2017/06/09 - 2017/06/10
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deracineさん
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この旅行記のスケジュール
2017/06/09
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車での移動
ホテルでタクシーを呼んでもらい Sevilla Santa Justa 駅に行く
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電車での移動
AVE にて Madrid Puerta de Atocha 駅に移動
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徒歩での移動
ホテルから徒歩で近くのソフィア王妃芸術センターを訪れる
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車での移動
タクシーでプラド美術館へ移動
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この旅行記スケジュールを元に
今回の旅の最後はスペインの首都マドリッドです
東京というマドリッド以上の大都会に二十余年住んでいる我々夫婦ですが、それでも外国の大都市は危ないので万一を考え最後に訪れました
2泊したホテルは Paseo del Arte (芸術の散歩道)その名前の通り、プラド美術館、ソフィア王妃芸術センターに徒歩圏という絶好のロケーションだったのでシニア割引を使いおトクにアートを満喫しました
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セビリアからマドリッドまではAVE(スペインの新幹線)を利用した
日本から発売されてほぼすぐにネットで購入したので 35.1 ユーロと割安だった
確か約 30 ユーロの切符があったが瞬間蒸発したようだ
6:45 Sevilla Santa Justa 発なので朝ホテルからタクシーで行った(タクシー料金は 10 ユーロ以内)トラム (セビリア) 鉄道系(地下鉄・モノレールなど)
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朝が 6:45 と早いので駅周辺の治安を心配したがそこそこ人通りもあり、懸念するほどのことはなかった
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例によってスロープエスカレーター(踏み面が階段状にならない水平型エスカレーター)に乗ってホームに下りた
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これが乗車した AVE 初代 AVE S-100 と思われる
AVEはセビリア万博の開催にあわせて 1992年4月21日 にマドリード~セビリア間、471 km が開業
内戦などの影響で鉄道路線の整備に出遅れたスペインだが現在では高速鉄道の営業距離ランキングで日本に次ぐ第3位にまで成長している(数字は2013年12月時点)
1.中国:9,904 km 2.日本:2,388 km 3.スペイン:2,225 km -
ただしホームと列車の床面との間に段差があるのはバリアフリーとは言えない
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列車内の洗面所の様子
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妻が開けるのに苦労したというトイレのドア
スペイン語表示の右にある取っ手を手前に引っ張りながら右のレバーを矢印方向(=反時計回り)に回すと開く
「開けるのを助けるために引っ張ること」とスペイン語のみで書かれていたため理解できなかったようだ -
Turista (=日本の普通車、非グリーン車)の車内
横 2+2 の座席配置 -
列車には簡単なカフェレストランがあった
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座席のヘッドレストの間には車内オーディオ?用のイヤフォンジャックが
座面の間には AC 電源コンセントもあった
上の写真:イヤフォンジャック
下の写真:ACコンセント -
車窓風景はあまり美しいものは見当たらなかった
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やがて列車は Madrid Puerta de Atocha 駅に到着した
2004年3月11日(奇しくも東日本大震災と同じく 3.11 だ)に列車同時多発テロ事件が起こった現場だけに少し緊張した
視力だけは良い愚妻はアトーチャ駅の少し手前で花が飾られている場所を目撃したという。それが事件現場だったのだろう
スペインでは列車に乗る前に空港並みの手荷物検査が行われるがこの事件の影響だろうマドリード プエルタ デ アトーチャ駅 (AVE) 駅
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駅に着いてマドリッドで滞在するホテル Paseo del Arte に行き荷物を預かってもらった
この日の午後トレドに1泊観光するのに身軽で出かけたいためで事前に日本からメールで依頼していたので快諾されたラディソン レッド マドリード ホテル
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マドリッド・アトーチャ駅方向から見た Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía(ソフィア王妃芸術センター)
ソフィア王妃とは前スペイン国王 Juan Carlos I(ファン・カルロス1世)の妻の名前
この美術館はサバティーニ館と新館に分かれていて有名な作品はこのシースルーエレベーターがあるサバティーニ館の2階に集中しているソフィア王妃芸術センター 博物館・美術館・ギャラリー
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シースルーエレベーターから見たマドリッド・アトーチャ駅
駅から徒歩圏内である -
開館時間は 10時からで、10時過ぎに行ったためか行列もなかった
写真は切符売り場窓口 -
アルハンブラ宮殿のシニア割引が EU 市民に限定ということをスペインに来て初めて知って失敗したのでここでは慎重に窓口で単刀直入に英語で確認した
「日本人だがシニア割引はあるか?」 -
確認したところ OK だった(ソフィア王妃、グラシアス!)
ご丁寧に 0.00 ユーロと表示された入場券を発行してくれた -
この美術館は19世紀末から現代にいたるコンテンポラリーな作品を展示している
その関係か入場券も下着のCMのような斬新な感覚のものだった -
セキュリティチェックを受けた後手荷物をコインロッカーに預けた
その後お目当ての作品を見て回った
美術の授業なのだろうか、小学生の一群が元気に美術館内でもサッカーのキックの練習をしていた -
この美術館は以前はサン・カルロス治療院というい病院だった
他の美術館に比べると清潔でシンプルな感じがしたのはそのためか -
中庭があって庭で休息もできる
ミロ他の作品も展示されているが時間の関係で割愛した -
まずはTV番組「美の巨人たち」で紹介されて興味を持ったダリの作品を見た
各部屋の入り口に写真のように部屋番号が表示されているので案内図を頼りに探した -
最初に鑑賞したのがこれ、ダリの「偉大なる手淫者」1929年
常人には理解に苦しむ絵なので解説すると・・・
非常にスールレアリズムなこの作品はダリ自らの性的妄想を描いたものといわれている。右上の女性は後の妻ガラであり、地面に鼻を突き刺しているような横顔はダリ本人であるという。バッタにたかるアリがダリの顔にまで上がってきており、これはダリ本人の恐怖を表している・・・(るるぶより転載)
なおレイナ・ソフィアでは有名なピカソのゲルニカを含む一部の作品以外は写真撮影はOK(もちろんフラッシュはNG) -
イチオシ
これもダリの作品、「窓辺の少女」1925年頃
これはダリの妹アナ・マリアをモデルにした作品
上のシュールな絵と違ってこれは私のような凡人でも素直に「上手だなぁ~」と感心できる作品だった
ダリは海の近くで育ったため故郷の海を取り入れた作品が多いそうだ -
これもダリの作品「後ろ向きに座る女」1925年
モデルは妹のアナ・マリア -
ダリの作品「子ども、女への壮大な記念碑」1929年
父親に関係を反対されていたガラの姿を初めて登場させた作品
ダリの説明によるとタイトルにある「子ども、女」(the Child-Woman)はガラのことを示す
ネットで解説を探したが難解で理解不能だった -
このモナ・リザやナポレオンの絵はダリが幼い頃英雄視していたもので、オマージュとして書いたものか?
-
次にここで一番有名なピカソの「ゲルニカ」を見た
ちょうど Piedad y terror en PIcasso, El camino a Guernica (慈悲と恐れ、ピカソのゲルニカへの道)と銘打った特別展が行われていた
これは同美術館でゲルニカが初めて展示されて18周年を記念したもの -
これが有名なピカソの「ゲルニカ」1937年頃
縦 3.5m×横 7.8m もある大きな作品
多くの人々がこの作品の前でじっと鑑賞していた
なおこの部屋だけは再入場不可となっている
なおこの絵の前にはフィレンツェのウッフィツィ美術館にあったような保護ガラスもなく、非常に見やすかったのが印象的
この絵は以下のとおり数奇な運命をたどっている
1937年パリ万国博に出品のため描かれたもので、万博終了後はヨーロッパ各国を転々とした後、MOMA(ニューヨーク近代美術館)に保管、展示されていた
1973年にピカソが死亡、1975年には独裁者フランコ将軍も死去しスペインの政情が安定するとゲルニカの里帰りを要求する声が強まる
1981年9月プラド美術館別館で厳重な管理のもと展示
1992年9月ソフィア王妃芸術センターが開館すると目玉作品としてプラドより移された
その後世界各国から貸与要望が寄せられたが全て断られたという逸品だ -
門外不出のゲルニカを見たので午後はトレドに移動した
https://4travel.jp/travelogue/11254131
https://4travel.jp/travelogue/11253977
トレドに一泊した後、マドリッドに帰ってきて今度はプラド美術館に行った
プラド美術館も本当はホテルから歩ける距離だったがマドリッド市内散策に疲れたためマヨール広場付近からタクシーに乗ったプラド美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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プラド美術館は広く、タクシーから降りてもどこに入場券売り場があるのか分からなかった
人の流れについていくと上の写真の入場券売り場(=ビリャ・ヌエバ館地上階)に着いた
例によって手荷物検査を受けた後入場した -
18時以降は無料になるのを知っていたが無料チケットを求めて混雑するかも知れないことを懸念して利用せず、シニア割引 7.5ユーロで入場した
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プラドの入場券はごらんのとおり格調高いものだった
上の絵は「ピルチェス伯爵夫人の肖像」フェデリコ・デ・マドラーソ作
マドリッド市内観光に思った以上に時間がかかったため見たことのあるお馴染みの絵を集中的に見ることにした
広い館内なので iPad で見たい絵を学芸員に見せどこにあるのか尋ねて探し回った
なお入り口には日本語の「美術館ガイド」が用意されており、この中にフロアガイドと有名な作品の展示部屋番号が書かれている -
妻が大好きなベラスケスの「ラス・メニーナス(女官たち)」、展示室12
昔買った「プラド美術館」という本で見たときは暗い絵だと思ったが実物をじっくり見るとそれほど暗いトーンではなく大きい絵で見ごたえがあった -
次に多分一番有名なゴヤの作品「裸のマハ」、展示室36
美術の教科書などでお馴染みで期待していたが等身大より少し小さく言われるように首の位置がややおかしいように見える(別の狙いがあるのかも知れないが、、)
昔と違ってヌードが氾濫する世の中ではこの絵に対する希少性が失われたのかも -
こちらは同じくゴヤの「着衣のマハ」
「裸のマハ」の隣に対比するように並べられていた
同じポーズだがやや手抜き気味 -
これもゴヤの「カルロス四世の家族」展示室32
肖像画なのにあっち向いてプンしている人がいるという、やや学級崩壊気味の家族を描いている
ゴヤ本人が左奥のほうから不気味に見る人を見つめているのも気味悪い -
宮廷画家にまで出世したゴヤだが、これはナポレオンと戦った名もない市民をたたえるために自らが進んで描いた作品
「1808年5月3日の銃殺」
侵略への激しい抵抗に立ち上がった市民の気高い姿を描いている -
ゴヤは不安定な世情や自身の病気などにより自らの意思で暗い絵を描くようになる
中でも「黒い絵」と呼ばれる14点の壁画は戦争を通じて体験した人間のエゴ、おぞましさを表しておりなかでもこの絵が有名
「わが子を食らうサトゥルヌス」
まさしく人を食った話ではなく「人を食った絵」だ -
ゴヤのおぞましい絵を鑑賞した後は一服の清涼剤のような絵を見て気分を治した
それがこれ、スペインのラファエロと呼ばれる Bartolomé Esteban Perez Murillo ムリーリョ作「無原罪のお宿り」
バラやユリの花を持った幼い天使たちに囲まれた聖母マリアが、三日月を足下に青いローブ(マント)を羽織り天を見上げている
表情はあどけなく純真無垢の白い衣服と合わせて聖母マリアの処女性が強調された愛らしい雰囲気に包まれている
ムリーリョは5人の子供を次々とペストで亡くし6人目の娘も耳が聴こえなかったという。その夭折した娘を思いつつこの作品を描いた
不幸な運命をもって生まれた娘への愛が見ているものにも伝わってくる名作だった -
プラド美術館の入り口にはスペインを代表する三人の画家の銅像が飾られて入場者を迎え入れてくれる
-
正面玄関はベラスケス、ビリャ・ヌエバ館西口にはゴヤ、東口にはムリーリョの銅像があるそうだが残念ながらこの正面玄関のベラスケスのみ鑑賞できた
今までルーブル、NYメトロポリタンを見たことがあるので今回見たこのプラド美術館を含めると世界三大美術館を制覇したことになる
しかしいずれもコレクションは膨大でとても一日やそこらで見られるものではないということがよく分かった
またこのプラド美術館でも日本では無名であるが心惹かれる作品を多く目にした
いつの日か再び訪れてゆっくりと心行くまで鑑賞したいと思った
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