2017/09/26 - 2017/10/03
54位(同エリア610件中)
ポポポさん
文明の十字路、シルクロードの中継地、青の都とも呼ばれている中央アジアのサマルカンド。古くからシルクロードのオアシスの町として栄えてきたサマルカンドは中央アジアに勃興したホラズム・シャー王朝の首都として繁栄を続けましたが、チンギス・ハーン率いる20万のモンゴル軍の侵攻を受け町は跡形も無く破壊しつくされ、人口の3/4が殺戮されたと言われています。
その後ティムール帝国の首都になると再び隆盛を極め、中央アジアの文化の中心地となり青の都と呼ばれるようになりました。
東西文明が交差する町、幾多の帝国の興亡を見つめてきた町サマルカンド、シルクロードや西洋史に興味がある者としてはぜひとも訪れたい町でした。
さて、ウズベク人は親日と言われますが何故遠く離れた中央アジアの国が親日なのか?その理由を尋ねる旅でもありました。
ナヴォイ・オペラ劇場建設における日本兵捕虜の活躍は知っていましたがそれだけではなさそうです。
たまたま福岡からチャーター便が出るとのことで旅行会社から早期予約の案内が来たのが2016年12月。翌年正月明けに申し込みするとすでに満席とのこと。1か月以内に完売した超人気コースでした。出発は2017年4月でしたが人気が高いので9月26日に再度チャーター便を出すことに決定したとのこと。直ちにそのツアーを予約し待つこと8か月、満を持して福岡から出発しました。
<旅程>
9月26日 福岡国際空港 ― サマルカンド(泊)
9月27日 サマルカンド観光 サマルカンド(泊)
9月28日 サマルカンド―シャフリサブス―ブハラ(泊)
9月29日 ブハラ観光 ブハラ(泊)
9月30日 ブハラ ― ヒヴァ ― ウルゲンチ(泊)
10月1日 ウルゲンチ―キジルカラ―トプラカクラ―ヒヴァ―ウルゲンチ (泊)
10月2日 ウルゲンチ ― タシケント ―機中泊
10月3日 福岡着
(表題の写真はサマルカンドのレギスタン広場)
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
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9月26日、旅行第一日目。福岡国際空港に到着しました。
チャーター便の出発は午後2時、12時が集合時間のため15分前に出発ロビーの旅行代理店カウンターに着いたのですが、チャーター便のチャックインのため長蛇の列ができていました。福岡空港 空港
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今回のツアーはチャーター便利用のため各旅行会社が募集した団体客と相乗りでした。
参加した旅行会社は阪急交通社、JTB,日本旅行、西鉄観光、他に九州の旅行会社が2社、これはあくまで私が確認できたもので、この他にまだあったかもしれません。
そのうち私が参加した阪急交通社のツアーは2コース計4組のグループ構成で総勢125人の参加でした。
ウズベキスタン観光のベストシーズンは4月と5月。特に4月は花が咲き木々は緑に覆われて1年で一番美しく爽やかな時期だそうです。5月も過ごしやすいそうですが下旬は気温が高くなるようです。そのため当初のツアーが4月に設定されたのでした。9月はその次に凌ぎやすい月なんだそうです。日中の最高気温は28度、最低気温は11度です。
ウズベキスタンは砂漠地帯なので日中の気温は高く夜は冷え込みます。特に夏の日中は灼熱地獄だそうですから7.8月は避けた方がいいと思います。
そういう訳でツアーは4月と9月に催行されました。福岡空港 空港
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ウズベキスタン航空のチェックインカウンター。
ウズベキスタン入国にはビザと税関申告書が必要です。2018年2月からビザは不要になりましたが2枚複写の税関申告書は入国の際、提出しなければいけません。
この記入が面倒ですが、前もって地球の歩き方を見て下書きを作っていたので難なくクリアしました。
ウズベキスタンに入国する時、申告書のうち1枚はスタンプを押して返却してくれるので出国まで無くさず持っていましょう。出国の時に提出しなければならないからです。
所持現金の他カメラ・パソコン・貴金属・携帯電話などを申告します。。
特に現金は入国した時より出国した時の額が多い場合は詳しい検査を受け、現金を没収されることもあるそうですのでその点気を付けましょう。但しツアーの場合は申告書に一瞥をくれるだけで詳しく見られることはありませんでした。 -
機種はボーイング767-300、成田空港に就航している機種だそうです。
搭乗口から飛行機までは歩きでした。福岡空港 空港
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機体の横は「ウズベキスタン」の国名入り。
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搭乗のサポートはANAのお姉さんでした。
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機内の様子。エコノミークラスの座席は窓側が2席、真ん中が3席でした。
ウズベキスタンは旧ソ連邦の共和国でした。ソ連時代にはいわゆる公務員や国営企業の職員などが幅を利かせ肩で風を切る勢いで態度も横柄、高圧的で融通が利かないと言われていました。そのためかウズベキスタン国営航空の職員もプライドが高いようで態度は高圧的でした。
これは飛行機の中の写真ですが、中で写真は撮るなと注意されました。但し写した写真を消去しろとまでは言われませんでした。 -
水平飛行に移った後に出された機内食。この写真は客室乗務員が周囲にいないことを確認して写しました。
女性の客室乗務員は皆硬い表情をしていましたよ。笑顔を見せているつもりでも作り笑顔だとすぐに分かる。「私プライドが高いのだから。本来なら貴方たちなんか相手にしないのよ。」と顔に書いてあるかのようでした。 -
10分遅れで福岡国際空港を出発。直行便のため通常13~14時間かかるところを約8時間半のフライトでサマルカンドに到着する予定です。
フライトコースは中国大陸を横断し、ゴビ砂漠からトルファン・ウルムチを経て天山山脈の北、天山北路を西に進んでサマルカンドに至るルートでした。
一人参加組は真ん中の3席でしたので景色は見えません。機中で見る映画は多くがロシア語のためチンプンカンプン。英語版が数本ありましたが英語も分からないので文庫本を読みながら音楽を聞いて時間を潰しました。 -
そのうち左側の座席がざわついてきて真ん中の3席に座っていたご婦人達が立ちあがり、左の窓側を覗き込んでは写真を撮ったりし始めました。
何が見えるのかと窓を覗くとちょうどゴビ砂漠のような砂漠の風景です。山も見えます。あるご婦人が「あれウルムチじゃない?」「そうよそうよ」と別の人が相槌。
丁度飛行機はシルクロードの上空を飛んでいたのです。私も窓越しに写真を撮らせてもらいました。
すでに飛行機は天山北路に差し掛かっていて、写した写真は天山山脈の様子です。 -
皆さん詳しいなと思いましたが、後で聞いてみるとこのツアーに参加した大多数の方が敦煌・シルクロードを観光されていたんです。その時ウルムチまで来られたのでシルクロード観光の完結として東西文明の交流地であるサマルカンドに行きたくなり今回のツアーに参加されたそうです。
私達A班28名の全員には聞いていませんが、シルクロードに行っていないのは私を含め3、4人だろうと思いました。 -
それにしても多くの人が写真を撮っているのに客室乗務員は注意しに来ないな。
外の写真だからいいのかな。それともいちいち注意するのに疲れたのかな。
結局それ以降は注意されませんでした。 -
天山北路の様子。
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同じく天山北路付近と思われる。
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再び天山山脈の様子。
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サマルガンド到着前に出された軽食です。
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8時間半の空の旅を終えてサマルカンド空港に到着。
ウズベキスタンでは空港内、駅構内、地下鉄、軍用施設、政府の建物、検問所、大きな橋などは写真撮影禁止です。
ですから飛行場も飛行機も空港内でも写真は撮りませんでした。それなのにこんな写真が撮れたんですよ。これ空港の写真です。サマルカンド空港 (SKD) 空港
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ここは空港出口の建物内の写真。
空港の写真は撮れないと誰もが思っていたはずですが、私たちが椅子に腰かけていると一人の中年の女性がフラッシュを焚いてパチパチ写真を撮り始めたではありませんか。
我々がこの女性と数人の空港職員とを交互に見比べていると、もう一人の別の中年女性が写真を撮り始めました。
空港職員の方を見ると、写真を撮っているのに気付いているはずなのに注意も何もしない。
これを見ていた別の女性がまた写真を撮り始めました。やはり空港職員は何もしない。見て見ぬ振りを決め込んでいるかのよう・・・。
これ大丈夫だよと言ったか言わないかの内に皆が一斉に写真を撮り始めたじゃありませんか。私も皆さんの仲間入り。これはチャンスと写真を撮りました。
そうして写したのがこれらの写真です。
でもウズベキスタンで写した空港の写真はここだけです。後は全てダメでした。
もちろん地下鉄も含めて・・・。地下鉄構内は荷物検査までありましたから驚きです。警官は怖い存在、楯突けませんから。サマルカンド空港 (SKD) 空港
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それにしても恐れを知らないのは最初に写真を写した中年の女性。
ウズベキスタンで空港の写真を撮ったら官憲に引っ張られるって知らなかったのかな?
ツアー客だから添乗員や旅行会社から注意を受けているはずだけど・・・・。
トラブルがなくて本当に良かったよ。
写真はチャーター便ご一行様がウエルカムドリンク(マンゴージュースでした。)を貰っているところ。サマルカンド空港 (SKD) 空港
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ウズベキスタン国営航空の大パネル。
さて、現在スーツケースの確認中。他のツアーと一緒で阪急トラピックスは4班編成なので確認に時間がかかっているみたい。待っている間に現地通貨に両替したいんだけど・・・。普通は着いた空港ですぐするよね。
気になるのでぐるっと回ってみたけどここには両替のBANKが見当たらない。
入国審査が終了すると添乗員さんに連れられて急いでここまで来たんだけど。
ホテルでするのかなと思っていたら添乗員さんから「集合してください。今からバスに乗ります。」との案内があり、結局空港では両替できなかった。たぶん添乗員さんから両替の案内があるだろうとその時は思っていました。
ウズベキスタンでは現地通貨スムの他に米ドルが一般的に流通しています。そのため米ドルを用意してこちらで現地通貨のスムに両替するそうです。
ちなみに9月25日現在の為替レートだと1スム=0.0139円でした。桁が違い過ぎるので分かり難いですが、100スムが1.34円で米ドルでは1ドル=8167スムになります。サマルカンド空港 (SKD) 空港
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スーツケースの確認と班別の人員確認が終わるとバスに乗る為に班ごとに外に出ました。
我々が出口に進んで行くと外から野太く低い音色のラッパの音が響いてきました。
外に出て見ると左側にサマルカンドの綺麗所がお出迎え。
今回のチャーター便就航はウズベキスタン政府、ウズベキスタン観光協会との協賛で行われるもので、このウズベク美人らの歓迎も歓迎プログラムの一つでした。
残念だったのは到着した時間が遅いためすでに暗くなっていたこと。現在午後7時50分、4月21日出発のツアーだったらまだ明るかったはずです。
暗くてサマルカンドの美人さん達のお顔がはっきり見えなかったのが本当に残念。
(写真は修正して明るくしていますが実際はもっと暗かった)サマルカンド空港 (SKD) 空港
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こちらの男性が鳴らしているのがウズベキスタンの民族楽器カルナイというラッパ。
肺活量がかなりいりそうですね。サマルカンド空港 (SKD) 空港
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歓迎してくれた女性のひとり。目があってほほ笑んでくれたので写真をアップで撮らせてもらいました。
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夜遅いため今夜はホテルに直行。バスの中で添乗員さんから現地のガイドさんの紹介がありました。
男性のガイドさんで名前はシュンコルさん。住まいはタシケントだそうです。
シュンコルさんから自己紹介があり、その時に両替の説明がありました。
ウズベキスタンではレストランやバザール、土産物店での支払いは米ドルで可能だがスーパーや市場、有料トイレなどは現地通貨のスムになるそうです。
そのため明日1人あたり10ドルの両替をガイドさんがしてくれると説明がありました。
銀行やホテルで両替はできるのですが、スムの価値が極端に低いため両替しすぎると大量の紙幣になってしまうので最小限度の両替に止めるのだそうです。
また為替レートが分かり難いのでガイドに一任してほしいとのこと、実はスムの価格が従来のほぼ1/2となる切り下げが7月に実行されたばかりなので、ある意味混乱気味なのだそうです。
切り下げの理由は外国人にスムで買い物をしてもらいたいためだったそうです。
割安感があるスムで外国人が買い物をしやすいようにしたいとの大統領の配慮から行われたそうです。
夕食はホテルのレストランで食べました。
今夜の宿泊はホテル「マジェスティックパレス」、到着が夜遅かったので写真は翌朝写した物です。
サマルカンドの郊外にあるホテルでした。 -
ホテルのロビー。翌朝写した写真です。
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こちらが客室の建物、こちらも翌朝写した物です。
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ホテルに到着すると地下のレストランですぐに食事でした。
どういう訳か写真は最初に出されたサラダしか撮っていません。そのためメニューだけカキコしておきます。
前菜がヌードルのスープ。メインが肉と野菜の煮込み料理。デザートはパイでした。
飲み物はビールが1ドル、グラスワインが2ドル。物価が安い国なので飲み物は大変安かったですね。財布にやさしい国です。
料理も大変美味しかったです。どの料理も美味しかった。だから写真を撮るのを忘れたのかも・・・。 -
室内の様子。ベッドはシングルベッドで部屋も狭かった。建物の角の部屋でした。
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室内の様子。飾り気の少ないシンプルな部屋でした。
湯沸かしポットは有るが冷蔵庫は無し。WIFIは無料ですが室内では入りません。フロントならOKでした。 -
シャワーとトイレ。
バスタブは無しでした。シングルベッドだし、一人参加は皆シャワーの部屋なのかと思っていましたよ。
翌朝皆さんに確認してみるとシングルベッドでシャワーの部屋は私だけ、一人参加の人も皆さんツインでバスタブ付きだったそうです。
私だけが貧乏くじを引いたような気がしたので、添乗員さんには部屋のことを話しておきました。 -
ウズベキスタンではトイレットペーパーは便器に流せません。使用後は便器の左横にある黒いボックスに入れておきます。
これは水道が詰まる恐れがあるためです。日本のように下水道の状態が良くないからだそうです。
トイレットペーパーは柔らかい紙でしたがそれでも詰まるようです。そこで私は日本から持参したトイレットペーパーを使いました。
日本製はすぐ水に溶けるので安心なのだそうです。添乗員さんから日本製は使用できると事前に聞いていたので、トイレットペーパーを2ロール、スーツケースに入れてウズベキスタンまで持ってきました。 -
ポット付きはありがたかったのですが、この日は使いませんでした。
ミネラルウォーターは1日1本ホテルからのサービスです。
ここでミネラルウォーターの話を少ししておきましょう。
ウズベキスタンでは水道の水は飲めません。そのため1日1本ホテルがサービスでミネラルウォーターを提供してくれるようになっていました。
ところが旅行前に添乗員からミネラルウォーターを3本スーツケースに入れて旅行に持って行くようにとの指示がありました。
これは、連絡の行き違いなどでミネラルウォーターが提供されない場合もあり得る得るので、その時のために準備しておくのだそうです。
そういうことで指示に従って3本ウズベキスタンに持参しました。
空港に着くとガイドさんからまた1本ミネラルウォーターが渡されました。さらにバスの中ではうがいや歯磨きの時に使用するようにともう一本配布されました。
そしてホテルでさらに1本ミネラルウォーターが追加されて、初日から6本のミネラルウォーターを持って旅行が始まりました。いくらなんでもこれでは多過ぎる。水も結構な重さになるんですから。
しかも明日からは毎日2本のミネラルウォーターが配布されます。1日でそんなに飲めるのかな?
ウズベキスタンの水道事情が悪いため、手洗いなども含めて水道の水を使わないようにとの配慮でしたが私には多すぎました。
バス中では食事の注意もありました。ウズベキスタンの料理は動物性の油を使用しているため、植物性の油を使う日本人は体調不良になってしまうそうです。
お腹が緩くなるので料理が美味しくても食べ過ぎない事、果物を食べた後に水(ミネラルウォーター)は飲まない事、特にスイカを食べた後に水を飲むとほとんどの人はお腹が緩くなるそうです。
このような注意事項があって初日は終わりました。 -
9月27日、旅行2日目です。
ホテルのレストランでの朝食。食事の種類は少なかったですね。飲み物はミルクとコーヒー、記憶ではジュースは無かったと思います。特徴的だったのがレーズンやピーナッツ・ひよこ豆などの豆菓子が出されること。
これはチャイハナのお茶菓子でも出されましたが大変美味しいです。
土産として袋詰めで何種類も買って帰りました。 -
ホテルのレストランの様子。レストランは地下にありました。
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同じくレストランの様子。
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朝8時にバスでホテルをバ出発し2日目の観光が始まりました。
最初に観光における注意事項が説明されました。
①ウズベキスタンの観光地で写真を撮る場合、全ての施設で撮影料が必要です。いちいち個人が支払うのではなくガイドが一括してして支払うので、その日一日分の撮影料をドルで徴収すると言われました。
9月27日は5か所で4ドルです。
②現地通貨のスムに両替します。とりあえず本日は10ドル分、70,000スムに両替すると言われました。
ここで疑義が発生。事前に調べた9月25日現在の為替レートでは1ドル8167スムでした。
10ドルならば81670スムのはず。手数料を差し引いたとしても80,000スム前後になるはずです。これはガイドがピンハネしているのではないだろうか?
差額の11670スムを日本円に換算すると162円だから大した金額ではなさそうです。しかし、これを手数料率として計算してみると実に14.2%にもなりました。
通常の両替時の手数料率は4から5%程度だと思いますから、ピンハネしていることは明らかです。
これは添乗員に言って注意してもらうべきだと思いました。
写真はサマルカンド市内のナヴォイ公園。車窓から写した写真ですが逆光の為写りが悪いです。 -
今日の最初の観光地はウルグ・ベク天文台です。
バスを下車すると添乗員さんはツアーの最後尾を歩いていたので、両替の金額に疑義がある旨伝えました。
添乗員さんの話では「今回のガイドさんは観光地のガイドだけではなく、ホテルやレストランの手配なども含めて全てをお願いしている。仮にホテルや銀行で両替すれば一人にかなりの時間がかかる。ここでは旧ソ連時代と同じように事務は全て官僚的で事務員のペースで仕事がこなされるのでどれだけ時間がかかるか分からない。ガイドに両替をお願いしているのも、不要な時間を取られるのを避けて観光に時間を取るためである。指摘された事は最もだが4月に旅行した時よりも今回の方が多く買い物ができるのだから、少々高い手数料を払うと思って理解してほしい。」との事でした。
つまり添乗員は我々ツアー客の引率のみで、今回の旅行は全て現地のガイドが牛耳っているという事でした。東南アジアのツアーは現地のガイドが幅を利かせている事が多いのですが両替時ピンハネされたのは初めてでした。
添乗員の立場もあるので、もうそれ以上は言いませんでした。あとはいかにドル主体で買い物をするかです・・・。それともう一つ秘策が・・・。それは闇レートで換金することです。
ウズベキスタンを旅行した旅行記や4トラの諸先輩方の旅行記に頻繁に出てくる闇レートでの換金は非常に換金料率がいいそうです。バザールや公設市場に行けば先方から声をかけてくるそうです。
10USDならたぶん160000スム程度で換金できるのではないかな。現地ガイドの換金よりは、遥かにいいはずです。
旅行の最初からいやな思いをしましたが、闇レートの換金も考えていたので差額は手数料だと思って以後は気にしないようにしました。
ただ私以外誰もこの事を不振に思わなかったことが不思議でした。皆さん事前に為替レートは調べて来なかったのでしょうか?それでは両替しても換金された金額が正しいのかどうが判断できないと思いますが・・・。 -
しょっぱなから色々ありましたがサマルカンドの観光が始まりました。
ここはウルグベク天文台跡。この銅像はティムールの孫ウルグ・ベクです。
ウルグ・ベクはティムール帝国四代目の君主でありながら優秀な天文学者・数学者・神学者・教育者でした。学問・文化を重んじ、ティムール帝国下でイスラム文化の黄金期を築いた王様でした。
彼が1429年に建てた天文台がウルグベク天文台で、ここチュバンアタの丘の上にその遺構が残っています。ウルグベク天文台跡 史跡・遺跡
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ウルグ・ベクの治世下では多くの建物が建てられ、文化の華が開き「花咲けるサマルカンド」と謳われましたが、学問・文化を優先する政策は保守的なイスラム教指導者からは反感を買い、内乱のさなか長男が差し向けた刺客によって殺害されてしまいました。
ウルグベク天文台跡 史跡・遺跡
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ウルグ・ベクの銅像がある場所から階段を上ったところがチュバンアタの丘。
右手にウルグベク天文台、左手にウルグベク博物館がありました。
観光客が少ないので先に博物館を観光し、天文台の理解を深めた上で天文台跡を見学することになりました。ウルグベク天文台跡 史跡・遺跡
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博物館内の展示物。ティムールの生誕地シャフリサーブスに建てられてたアクサライ宮殿の化粧タイルの断片です。
悪さらい宮殿跡は明日観光する場所ですがティムールが建てた最大の宮殿と言われています。
ティムールの死後他部族から侵略され、宮殿は徹底的に破壊されました。現在は入り口の門しか残っていないそうです。 -
ティムール帝国初代君主アムール・ティムール。
ティムール帝国は9代目で滅亡しますが、ティムールの子孫はインドでムガール帝国を建国しその系譜はインドに引継がれていきます。
私はこの事は知りませんでした。建国された国が違うので全く別の帝国と思っていたのです。 -
四代目君主ウルグ・ベクの生誕。
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ティムールの生誕地、シャフリサーブスにあるアク・サライ宮殿のアーチ。
現在宮殿は破壊され38mのアーチのみが残っているが、これは創建当時のアーチの模型。創建時は50メートル以上の高さがあったそうです。 -
ティムール帝国時代の貨幣。
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アムール・ティムールの伝記。
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ウルグ・ベクの伝記だったと思います。
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ウルグ・ベク時代の陶器。
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ウルグ・ベク天文台の象限儀(昔の天文観測器具、四分儀)の断片
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恒星年(地球が太陽の周りを1周する時間)の比較表。
各天文台で観測した恒星年の長さが記入されていますが、ウルグ・ベク・天文台で観測した1年の長さは365日6時間10分8秒。
現在の最新技術で測定した長さは365日6時間9分6秒です。
現在の測定時間と誤差は1分未満にすぎません。望遠鏡もない時代にこんなに正確な観測をしたとは驚きです。 -
ウルグ・ベク天文台の模型。
建物は3階構造で高さ30m、敷地は東西85m南北170mでした。
建物や天文観測器具の地上部分はウルグ・ベクが亡くなった後に破壊されましたが地下に六分儀が残っていました。
六分儀の長さは11m、かつては建物の3階部分まで続いていたそうですが、六分儀の本体は地震による被害を避けるために地下に設置されていたため幸いにもその形を今に留めることができました。
六分儀の半径は40.4mで当時世界最大の象限儀(四分儀)でした。子午線円弧の半径は約50mもあったそうです。
この天文台では30年に渡ってカジゾーダ・ルウーミ、ジャムシッド・ギヨスッディン・アル・カーシー、アリ・クシチという優秀な学者の指導によって天体運動の測定が行われました。 -
天文台の断面図です。六分儀は地下部分に繋がり、円弧の先は建物の3階の端まで繋がっていた様子がこの断面から理解できると思います。
円弧そのものは四分儀になっていたそうです。 -
ウルグ・ベクのジジャ(スルタン天文表、ウィキペディアではズィージ・スルターニ(英語版)と記述されている。)です。グラガ表とも呼ばれています。
1018の星のカタログと理論的な序文からなる天文表で、ウルグ・ベクの庇護のもと天文台で働いていたアル・カーシーやアリ・クシチらイスラム天文学者たちの合作によるものでした。 -
各国で翻訳されたウルグ・ベクのジジャ(天文表)。
イスラム圏だけでなく多くの国で翻訳され天文学者らに多大な影響を与えました。 -
ウルグ・ベク天文台は1449年ウルグ・ベクが亡くなった後に狂信的なイスラム教徒によって地上部分が破壊され、月日が経つうちにその存在は忘れられましたが1908年ロシアの考古学者ヴィヤトキンによって発見されました。この写真は天文台を発見した時の写真です。
ヴィヤトキンは天文台の正確な位置が書かれた寄贈文書を探し出し、天文台を発掘したそうです。 -
インドのジャイプールーにある天文台(ジャンタル・マンタル)。
18世紀ムガール帝国時代に建てられた天文台ですが、この天文台もウルグ・ベク天文表の影響を受けたスルタンによって建てられました。
このようにウルグ・ベクとその当時ウルグベク天文台で働いた優秀な天文学者たちの研究成果は時代や国境を越え多くの人達に影響を与えました。 -
ウルグ・ベク天文台跡です。天文台の円形の基壇と地下の六分儀が残っています。
写真は天文台跡の全景です。ウルグベク天文台跡 史跡・遺跡
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写真右の門が地下の六分儀への入口です。
ウルグベク天文台跡 史跡・遺跡
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六分儀は地下にあるため、屋根を設けて覆いかぶさるように保存されていました。
では中に入ってみましょう。ウルグベク天文台跡 史跡・遺跡
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扉を開けて中に入った瞬間に見える光景がこれです。
これが地中に設けられていたがために破壊されずに残った六分儀です。
ウルグ・ベク天文台の六分儀は壁面六分儀と呼ばれ、岩盤に南北方向に溝を掘ってここに円弧を置いています。半径は40.4m、この形式の六分儀は正確な太陽観測ができ正確な1年の長さを決めることができるそうです。
この天文台が極めて正確な1年の長さを測定できたのもウルグ・ベクが壁面六分儀を採用したからでしょう。ウルグベク天文台跡 史跡・遺跡
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円弧の両側には階段が設けられ観測を実施する助手が入ることができました。
六分儀の先(光が入って来る方)は地中から地上に出て、ここから建物の3階まで突き出ていたそうです。想像するだけでも如何にこの天文台が大きなものだったか。イスラムの数学、天文学がいかに進歩していたか驚きです。
片や欧州は暗黒の中世と言われた時代でした。数学も天文学も科学も神の前では何も認められない宗教絶対の時代、イスラムに比べて遥かに劣っていたんですね。
この時代、志ある者はイスラムの世界に飛び込んで最先端の学問を学んでいたそうです。ウルグベク天文台跡 史跡・遺跡
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こちらは天文台入口の反対側。奥に見える建物が博物館です。
ウルグベク天文台跡 史跡・遺跡
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反対側からはどのように見えるのか。カメラで中を覗きました。
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入口側からは六分儀の円弧がはっきり分かりましたが、反対側からは円弧の軌跡がはっきりしませんでした。
ウルグベク天文台跡 史跡・遺跡
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天文台跡と博物館。
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再び天文台入口側。右の建物が博物館です。
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横から見た博物館。壁面のモザイクが朝日に映えて美しい。
次はコニギルメロスの紙すき工房の見学です。丘の下で待っているバスに乗り込み工房に向かいました。 -
サマルカンド市内の民家の様子。
天文台付近の道路は舗装されていますが、市の郊外の住宅地はまだ未舗装の道路がかなりありました。 -
コニギルメロスの紙すき工房です。建物本体は工房とシルクペーパー(サマルカンドペーパー)で製作した作品を販売する売店がありました。
サマルカンドで作られていた紙は桑の木を材料にしていたことと、紙が絹のような光沢をしていたためシルクペーパーと呼ばれていました。
光沢のある丈夫な紙はなめらかでにじまないため細工物として使われたり、コーランや印刷用紙、細密画として使用されました。
シルクペーパーは手すきのため19世紀半ばに作られなくなりましたが、伝統的製法を復活させようと1998年から再びここで作られるようになりました。コニギルメロス 体験・アクティビティ
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建物には水車がありました。この様な水車小屋で紙すきが行われていたのです。
コニギルメロス 体験・アクティビティ
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工房の側では2人の女性がなにやら作業中。
コニギルメロス 体験・アクティビティ
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桑の木からはいだ皮を加工しているところでした。
はいだ桑の木の皮は水に漬けて柔らかくし、表皮の部分を小刀でそぎ落とします。 -
表皮を小刀でそぎ落としているところ。
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表皮をそぎ落とした皮を釜に入れて煮込みます。
これは皮の繊維を柔らかくするためです。 -
工房の内部の様子。作業場は非常に殺風景でした。
コニギルメロス 体験・アクティビティ
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水車の杵と臼。窯で煮込んだ桑の木の皮を臼に入れ、水車が回す杵で突きます。
このようにしてさらに皮の繊維を柔らかくします。コニギルメロス 体験・アクティビティ
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そして次の行程が紙すきの作業です。紙すきの行程は和紙と同じなので想像しやすいと思います。紙すきは洋の東西を問わずどこも同じなんだなと思いました。
すいた紙は板のどに張り付けて乾かします。 -
乾かした紙にはに石の重しを載せてさらに圧を加え、平らな紙にします。
和紙ならこれで完成ですが、シルクペーパーはもう一工程あります。
それは乾いた紙の上からつるつるした貝で擦るのです。そうするとあーら不思議、紙の表面がみるみる内に艶を増し光沢のある紙に変化していきました。
これぞ正しくシルクペーパー。つるつるしているので字が書きにくいかと思いましたがそうでもありません。字はちゃんと書けますしペンが滑ることもありません。
もちろん印刷の滲みもありませんでした。
古い時代には魔法のような紙として珍重されたのでしょうね。
この工房は紙すき体験ができます。工房のスタッフに体験してみないかと勧められたので紙すきではなくシルクペーパーの最終工程、紙の上から貝で擦る作業をやってみました。
確かに貝で擦る度に光沢のある紙に変化していきました。コニギルメロス 体験・アクティビティ
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工房の看板もシルクペーパー製。
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作業場の隣の部屋がショップでした。紙バッグやプリントされた敷物、文房具など色々な紙製品を販売していました。価格はウズベキスタンの物価から考えたら結構高い感じがしました。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
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