきと指先は忘れられません。繊細な服装の描写も感激ものです。
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ルネサンス期イタリアのフィレンツェ生まれの画家であるサンドロ.ボッティチェッリ(1445-1510)作の「金星と火星」です。金星の愛の女神ヴィーナスは、恋人の火星を見つめています。 戦争の神である火星が完全に眠りに落ちている間も、金星は警戒心を保持し、威厳も保ちます。 火星は、ぽっちゃりしたサテュロス(半分子供、半分山羊)が、ホラ貝を吹いていることにさえ気づきません。
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こちらは、金星の愛の女神ヴィーナスです。
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こちらは、深い眠りの戦争の神である火星です。
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イタリア、ルネサンス中期の画家フィリッポ.リッピ(1406-1469)作の「受胎告知」です。聖霊の象徴である小さな鳩が聖母のお腹に向かって飛んでいきます。これがキリストの受胎の瞬間です。 鳩は神から送られました。神の手は、天を表す深い青色の雲から現れています。 マリアのピンクのドレスの隙間から黄金色の光が発せられ、彼女は受け入れ、それに向けて頭を下げます。
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イタリア.トスカーナ州南部の町コルトーナ出身で、ルネサンス期の画家ルカ.シニョレッリ(1440/50-1523)作の「割礼」です。ユダヤ人の伝統に従い、生後8日のキリストは割礼を受けました。 キリストは母親の膝の上に座って、細かい刃を持ち手術を行うモヘルに手を差し伸べます。
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イタリア.ルネサンス極初期の画家ピエロ.デラ.フランチェスカ(1415/20-1492)作の「キリスト降誕」です。この画家は、イタリア中部トスカーナ州のアレッツォ近郊山間の町、ボルゴ.サンセポルクロに生まれました。数学や幾何学に打ち込んだ最初期の画家の一人でした。この画家の大作がアレッツォの聖フランチェスコ教会にフレスコ画「十字架の伝説」として残されています。
リュートを弾いて歌っている天使のグループが、この素朴なシーンに天国の調べを伝えてくれます。 -
同じ画家ピエロ.デラ.フランチェスカ作の「キリストの洗礼」です。
洗礼者ヨハネがキリストの頭の上に小さなボウルの水を注ぎます。 カラフルなローブを着た3人の天使が、じっと見守っています。 この瞬間、神の声が聞こえました。「これは私が愛する私の息子です。 彼と共に私はとても喜んでいます」そして聖霊は、キリストの頭の上を私たちに向かって飛ぶ鳩として表され、キリストの上に降りてきました。 -
盛期ルネサンスを代表するイタリアの画家ラファエロ.サンティ(1483-1520)作の「アレクサンドリアの聖カテーリナ」です。ラファエロ.サンティは、マルケ州ウルビーノに生まれ、レオナルド.ダ.ヴィンチ、ミケランジェロとともに、盛期ルネサンスの三大巨匠といわれています。
前出のクリヴェッリ作の同名の絵画のように、聖カテリーナは車輪を持っています。 -
ルネサンス期のネーデルラント(フランドル)の画家ヒエロニムス.ボス(1450-1516)作と言われている「キリストの嘲弄」です。
キリストは、この絵の中心から冷静に私たちを見つめています。彼の静けさは、彼の苦しみと状況の残忍さとの鮮やかな対比になっています。 後ろには2人の兵士がいます。1人はいばらの冠をキリストの頭に押し付けようとしています。 正面には、2人の男がキリストの衣を剥ぎ取ろうとしているようです。 -
初期フランドル派の画家ロヒール.ファン.デル.ウェイデン(1399-1464)作の「読書する聖マグダラのマリア」です。
贅沢な緑のドレスを着た若い女性が床に座って読書をしています。 彼女は15世紀の服を着て中世時代の部屋にいます。聖書の人物、聖マグダラのマリアです。 彼女がキリストの足に香油を注ぐために使用した香油の壺は、強い影を投げかける彼女のそばの床に置かれています。 この絵は元々、ブリュッセルの教会のために描かれた「聖母子と聖人達」の大きな祭壇画の右下隅でした。このように、数多くの絵画が、小さな絵に切り離されて売られていたようです。 -
この祭壇画は、2011年秋に訪れたトスカーナ州アレッツォのサンタゴスティーノ教会にありました。1922年に盗難にあったそうで、発見された時にはこのように切り刻まれていたそうです。ちなみに、この作品の画家は、アレッツォ近郊に生まれたニッコロ.ソッジ(1480-1552)です。
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初期フランドル派のフランドル人画家ヤン.ファン.エイク(1422-1441)作の「アルノルフィーニの肖像」です。個室に立派な服装の男女が立っています。 彼らはおそらくブルージュで働いているイタリア人商人のアルノルフィーニとその妻でしょう。後ろの壁には、大きな凸面鏡が部屋に入ってきた2人の男性を映しており、その1人も腕を上げています。 鏡に映った男は、使用人と一緒に訪ねてきたヴァン.エイク本人かもしれません。
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1時間ほどナショナル.ギャラリーに滞在して外に出ました。今夜は、友人夫婦の招待で晩餐会です。歩いて待ち合わせ場所のホテルに帰ります。
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今回の4泊5日のイギリス国内の旅には、小さなスーツ.ケースを貸してくれて、大きな我々のスーツ.ケース2個を預かりホテルまで運んでくれました。
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アンバ.ホテル.チェアリング.クロスが正面です。駅舎の上のホテルです。
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ホテルの階段ホールを見上げます。
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晩餐会のレストランは、地下鉄オックスフォード.サーカス駅近くの創作料理で評判のピクチャー.フィッツロヴィアです。料理はシェフ.チョイス.メニューというお薦めの5品セットです。スターターは「月桂樹の葉とタイム入りのネギとポテトのスープ」で2品目がこれです。「焼きセルリアック、山羊のカード、ヘーゼルナッツ、キノアのサラダ」です。
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3品目の「鶏肉、豚肉、鴨のテリーヌ、ブリオッシュのトースト」の後、メインはこの「赤ワインソースのヒレ.ビーフ」です。
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5品目はデザートです。5品とは言え量が少ないので、老人には適当な料理でした。
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ご馳走になり、友人夫婦と別れてホテルに帰ります。オックスフォード.サーカス駅のホームです。
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リバプール
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (4)リヴァプールからマンチェスターへ日帰り旅行です(3月2日)
2019/02/26~
マンチェスター
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (5)リヴァプールからチェスターへ移動です(3月3日)
2019/02/26~
リバプール
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (6)チェスターからロンドンへ移動です(3月4日)
2019/02/26~
チェスター
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (7)ロンドンで美術館をハシゴしました(3月5日)
2019/02/26~
ロンドン
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (8)ロンドンでまたまた美術館のハシゴです(3月6日)
2019/02/26~
ロンドン
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (9)ロンドンからデン.ハーグに船、鉄道で移動し、デルフトを散策し...
2019/02/26~
デルフト
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (10)デルフトで再治療の後、デン.ハーグで休養です(3月8日)
2019/02/26~
ハーグ (デン・ハーグ)
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (11)ブリュッセルへ日帰りです(3月9日)
2019/02/26~
ブリュッセル
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (12)デン.ハーグでマウリッツハイス美術館とエッシャー美術館を訪...
2019/02/26~
ハーグ (デン・ハーグ)
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (13)アムステルダムの国立博物館にデン.ハーグから日帰りで訪れま...
2019/02/26~
アムステルダム
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (14)デン.ハーグから日帰りでライデンを訪れました(3月12日)
2019/02/26~
ライデン
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (15)デルフトで最後の治療を終えました(3月13日)
2019/02/26~
デルフト
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (16)デルフトからロッテルダムに寄りパリのシャルル.ド.ゴール空...
2019/02/26~
ロッテルダム
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (17)パリのシャルル.ド.ゴール空港からナポリに移動しました(3...
2019/02/26~
ナポリ
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (18)ナポリでカポディモンテ美術館とサン.マルティーノ博物館を訪...
2019/02/26~
ナポリ
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (19)ナポリでセヴァロス.スティリアーノ宮美術館を訪問し、町歩き...
2019/02/26~
ナポリ
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (20)プラートとフィレンツェの美術館や教会で絵画を鑑賞しました(...
2019/02/26~
フィレンツェ
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (21)フィレンツェの美術館や教会で絵画を鑑賞しました(3月19日...
2019/02/26~
フィレンツェ
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (22)ウフィツィ美術館で絵画を鑑賞した後にシエナに移動しました(...
2019/02/26~
フィレンツェ
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (23)シエナからヴォルテッラにデイ.トリップしました(3月21日...
2019/02/26~
ヴォルテッラ
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (25)シエナから午後にヴェネツィアへ移動します(3月23日)
2019/02/26~
シエナ
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (26)晴天の下ヴェネツィアでのんびりです(3月24日)
2019/02/26~
ベネチア
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (27)晴天の下ヴェネツィアで美術館.教会巡りです(3月25日)
2019/02/26~
ベネチア
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (28)ヴェネツィアで美術館.教会巡りの後ミュンヘンに出立です(3...
2019/02/26~
ベネチア
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シニア夫婦の欧州5カ国ゆっくり旅行30日 (29)最終日はミュンヘンの美術館です(3月27日)
2019/02/26~
ミュンヘン
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