二度も首都となった奈良県五條市を輪行する

2018/08/08 - 2018/08/08

　五條市は、紀ノ川沿いにひらけた町で 南北朝時代の1348年に南朝の本拠地である吉野が陥落した際に、後村上天皇が賀名生（現在の五條市西吉野町）に入り、一時期南朝が置かれた。時代は下がって1600年に松倉重政が関ヶ原の戦いの論功で領土を与えられ、大和五条藩が成立。その後天領となり代官所が置かれる。さらに維新直前の1863年天誅組が五條代官所を襲撃、代官鈴木正信（源内）を殺害し倒幕運動の烽火を上げたことでも知られる（天誅組の変）。天誅組の本陣は桜井寺（現在の五條市須恵、本陣交差点の近く）に置かれ、一時「五條仮政府」を名乗った。と、云うことで五條は二度日本の首都の様な立ち位置になった事があると云える。

エリア 五條(奈良)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 自家用車 バイク

　松倉家支配云々の歴史。

　町筋の同碑。

　新町筋云々と歴史が解説されています。

　町筋の道標。

　家並み、電柱の地下埋設が課題ですが、工事費が高く付きますので。

　新しい町造りも。資料館は又も休みだった。（高槻、伏見港と今年三度目の休肝日でした。）

　市民も立ちあがって頑張っている。

　タバコ屋さんも町並み保存。

　お蕎麦屋も町並み作り。

　造り酒屋も柿ワインで協賛。

　造り酒屋の立派な倉庫群です。

　紀伊葛城山系からの水路でしょうか。電柱の地下埋設が出来たら修景に良いのでしょうね。

　二度も首都になったことは、五條は地政学的に重要な位置にあったと云うことだろう。また、背後に構えた肥沃な森林は膨大な富を生み出した。近年町並みが整備されている「新町筋」を歩いていると、町の懐の深さが感じ取られます。また、五新線の廃構跡にもその息吹が見えます。

　今も残る五新線跡。

　五新線の説明。

　天空へ線路は伸びる・・・。銀河鉄道に繋がっているのか。

　鉄道計画が頓挫するのはよくあるが、実際に建設が始まって中折れするケースは、余り知られていない。全国くまなく見ればあるのだろうが、これほど見事に中断しているケースは未だ聞き及ばない。

　資料館庭の機関車、９９９は偽造。

　町並みの起点は栗山家住宅。棟札に１６０７年（慶長１２年）とあり、建築時が判明する商家としては日本最古とか。

　１８６３年（文久３年）尊王攘夷派が、時の孝明天皇の大和行幸の詔を出させる事に成功。これを機に、倒幕急進派の吉村虎太郎、藤本鉄石、松本奎堂らを中心にして脱藩浪士達が天誅組を結成した。公卿山中忠光を盟主として、幕府の五条代官所を急襲し、近くの櫻井寺を本陣として倒幕の旗を揚げました。

　櫻井寺を本陣に。

　しかし、朝議は一変して大和行幸は中止となります。天誅組は、十津川郷士約千名と共に、高取城を攻略しようとしたが撃退され、殆どが討死又は自死した。４０日間ほど下級武士と豪農豪商が一体となった、倒幕挙兵の先駆けとなった。高取城の戦は、司馬遼太郎の「おお、大砲」に詳しいです。私の本blog拙稿でも紹介いたしております、よろしければご一読下さい。

　本陣跡の石碑。

　天誅組が急襲した代官所跡が復元されて、展示資料館となっている。

　資料館内部。

　リバーサイドホテル、井上陽水とは関係が無い”陽水”？！。

　銀輪に疲れたら、温泉は金剛の湯へ。リバーサイドホテル併設。