![立春とは言うもののまだ体感的には真冬の2月に、この時期にしか観ることのできない絶景を探す旅へ家族と共に出ました。<br /><br />訪れたのは世界遺産・日光東照宮の真裏にある小さな谷間の雲竜渓谷で、往復7時間を歩いてたどり着いたその場所にあったのは、巨大ツララが崖面いっぱいに連なる氷の谷;氷の回廊と高さ100メートルを超える巨大な滝が凍りついた氷瀑でした。<br /><br />氷の谷は太陽の光が当たるとアイスブルーにキラキラと輝き、巨大ツララというよりはギリシア神殿の柱が並んでいるかの様な荘厳さを感じる風景で、谷間へと足を踏み入れた者は皆、その冷たく美しい冬の絶景に息をするのも忘れる美しさほどでした。<br /><br />初めて雲竜渓谷を訪れた私たちも言葉なくその絶景にみとれましたが、時として自然は美しいだけではなく牙を剥くもの。<br />2時間の谷での滞在時間の間に、あと数メートル立ち位置が異なっていたらケガではすまなかった氷壁の崩落、そして落石に遭遇しました。<br /><br />地球が作り出す絶景は人間が創造する同様の景色よりも遥かに壮大で、フォトジェニックなんていう単語で言い表せないほど心を打つ光景でしたが、一方で予測できない危険を孕んだ場所でもあり、アドベンチャーとリスクは紙一重であることを改めて思い知らされました。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/11/33/01/650x_11330120.jpg?updated_at=1519741653)
2018/02/11 - 2018/02/12
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ウェンディさん
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立春とは言うもののまだ体感的には真冬の2月に、この時期にしか観ることのできない絶景を探す旅へ家族と共に出ました。
訪れたのは世界遺産・日光東照宮の真裏にある小さな谷間の雲竜渓谷で、往復7時間を歩いてたどり着いたその場所にあったのは、巨大ツララが崖面いっぱいに連なる氷の谷;氷の回廊と高さ100メートルを超える巨大な滝が凍りついた氷瀑でした。
氷の谷は太陽の光が当たるとアイスブルーにキラキラと輝き、巨大ツララというよりはギリシア神殿の柱が並んでいるかの様な荘厳さを感じる風景で、谷間へと足を踏み入れた者は皆、その冷たく美しい冬の絶景に息をするのも忘れる美しさほどでした。
初めて雲竜渓谷を訪れた私たちも言葉なくその絶景にみとれましたが、時として自然は美しいだけではなく牙を剥くもの。
2時間の谷での滞在時間の間に、あと数メートル立ち位置が異なっていたらケガではすまなかった氷壁の崩落、そして落石に遭遇しました。
地球が作り出す絶景は人間が創造する同様の景色よりも遥かに壮大で、フォトジェニックなんていう単語で言い表せないほど心を打つ光景でしたが、一方で予測できない危険を孕んだ場所でもあり、アドベンチャーとリスクは紙一重であることを改めて思い知らされました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
今年の冬は、ここ何年か見送ってきた冬のアクティビティを再開することに。
冬の遊びと言えば、スキーやボードを思い浮かべる方が多いと思うが、我が家のWinter Activity と云えば、スノー・トレッキング。
以前から行ってみたかった氷の谷;雲竜(うんりゅう)渓谷へと1泊2日で氷爆を見に出かけてきた。雲竜峡 自然・景勝地
-
厳冬期の雲竜渓谷はここ数年の間に一気にその名を知られるようになったアイスクライミングの練習場で、渓谷の切り立つ崖にできる巨大な氷柱や雲竜滝(大滝)が完全凍結して出来る氷瀑はクライマーだけではなくスノートレックを愉しむ人達にも大人気で、私達が訪れたこの日も朝6時半の段階で駐車場はあと1台停められるかどうかの混み具合だった。
(写真:滝尾神社の駐車場) -
アイスブルーに輝く氷の谷ができる雲竜渓谷の所在地は栃木県日光市で、世界遺産でもある日光東照宮の裏庭にあたる場所だ。
渓谷へアクセスする場合の駐車スペース(あくまでもスペースであって駐車場ではない)は林道沿いには何カ所かあるのだが、厳冬期は一番下の滝尾神社の駐車場(最大15台程度駐車可能)が一番お勧めだ。
林道の一番下のパーキングをお勧めする理由は、この時期の林道の路面状態。
氷の谷が一番美しく見える1月下旬から2月上旬は厳冬期で、この辺りの林道の路面はガチガチの圧雪でツルツル。
例え車の足回りがスタッドレスタイヤであっても、凍結した雪の坂道での運転に慣れている方以外は林道を上がる道はお勧めしない。
(写真は、滝尾神社の駐車場に車を止めてからの歩き始め(朝7:30頃)の林道の路面) -
そして、冬に雲竜渓谷へと行く場合には駐車場以外にも注意をしておかなければならない大切なことがある。
大切な事とは、特に女性にとっては重要事項であるトイレの問題。
滝尾神社の駐車場から雲竜渓谷までのトレッキング道(歩くだけで最低往復5時間弱が必要)にはトイレは1つも無く、雲竜渓谷へ氷瀑を見に行く場合には、冬なのにトイレを6時間程度(渓谷での滞在時間を含めて)を我慢しなくてはならない。
男性の方は、チョット道の端っこで…などが可能かもしれないが、女性にはその技は難易度が高い。
トレッキング道は写真の様な道で山側には石製の土砂止めが設置されていて、木々の影に隠れてお花摘み…という優雅な真似を出来る場所は殆どなかった。
だから、駐車場へ車を止める前にコンビニ等でトイレを済ませておくことは非常に重要なミッションとなる。 -
駐車場から雲竜渓谷までのアクセスは、ひたすら歩くのみ。
滝尾神社の駐車場からこの写真の看板の所までの林道の登りで約50分かかった。 -
看板の脇には登山カードを提出する箱があるので、渓谷へと入る旅人は此処でのカード記入を忘れてはいけない。
そして、この看板の場所で気にしなければならないのは、ここから先の雲竜渓谷までの進路のとり方だ。 -
地図看板を拡大したモノがこちらで、真ん中の黄色○の場所が看板の設置場所となる。
地図だけを見ると、雲竜渓谷へと歩いて行くには沢沿いの道推が奨されているように読み取れるが、それは夏期の話。
冬は沢沿いの道は雪で覆われていて道そのものが分かりにくく、道に迷うことが多いそうだ。 -
だから、氷瀑を見に行く時のアクセスルートは【立ち入り禁止】と書いてあるクネクネ道の林間コースで、この場合の立ち入り禁止の意味は【車の進入が禁止】という意味になる。
車止めの先に続くクネクネ林間コースを歩いて行けば雲竜渓谷までは1本道なので、道に迷う心配はない。 -
ただ、道が分かりやすい林間コースにも難点があり、ダラダラとしたつづら折りの登りが続く道なので、歩いていても景色は殆ど変わり映えせずに単調な景色が続く。
高台を歩くので日光市方面の小さな雲海が見えたのがちょっとした慰みだったかな。
-
林間コース経由の歩行時間は看板のポイントから洞門岩までの約75分。
駐車場からの林道+看板以降の林間コースだけ約2時間の(面白味のない)雪道歩きで、氷の谷までの道のりは予想以上に遠かった。
(動物の足跡は雪道にたくさん残っていた。この足跡はウサギさんだ) -
雲竜渓谷までのトレッキング道は案内標識がない道で、ルート沿いで雲竜渓谷と書かれた案内標識を見たのはこの写真の1枚だけ。
私自身も事前に以前に行かれた方のネット上のブログ等で学習して、道筋などを頭にいれていかなければならなかった。
もう少し、氷瀑関連の案内標識が辻にあると分かり易くて良いのだけどな。 -
洞門岩に辿り着いたのが9時半頃。
ここから先は本格的な雪道でアイゼンが必要な道なので、この洞門岩でアイゼンを装着する登山者も多い。 -
この日は朝6時頃までは小雨が降っていたが歩き出してからの空は快晴で目の前には女峰山の稜線がくっきりと見えていた。
気温も少し高めで雪山トレッキング日和にも思われたが、気温の上がる日は雪が解け始めて道がぬかるんだりするので、却って歩きにくいこともある。 -
トレッキング道の途中には沢渡りが何カ所かあり、普通の登山靴でのトレッキングは無謀以外の何物でもなく、沢水が浸みてきた場合には下手をしたら足が凍傷を起こす可能性がある。
冬の雲竜渓谷へのトレッキングには冬山使用の登山靴がマストアイテムだ。 -
沢を1本渡ったところで、私たちもアイゼンを装着。
-
此処から先のエリアは地面も凍っているため、つま先部分に爪のある12本爪のアイゼンが必須だ。
人によってはチェーンアイゼンや軽アイゼンの方もいたが、やはり足をシッカリとホールドできなく歩き難そうだった。 -
洞門岩からは軽い登り道が30分程度続き、雲竜渓谷の入口へと到着する。
渓谷入口の先に氷の谷;氷の宮殿があり、ここから渓谷の最深部までの所要時間は30分ほどだ。 -
渓谷入口から歩き出すとすぐに道は沢道になり、両側の崖には石清水が凍りついた小さな氷柱が現れ始める。
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氷柱のサイズは沢の奥へと行くほど大きくなり、その高さはあっという間に背丈を超えて見上げるサイズに。
-
イチオシ
そして、氷の回廊が現れた。
-
氷の回廊の高さは高くても8メートル程度だがその幅は50メートル以上はあり、なかなかの迫力。
-
イチオシ
思わず皆が足を止めて、列柱が立ち並ぶようなその光景に見入ってしまう。
-
まったく人の手が加わっていない自然が作りだした氷の芸術。
崖からゆっくりとしみだしてきた雨水がゆっくりとゆっくりと時間をかけて凍るから、この様な不思議な景観が出来るのだろう。 -
イチオシ
エイリアンの口?
海を漂うクラゲ?
見方によって、何にでも見えてしまう。 -
イチオシ
1月に見に行った秩父の氷柱と単純比較はできないのだが、やはり規模が全然異なり、ダイナミックさが格段に雲竜渓谷の方が上。
2018年の1月の冷え込みが厳しかったのでここまで美しく氷が成長したのだろうが、人工のライトアップの力を借りずとも、その天然の美しさだけで見る人の心を鷲掴みにする氷の回廊。
自然の力って偉大だよね。 -
そして、渓谷は更に奥へと続いている。
-
渓谷の崖には一面に氷壁がある訳ではなく、あくまでも石清水が染み出る所のみにツララが出来、それが成長すると氷壁になる。
この辺りの岩は水の浸みだしが少ないらしい。 -
トレッキング道は1本道で、登山者は後ろからどんどんやって来る。
あんまりのんびりとツララ見物をしていると渋滞を作ってしまうので、私たちも先へと進む。 -
前方の氷壁で面白そうなことをしている方々を発見!
アイスクライミングだ。 -
相棒はもともと沢登りをしていたので、その様子に興味津々で見入っていた。
-
クライマーの方は氷壁にとりついたかと思うとあっという間に上の方へと登っていく。
手に持ったピッケルで躰を支え、つま先の爪を使って登っていくアイスクライミング。
面白そうだが、私の腕力では無理そうだ。
そんなクライマーの方を見ている時に、私の目が右目の端で何かの異変を捕えた。 -
「何?」と思って右を振り返った瞬間、視界に飛び込んできたのは崖の上部から砕けて落ちる大きな氷柱。
大きな音と共に崖からぶら下がっていたツララが崩壊し、地面に叩きつけられた。
この写真は氷柱が崩壊した後の物だが、写真左側の崖上部の茶色く水分が付着している部分。
あそこの上部にあったツララが落ちたようだ。
落ちたツララのサイズは私の体幹よりも太く、もしあの瞬間に登山者の誰かがあのツララの下に居たら、もし私たちがクライマーに見とれずにそのまま歩き続けていたら、先ほどの巨大ツララの崩壊に巻き込まれ、怪我では済まない事故になっていたかも知れない。 -
崩壊したツララの直径は軽く20cmは超えている。
こんなのが頭の上に落下してきたら、命はないだろう。 -
幸いなことにこの日に落下したツララは氷柱の本体ではなく付属部分だったから規模もそれほど大きくはなく、誰も怪我をしなかったが、目の前で崩落現場を見てしまうと、やはり怖いと思ってしまう。
-
ちょっと怖い経験の後は、雲竜溪谷の氷の女王;ラスボスである大滝への挑戦だ。
大滝は雲竜瀑とも呼ばれ、滝口から滝壷までが厳冬の冬にだけ完全氷結する。 -
雲竜瀑のアタックはちょっと危険なので、背中のザックは渓谷の行き止まりの雪の上にデポして(置いて)貴重品とカメラだけを身に付けて歩き出す。
-
イチオシ
この場所に辿りつくまで使ってきたトレッキング・ポールも置いて、代わりに手に持つのはピッケル。
この先の道はガチガチに凍りついた急坂のトレイルで、更にトレイルの脇は切り立っている崖なので、万が一滑落した時に滑落止めと成り得るピッケルは非常に重要なアイテムだ。 -
そして、辿りついた雲竜瀑。
高さ100m以上ある滝が完全氷結しているその姿は圧巻。
滝壷部分から見上げているので滝の全容は見えないが、見える部分だけでも見事な氷瀑だ。
写真ではそのサイズがわかりにくいが、滝壺部分に映っている身長157cmの娘と比較してもらうと氷瀑の大きさが分かるかな。雲竜瀑 自然・景勝地
-
私もヘルメットをかぶり、滝の真下までよじ登って滝を眺めてみる。
凍った滝の水の形はまるで、巨大なウェディングケーキや裾が広がるドレスのペチコートの様。 -
雲竜瀑の周囲の崖には立派な氷柱が並んでいるのだが、雲竜瀑があまりにも大きすぎて、氷柱の凄さが霞んでしまう。
-
先ほどの氷壁の崩落現場を見ているので、滝の本体にあまり近づくのは怖いのだが、どんな風に氷が形成されているのか興味があり、出来るだけ短時間で近くまで行き、望遠レンズでその様子をのぞき見る。
幾重に重なったツララが氷瀑を形成していることが良くわかった。 -
雲竜瀑は正面からだけではなく、その側面から見ると雰囲気が変わるという事だったので、見る位置を変えるために相棒と近くの丘へと登り、その景色を眺める。
娘は滝の下から眺めているという事だったので、ヘルメットを被り崖下に居るように伝え、私と相棒が丘の上へと登った。
たしかに雲竜瀑は角度により見え方が異なり、それはそれで面白かったのだが、相棒と私は娘を一人で下に置いてきたことを後悔することに…。 -
私たちが丘の中腹で雲竜瀑を眺めていた時、氷瀑の左側の崖の上で、バン!という何かが弾ける音がして、振り向くと同時に崖の上から大きな石が数個、空中を飛んできた。
石の落下方向は、娘がいる滝壷方向。
石の大きさは人の頭よりもはるかに大きいサイズ。
すぐに娘の名前を呼んだのだが、娘からは返事が無く、慌てる相棒。
私も彼も転がるように丘を走りおり、滝壷方向へ。
そこにいた娘は、若干放心気味。
落石の音を聞いたときに彼女は私たちと別れた時と同じ体勢のままスマホでお友達とラインをやっていて、空を見上げた時にはもう顔の横を岩が数個飛んでいたそうだ。 -
娘には怪我はなかったが落石の着地地点は彼女から僅か2メートルも離れていない距離。
この写真の石がその内の1個の石で、新生児の頭程度のサイズがあった。
娘の近くにいた別の男性は、小粒の岩が肩に当たったらしい。
幸い怪我はされなかったようで良かったのだが、まさか自分自身が1日で2回もこんな現場に遭遇するとは思っていなく、自然が作り出す芸術の美しさと自然災害の怖さを身を以て体験した。 -
雲竜瀑の周辺は落石の危険があったので早めに撤収し、荷物をデポした崖下へ山を下る。
-
時刻は11時半だったので、ランチタイムをする場所を探す。
渓谷にはクライマーの数も増え、丈夫な氷壁で登攀の練習をしている方も多かった。 -
ランチ場所に決めたのは、氷壁から離れていて万が一の事態が起きた時にも確実に逃げ切れる場所。
あんなことを2回も経験してしまうと行動が慎重になる。 -
ランチは体が温まるカップ麺。
スープとしても飲めるので一石二鳥だ。 -
昼食を食べたら、渓谷部分の散策。
崖から垂れ下がる氷柱へと近づき、その様子を間近に観察する。 -
イチオシ
遠目に見ると一枚の壁に見える氷壁も、近づくと凹凸があるツララの集合体がカーテンのように並んでいることが分かる。
-
渓谷部分の氷柱の高さは10メートルを超えるものも多く、ツララと言う可愛らしい言葉が似合わないほどの荘厳な風景。
-
ツララの下部は氷の融解により鋭くとがり、これだけで十分凶器と成り得る状態で、さすがの私もあの尖ったツララの下へと潜る勇気はなかった。
-
でも、この位ごっつい氷壁ならば私でも傍に行けた。
-
氷壁を遠目に見ていても氷の色が青いのは分かっていたが、そのすぐ脇から氷を眺めると更に青さが増して見える。
氷が青く見えるのは崖肌からしみ出してきた石清水が泡立たずにユックリ時間をかけて凍り、氷の個体の中に空気の粒が入り込む余地が無かったから。
家庭で作る氷の芯が白く濁るのは製氷する時に水の中に空気が沢山入り込み、その空気が光を乱反射するからなんだって。 -
巨大氷柱の裏側に入り込んで、そこからの景色を楽しんでみたり…。
でも、こんなことをしていたのは私と相棒だけ。
娘は先ほどの空飛ぶ岩の残像が頭にあり、巨大氷柱の下へと入るなんてトンデモなかったようだ。
少し言い訳的にはなってしまうが、雲竜渓谷の氷柱の場合は危険なのは崖からぶら下がっている成長途中のツララ状の太い氷柱で、ある程度固まって大きくなってしまった部分は、なかなか崩れにくい。
更に私が近くまで行った氷柱は、崖が張り出したところに出来ているので、たとえ氷柱が崩れてもある程度は崖のひさし部分が守ってくれる筈だ。 -
時刻は13時。
登りに3時間をかけて、ゆっくり渓谷の氷柱を愉しんで、そろそろ下山の時刻。
下山には2時間程度と考えていて、寒くなり始める3時までには山を下りたいと考えていた。
だから、この景色が雲竜渓谷での見納めの景色となった。
結局、下りに要した時間は1時間40分で、14:40には滝尾神社の駐車場へと戻ることが出来た。 -
氷瀑トレッキングの〆は滝尾神社への参拝。
この日の危機的な事故を二つも免れたことを神様に感謝をする。
滝尾神社の御神木は3本の杉の木。
拝殿でお参りをしたあとは奥の院の御神木への感謝も忘れずに。滝尾神社 寺・神社・教会
-
そして、この日は久々の霧降高原でのお泊り。
娘の大学1年生の終了をお祝いするためにペンション【ザ・ページェント】を予約しておいた。
高級な宿ではないが、夕食のコース料理が美味しい事で名を知られているお宿だ。
(お風呂は貸切風呂が9つあるが、これは期待しない方が良い)
トリプルルームにはベッドルーム以外にもソファーのあるリビングルームがあり、居住性も悪くはなかった。ザ ページェント 宿・ホテル
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そして翌朝はゆっくりと寝て、霧降の滝まで行ってみた。
霧降滝は水量も有るのでさすがに氷結はしていない。
紅葉の時期の光景を見慣れていると、枯れた山の中を迸る滝の姿はちょっと寂しげかな。霧降滝 自然・景勝地
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イチオシ
帰路は今市ICまで車を走らせる途中で、日光の憾満ヶ淵へと立ちより化け地蔵様とちょっとだけ対話の時間。
憾満ヶ淵は冬仕様に赤い毛糸の帽子をかぶったお地蔵様たちはなんだか可愛らしくって、日光へと来ると寄ってしまう場所だ。
お地蔵様の「化け地蔵」の名前の由来…。
それは、お地蔵様の数が数える度に一体多かったり、少なかったりするから。
お地蔵様たちは茶目っ気がたっぷりで、参拝に来る人達をからかって面白がっているんだって…。
私が以前に数えた時のお地蔵様は75体だったのだが、この日に娘が数えた時には84体だったらしい。
さすがに、それは変わりすぎだと思うけどね♪憾満ヶ淵(含満ガ淵) 自然・景勝地
-
旅行記の最後に雲竜渓谷の氷瀑トレッキングの情報を纏めておく。
【雲竜渓谷の氷瀑トレッキング情報】
≪駐車場≫
・滝尾神社脇に15台ほど駐車可能
週末は朝7時前には満車
・林道の脇にも数台分の駐車スペースはあるが、基本は地元の方用の場所
・冬季の林道は圧雪がツルツル
・雪道運転に慣れていないドライバーさんは林道を滝尾神社よりも上へと向かうのは危険
≪歩行時間≫移動だけで最低往復5時間は必要。
滝尾神社-車止めのゲート 登り50分 下り30分
車止めのゲート-(林間コース)-洞門岩 登り80分、下り60分
洞門岩-雲竜瀑 登り50分、下り30分
≪注意点≫
・トレイル中にトイレはないので、駐車場へ向かう前にコンビニ等ですませる
・落石や石柱崩壊の危険性がある(実際に体験)
・ヘルメットは持参する方が安心
・アイゼンは必須で、可能ならば12本爪が安心
・登山靴は冬用が必須で、軽量トレッキングシューズなど防水が中途半端なものは不可。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- mayたんさん 2018/02/18 15:46:59
- 自然が造り出すもの
- ウェンディさん、お久しぶりです。
氷瀑の規模がすごいですね。
雪山を歩くと滝が氷った姿を見かけますが、でかさが違う!
それにしても二度の落石、落氷?無事でよかった。
間近で二回もあると怖くなっちゃいますよね。
美しいスノートレックうらやましいです。
May
- ウェンディさん からの返信 2018/02/19 19:55:14
- RE: 自然が造り出すもの
- mayたんさん こんばんは。
日光の氷瀑の事を知ったのは10年前位かな。
その頃はアイスクライミングの練習場として有名な場所だったのですが、SNSの普及であっという間に冬山ハイキングの人気の場所となってしまったようです。
ダイナミックなツララと100mの高さの氷瀑は日本離れした景色ですが、あまりに映像として有名になりすぎたおかげで軽装で雪山トレックに来ている方たち(アイゼンを持たない方たち)の姿も少なからず有り、何か事故があった時は自己責任とはいえ、危うさも感じました。
雪山は天気が良い時は歩いていて最高に気持ち良いですが、いったん天候が崩れたら、その牙の恐ろしさは計り知れないもの。
雪山に入る時にはそれなりの準備が必要だと思うのですが、それを理解しない方たちもいるようです。
今回は目の前での氷柱の崩壊や落石など、ドライシーズンの山ではまず遭遇しないアクシデントに会い、私自身もヒヤリとし、雪山を歩く時は危険が隠れていることを絶えず忘れてはいけないという事を再認識したトレッキングとなりました。
ウェンディ
-
- fujickeyさん 2018/02/15 14:38:10
- 青空は嬉しい反面。。
- ウェンディさん、こんにちは。
家族でこんなに美しい景色を共有できるなんて羨ましいです。
途中にちょこっと出てきた娘さん、ウェンディさんに似ていますね。
当然ですが・・・
秩父の氷柱とは比べものにならないくらいのサイズと美しさと力強さを感じますね。
青い氷柱の美しいこと。鍾乳洞のように見えました。
そんな自然に美しさの裏には危険が潜んでいる。。。
写真的には青空と氷柱なんて最高な組み合わせですが
青空=晴れ=気温上昇で氷は溶け始めますね。
スノーシューで雪山に行くときもお天気の時は喜びつつも
雪崩の危険があるので雪崩のコース前を歩くときは緊張します。
さらに落石で娘さん危機一髪。
ウェンディさんも旦那さまも気が気じゃなかったでしょうね。。
怪我がなくて本当によかったです。
fujickey
- ウェンディさん からの返信 2018/02/17 00:42:47
- RE: 青空は嬉しい反面。。
- fujickeyさん こんばんは。
今年の冬は秩父の三大氷柱に引き続き、日光の雲竜渓谷へと歩きに行ってきました。
初めて雲竜の氷壁の写真を雑誌で見た時には、どんなに山奥にあるのだろう…、きっと辿り着くのも大変なんだろうなぁ…と思っていましたが、調べてみたら、トレイルヘッドまでは高速を使えば我が家から2時間の距離。
東武日光の駅からだってタクシーで15分で、トレイルヘッドへと到着できるお気楽トレッキングでした。
距離的には気楽だったのですが、現地では目の前での巨大ツララの崩落や落石などこの時期にありがちなトラブルを経験して、美しい自然の裏に潜む危険についても学ぶ機会を得て、ドキドキ体験の一日となりました。
青い空にアイスブルーに輝く氷壁はとっても綺麗でしたが、気温が上がるという事は氷や雪が溶けて地盤が緩むというコトなので、雪山遊びは十分な安全対策が重要ですね。
夏山もある意味同様ですが、自然は生きているので人間の思い通りにはならないモノ。
でも、そんな自然相手に挑む山遊び、楽しいですよね。
ウェンディ
-
- 玄白さん 2018/02/13 20:18:01
- 迫力の雲竜渓谷、いつかは挑戦したいと思い続けていたものの・・・
- 地元(?)の雲竜渓谷、いつかは行きたいと思い始めてから早や7年。アイゼン、ピッケルなど冬山装備が必要なものの、冬山登山をする気はなく、雲竜渓谷に行くためだけに準備するのもどうかなどと躊躇している間に、リタイア直後の体力は年々衰えるばかり。夏山クライミングどころか、トレッキング、ハイキングさえ億劫になりつつある今日この頃です。
というわけで、たぶん自分の目で見ることがないであろう雲竜渓谷の氷壁、氷瀑をウェンディさんの旅行記で楽しませていただきました。
ありがとうございました。
- ウェンディさん からの返信 2018/02/15 00:08:51
- RE: 迫力の雲竜渓谷、いつかは挑戦したいと思い続けていたものの・・・
- 玄白さん こんばんは。
雲竜渓谷は我が家も3年越しの計画の実施となりました。
日光の裏山なので、行こう思えば我が家からも2時間で行けるのですが、ここ数年は車のスタッドレスタイヤが摩耗していて厳冬期の冬山は危険だったため、車の買い替え迄お預けとなっていました。
そして今年は待ちに待った新しい冬タイヤを装着した車。
凍った道路でも怖くなく行くことが出来ました。
私も初めての雲竜渓谷でしたが、渓谷入口に辿り着くまでの林道歩きがダラダラとした冗長な登りで飽きてしまいました。
でも、氷壁が出来た渓谷自体は、日本でこんなすごい氷の造形があったなんて!と思う程の美しさ。
苦労しても行く価値があると思います。
冬山装備は経費が掛かりますが、ピッケルはなくとも何とかなりますので12本爪のアイゼンさえ準備すれば大丈夫。
玄白さんも是非チャレンジしてみてください。
お天気の良い日には気持ち良いハイキングになりますよ。
ウェンディ
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